シャーレ所属のダレカちゃん   作:ブラウンドック

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ダレカちゃんは副担任になります

 

はい、きょーも元気なダレカちゃんです。

 

昨夜はアリウスの木っ端を全員気絶させてカタコンベにトラックごとぶち込みました。いやー、心が痛い!でも五体満足で返したんだから優しい♡

 

そのせいで全く寝てないけど、補習授業部合宿二日目だね。愛すべき馬鹿共と戯れる事だけがダレカちゃんの癒しですぜ……や、ホントに馬鹿なのって一人だけなんやけどな?

その一人が可愛いからモーマンタイ。てか合法的にコハルさんと結婚する方法を誰か教えてくれ…100万までは払う、一括で払い払わせ払い除ける。

 

「よっす、センセ。おはようっす」

 

「あ、ダレカちゃんおはよう。よく眠れた?」

 

「んー、八時間くらいしか寝れてねぇっすわ…仕事サボって寝てきてもヨロシ?」

 

「君が今日も健康そうでなによりだよ。じゃあ今日も頑張ろうね、副担任さん?」

 

「うへ…副担任なんて柄じゃねぇっての」

 

「ははっ、確かにね」

 

「は?大天才美人系ダレカちゃんは副担任適性がありありのアリーヴェデルチなんだが?」

 

「君、いつも売り言葉に買い言葉で自分を全肯定するよね。自己啓発本とか読み漁ってる?」

 

「ふっ…自分を真に肯定出来るのは、結局は自分だけなんだよ」

 

「何処かで聞いた覚えのある名言だなぁ」

 

だから、ダレカちゃんは誰からも肯定されてないんだよなぁ。自己否定がパッシブスキルなダレカちゃんなんですよね、ですよねデスよねdeathよね。

 

んー、ムズいよね…自己肯定って。

 

隣人を愛するのは簡単なのに、自分自身って殺したくなるくらいだーいっきらいなんだよね〜。不思議だね、フシギダネ、不死偽種。

『ダレカちゃん』は自己肯定感溢れるエネルギッシュな狂人だけど、言わば素の自分の理想がアレだ。そーなれれば、きっとこの苦しいバニバニな人生も多少はマシになるかなって。

 

ま、無理だったけどね☆欠落してる人間モドキが人間相応に生きたいだなんて、理想も理想、妄言だっての。にへへ、そーゆーモンだよ…結局は。

 

「さて、愛すべき馬鹿共に向けて朝食でも作ってやろうかね!センセも手伝え、疾く手伝え」

 

「もちろん。ところで……ダレカちゃん、料理できるの?」

 

「出来ないとでも?てか出来ないとでも?」

 

「……因みに得意料理は?」

 

「ん?何でも作れるからなぁ…特に得意料理はないね。でも……アレだ、オムライスは苦手っすね」

 

「お、オムライス…?なんだが意外だね……他の料理は作れるんだよね?」

 

「おん。てかオムライスも作れるぞ?作れるけど、満足するオムライスが作れないってハナシ」

 

「完璧主義ってことかな」

 

「……まぁ、似たもんっす」

 

嘗てのセンセから教わった、初めての料理。それがオムライスだったんだよな。あの頃は何を食べても美味しかったし、顔には出なかったけど内心は楽しかったなぁ。

 

あの時に教えて貰ったオムライスの作り方…もちろん、覚えてる。覚えて、再現してるのに…もうあの頃ほど美味しくは感じなくなった。

それで自分の決定的な部分が変貌してしまった気がして…大事な何かが消えてしまった気がして、自分で作るオムライスが苦手になった。

 

ま、オムライスなんてどのループでも暫く作っとらんけどな!最後は…んー、あの時だね。アビドスの住宅街にセンセを監禁した世界線。()()()()()()()()()()けど、一つ違えばまた起こりうる可能性、言うなれば起こるかもしれない(if)世界線。

 

「じゃあ朝は百鬼夜行宜しく和食にしましょ。材料は冷蔵庫に入ってるってさ」

 

「和食か…じゃあテンプレート通り、米飯に味噌汁。魚にお浸しって感じかな。あとは卵で適当に…普段は自分のぶんは作らないし、急に凝ったものを作るのは避けたいね」

 

「忙しいからって弁当とかカップラばっか食うなよな。健康に悪いぜ?」

 

「色々と忙しくて手が回らないんだよね…ダレカちゃんが毎日作ってくれてもいいんだよ?」

 

「え、何ですか告白ですか?毎日味噌汁作れ的な…さーせん、センセはそーゆー対象じゃないっていうか、嫌いじゃないけど恋愛的好意は抱きようがない感じでして。悪いけど産まれ直してセリカさん並の猫耳黒髪ツンデレになってから出直してドーゾ。は?この世にセリカさん程の最強可愛い存在をもう一つ生み出す気か?世界が壊れるぞ、てかダレカちゃんが爆発してキヴォトスが粉々になるぞ?」

 

「君は何を言ってるんだい?」

 

