クリスマスが終わったので初投稿。
――とても残念で悦ばしいお知らせです。
あ、どーもダレカちゃんやよ。ヒナッヒナのシナさんを励まして幾星霜、つまーり三~四時間くらい。ダレカちゃんは高ーいビルの上でヌボーッと下を眺めてまして。
ちな下ではヒフミさんがブルアカ宣言してるよ。ブルーアーカイブってなんやねん。タイトル回収かよ。
で、さっき言うた残念なお知らせですがね?
「………やる事、もうねェんだよなぁ……エピローグやよ。やよなんだよ?ねぇ?黒服さんや」
「ククッ……左様ですか」
「さよー、さよー」
極論、そもそもだよ?
この世界にダレカちゃんの存在する意義なんて、最初からナイワけでして。でも何万回もセンセが間違った選択を続けやがったから、頭がBoom_Boom_Powする前に、まだ見えない光景に向けて道案内してるだけでして。日々、発見的ステップ!だねっ!顔面に極光浴びせてやりてぇぜ。貧弱なんやから鍛える為につよつよ最強エクササイズをしてもろうて。途中から妙な筋肉ダルマになったクソゲー部漬けのセンセが懐かしいぜ。性別は今と違うけど。
で、その道中で何度もセンセの命がYellow Big Bang!する可能性がドチャクソに高いけど、渋々と心臓の拍動に抗って、ちゃんと辿れる筈の道に白線を引いているわけよ。
だから悪いのはセンセです。ダレカちゃんのEGOでセンセを操作してるんじゃなくて、頭ふわふわなセンセだけが悪いね。叶えたい、ことばかりで困るわな。大人って。
「一つ、お聞きしても?」
「センセの叡智本の場所?本棚の裏に淫乱ケモノとの戯れるケモナー叡智本があるけど、それはダミー。本命は本棚の裏、その壁さ……壁にUSBの差し口があるから、専用の有線ゲームコントローラを刺して、上上下下左右左右BAと打ち込むと――ああ、ここからは自分で確かめるべきだよ。ネタバレは、つまんないからね」
「そうですか………聞かなかった事にしましょう。改めて―― 一つ、お聞きしても宜しいですか?」
「欲しがりめ……なんだい?」
「何処まで、視えていましたか?聖園ミカの偽善、桐藤ナギサの疑心、百合園セイアの偽装―――全てを観測している者はいなかった。貴方が自身の命よりも大切にしている先生が瀕死の重傷を負い、それでも立ち上がり生徒を導く光景。その全てが、繋がっている。ククッ、ククク……!あまりにも、
「……はぁ。黒服、根本から違ぇぜ?そんなんだから、お前達はセンセに勝てない。お前も、マダムも――地下生活がだぁいすきなオトモダチもね」
「随分と、先を観ていらっしゃる。例の予言というものでしょうか?実に興味深い…!」
「
「ご勘弁願いたいですね。貴方が語れば洒落では済まない。騙りでは済まない。そも、貴方と私は敵対しないという契約でしょう」
「手ぇ繋いでラブラブチュッチュな契約はしてないけどね。そーゆーのはマダムとでもやれば?」
「御冗談を」
「未成年よりはマシさ。それとも男色?違う世界線のセンセとかなら……や、キモイわ。殺すぞ黒服」
「……………………」
黙っちゃった!嘆かわしいね。
かんわきゅーだい。
「で、なんだっけ?何処まで計画通りかって?」
「ええ、その筋書きの一端でもお聞かせ願いたいですね。アナタの起源を、その軌跡を」
「じゃあヒントだけな。まず、ダレカちゃんは最強無敵の超絶儚げ美人で、ミステリアスな性別不明系高嶺フラワーかつウィットにも富んでいて黒猫ツンデレバイト戦士と来世まで婚約したハピエネメタグロス系生徒であるのはキヴォトスでも周知の事実でしょう?」
「……………ええ、まあ……多面性、でしょうね」
「なんだこのヤロウ」
人を変人だとでも思ってんのかよ怪人め。今の場でギャーギャー騒いでブルアカ宣言をぶち壊しながら黒服を胴上げして登場してもいいんだぞ、ダレカちゃんは。
や、ベアおばがダレカちゃんと黒服の契約を勘づく可用性があるからやらんけど。ヤルなら、無事にベアおばをぶち殺してからだね。
話をもどそー。
