さて、黒服との愉快で楽しい密談を終えまして。
翌日の朝。みんながバタバタとしている中、ダレカちゃんはセンセと一緒にゲヘナまで来てました。ホシノさん救出に手を貸してもらうためだね。
まーね?そも、早朝に退学の書類と手紙を残して消えたホシノさんでしたが、センセがホシノさんの退部届けを認めなかったから、ホシノさんは今もアビドス高校所属なワケでして。
つまり黒服とカイザーがやったことは誘拐だぞっていう初見罠なワケよ。
黒服はもう手を引いているだろーけどね?カイザーは哀れにもシャーレを敵に回してしまったって事だね。可哀想。にへへ、念入りに殺してあげよっと。
そんで、センセの思い浮かぶ最強集団なゲヘナ風紀委員会に会いに来たのだよ。シャーレに借りを作らん?イイコトで返しまっせ?
「おうおうおう!!連邦捜査局
「ダレカちゃん、コラ!ステイ!!」
「ご、ごらぁ……?」
「よーしよしよし、静かにできて偉いね〜!」
「ゴラッ!ゴッラ、ゴラァ!!」
こーして正門前でゴラッていると――
「………何だ、コイツら……」
はーい、イオリさん登場〜!可愛いね、弄り倒したいね。センセの大好物はダレカちゃんの大好物でもあるし、イオリさんも愛してるぜ。
ぐへへ、その華奢で艶かしいしっぽを丁寧に舐めたいねぇ。………んー、なんだろう。絶妙にセンセの気持ち悪さを再現出来ない。
イオリさんといえば、センセが頭空っぽでセクハラをする数少ない生徒の一人だ。なのにイオリさんは酷いセクハラをされた次の日には何食わぬ顔でトコトコと寄ってきて挨拶をするんだから、実はイオリさんの方がやべぇ奴疑惑もありまして。
「やっほ、ゲヘナ学園2年生で風紀委員会所属の御年16歳、誕生日は11月8日で身長は157cmのイオリさん!あ、趣味は大声を出すこととパトロールだっけ?どもども、ダレカちゃんだよ」
「………………ふ、不審者…」
「失敬な。ダレカちゃんだよ」
「いや、宇宙服を来た狂人は不審者じゃない訳がないだろ」
うーん、正論!次は鎧武者で来ようかな…ペロロの着ぐるみも良いね。白い布を被っただけの命名メジェドフォームもあるよ。
「…先日ぶりだね、イオリ。私のことは覚えているかな」
「シャーレの先生……まさか、あの時の仕返しにでも来たのか!?ふんっ、だったら私が相手になってやる!!」
「違うよ!?どうしてそうなるのかな…」
「…いや、カチコミって言ったのはそっちでしょ。そこの不審者が叫んでたし」
「ぬっへっへ」
「この子は脊髄反射で喋ってるからあまり気にしないでね。私も三割は聞き流すようにしているから」
酷ぇ奴だぜ……センセの人っていつもそうですよね…!ダレカちゃんのことなんだと思ってるんですか!?
てか脊髄反射で喋ってたらもっとシリアスムードになってるっつーの。ダレカちゃんは色々とぶっ壊れな雑魚メンタルな状態ですしお寿司。
今って脳を変人恩人仕様に変換させて『ダレカちゃん』を出力している結果なのよ?それにふざけ倒さないと笑えない精神状態やし。
あーあ、これだから頭空っぽなアホセンセはアホで馬鹿で愚鈍なんだよ。まったく…心優しいダレカちゃんじゃなければ見捨ててたよ?
「……結局、何が目的なんだ?」
「ククッ…取り引きをしに来たのさ」
「は?取り引き…?」
「今、ダレカちゃんの手元には極秘写真がある。センセがどっかの武者のやってた居合切りを真似しようとして、室内で突っ張り棒振り回して花瓶を割って、しかも振る勢いが強すぎて自分の膝を打ち抜いた時の写真だけど。涙目なアホ面がチャームポイントやね」
「え…………は……えっ、なっ…!?み、見てたの!?」
「これをあげるから、イオリさんには『先生のざーこ♡ざーこ♡』って言って欲しいんだ。もしくは全力でアコさんのモノマネをするってのも良いよ」
「そんな生き恥を晒せるか!!」
「待って!待ってよダレカちゃん!?その写真私が買うから!だからキヴォトスに流出させないでね!?」
うへへ、毎度あり〜。黒服からお小遣いを貰ったばかりなのに、センセからも貰えるだなんて。ちょーラッキーやね。
んー、思わぬ臨時収入……どーしよっかな。匿名でアビドスに寄付するか、カタコンベに物資を流すか。食い物に関してはシャーレに置いてあるのを持って帰ってるからモーマンタイですし。
「……ま、それは置いておいて」
「私としては真っ先に処理したい案件なんだけどね…」
「イオリさん、センセはこう言ってるよ。風紀委員会の木っ端に用はねぇ、さっさと
「ダレカちゃんステイ!………イオリ、私達はヒナに会いに来たんだ」
「風紀委員長に会いたい?…ゲヘナの風紀委員長に、そんなに容易く会えるとでも思っているのか?」
「頼むよ」
「………そうだな、じゃあ土下座して私の足でも舐めたら――ひゃんっ!?ちょっ、まだ話の途中……んっ!ちょっと!?」
なっ…ん、だと…!?恐ろしいほど速くて、的確な足舐め……ダレカちゃんの目ですら残像が見えたぞ!?こいつぁヤベェ…内なるリビドーを
………………てかキモっ。
普通にキモイ。確かにダレカちゃんはセンセアンチ勢だけど、それを差し引いても普通にキモイ。
初めてこの光景を見た時は、コイツ見捨てようかって悩んだもん。おいコラ、頬を赤らめるな。ぶち殺すぞ。…は?ぶっ生かすんですが?……ホントに生かしてていい生き物なのか…?いやいやいや、変態だって生きてるんだど!!
