シャーレ所属のダレカちゃん   作:ブラウンドック

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アークの星になりたい人生でした。チョワヨー。


投稿予約時間ミスりやした。



ダレカちゃんは世界を滅ぼします

 

えっほ、えっほ!エデン条約を台無しにしてアリウスからも脱走したアリスクのリーダーを見つけなきゃっ!えっほ、えっほ!!

 

「ダレカちゃん!そこを左!!」

 

「おかのした。でも真っ直ぐ行った方が速いよん」

 

「ダメだって!私の三半規管が――うわあぁぁぁ!?建物を走って登らないでぇ!?」

 

はい、どーも。うっふ〜ん♡センセを背負って壁を垂直に走ってるダレカちゃんだよ〜ん♡雨が降ってるからセンセがびちょ濡れでウケる。ちなダレカちゃんの宇宙服は防水性だし中身のヒトは一切濡れないよん。

 

現状を簡単に説明すると――センセにサッちゃんからヘルプメールありーの。センセ向かいーの。()()()()()()()()を追ってたダレカちゃんが合流してーの。あの狐ぜってぇ許さんぞ……!

あの災厄さんのせいで、この世界線でのミカさんの大暴走が九割増でヤベェくなります。サオリ殺すマンからアリウス更地マンになります。

 

ま、そんな些細な事は置いときやして。

 

「ダレカちゃん独自の情報網によると、サオリさんはあっちの方に居ますね」

 

「久々に聞いたなぁ……ダレカちゃん独自の情報網。SS(ショートショート)開始に都合良い言葉になってきてるよ」

 

「ちな最新の情報網によると、備品管理室のコピー紙の束が怪しいって。下から二番目かな?茶封筒に入れてるのはショタとロリの純愛未熟モノ、と。敢えて机に置いといたら一昨日ユズさんがゲーム雑誌と間違えて持ち帰っちゃったコトをセンセに伝えておく」

 

「なんて事をするんだ!?」

 

「んで、昨日ミドリさんが薄暗い部室で隠れて読んでたから三枚ほど写真を撮った後に没収してリンさんに提出する書類の封筒の中に入れといた」

 

「なぁんだ。道理で今朝から鬼電が入ってるワケかぁ………覚えておきなさい、ダレカちゃん。後でお説教だ」

 

「上等だよ、セン公。かかってこいや正論武装で泣かせてヤるよ」

 

えっちな本をコレクションしてる大人がマトモに説教出来るわけないじゃんね☆

 

センセは泣いた。泣いてない、雨が降ってるんだ、と言い訳してたのでゲラゲラゲラゲラと嗤ってやった。センセもつられて、声を上げて泣いていた。雨が降っていました。明日も晴れるといいなぁと思いました( まる)

 

未来予測が得意な皆様でしたらお気付きでしょうが、今後の流れとしましては。サオリさんと合流してからアリスクを集めて、アリウスに殴り込みます。事情とかは諸々、今は省きますね?でも知ってるでしょ、どーせ。

 

「ここら辺やね?」

 

「そうだね……」

 

寂れた廃墟群。たまに不良が勝手に住み着いたりしてるけど、電気も通ってないし雨風が凌げる程度の場所なので誰も長期に渡って住んではいない。

それでも一応は自治区管理の一環として見回りはされるから、ネオンの光は入っているね。切れかかってるケド。

 

「サオリ!居るかい!!」

 

センセが大声を上げる。実はループ系ダレカちゃんにしか分からないけど、毎回サオリさんの潜伏場所が微妙に違うんだよね。

 

建物の中に居ることが大半だけど、塀の裏とか屋上とか。地面に穴掘って隠れてた事もあったね。変わり種だと、ボロボロな着ぐるみの中にいた事もあるね。

ここって色々捨てられてるから。有益な物は持ち去られて売られてるし、残ってるのはガラクタだけやけど。

 

さて、今回は何処にいるかなー。

 

「…………先生、か……?」

 

「っ!サオリ!………サオリ、だよね…?」

 

「こりゃタマゲタケ。壁尻やんけ」

 

「……すまないが、手を貸して欲しい」

 

「えっ、うん……ダレカちゃん。壁壊せる?」

 

「アッハイ」

 

何かサオリさんが塀の穴に身体突っ込んで壁尻やってた件について。これ大丈夫?此方側からは尻が喋ってる風にしか見えないんだが?

