昼前っす。ども、ダレカちゃん的なダレカちゃん風味のダレカちゃんだよ。
いーよいよ、センセがクッソ死にやがる死に死に期間に突入しやした。名付けるなら、
その初日としてシャーレ名義でトリニティに来たんやけど、お茶ァシバく趣味もねぇんで、センセを茶会の席に捨てて目的地に着いた今日この頃。
そんで、ペロってる気配を醸し出す教室に入りましたら――おりました!可愛いの具現化存在がおりましたとも。
「あ、あはは…その、お久しぶりです。覚えてますか?阿慈谷ヒフミです」
「あぁん!?誰だテメェ!!どーもヒフミさん、お久しぶりぶりぶり大根ですわ。ヒャッハー!あ、その節はご迷惑おかけしました……腹切って死にますね……生きててごめんなさい…切腹、させてください……」
「えっ…あ、えっと…え?…ど、何処からドスなんて取り出したんですか!?」
「宇宙服の三次元ポケットやよ?」
――そーいや、今日からトリニティ補習授業部の副担任(笑)になったよ。子供なのに副担任とはこれ如何に。ま、トリニティ生じゃないからしゃーないね。
色々と省くけど、今から補習授業部にぶち込む生徒を取っ捕まえに行く為にヒフミさんと合流したばかりだよ。ちなセンセは我が主(笑)のナギサさんから依頼内容を聞いてるよ。
そんで紅茶依存性お嬢様の腹心のダレカちゃんは、今日から毎夜毎夜、ナギサさんのセーフティハウスに通って報告と今後の方針を指示されるらしい。
メンディーですねぇ!でもやったるわボケぇ!愛すべき馬鹿共を救ったるわボケぇ!センセが救うんだわボケェェェ!!
「あの…先生はどちらに?」
「……ダレカちゃんじゃ、ダメ…?」
「………はい?」
「ダレカちゃんじゃダメなの…?こんなにも愛してるのに……ヒフミさんには、あの人しか見えてないの!?ねぇ!何とか言ってみなさいよ!!」
「あ、あうぅ…何の話なのか分かりませんよ…!」
「だーかーらー!センセはナギサさんとお話中だってば。だからもうちょっと待ってって言ってるのに……トリニティ生はせっかち、ハッキリわかんだね」
「………ところで、ダレカちゃんはトリニティの生徒だったんですね!」
お、話しを逸らされたゾ!なんで逸らしたんだい?これがわからん、マジで分からん。ヒフミさんは
まー、自称一般生徒な異常生徒だし下ネタくらいは網羅してるよね。てか、しててくれたら捗る。妄想が捗るんです。
ちなセンセは普通に知らんかったけどね。あの人はあの人で純粋無垢な変態だし、ぬきたしで義務教育を終えた程度の下ネタ脳しかないんだよね。
「ダレカちゃんは私立☆
「そんな学校ありませんよね!?」
「うん、本当は千鬼夜行と山河経に通っとるんよ」
「えっと……答えられない、ということですか?」
「にへへ――と、話してれば…見て見て、ヒフミさん!アホ面のセンセがマヌケ顔で歩いて来たよ」
「え?」
ヒフミさんになら答えても良いけど、失敗を恐れるダレカちゃんとしては不安要素の欠片すら放っては置きたくないんだよね。
だから話を逸らす。弱点を隠すのは野生の動物でもやるからね。取り敢えず、色々とナギサさんと話して複雑な気持ちになってるセンセが来たので指差してヒフミさんの意識を誘導しとこっと。
――はい、ここで状況をまとめましょ。
まず、今日から忙しくなるけど、ダレカちゃんは主に三方向に属してアレやコレをやります。
シャーレとしての表向きの目的は、ナギサさんが集めたトリニティの劣等生……は言い過ぎだけど、つまりはテストで成績がクッッッソクソだった生徒を集めた補習部の顧問として、成績の向上に努めます。
ちな本来の目的はナギサさんの疑うトリニティの裏切り者――この場合の裏切り者はエデン条約の妨害を企む輩のコトやけど、ソイツを見つける事だね。セイアさんのヘイローを壊した()犯人とも言うね。
センセからは伝えられないだろーけど、ナギサさんの腹心だからちゃーんと聞いてまっせ。
次にナギサさんの腹心としての目的。こりゃあ単純明快、トリニティの裏切り者の発見、それが難しければデデーンと
そんで最後に、孤軍奮闘な黒幕モドキ。