とりま台所でテキトーに朝食を作ります。朝食抜かれたら超ショックだから、しゃーなく作ります。

 

普通に調理器具はあるんだよなぁ。普通に放置されてた建物だけど、寝室と台所だけはある程度綺麗に保たれてたんだよね。

ま、ナギサさんだってティーパーティとしてのメンツ的なアレで、『シャーレの先生』ってヤツに投げ出したままじゃあ示しがつかんのでしょうね。だからホント、最低限健康的に暮らせる程度の掃除はしてたってコト。

 

 

………で、はい。

 

普通にお料理が完成しました〜。や、別に今更手間取ることもないし…手順の解説って言いましても焼く!茹でる!炊く!!ってなだけだしな。

その程度ならセンセごときでも出来るし、てかそもそも凝った料理ってのも物珍しさとか手順が多いけど、そこそこの気合と準備があれば割りと簡単に作れるよね。

 

「んじゃ、センセはアホ共を起こしてきてね。ダレカちゃんはセンセが居ない間に朝食を食うから」

 

「えぇ……まあ、今更だけど。じゃあゆっくりと起こしてくるね」

 

「がんばえー」

 

センセが出ていった所で、30秒クッキング〜!まずミキサーを取り出します!ここでポイント☆今作ったダレカちゃんの分の朝ご飯をぜーんぶぶち飲んで、ついでに野菜ジュースもぶち込んでスイッチON♪

 

そんで出来たブレックファースト☆ジュースをゴクリンこ。うーん、まず……くはないけど、冒涜的な味だね。オエッ……うん、ご馳走様。

 

とりまミキサー諸々自分で使ったモンを手早く洗いまして。片付けを終えましたら皆々様方の分の米飯と味噌汁を盛ってテーブルにセッティングしましょー。

どーせならセンセの出汁巻き卵に辛子を仕込みたいけど、爽やかな朝を演出したいのでやめてあげる。でも椅子にはブーブークッションを仕込む。義務だからしゃーない。

 

「さて!じゃあダレカちゃんは授業の準備でもしようかね………オエッ…」

 

 

今日も一日がんばるぞい!

 

 

◆◆◆

 

そんで授業中。

 

授業っつーか、前にやった第一次特別試験の問題を解説しながら公式の確認だったり、暗記問題に関してマーカーを引いて暗記しろ(圧)と迫ったりする程度。

ま、流石に範囲は限られるからやるべき所が明確化されているのはやり易いよね。コハルさんは一年の範囲だからアレだけど、他三人はまとめてヤれるから楽だね。……や、アズサさんは一年のカリキュラムだっけ。ま、どーにでもなるやろ。地頭は良いし。

 

色々と面倒だけど敢えて言うなら、トリニティ総合学園は金持ちエリート学校ってな面がある所が面倒だ。理数系はミレニアムが二千歩くらい前に進んでるけど、トリニティは全範囲…歴史に関しては他よりも多めにやってるね。つまりエリート校。

 

「さて、コハルさん。分からない事があれば何でも聞いとくれや。ちなダレカちゃんの好みのタイプは典型的なツンデレだけど、結局は好きになった人がいっちゃん好きになるタイプっつー合コンでは冷める事を言っとくよ?」

 

「……………」

 

「ん、どした?話聞こか?うんうん、それは彼氏が悪いわー。ダレカちゃんならそんな想いさせないのに…え、いやいや!お前は妹みたいなモンだって、だから口説かないし!…へへっ、でもやっぱ好きかな……愛してるよ、コハルさん……いや、コハル…!」

 

「……………」

 

「………あ、コハルさんの頭が問題集でパンクしてる……えっ、ダレカちゃんの一連のやり取りが独り言だったのか…?」

 

え、恥っず……帰ろうかな。全員気絶させて帰ろうかな……なきたい。

 

おいコラ、センセ。こっち見んなぶっ潰すぞ!ヒフミさんはヒッフヒフにするし、ハナコさんはハッナハナにしてやる!アズサさんには飴をあげる、いっぱいあげる。

 

「……コハルさん、コハルさん?」

 

「………えっ、なに…?」

 

「その問題集、二年のやつだよ。あと愛してるよ」

 

「は、はぁ!?急になに…!?」

 

「はいな、コレ一年の教材ね。今回の範囲…ついでにダレカちゃんの山勘でテストに出そうな範囲はピンクマーカーで印を付けてるから、参考にしてね。ちなテスト問題に関しては学校側から出るから、不正でもなんでもなくて、飽くまでも山勘だよ?」

 

「え、あ……う、うん…」

 

「暗記必須な部分に関しては後で全員分を単語帳に纏めとくから、今日は数学系をメインにやろっか。公式と応用、ついでにテスト問題によく出る難問テンプレートも覚えといて損はないからさ。まずはノートにまとめて、それを見ながらダレカちゃんの出した問題を解いていこうか。なーに、徐々にノートを見る回数が減っていけば自然と覚えるって寸法よ」

 

「わ、分かった…けど…」

 

「けど?」

 

