はい、ダレカちゃんです。
ホシノさん救出劇から一週間が経ちました。後日談というか、事の顛末を端的に言う……ってのもわりと難しいね。あんまりタンジュンなハナシってワケでもないし。
まず、ホシノさんは後輩たちからめっちゃくちゃお説教されてた。今回ばかりはノノミさんもお怒りでしたね。頬がプクって膨らんでて可愛かった。その頬をつつく権利、おいくら万で買えます?
ノノミさんの頬をつつきたい人生でした。
借金に関しては相変わらずだけど、トリニティとかゲヘナ、シャーレが関わったことでカイザーローンに連邦生徒会の調べが入りまして、変動金利3000%上昇ってなバグはなくなった。
ま、多少は余裕も出来るってモンだね。
あとは…精々、アビドス高校が連邦生徒会の目に止まった事くらいかな。全員が連邦捜査部シャーレの所属生徒になったし、センセがここまで肩入れして、三大学園の内の二つが多かれ少なかれ関わった案件だ。注目くらいは集めてもしゃーない。
………………。
あー、感想とか言うべきなん?おめでとーとか、ありがとーとか?死体にならないよ!やったねたえちゃん!!とか。
いや、べっつにさぁ…流石に何百回とは言わんよ?でも、何十回と繰り返した結果だし。前にセンセにも言ったけど、ダレカちゃんはセンセが基本的に何を成しても
そもそも、運さえ良ければセンセはダレカちゃんが関わらなくてもキヴォトスを救えるんですわ。その資格も人柄も、最初から持ち合わせてるし。
だから、これまでのセンセの死に関する全てがダレカちゃんの間違いだし、逃れられない罪っすね。ただの罪じゃねぇ…ド級の罪、ド罪だ!!あー、死にてぇー。死んでもループするから死ねねぇー。いつか幸せになりたいね。平和な世界で記憶喪失とかが理想。
だからホント、別に。アビドス高校を一旦は救ったからって言って、無駄に喜ばしくもないワケでして。
ま、死なせないに越したことはないないけど。やったぜ。成し遂げたぜ。次も頑張りま賞。
そんでやっと初の学園規模依頼を片付けたセンセとダレカちゃんは、ちょくちょくと依頼を片付けながらテキトーに過ごしています。
「……ダレカちゃん」
「なぁに?」
「最近…忙しくない?あまりにも忙しい。うん、忙し過ぎるよ」
「質問しながら自己完結せんといて?」
「だって……最近、ソシャゲもログインしか出来てないし…プラモデルを買いに行く時間もないし…」
「でも通販で頼んでるじゃん。ユウカさんがブチギレてたよ」
「私ほどの大人ともなれば、ユウカにバレた瞬間に土下座を敢行するから実質的には問題ないね。…でもさ、実際。ネットで買うのと実物を見て選ぶのって違うでしょう?」
「知らんわ。いやマジで知らんて、『もちろんご存知の通り』みたいな顔をされても…違いとかもまったく分からん」
「えぇ…」
コイツは何を言っているんだ?的な目を向けてきやがる……ぶち殺したるか?は?ぶち生かすんだが?生かした上で泣かせるんだが?