「んで、そんなダレカちゃんだけど。実は人心掌握とかアジテーションは専門外なワケよ。つーか苦手なワケよ。ワケなワカメなんだよ。心理学?ナニソレ、蹴りから始まる交渉術の方が得意だぞ……だけどだけど!あーらふしぎ。アビドスで黒服さんの計画を小石みたいに蹴飛ばしてしまった事から始まり、今は補習授業部が無事に再会して、八割程度は勝っていたアリウスを追い返してます。さて、すごーい偶然だ。
「白々しい、とでも呟くべきでしょうか?それとも―――再度、問うべきか。
「白々しく返してやるよ。
正解の知らないパズル。透明なパズルは、しかし正解に当てはめると初めて色が灯る。何億ものピースを集めて当てはめて、ある程度の塊と塊が噛み合わなくて全てやり直しになったり。
ダレカちゃんがやってるのはパズルだ。
この世界は盤面で、ピースは無限にあって。決して干渉できないピース、時間経過で消滅するピース、同時に存在出来ないピース、発生した瞬間に全てが終わるピース、ランダム性が高過ぎてチャートに組み込めないピース、そもそも発生条件が不明なのが九割。
こりゃあクソゲーだ。ダレカちゃんの軌跡を辿るゲームにしてしまったら、展開の連続性に飽き飽きとしてしまう。本に記すのも億劫で終わりがなくて、この最低最悪で誰にも共感なんて出来ねぇ人生は、然し文章の上で淡々と数分程度のダイジェストで流される程度に収まる。本当にくだらない、創作に有り触れた絶望だ、と切って捨てられるだけ。
そんな世界でクソゲーパズルをやっているんだから、
「では参考までに。私への不干渉を約束した上で、問いましょう。次は何を観測するおつもりで?」
「ヒトをラプラスの悪魔とでも思ってるの?カオス理論でも極めたと思ってるの?残念ながら、この身の果て、
「……ふむ」
「ウサギはウサギなのでウサギですが、ウサギはウサギではないのでウサギです……そんな事を言ってるヒトと、たぶん二億回は『一回だけだからな!』って言ってるヒトと、恍惚ボマーと、ゴミ箱ASMR。楽しい邂逅になりそうだね!」
「…………………………」
「黙らんといてぇや」
あ、空が晴れてきた。
……やっと、雨が止む。永くて暗くて、救いのない世界への一歩。酷く拙く、でも楽園から漏れた一筋の光。何億回と待ち望んだ『明日』が訪れるのは、何千回目なのだろうか。
覚えてはいるけど、数えたくはなかった。
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「読め。読んだら判子、次も同じ。読み飛ばしたら蹴り飛ばす」
「ひぇ…」
「あ、誤字発見。最初からやり直しね。ついでに熟語の誤用も何個か。つーか書類に話し言葉使うな泣かすぞハゲ」
「ぴぇ……ッ」
「オイコラ、判子ズレてるぞ。酔ってんのかケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わすぞ。オイ逃げんな、センセごときがダレカちゃんから逃げれるとでも思ってんのか?逃げてもいいけどセンセのエロゲコレクションの何割が粉微塵になるかも計算しとけよな」
「びえぇぇ………ッッ」
「安心しろよな。この調子で、この速度で、この勢いで続けたら明日の朝には全て終わってるから。ん、今の時間?朝の七時だけど」
「アロナぁ……バリアに引きこもらせてぇ……あるいはダレカちゃんを隔離してぇ……!」
「可哀想に……幻想が見えてるんだね。でも安心しなされ、過酷な訓練を遂げたセンセの手だけは仕事してるから。あ、また誤字。字も汚ぇ……左指折るぞ?」
「こ、殺される……!過労死させられる……!!」
「させんよ。過労死だけは一度もなかったから、誇れよな」
一段落、或いは幕間。
連邦捜査部シャーレはキヴォトスにおいて、あまりにも不確定且つ大きな変数となっている。連邦生徒会長の付与した超法的権限、莫大な所属生徒数とシッテムの箱による強力な戦術的指揮、キヴォトス最強であり正体不明な秘書―――そして、それらを決して飾りであるとは思わせないほどに証明された『結果』の数々。
積み重ねられたソレは図らずともシャーレの権威を底上げしてしまう。先日に起こったトリニティでの騒動の傍らですら、先生への依頼は溜まる一方だったのだ。
