はい、哮れアビドス!カタカタヘルメット団をぶっ潰すRTAはっじまるよ〜!
今ルートではアビドスの面々と一緒にカタカタヘルメット団の前哨基地、つまりは補給所や弾薬庫のあるアジトを破壊します。
ちゃーんとチャートは組んでいますとも(超絶激うまギャグ)。まずダレカちゃんが突っ込みます、次にホシノさんが突っ込みます。続いてシロコさんが突っ込み、間もなくセリカさんが突っ込みます。最後にノノミさんが建物ごとミニガンでぶっ壊して、アヤネさんが通信で勝利宣言をするのみ。
「って作戦でどーよ?ダレカちゃんの経験上、これで企業ひとつくらいはぶっ潰せる」
「どんな経験よ……」
「……え、セリカさん…聞きたいん?その……えっとね…うん、あはは……ほんと?後悔しない?……マジか…メンタル強者かよ。でもなぁ…他ならぬセリカさんからのお願いだし……よしきた、セリカさんがどうしてもって言うならダレカちゃん外伝を語ろ――」
「や、やっぱいい!絶対にろくな事じゃないでしょ!?」
失礼な子猫ちゃんだ。こーゆーところが愛おしいんだよなぁ…何よりも好感を持てるのが、この子はあんまりセンセの生死に関係してないところだよ。
この後にセリカさんが攫われたりもするけど、まぁ?センセは死亡フラグビンビンさんだけど、別にクソほど死にやすい雑魚生物って訳でもない。
セリカさんを救出する程度のことならダレカちゃんが関与しなくとも容易くこなせる。きゃー、つよーい。は?すぐ死ぬし強くはないんだが?
――
優秀なダレカちゃんはどーしてヘルメット団をぶっ倒すコトになったのかを簡単にまとめてみた。
はいはい、まずは校門前まで来ていたヘルメット団をダレカちゃんが華麗にかっこよく、スタイリッシュにはっ倒しまして。
そんでそんで、そのヘルメット団ちゃん達はアビドス高校を占領するのに本腰を上げていたっぽくてね。えぇ!?まっさかぁ!?あの程度で本腰を上げていたって!?全力全開でぶっ潰そうとしていたって!?
ま、ダレカちゃんが強すぎたから簡単に追い返せたんだけどねー。いやー、優秀ですまん!ダレカちゃん、センセを死なせてしまう点を除けば最強最高な秘書なモンでして!……だから毎日ストレスで吐き散らかしているんだけどね?あーあ、幸せになりたい。
そーんな経緯がありまして、また攻めてきたら面倒だから、センセから補給を得たアビドス高校の皆さんがやられるよりも先にヘルメット団の前哨基地を燃やしてやろうって算段。怖っ、アビドス怖っ。
「うーん、おじさんは賛成かなー。ダレカちゃんの雑な作戦は兎も角として、いくら補給があったとしてもヘルメット団を放っておくのは危険だからね」
「よしきた、まずは巡航ミサイルの準備だな!シャーレの超法的権限のお時間だぜェ!!」
「ダレカちゃん、ステイ!五分間黙ってたら飴ちゃんあげるから!!」
「ウン、ダレカチャン、ダマル………それはそれとして、やっぱ巡航ミサイルってそこらに売ってるのかな?トリニティとかゲヘナは隠し持ってそうだけど…」
「五秒も黙れないのかぁ……」
「何呆れてんだよ、センセのクセに。PCのデスクトップにある…なんだっけ、あのファイル名。あー、アレだ!『癒し動物画像』って名前のファイル、中身をキヴォトス全域に公開するぞ?」
「みんな、ダレカちゃんを責めないで!ダレカちゃんは二秒も口を閉じれる天才なんだ!!私には再現不可能な芸当だよ!!」
ふへへ、褒めるな褒めるな。
とはいえ、この大人…些か欲が強すぎないか?ダレカちゃんが把握しているだけでもエッな本とか動画、画像は両手の指くらいはある。全部年上褐色モノだから分かり易い。
ダレカちゃん、そーゆーのにうつつを抜かす余裕はないなったのです。てか独りになったら色々と正気を保つのにも苦労するんだし、メンディークセェですね。これが噂のワーカーホリックか?