 

とりま壁の秘孔を突いて破裂させた。

 

「んで、どーしてこーなった?」

 

「……躓いて、突っ込んだだけだ」

 

「ほへぇ。そーゆー日もあるよなぁ。キヴォトスでは日常茶飯事だぁよ」

 

「魔境かな?」

 

雨の中で壁尻をやってんだから、マジの魔境だろ。中にはコンクリートを素手で破壊出来る生徒もいるけど、ガチの上澄み数人程度だからな。サオリさんもかなり強いけど、壁尻やりながらコンクリート破壊は普通に無理だったらしいね。銃も尻側にあったし。尻側ってなんやねん。

 

「………………」

 

「………………」

 

んで、ちゃんと気まずいのね。サオリさんはセンセを殺しかけたし、センセはそれでも会いに来たら相手が壁尻やってたし。

 

ここで和ませる為に一発芸でも決めてやろうか。そう思案していると、サオリさんは唐突に膝を折って先生に頭を下げた。

 

「………っ!?」

 

「……先生」

 

武器である銃を後方に投げ捨て、両手を地面に付けて頭を下げるサオリさん。この世界、真面目なヒトって損するんよなぁ……あー、かわいそっ。

ダレカちゃん、可哀想なのはちょっとなぁ………ガコンッ。ガコンッ、ガコンッ……今、大丈夫になったね。適応完了。

 

「アツコが………連れて行かれた」

 

「えっ?」

 

……改めて、センセは辺りを見渡す。()()()()()。アツコさんも、他の二人も。アリウススクワッドのメンバーはサオリさんを残して、誰もいない。

無論別行動の線もあるけど、センセだって馬鹿じゃない。指名手配されている現状、同時に確実にアリウスからの追っ手もある。わざわざ各分野に特化したメンバーを別行動させるメリットは薄い。

 

「他の仲間もアリウスの襲撃に遭って、散り散りに……生死も不明だ……あれから何日も…逃げて来た……」

 

心做しかサオリさんは以前よりも痩せていた。きっと食事も満足に食べれてない。

 

アリウススクワッドは二つの選択肢があったんだよね。アリウスに戻って全ての責任を負って、死ぬよりも酷い目に遭うか。味方なんていない状態で逃げ続けて、野垂れ死ぬか。

サオリさんは誰よりも仲間想いなリーダーだから。アリウスに戻って家族を喪うよりも、あんなにも恐れて憎んでいた『外』に出てあるかも分からない希望に手を伸ばしてしまった。奇しくも、彼岸キミと睡蓮スイがやろうとして、()()()()()()()と知っていながら。

 

「私では…彼女を、止められなかった……このままでは、アツコは……姫は、死んでしまう…明日の朝、なんだ。夜明けと共に『彼女』に殺されてしまう……ッ!」

 

「………………」

 

「私の話など、信じられないだろうが……これだけは、真実だ…」

 

暗に、仲間を死なせなくないと言っている。昔からそうだ。サッちゃんは、昔から言葉が足りない。大切だから守ろうとして、でも不器用だから護る事と箱に入れて仕舞う事の違いが分からない。

ダレカちゃんは、大切なら一緒に横に立てるくらい強くなって欲しい。死なないくらい強くなって欲しい。でもサオリさんは守ろうとして、まずは自分が犠牲になろうとする。本当に不器用だ。自分が死んだらどうなるかも分からないなんて。

 

以前のような気力もなく、サオリさんは続ける。

 

「アツコは、元より()()()()()育てられた存在なんだ……ロイヤルブラッドとして。幼い頃からそうやって『生贄』にされる運命にあったのだと、『彼女』は言った………同時にこうも言った。姫の運命を変えたいなら、命令に従えと。そうすれば、姫だけでなく……他の仲間を助けてやると」

 