「…ほら、センセ。いや先生さん……そろそろ起き上がりましょう。周りの目もありますから」
「あっ……そんな無理やり起き上がらせなくても。…ダレカちゃん、なんだか素っ気なくない?」
「いえ…そんな事はありませんよ。ええ、きっと気の所為です」
「そっかぁ…」
「な、何なんだ…!大人としてのプライドとか、人としての迷いとかは無いのか!?」
「元々はあったけど……もう無いね」
「お、おかしい!ヘンタイ!歪んでる!!」
あーあ、気分最悪だ。どーしてイオリさんから罵倒されてるのが、ダレカちゃんじゃなくてセンセなの?おかしいでしょ、この世の不条理でしょ。
万人から変人扱いされる事を目標としているダレカちゃんにとって、自分を置いて変人変態扱いされるヤツが居るってのは……なんか嫌だ。
どうしよう…ダレカちゃんもイオリさんの足を舐めるべき?でも宇宙服がじゃまだし……やるか?一か八かの、0.2秒の宇宙服解除!まずセンセは殴って気絶させるとして…
あ、ヒナさんが呆れた目でこっち見てる。いえーい!ヒナさん見ってるぅ?いや見てるっつってんだろ。
「こんなヘンタイな大人になんか――」
「何だか楽しそうね」
「えっ…い、委員長!?」
「ちょりっす。先日ぶりっす、ヒナさん」
「……また問題行動を起こすつもり?ダレカちゃん」
「失敬な。ダレカちゃんは問題行動なんて起こした事ないぜ?こっちに喧嘩売ってくるゲヘナ生をボッコボコにして風紀に貢献してるやろがい」
「その生徒が宇宙服恐怖症を発症してる件については?」
「知りゃぁせんって。へへっ、自業自得ってやつでさぁ」
「あれ?二人とも、知り合いだったの?」
そりゃあもう、ダレカちゃんが定期的にヒナさんに個チャでゲヘナ生徒の回収を頼んでるからね。
前の世界線ではあんまりなかったけど、宇宙服を着始めてからゲヘナの生徒にめっちゃ絡まれるんだよ。その度にボッコボコにしてるけどね。
何回かボコって匿名で通報している内に、ヒナさんに見つかりまして。今では気軽にメッセージを送り合う仲だね。今日の朝も道路で寝転ぶ猫の写真が送られてきたし。
「……自分の望みのために膝をつく人の姿なら、これまで何度も見てきた。でも、生徒のために跪く
「ギャルのパンティおくれーーっ!!」
「ダレカちゃん、少し黙って」
「アッハイ」
「……いや、その…委員長…先生は跪いてるんじゃなくて、その…あ、足を舐めて……」
「………?…………ッ!?!?!?」
にへへ、驚くよね。てかキモイよね。分かるぜ、その気持ち。ダレカちゃんもさ、センセ以外の人間がやってたら汚ぇ花火にしてやってるところだし。
このあと、何やかんやで協力してもらえることになった。まー、シャーレの先生に貸一つって考えたら安いモンだしね。
ホシノさんが拉致されたって事実がある以上、シャーレの超法的権限によって正義は此方にあるし。ついでに先日、ゲヘナ風紀委員会と便利屋68がアビドスで暴れた件の埋め合わせって意味もあるんじゃね?知らんけど。
今頃はトリニティでヒフミさんが動いてるし、ダレカちゃんが何かする必要性はない。便利屋68…てかアルさんにだけ脅迫メールを送っといたし、絶対に協力してくれるでしょ。
――さーて、準備は整った。
◆◆◆
実はこの宇宙服、ただの宇宙服じゃないんです。
正確には、ただ
当然、ただ重いから誰にも使えないってだけで製作を止めていたらここまでの完成度はなかった。めちゃくちゃ重いけど、ちゃんと
つまり、何を言いたいかと言えば――
「――どっせいやぁ!!」
「………………」
「どりぁぁぁ!!」
「………………」
「カンピロバクタァァァ!!」
「…アヤネ、あそこだけ世界観違くない?」
『………やっぱり通信機器のバグではなかったんですね…』
この宇宙服には
ダレカちゃんの超パワー×宇宙服パワー=最強!!