「……先生って、ダレカさんが関わると変になるんですね…」
「Hey、アヤネさんや。ダレカちゃんと呼んでおくれ?じゃないとダレカちゃんが独自の情報網で探ったセンセ黒歴史シリーズを順々に発表していくよ」
「頼む…アヤネ!ダレカ様をダレカちゃんって呼んであげて!!」
「え、えぇ…」
「はーい、センセワンアウト。実はセンセはね、夜中に忍者ごっこをして机から飛び降りようとして、椅子の背もたれに足を引っ掛けて派手に転んだんだ。これが涙目で強打した膝を抱えるセンセの写真ね」
「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁッッ!!??」
「…ん、意外とヤンチャだね」
「…あ、あはは…誰にでもそんな時期はありますからね!うんうん、恥ずかしいことなんかじゃないです!!」
「やめてノノミ!気遣われると傷が抉れるから!?」
「これが大人かぁ…」
「そうだよ、ホシノさん。こんなのが大人なんだ…過度に"警戒"するだけ無駄だよ?」
「っ!」
大人を泣かせるダレカちゃん、罪作りちゃんだね〜。辛いですねぇ、苦しいですねぇ、えへへ…まじワロス♡センセの傷を抉るのはとてもとても気持ちが良いよ♡ざーこ♡ざーこ♡
……つーか、あの時はマジで焦ったんだが?またセンセが死ぬって思ったし、救急箱を持って行きかけたし。大丈夫そうだったから腹いせに写真を撮ったけど、ホント…あんな危ないコトはやらないで欲しい。
こーゆー場面でセンセの黒歴史を晒し続けたら、いつかは深夜テンションで危ないことをするのをやめてくれるだろうし。つまり正義はダレカちゃんにあり!よって今後も続ける所存!!
「……話、戻さない?」
「うん、セリカの言う通り。少し…話が逸れてる。先生もダレカも話がややこしくなるから、少し黙ってて」
「ダレカちゃんって呼んで?」
「…………ダレカちゃん、静かにしてて」
「うむ、シロコさんの努力に報いよう」
なんということでしょう!
ダレカちゃんと先生が黙っただけで、話が五分で終わりました。取り敢えず巡航ミサイル作戦はなしで、普通にヘルメット団の前哨基地に奇襲を仕掛ける方向になった。
………………そんで、ダレカちゃんはアヤネちゃんと
「…だってキミ、目立つよね?その宇宙服を脱ぐなら話は別だけど」
「センセのクセに生意気な…!」
仕方ない!お留守番、頑張るぞい!!
◆◆◆
「……………」
「ねえねえ、アヤネさん。お話しよーよ」
「は、はい…!」
「そんな緊張せんといてや」
アビドスの先輩方と先生が外に出てから数分、既に奥空アヤネは逃げ出したい衝動に駆られていた。
然し数刻後にはヘルメット団との抗争が始まる為にこの場から去るわけにもいかず。行き場のない緊張とも恐怖とも言える感情は渦巻くばかりだ。
(……な、何を話せば…!)
改めてアヤネは目の前の人物を横目で観察する。
ずんぐりむっくりなシルエット。無論、宇宙服のせいなのだが。一種のマスコットのようで、ぬいぐるみにも見える衣装はかなり余裕を持たせているらしく、大人である先生と同程度の高さはある。
上手く体型も身長も隠されており、声すら
「えっと…その、ダレカさんは…」
「ダレカちゃんって呼んで?」
「…ダレカちゃんは、どうして正体を隠しているんですか?わ、私達は辺鄙な高校に居るから信用出来ないと思いますが…先生でしたら、大丈夫だと思うんです」
「んー、あーね?」
「……あの」
「アヤネさんね、勘違いしてるよ?」
「勘違い、ですか…?」
相変わらずの淡々とした声質で、然しほんの少しだけ喜色が滲んでいる。決して馬鹿にしたようなモノではなく、敢えて表現するのであれば安堵だろうか。
アヤネの言葉に何処となく安心して、満足とは程遠いが、何かの成功を予期している様にも感じられた。
「別に、ダレカちゃんは誰であろうとも"信用"って観点で区別する気はないんよね」
「…と、言いますと…?」
「信用しているから全てを話す、疑わしいから忌避する。…違うよ、そーゆーのは君やセンセみたいな人の思考だよ」
「…………」
「必要だから隠す、怖いから秘匿する、知られたくないから…殻にこもる。べっつに変な話じゃないぞ?例えるなら……うんうん、君たちの借金みたいなモンだね」
「えっ…!?……し、知ってたんですか…?でも、先生もそんな事は一言も…」
「知らないだろうね、センセは。センセ
――何となく、アヤネには察しがついてしまった。
