シャーレ所属のダレカちゃん   作:ブラウンドック

71 / 83

さいしゅうかい、だよ…?

彼岸キミのおわり。そんな物語、センセも見て逝ってね。





さいしゅうかい : ぜつぼう

 

――ボトリ、と何かが落ちる音がしました。

 

 

頭です。

 

 

女の子は、とてもとても震えました。絶望に喘ぎ慟哭する事も許されず、ただただ、その現実を見せ付けられました。

 

女の子には大切なお友達がいました。むかし、離れ離れになってしまったお友達。でも再会して、また仲良くなりました。

そんなお友達がしにました。灰色の触腕が小さな命を刈り取って、喜びに脈動していました。

 

「………えっ」

 

ぐにゃりと世界が揺れます。灰色の肉に覆われていた空間は縮小して、圧縮されて、人の形になりました。

 

それは女の子にとって、とても見慣れた姿です。真っ白な髪と、うさぎのように真っ赤な瞳。まるで、目の前でころされたお友達とそっくりなのです。

細い身体に黒い布切れをまとい、お友達をころした憎い憎い相手は告げるのです。

 

「……ひさし……ぶり、ホシノ」

 

「き、み……?」

 

灰色の空に浮かぶ、小さな人影。ひび割れたヘイローが雲に滲む太陽を遮ります。

 

混濁する意識でも確かに、女の子は聞きました。その人影が自分の名を呼び、そして反射的に自分もまた相手の名前を呼んだのです。

 

しかし、おかしなお話です。

 

その名前を呼んだお友達は、目の前で倒れているのです。首を刈り取られて、赤いナニカを零しているのです。

 

とても混乱しました。

 

狂いそうな頭。でも幸運です。女の子には耐性がありました。一度、大切な先輩の死体を見つけたことがあります。間接的に自分が殺してしまった先輩。だからこそ、なんたる幸運。なんという僥倖。女の子は嬉しくて絶望してしまいます。

 

「…………そっか。ホシノ、は……そうする、よね…」

 

「……()は、誰なの…!?なんで……どうしてキミと同じ顔をしている!!」

 

「………………なんで、だろう…ね?」

 

お友達と同じ顔のナニカは呟きました。女の子はまたまた戸惑います。

 

とっても困った女の子は震える銃身を定めて、引き金を引きました。その瞬間、放たれた弾丸はソレをころしました。

そして、生き返りました。お友達は起きないのに、お友達にそっくりな誰かさんは何事も無かったかのように再生しました。

 

「……また、ころすの…?」

 

「ッ!?」

 

「ゆめ、を……ころして。つぎは■を………うん、()()()()たくさん、ころして…いいよ…?」

 

なんども。

 

なんども。

 

なんども。

 

女の子――小鳥遊ホシノは世界一、幸せです。なんだって、たくさんころせるのですから。

 

「あ、あ……い、や……あああああ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

撃ちました。しにました。

 

まるで射的でした。狙わなくても弾丸が当たります。だって弾丸は当たるのですから。

 

「たくさん、たくさん……ころしてね」

 

 

 

こうして彼岸キミは死んでしまい、斯くしてセンセの長い長い旅も終えましたとさ。

 

めでたしめでたし!

 

…………読んでる?いや、もしかして"聞いてる"?

どーも、ダレカちゃんだよ〜。

いやぁ、案外あっけなく終わるモノですね。完走した感想?いや失踪しとるやないかぁーい!ガハハのハ。

………ゆーて、思うんよ。これで終わりでも…最終回でもいーかなって。全ては虚しい。100年後、この物語を覚えている人なんていない。死ねば終わり、灰になればそれまで。

だったら刹那の幸せを願うのも不毛じゃん?未完で失踪するより、BADだろうと一つのENDに辿り着いた方が締まるやん?別の最後を願うなら、それこそキミ達が見ているのはハーメルンだ。存在しない可能性を想像する人間と、それを覗き見る人間が邂逅する場所だ。他の二次創作を眺めるなり三次創作に浸るなり、あるやん?

だから、これで終わり。

長い長い旅が終わった。その果てにセンセはいなくて、彼岸キミの求める『何か』もなかった。

実に現実的な最期だよ。

モノをなくして、探し回ったけど見つからなかった。そんな経験もあると思うけどさ……その延長線上だよ。斯くして見つかりませんでしたが、明日からも頑張ろー!ガハハのハ!!……ってな感じ?

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あー、まだ聞いてる?てか読んでないなら聞いてるか。何人かは終わったと思ったでしょ。そのとーり。てかウケる。もう終わりなのに、まだ続きを求めてるの?

でも残念。本当の本当に終わり――――

"心の中で誰かが叫ぶ"

『それでも。たとえ全てが虚しいことだとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない。キー……歩こう。明日に、未来に――希望に!』

……本当にずるいな、アズサさん。

 

「――nemo」

 

 

刹那、世界の理が書き換えられる。

 





to be continued…?

多角解釈ですね。或いは見え方?覗き方とも言う。見えないものを見ようとするのは、人生においても大切です。多分、きっと、おそらく。

なお、まだ終わりません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。