ゆーて、ホントに最近は忙しかったけど。
ホシノさんを助けた後も少しだけアビドスに通ってたりもしたし。主に物品の買い足しとか、管理区域の確認に各所戦闘痕の修繕。
あとはノノミさんとかホシノさんとデートしてきた……くふふ♡……まあ、毎度毎度は覚えてないけどダレカちゃんって頻繁に生徒をデートにお誘いしているんですよね。キャラ付けで。ホシノさん失踪前夜とかが良い例だね。
そーゆーのがあって、変に恩を売っちゃったから。溜まった恩の消費をして来ました。へへっ、役得やね。……『ダレカちゃん』以外でナンパなんてしないから、この展開は初体験だった。
「――そのあとは百鬼連合の百夜ノ春ノ桜花祭でドンパチやったり、またセンセの黒歴史をばら蒔いたり、ゲヘナの温泉開発部部長にダレカちゃん恐怖症を刻み込んだり…確かに忙しいね」
「最後のは初耳だけど……え、大丈夫なの?またヒナに迷惑かけてないよね」
「今回ばかりはめっちゃ感謝されたわ。てかそんなに忙しいんだったらシャーレ当番の人数とか増やせばいかがっすか?」
「確かにシャーレの所属生徒は増えてきたけど…ダレカちゃんもいるから頻度は増やす必要もないかなってね」
へへ、嬉しい事を言ってくれる野郎だぜ。飴ちゃんあげる、たくさんあげる……宇宙服の中に駄菓子は沢山詰まってるからね。
定期的に買い溜めて、宇宙服の中で保存してるんだよね。ダレカちゃんは基本的にはストレスで吐くから駄菓子なんて食べないし、ぜーんぶ配る用のモノっす。
これでカエデさんとかを餌付けしてます。いいよね、カエデさん。どことは言わないけど、アンバランスなところが魅力的だよね。ぬへへ、ダレカちゃんは純粋な子も大好きやで。
「んー、別にセンセの方針に口出しはしねぇッスけどね?忘れんなよ、シャーレ当番は希望した生徒から選ばれる。つまり、センセの手伝いをしたい人が望んで応募してるってワケ。その想い、ダレカちゃんを言い訳にして無下にするなよ?」
「……言い訳にしてるつもりはないんだけどね。ただ、シャーレの当番は義務じゃないし、生徒の貴重な青春を消費させてでもやってもらうべきなのかなって…たまに考えちゃうんだ」
「ヒュー、大人の気遣いってやつ?」
「でも…そうだね。これからはたくさんの学園に関わるし、そうなれば私だけじゃあ手が回らなくなるかもね。情けないけど、頼るべきなんだよね…」
「センセは生徒に関することで頭を使いすぎなんだって。もっと気楽に考えてもいいんじゃね?手伝いなんて、やりたいヤツにやらせたらいい。あとは…ま、シャーレ当番ってのも
「……あ、そっか。普段から忙しい子を
「仕事が落ち着いたら遊びに行くってのもいいね。建前上は何処までも"シャーレのお手伝い"やけどね。あんまり大々的に広めるとサボり魔の溜まり場になるから」
そーなったら、ダレカちゃんが片っ端から殴り飛ばして学校に送り返すんだけどね。それでもシャーレに泥を塗りたくはないし、シャーレ所属生徒に危害は加えたくない。
だからこそシャーレ当番中の生徒に限って、センセの
ヒナさんとかナギサさん、ミネさんみたいに普段からクッソ忙しい生徒には多少休んでもらう。一緒に茶ァしばくとか、仕事を早めに切り上げてゆったりとオハナシをしたりとか。
うーん、普段からワーカーホリック気味な生徒ってのも珍しいけどね。ホント、極一部よ?ユウカさんも忙しそうだ…一応、マコトさんも激務ではあると思うんだけどなぁ…それ以上にヒナさんに迷惑掛けてるし、苦労人のイメージがないね。
――おっと、お時間ですわ。おハーブ生えますわ。
「………むっ。センセ、そろそろ新しい依頼が来るぜ?この電波は…ミレニアムやね」
「えっ?………あ、本当に来た。前々から思ってたけど…キミ、なんで分かるの?アビドスとか百鬼夜行からの依頼のときも言い当ててたよね」
「独自の情報網やよ?」
「本当は?」
「いいいい言わんしぃ!?てか嘘じゃないんだしぃ!?ぎゅっ、牛乳と焼きそばパン買ってこいだしぃ!?つつつつついでにアンパンと緑茶も買ってこいだしぃ!?」
「動揺に見せかけてパシろうとしてきた!?しかもなんで後半を二つに分けたのさ…ッ!」
「ばーか、センセのぶんだよ。へへっ…奢ってやんよ」
「だ、ダレカちゃん…!まさか私の金欠を見越して…なんて優しい子なんだろう…」