……なんか間違えたかな。副担任としてちょっとばかり張り切ってみたけど、よくよく考えれば学生から上から目線で教えられるってコハルさんはストレスとか溜まるんかな…

 

こーゆー時、大人って凄いよね。言葉に重みがあるって言うか…元学生だから、体験談とか実績があるみたいなモンじゃん。

ダレカちゃんの軽薄な言葉よりもセンセの大人としての言葉の方がコハルさんも受け入れ易いって言うなら、ダレカちゃんが引き下がるしかないけどさ。

 

「……なんで、そんなに協力してくれるの??」

 

「…………」

 

あ、なるへそ。

 

コハルさんは不安なんだな。コハルさんって意外と自分の言動が相手方にどーやって受け取られてるのか、理解してるんだよな。

正確には、後になってから振り返って、反省するタイプだな。普段は感情的な言動が目立つから、きっと衝動的な性格なんだろうね。

 

んで、自覚があるコハルさんはダレカちゃんが内面ではコハルさんを嫌ってるんじゃねぇかなってちょいと思ってるワケか。確かにキツイ言葉は何度も聞いてるけどね。

 

でも…ダレカちゃんはね、言葉の裏側ってのも知ってる。過去にさ、親友からキツイ言葉を貰って…その暴言をダレカちゃんの中の人はそのまま受け取って、親友の前から姿を消した。

後悔してるし、だからこそ同じ間違いは犯さない。人の言葉の裏を読むのはダレカちゃんにとっての当たり前で、大前提。

 

だから――

 

「――友達だから」

 

「え…?」

 

「理由なんて難しく考えるなよ、コハルさん。ダレカちゃんはコハルさんの友達だから、協力する。それだけ。それ以上は蛇足だよ」

 

「………だそく…?」

 

「空気読めよ!?………蛇に足があったら邪魔で、無駄だろ?それに因んで無駄な事とか余計な事は『蛇足』って言うんだよ。メモして?」

 

「そっか……友達だから…友達だったんだ、私たち」

 

「え、泣くよ?」

 

「そ、そうじゃなくて!自信が無かったって言うか…あ、えっと…なんでもない!なんでもないから忘れて!!」

 

「…………ここはどこ…ピンク、だれ…?」

 

「忘れすぎでしょ!?あー!もうっ…勉強するんでしょ!少し静かにしてて!!」

 

「はいな」

 

ま、言葉の裏側ってムズいよなー。

 

読み過ぎると色々と見失うし、表面しか受け取らなければ人と人は仲良くなんてなれない。可視化されていない抽象的な概念だから、感覚でしか理解出来ないんだよね。

心理学を齧ってるなら考察は出来るんかな。や、それこそ蛇足か。人が人を知るのに、理論もクソもいらないわ。感受性が豊かになるには、結局のところは相手と話すしかない。

 

結論、話し続ければお友達!

 

「じゃあ他の所も回るから、何かあれば呼んでけろ」

 

「う、うん…」

 

教室をぐるりと周りまして。センセは仮テスト問題を作成しながらヒフミさんとかアズサさんの質問に答えてるし、ハナコさんも普通に教える側に回ってるし……いや、ハナコさんは何しとんの?

 

とりま自分の席に戻ったハナコさんのトコに行く。そして飴玉をあげた、たくさんあげた。

 

「へい、ハナーコさーん。順調かい?」

 

「それなりには…ですかね?ふふっ♪」

 

「そっかー、じゃあ次は満点だね」

 

「どうでしょう。なにぶん、最近のテストは難しいですからね」

 

「そうかな…そうかも……?」

 

なーにが難しいだよ。その気になれば鼻糞をしゃぶりながらケツを掻いて100点を取れるくせに。まー、最終的にはヤケクソ100点連発をやってもらうから構わないけどさ。

 

ハナコさんもハナコさんで不器用な人だからねぇ。不器用のハナコさんは周りの期待に応え過ぎたから、周りも期待し過ぎた。

ほんとトリニティくんさぁ…そーゆーところやぞ?そーゆーところが負のスパイラルを生んでるんだそ?

 

「ハナコさん、1+1=?」

 

「はて…11でしょうか?」

 

「……ほんとに隠す気ある?」

 

「うふふっ、冗談です♡」

 

「じゃあちょいとムズかいやつを。……三角形ABCにおいて、tanA,tanB,tan⁡Cがいずれも整数となるときのtanCを求めよ。ただし、tanA≤tanB≤tanC とする」

 

「成程……少々お待ちください」

 

さて、ゆったりと待ち――

 

「tanC=3でしょうか?ふふっ、有名な問題でしたので覚えがありました」

 

「数学は暗記科目じゃねぇぞ?」

 

ダレカちゃんは繰り返してるから大体の問題を暗記してるけど、ハナコさんはアレだね……うん、変態だからね。

 

とりま、この後はアズサさんとコハルさんの間を行ったり来たりした。へへっ、今回の最後のテストではコハルさんに満点を取らせたるわ!

 






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