そも、サオリさんは弱くない。最初から教え導くリーダーとしての資質は兼ね備えていた。だからマダムの命令に背いて自分を貫く事だって出来たハズだ。

でも、やっぱサオリさんは優しすぎた。自分を信じるよりも、大人の言葉を信じて。その方が大切な人を守れると確信してしまったから。

 

逆に言えば、『彼女』の元では仲間を護れないと理解したからアリウスから脱走した。

 

「エデン条約を強奪し、ユスティナ聖徒会の力をアリウスのものとし――トリニティとゲヘナを手中に収めたら……アツコは『生贄』にならずに済む、と……」

 

でも、サオリさんは失敗した。エデン条約の会場を巡航ミサイルで襲撃して、センセを撃って、それでも失敗した。アリウススクワッドは、マダムの立てた最大規模の計画を、任務を遂行できなかった。

エデン条約の強奪は失敗した。トリニティとゲヘナの自治区の征服も失敗して――

 

「仲間を……アツコを守ることさえも、全て……私の力が及ばず、叶わなかった」

 

懺悔している。それが誰かを傷付ける、間違った道だとはきっとサオリさんも分かっていた。でも他に道がなかった。

当たり前だよね。ダレカちゃんだって、そーしてる。顔も名前も知らない他人と大切な人を天秤にかけて、後者を取った。正解のない問いに放り込まれた幼子が、サオリさんだった。それだけのハナシ。

 

「……今の私は落伍者だ。トリニティにも、ゲヘナにも――同じアリウスにも助けを求めることは出来ない。だから……頼れるのはもう、ちくわ大明神先生しか……」

 

深く、深く。硬い地面に両手をつき、サオリさんは頭を下げる。せめてもの誠意を示すために、身に離さず持っていた銃も後方に捨て、帽子もマスクも外し。

今、目の前にいるのは泣きそうな子供でしかない。殺そうとした相手に頭を下げて助けを乞う……どれだけ惨めでも、サオリさんは仲間を守ろうとしている。

 

「……私の命を賭けて約束する、どんな指示だろうと従う。ヘイローを破壊する爆弾、これも…預ける。私の命を握ってもらって構わない。私を信用出来ないと判断したら、それを使ってくれ……だから、頼む……どうか、アツコを……仲間を、助けてくれ…」

 

必死な懇願に、センセの眉間にはシワが寄っている。あれは怒りだ。そして慈悲だ。もうセンセの答えは聞くまでもない。まあ、そうしなきゃセンセじゃないよね。

 

「先に質問するよ。『彼女』って、誰のこと?」

 

「……アリウス自治区代表であり、アリウス分校の主人。私達は『彼女』と呼んでいるが、他の生徒からは『マダム』と呼ばれている。私も数回しか見たことはない……背が異様に高く、赤い肌を持ち、白いドレスを纏った大人――名を、ベアトリーチェ。私よりも姫がよく会っていた…」

 

「そっか……今、他のスクワッドはどうしてるの?」

 

「姫を連れ去られてから、すぐに襲撃を受けて……今は消息は分からない。もしかしたら、まだアリウスの生徒に追われてるかもしれない……」

 

…………あまり言うべきじゃないけど。この人、そんな中で壁尻やってたんだよなぁ。や、別に本人には非がないけどさ。

 

「次。連れ去られたアツコの居場所は分かる?」

 

「……きっと、アリウス・バシリカ。その地下に『彼女』が用意した秘密の至聖所がある。おそらく、其処だろう」

 

「アリウス・バシリカ…?どうして其処に?」

 

「すまない…そこまでは分からない。唯一分かるのは、彼処も以前から姫のために準備されていた場所、としか…ただ。姫も以前から言っていたんだ。いつか、彼処で生贄に捧げられるのだ、と……『彼女』は明日の夜明けと共に儀式を行うそうだ」

 

「残された時間は少ないか………うん、わかった。状況は大体把握したよ」

 

センセは濡れた地面に膝をついて、サオリさんに手を差し伸べた。

 

「……サオリ、顔を上げて」

 

「そーだ!顔を上げろー!」

 

「先生……手を貸して、くれるのか……?」

 