ダレカちゃんとセンセは熱い抱擁を交わした。へっ、いいってもんよ。シャーレにあったセンセの食料を勝手に持って帰ったのはダレカちゃんだし、昼飯くらいは仕方なく奢ってやんよ。
「ってなワケで、ダレカちゃんは
「う、うん…任せ……………え゙…?」
「じゃあ一時間後に駅で待ち合わせなー」
「待って!待ってダレカちゃん!!なんでバレてるの!?ってかどうして毎回毎回、隠してから三日以内に暴露されるの!?」
…そりゃあアンタ、企業秘密ってやつだよ。
◆◆◆
はい、ってなワケでゲーム開発部関連の依頼が始まりますね。
今回の早急にやるべき事と言ったら、『廃墟』でのアリスさん発見だね。ゲマトリア――ゲマッさん達よりも先に見つけないとゲームオーバやね。
でもまあ、この段階でゲーム開発部の依頼に臨めるんだったら九割は成功していると言っても過言ではない。エデン条約関連前のミレニアムは一番楽だし安全だね。いっちゃん発展してるし、過ごしやすいってのもある。
…アビドス関連が変に長引いたらゲーム開発部の依頼なんて優先しないし、アビドスを解決してから多忙でストレスが溜まったセンセが"ゲーム"って響きで彼女達の依頼を優先させるし。
そーゆー意味でも順番って大事なんやねってなるよね。センセの場合、順番を経て構築された人間関係が後々の伏線っぽくなるから、無視出来んのよね。
「……さーて、今回は何を持っていこうかな」
相変わらずクッソ散らかった部屋を見渡す。
色々とあるけど、大体の必要な物はあると思う。知らんけど。ダレカちゃんのゴミか?欲しけりゃくれてやる!探せ!テキトーな物はその辺に転がってらァ!てか超絶暇で何の使命もなくて部屋に転がってるダレカちゃんの中身に関する情報諸々を死ぬまで秘匿してくれる掃除屋っていないかな。
さて、です。
何を持って行くべきか。
アビドスみたいに遭難する事もねぇし、各所での爆発とか暴走機械に関しては現状のシッテムの箱よりも優秀と名高いダレカちゃんシックスセンスで対処可能だし。
うむむ…まずはモモイさんを手懐ける為の駄菓子と、ミドリさんには………えっちなゲームとか?ダレカちゃん情報によると、いっちゃん喜ばれる。多分。
ま、忘れ物としてミドリさんの私物置き場にでも忍ばせておこう。
ミドリさんはむっつり、はっきりわかんだね。意外と偏見じゃあないんだぜ?襲われかけたことのあるダレカちゃんが保証するぜ?
ユズさんには…ま、どーにかなるか。てか知らんし……前の世界線までは同族の気配的な雰囲気で、二人そろってロッカー暮らししてたんだけどね。今は真逆のキャラやけど。
「……あ、これ持っていこう」
テッテレ〜!形容しがたいバールのようなもの〜!!名状はする。
銃で撃っても死なんのなら形容しがたいバールのようなものでボッコボコにしても死にぁせんって。実際、いつかのループのヒナさんは死ななかったし。てか何百回か叩いてる内に形容しがたいバールのようなものが先に壊れたし。
これだったら取り回しも楽だし、安い上に頑丈な消耗品だから遠慮なく『廃墟』でも投げたりぶん回したり出来るって寸法よ。
褒めて?出来れば容姿と才能を褒めて?可能であればセリカさんに褒められたい。でも安易に褒めるのはセリカさんじゃないし…ん、顔を真っ赤にして褒めた後に罵倒も付けるべき。それがセリカさん節ってモンよ。
「バールのようなものと……メメント・モリはいいや。使う場面もねぇし。手榴弾諸々はセンセを巻き込むかもなぁ…使わんとこ。宇宙服があればメリケンサックも必要ないね。むむむ…ま、手裏剣とクナイは持って行くか」
割りとどの世界線でも、イズナさんに会ったら貰えるんだよね。だからちゃんと愛着もあるし、神秘を込めれるだけの器としても優秀。
てか、イズナさんとは色んな世界線で様々な忍術モドキを編み出してるし、実は忍者っぽい動きもできる。宇宙服とか鎧が邪魔でやってないけど。
…忍ペロのキグルミは持ってるし、あれを着たときは忍者ムーブでいくのも悪くないな。厄介ファンがいるから喋らない無口キャラでやるけど。
さて、準備は整った。
イカれた
モモイさんを手懐ける為の駄菓子ィ!卑しいミドリさんへのえっちなゲームゥ!敵を殺す形容しがたいバールのようなものォ!貰った手裏剣にクナイ!!
………わーお、イカれた持ち物だね。マジで何しに行くんだってモンだよ。ヴァルキューレの生徒に職質されたら一発アウトだわ。
ま、えっちなゲームはセンセの私物だから別に没収されてもいいけどね。