「私!怪我人!!だから帰ってソシャゲする!!」
「舐めときゃ治る」
「治んない!!仕事したら悪化する!!ゲームしないと疼く!!」
「精神年齢どこに置いてきたの?」
「イオリの足の裏に」
「舐めた時に置いてきたのかぁ……や、騙されんぞ。アブノーマルな性癖は大人になるほど発達するモンだ。つまりセンセは、イオリさんの足を舐めた事で精神年齢を積んだんだ……つまりつまり、イオリさんの足を舐めると賢くなるっつー公式が成り立つワケよ」
「っ!?!?!?つまり……イオリの足は、賢者の石だった……ッ!?」
「ンなわけあるかいな。馬鹿なこと言ってねぇで働け」
「うぅ……最近のダレカちゃん、冷たい…」
「こっちも色々とあんのよ。異世界の自分と殺しあったり、昔殺した親友が何故か生きて闇堕ちしてたり、育ての親をぶち殺す計画を立ててたり。全部嘘だけど」
「息をするように嘘をつくよね、キミ」
「嘘はダレカちゃんを豪奢に飾るのさ。ドグラ・マグラにもそー書いてたよ」
「精神に異常をきたしている」
「ふっ、魚にパンデミックを捜査するにはランダム性がASMRとラブソングに穴がハリケーンなんだね。承知のオットセイ?」
「精神に異常をきたしている」
「とりまリモコンの判断力と牝犬はお茶と濾過的なノンデリ発言だぞ。語り部は辞書引きとか隣人だし、遥かランナウェイに腹巻は領域展開『無量空処』」
「せせせせ精神にににににいいいい異常をををををききききききたしてててていいいいるるるるるるる」
「馬鹿なこと言ってねぇで働け」
「キミが!謝るまで!泣くのをやめない!!!」
「泣け。泣かないとミドリさんの尻尾の真実を教えないぞ?」
「仕方ないね。やれやれ、24時間戦えますよっと……あー、リゲインリゲイン」
渋々と仕事を進めつつ、先生は手癖のように自分の腹から脇を撫でる。女性らしく緩やかな曲線、あまり筋肉質ではない自身の体――そこに施された施術痕。未だに内部が痛むが、喚く程でもない。
傍らで自分の2.5倍速で働く宇宙服の生徒を横目に、先生は先日までの事件を思い出す。回顧と言うには些か時間が短いが、それでも妙に永く感じた事件。
(………彼岸キミ)
内心で呟く。
瀕死の際、
まるで真名を識った
(一体、
眼前の生徒は、明らかにボイスチェンジャーを介した無機質かつノイズのかかった声だ。電話口から聞こえた声とは質も雰囲気も異なるが、大人としての『勘』が肯定するのだ。あの子供の正体を。
そも、彼岸キミの名を聞くのは
キヴォトスに、確かに存在する『彼岸キミ』という生徒。
「……おん?何見とんのじゃ、またバニースーツでミレニアムにぶち込むぞ?」
「切実にやめて?アレのせいでシャーレの先生は変態だって噂が出回ってるんだから。シノンにも変な特集を放送されかけたし………まあ、ダレカちゃんが(
「や、センセは最初から変態やろがい。クロノスシタチチハミデヤンに(
「事後!?な、なんでそんなことするの!?」
「そうだったらいいなぁって」
「なるほど、キミは性格が悪いんだね………ピエン」
大人はぴえんぴえんと泣き崩れる。死語であっても仕方がない、高潔な大人としての評判は死んでいるのだから。
――きっと、先生が『ダレカちゃん』と名乗る生徒の正体を全て識ってしまえば。これまで通りの楽しくて中身のない会話なんて出来なくなる。
予感であり、確定事項だ。
どれだけ残酷であっても――知らなければいけない。そんな予感だった。キヴォトスに訪れる直前、誰かから託された気がしたから。全てを自分の非であると嘆き、選択を謝った誰かから、この世界で誰よりも弱くて儚い子供を託された気がしたから。
「……知らないとね」
「何を?」
「
「………ククッ…教えてやらねぇよ。へんたいふしんしゃさん」
「不名誉だなぁ」
キヴォトスではなく、世界でもなく。たった一人の生徒も救うための物語を築きたくて。ここに、一つの覚悟が示された。
――■■■■の正体看破――3%――
現状――BADEND率――100%――
――――頼――ま――――あの、子――を――――