戦車の砲口を捻じ曲げて、オートマタが乗り込んでいる所をデッケェ岩石でぶっ潰して、ゴリアテは手刀で四肢と頭を刈り取る。
つまり最強ってワケ。欠点はバッテリーが持たないって点だね。そも、この高機能宇宙服は装備した人が動いた分だけエネルギーが溜まる仕様でして。
普段ならそれで事足りるんだけど、この超パワーを使ってるとすぐにバッテリー切れを起こす。そーなれば超パワーはもちろん、高機能な部分は使えないし、単なる重いだけの邪魔な宇宙服になっちゃうってワケ。
元々は人工筋肉で全動作を行う予定で造られてたけど、あまりにも重すぎて数分しか動けない。そんな欠陥品だったけど、ダレカちゃんにとっては唯一無二な神装備だった。
全力超パワーで動けるのは二分。それ以降は自分の身体だけで宇宙服を着ながら動き回って、二十分もしたらまた超パワーモードを使える。
こんなんを着て二十分も動き回れるのはアリスさんくらいだろ。ダンベルメンタルなノノミさんとかゴリラさんでも普通に無理だし。いやー、強すぎてめんご☆
アビドス砂漠に到着してから早々、センセやアビドスのみんなを待っていたのはカイザーPMCの軍勢だった。
ホシノさんがいない分のタンクはダレカちゃんが担ってるけど、センセの指揮を受けてるワケじゃあないから連携もクソもねぇって。
ま、連携なんて必要ないけどね。テキトーに最前線で暴れ回って、ヘイトを稼いで、とりまいっちゃんヤベェ奴だから最初に片付けないとヤバめ?って思わせれば良い。
「無駄無駄無駄無駄ァ!ロードローラーだァ!!」
「…ダレカちゃん、それ戦車だよ」
「わかっとるよ、シロコさん。ノリと勢いだって。ノリと勢いがあればダレカちゃんくらい強くなれるで?知らんけど」
「……なら、真似するね。………ロードローラー!!」
「シロコさん、それドローンの残骸やで?ふざけてないで真面目にやろーよ」
「……………」
あ、黙っちゃった!
…そして、セリカさんから酷く冷たい目で見られてる。言外に『人でなし…』って言い捨てられてる気がする。うーん、相変わらずセリカさんは優しいね!だいちゅき、いっぱいちゅき。
セリカさんもロードローラーやってくれないかな。めっちゃ可愛いと思うし。セリカさんの為だったら発泡スチロールでロードローラーを作る事だって苦じゃないし。
「えーい!まとめてお仕置です〜!!」
「……ノノミさん。ダレカちゃんね、最っ高の作戦を考えてきやしたぜ!」
「作戦ですか?」
「そ。まず、ダレカちゃんがノノミさんを背負います。そしてダレカちゃんが走って、ノノミさんはミニガンをバババーって撃ちます。ほら、かんぺき〜!」
「えーっと?この銃、反動が結構すごいんですよ?」
「ダレカちゃんは最強だから問題ないね。首とか脇の隙間から手を伸ばして貰いまして、持ち手側をダレカちゃんの胸に押し付けてみて。結構安定するっしょ?」
ダレカちゃんの最強戦術!機動力のあるノノミさんはヤベェってオハナシさ。めっちゃ近寄られたらダレカちゃんが殴るか銃でまとめてぶち殺すし、雑魚なら高機動ノノミさんのミニガンで一掃!!
これでミレニアムプライスはダレカちゃんのモノだぜ!!
「じゃあ試しに……お、重くないですか?」
「良い……とても、良い…」
おっふ…胸が背中に当たるぜ……正直、宇宙服で殆どの感覚は遮られてるけど…いいんだ。デケェのがダレカちゃんに押し付けられてる……その事実だけで幸せだ。
「じゃあ――往こうか!!」
「まとめて殲滅です☆」
……セリカさんが酷く冷めきった目で見てる。嫉妬かな?あとでセリカさんともやってあげよう。あんまりメリットはないけど、セリカさんと触れ合えるなら大抵のデメリットには目を瞑れるし。
取り敢えず今は暴れ回るぜ〜!待ってろよ、ホシノさん!ダレカちゃんwithノノミさんが助けに行くぜ!!あっ、背中が幸せ…