コレに関しては『ダレカちゃん』じゃなくて………ま、言うなれば『ウソーノ・ウラギール』として、ついでにマダムの気を惹く為に預言者としても動き回る所存。
明確な黒幕がいれば魔女っ子ミカさんの罪も減るし、マダムがウソーノ・ウラギールを殺そうとして戦力を費やせば必然的に後々のセンセの負担が減るって寸法よな。
因みに、ちゃーんと『ウソーノ・ウラギール』の衣装も用意しております。エヘへ、今回の衣装には自信があるよ?本当だよ?一目見ただけで『こいつァ黒幕だぜィ!!』って言う程の完成度やわ。
「やっほ、センセ。茶会は楽しめたかい?」
「うん、有意義な時間だったよ。ヒフミも…久しぶりだね。大丈夫?このアホ秘書に迷惑かけられてない?」
「あ、お久しぶりです……め、迷惑は…はい、大丈夫です…」
「………ごめんね、うちの秘書が」
「いえ……」
「ふんっ、センセの部屋。ベッド横の窓枠。重ねて立て掛けてるボード。その間に二冊のエッ――」
「HAHAHA!うちの最高最強の秘書が人様に迷惑をかけるワケがないよね!いやー!私の勘違いだったなぁ!!」
「先生!?」
「手首全方向駆動式か?ネジ締めろよ、落っことしちまうぞ?」
……うん、ダレカちゃんね?流石に八尺様とアレするエッ本は初めて見たよ?しかも続編もあったし。業が深いなぁ…センセ。いや、ナニがアレとは言わんけど、ダレカちゃんに隠し事ができるとは思わん事だな。
「センセ、依頼内容は把握してきた?」
「大体はね。で、キミは……」
「はっ、もち把握してるぜ?独自の情報網で、だ」
「だろうね…その点は信用してるよ。ヒフミはナギサから聞いているよね?補習授業部の設立と、それに伴って今から該当生徒に会いに行く予定のことも」
「も…目的とか諸々は何とか、ナギサ様から聞いてます。恥ずかしながら先生に迷惑を掛けてしまいます……すみません」
「……"ん"だからヒフミさんの負けね?」
「しりとりなんてしてませんよね?」
「「え?」」
「……え?」
この人さ、別に成績不良ではないんよね。
良くも悪くも普通。成績だけは普通。
単純にペロロ狂いなだけっす。テストをすっぽかしてでもライブに行く程度には信者なだけだよ。ついでに闇銀行を襲撃したグループのリーダーで、真夏の夜のいん……夜じゃない海には戦車が必須ってな謎感性を持ち合わせているだけの普通の生徒………ん?普通?
普通ではないな。ヒフミさんが普通ならダレカちゃんは狂人じゃなくて常識人になっちまうぜ。
ま、そーゆーコトでペロロ様ライブでテストを受けなかった結果、色々な噂も相まってナギサさんから怪しいヤツ扱いをされて、補習部送りになった次第。
ウケるね。は?退学の危機だから笑い事じゃないが?でも笑っちゃう、どんな顔をしたらいいのか分からない時は、とりま笑っとけ。不敵な笑みでね。
「ククッ…にはっ、にはは!キキキ…くふっ…♪ペーロッロッロォ!!」
「なんか急に笑い始めたよ、この子…」
「は?笑ってねぇけど?儘ならない世界と不可逆な時間に憐憫哀れみを込めて嘆き、憎悪し、その果てに破滅を望む道化の最後の金切叫びなんだが?」
「ペロロ様!?」
え?
「ダレカちゃんもラスト・ペロロ様を知ってるんですか!?創造主様が深夜テンションでネット上に公開した5万字にも及ぶペロロ様の終焉を飾るIFルート!先程の笑い方は崩壊しそうな自我を保つ為にペロロ様が空に叫んだ、最後の嘆きですね……投稿されてから僅か2時間で削除されて都市伝説扱いされていましたが、まさか知っている方に出逢えるとは…!」
え?
「私、バッドエンドの大半には苦手意識があるのですが…ラスト・ペロロ様は存在しない世界線で、だからこそ知ることで本編の平和な空気が尊いって思えるんですよね!そもそもご存知の通り、モモフレンズの色々な世界観を許容する作品の中で、所謂"シリアス"と言われるモノはあるようで無かったんです!そんな中で異例のIFは物議を醸す要因にもなり得て、それ故に創造主様が削除したのではと言われてるんですよね。私も最初は意図を汲み取れず批判的な意見を抱きました……」
え?