この人は、誰よりも達観して自覚もある破綻者だ。シャーレとは別口で何かを掴み、大切な何かを識り、それでも
"狂気"とも形容出来る。哀しくて、美しくて、儚い。『解らない』からこそ、誰でもない『ダレカちゃん』が混成して完成している。
やはり端的に換言して、"面倒臭い人"の一言に尽きるのだろう。
「まー、ダレカちゃんには独自の情報網があるからね。アヤネさんの身長体重趣味嗜好くらいは把握してるよ。もちろん、他のみんなのもね」
「また冗談を………え、冗談ですよね?…さ、流石に体重までは…あっ」
「むべむべ、ぬっへっへ」
タチの悪い冗談と断じようとして、先程まで絶叫しながら床を転げ回っていた大人を思い出す。この人ならば、知られたくない秘密を握っていてもおかしくはない。
改めてアヤネは目の前に鎮座する宇宙服の生徒の異様性に背を冷やした。
然し、なればこそ思うのだ。
あまりに
アヤネは対人経験が多いとは言えないが、底の見えない人物は何人かいた。その中でも身近なのがホシノだったのだが、彼女は彼女なりに重荷を共有する仲間がいた。
それに対して、目の前の人物はどうなのだろうか。自身に関する全てを隠して、解消することもなく貯め続けている。
「…辛くないですか?私なら……ダレカちゃんの生き方は、苦しくて…耐えられません」
「へへっ、いまダレカちゃんがカッコよくて美人で憧れてるって言った?」
「……………辛くないですか?私なら……ダレカちゃんの生き方は、苦しくて…耐えられません」
「コピペかよ……ま、ダレカちゃんから言えるのはね――耐えられたら
「…せめて宇宙服を脱いでください。じゃないとお世辞も何も言えませんよ…」
「は〜ッ?ダレカちゃんはお世辞じゃないと褒められないレベルですとぉ!?尉官、如何せん遺憾でイカンです!!」
「……ダジャレのセンス、ないんですね」
「ホシノさんからはジョークのセンスがないと言われて、アヤネさんからは駄洒落のセンスがないと言われて…アレか?次はノノミさんから『アハッ☆ダレカちゃんって人間として生きるセンスがないですよね♤』って言われて、シロコさんからは『ん、息…やめたら?センスないよ』って言われるんだ……いいもん、セリカさんだけはダレカちゃんを優しく抱き締めて養ってくれる予定だから!」
「被害妄想が激しいのにセリカちゃんだけは盲信してる!?」
「盲信?失礼な…純愛だよ」
「可哀想……」
「ねえ、どっちが?皆から責められてるダレカちゃんが可哀想なんだよね?ダレカちゃんから好かれてるセリカさんが可哀想ってワケではないよね?」
「――あ、そろそろ先輩方がヘルメット団のアジト周辺に着きます!オペレーションを開始します」
「アヤネさん!?」
間もなくして、襲撃を察知したヘルメット団との正面衝突が始まった。
◆◆◆
「………不服」
「先生、視界の共有をお願いします!……はい、了解しました!指定位置に支援物資を送ります!!」
不服と声にしてみたけど、アヤネさんに無視された。ま、無視ってよりは忙しいんだろーけどね。
こうなるんだったら最初から外に出ていたかった。ヘルメット団の端くれ程度、ダレカちゃんだったら普通に潰せるし…センセに指揮の経験を積んでもらうのが目的の一つだし、仕方ないんだけどさ。
しかも不自然な動きをしたら怪しまれるし、しっかりと説明された上で拠点に残っていろとの命令だったから、やっぱしゃーないんやけどさぁ。
センセ曰く、奇襲だから宇宙服は目立つ。
センセ曰く、拠点の防衛も必要。
センセ曰く、自分の銃を持って来なさい。
ちくしょう!正論ばかり言いやがって!!黒歴史をばらしたこと、根に持ってやがるし!!
(つってもなぁ…どーせ無事に終わるし)
指揮中に限っては、センセは死なない。よく知らんけど、シッテムの箱がバリアを貼ってるし並の銃弾とか爆発ではダメージにはならないらしい。
じゃあそのバリア、常時貼ってて?センセを簡単に死なせないで?役目でしょ。
まー、アレも謎多きオーパーツだし…色々と難しいモンなんだろうね。無敵のシッテムの箱で何とかしてくださいよォ〜!とはならんですわ。あー、虚しい。バニバニ。目標が高くていいね、クソッタレめ。
しばらーくして、あ?なになに…終わった?無事にお片付けし終わった?そりゃあ良かった。じゃけん、ダレカちゃんは帰りましょーね。この後は借金ネタバレをするくらいだし、元から知ってるダレカちゃんが同席しても会話が脱線するだけですしね。