「でも!真実に…世界の根幹に気付かされたのがラスト・ペロロ様の幻の小説だったんです!平和とは、平和の中では本当の意味で理解し難いのかもしれません…悲しいですが、これもペロロ様が私たちに教えてくれた真実です。だからこそ……だからこそ!ペロロ様の世界は『
「ヒフミ、ヒフミ」
「先生?えっと、どうしましたか?」
「ダレカちゃんが部屋の隅で震えてるからやめてあげようね。あの子、自分よりも"濃い"生徒がいると自己防衛のために丸まって防御を固める癖があるんだ」
「濃い……そうです、恋なんです!ラスト・ペロロ様の世界への分岐は異例にも『恋』だったんです!!これもまた、モモフレンズでは顕著に語られることのなかった概念でして――」
「ヒフミさぁん!愛してるからその小さな唇をダレカちゃんの唇で塞ぐことを許してくれぇい!!大人のキッスを叩き込んだらぁ!!」
「流石です!ダレカちゃん!!結局最後までラスト世界線のペロロ様はキスを理解できなくて、人間の常識とモモフレンズの常識の解離がIFの根幹にあるテーマなのでは?と考察されてるんです!!」
「……グスン、たしゅけて…セリカさん…!」
「…………………なにこれ、この
◆◆◆
はい、取り乱しました。
でもヒフミさんが悪いんだ……狂人はダレカちゃんのアイデンティティなのに、急なペロロ語りで逆転するなんてズルい。
てかラスト・ペロロ様ってなんぞや。初耳だわ、何千回と繰り返してるのに初耳なんだわ。
「――それで、これが対象生徒の名簿ね」
「その…お預かりしても大丈夫な物でしょうか?個人情報とかは…」
「大丈夫。必要なこと以外は記載されていないし、そもそも私が交流のない生徒にいきなり話し掛けても警戒されるだけだからね。ナギサも、そういう意味を込めてヒフミに頼んだんだと思うよ」
「ふむむ…メンバーはヒフミさんを含めて4人と。んで、ヒフミさんが部長とな」
「当然のように把握してるよね、キミ。盗聴器とか仕掛けてないよね?」
「ミレニアムのコタマさんじゃあるまいし。人のアイデンティティは取り入れるけど、まるまるパクリはしませんことよ。あ、センセ。服の袖に録音型の盗聴器が仕掛けられてるよ。壊しとくね、プチッと」
「え……えぇっ!?」
十中八九コタマさんだよね。盗聴範囲外だから録音方式に切り替えてるけど、ダレカちゃんの視覚聴覚第六感は誤魔化せんぞ。
とりま指先で潰してからゴミ箱に捨てた。
「で?今から捕まえに行く感じ?」
「捕まえるって……物騒な言い方はやめようね。正式にティーパーティのホストから頼まれた依頼で、任意同行を試みるだけだよ」
「任意同行も物騒な言い方では…?」
普通に同行拒否なんて出来ないけどね?てか生徒会のお偉いさんが超法的権限を持っているセンセに頼んでる時点で、お相手の拒否権は意味を成さないし。
センセが任意同行っつっても、キヴォトスの……特にトリニティにおいては権力こそが暴力以上の力を誇る。ちな暴力が第一なのはゲヘナね。
てか抵抗して逃げようとしたらダレカちゃんが捕まえるけど。最強だし?ほら、センセもヒフミさんも褒めて褒めて?具体的には外見と聡明な頭脳と強靭な身体能力を手放しに褒め散らかして?
「ダレカちゃん、必要ないとは思うけど一応は名簿も見ておいてね。信用してるけど、万が一はあるかもだし。秘書としての義務として、ね」
「おいおい、それって『必要ないとは思うけど一応は名簿も見ておいてね。信用してるけど、万が一はあるかもだし。秘書としての義務として、ね』って事かい?」
「一言一句そのまま言ったよね!?」
「ふっ…これがバーンアウト症候群ってやつかな」
「掠りもしてないよ…1+1の解を聞かれてアンパンって答える程度には掠ってもないからね」
「あ?何言ってんだ、てめぇ」
センセがわけわかめのコトを言ってるので無視して、名簿をチラチラのチラチーノする。ま、一際目を引かれるのはアズサさんだね。昔馴染みだし、立場的にはダレカちゃんの中の人と同じ。
ハナコさんはただの変態を演じた結果、マジで変態になった猛者だし。コハルさんはエ駄死。ついでにヒフミさんは生粋のアウトロー。
ぶっちゃけ、本腰入れてこの人達と協力したらトリニティをぶち壊せそう。ま、やろうとしたらダレカちゃん単体で暗躍するだけでも出来るけど。ループし続けてトリニティの事情とか地形とか、ナギサさんよりも把握してる部分もありますし。
「さて、そろそろ行きましょうか!ザーボンさん、ドドリアさん!!」
「ダレカちゃん、人をザーボンさんって呼ばないでね」
「……え、もしかして私がドドリアさんですか!?せめてザーボンさんが……あ、先生はザーボンさんって呼ばれたくないらしいので、私が――」
「待って、ドドリ……ヒフミ。私はザーボンさんの方がいいんだ。いや寧ろ私こそがザーボンさんだよ。魂が既にザーボンさんなんだ。ドドリアさんよりはザーボンさんがマシだし……だよね、フリーザ様!」
「わ、私だってザーボンさんがいいです!フリーザ様、私もザーボンさんになりたいです!」
いや、アンタの本名はザーボンでもドドリアでもねぇだろ。そんでヒフミさんも何を張り合って…てか押し付けあってるんだ?
…………えっ、これってダレカちゃんはフリーザ様な感じ?白い宇宙服だからフリーザ様?……しゃーない、乗ってやろう寛大な精神でなぁ!!
「ホーッホッホッホッ!誰がフリーザ様やねん、ぶっ殺しますよ?」
「「酷い!?」」
…はよ行こーよ?問題児たちをお迎えにさ…