「生徒の願いは無碍には出来ないよ。なんたって、私は先生だからね。あとダレカちゃんうるさい」

 

「……それだけの、理由で……?わ、忘れたのか?私は、お前を撃ったんだぞ…ッ!命を奪おうとした!なのに、どうして簡単に……理解できない……どうして……!」

 

「でも、爆弾は没収だからね」

 

「…あ、ああ……そうだな。約束通りだ。これが起爆装置だ。いつでも押してくれ」

 

「そうじゃなくてね。起爆装置だけじゃなくて、爆弾全部没収」

 

「ば、爆弾もか…?……わかった、お前がそう言うのなら……」

 

センセはヘイロー破壊爆弾を受け取ると、ポケットにしまってたビニール袋にまとめていれた。てか危険物だから慎重に扱えよな。

どーせセンセの事だから起爆装置だけ破壊すんのかなーって見てたら、薄く微笑みながらこちらに振り返る。

 

「ダレカちゃん、これ壊して?」

 

「生徒に危険物押し付けんなや」

 

「キミの事は誰よりも信頼してるからね。安全に、起爆すら許さずに破壊出来るでしょう?」

 

「はぁー?センセの人っていつもそうですよね!ダレカちゃんのコトなんだとおもってるんですか!?鼻くそほじるよりも簡単ですけど!!」

 

「は?ま、待ってくれ…!何を言って――」

 

「メメント・モリ最大出力、消し飛べフルバースト!」

 

はい、ヘイロー破壊爆弾が消し飛びました。大人の玩具程度でダレカちゃんを殺せると思わんことやね。あ、変な意味じゃないよ?普通に、大人が作った失敗作って意味よ?

 

本当なら神秘に対するアンチテーゼ的なヤツやけど、そこはダレカちゃんです。並の生徒と同列に語らないで欲しいっすわ。

 

「たっはー!簡単やわァ!!センセを撃つよりも簡単やわァ!!」

 

「グッ…!」

 

「………ダレカちゃん空気読んで?少し黙ろうね」

 

「…………なるほど理解把握委細承知。個体名、ダレカ=ちゃん。隠しコマンド『沈黙』の行使を申請……却下されました。再度申請、却下されました。再度申請、続けて既存コマンド『後悔』を行使………許可。『沈黙』『後悔』、実行………」

 

「えぇ……キミ、そういうシステムなんだ……」

 

ちな『沈黙』が隠しコマンドってとこがミソだぞ!沈黙中に加えて過去を後悔中なので口には出しませんけど。は?後悔はパッシブスキルなんですが??むしろ後悔の重ねがけで覚醒コマンド『自罰』と『自傷』が発生してるんですが??……………あー、死にてぇ……センセを救うまでは死ねんけど。

 

「うちのアホがごめんね……少し移動しようか。雨の当たらない場所に。今後の話も必要でしょう?」

 

「……ああ。分かった…」

 

「…………………」

 

「ダレカちゃん、行くよ?」

 

「…………………」

 

「……コマンド『沈黙』の解除を申請」

 

「連邦捜査部代表者『ちくわ大明神先生』より、『沈黙』の解除申請を受けました……却下されました。条件追加、S.C.H.A.L.Eによる『超法的権限』を行使………許可。『沈黙』の強制解除に伴いEXスキル『エンシェント・ギャラクティック・ボルケーノ《Ⅲ―改―》』の新規習得、パッシブスキル『ワールドエンド《∞》』の発動を確認。パッシブスキル『ワールドエンド《∞》』の発動により、『最期ノ禁忌封印』の解除を確認。『最期ノ禁忌封印』の解除に伴い、第三のパッシブスキル『ラストアポカリプス《壊》』第四のパッシブスキル『終焉の神獣』を発動。第四のパッシブスキル『終焉の神獣』まで解放されたことにより、条件をクリア。『混沌世界創造(カオス・クリエイティブ)』を習得、『(コトワリ)改編』の習得を確認。実行に伴い【最期の詠唱】を開始――

【幾度の絶望、一度の幸福、伸ばし届かずそれでも羨望は止まらない、迷い猫が鳴く、故に意味も価値も無に帰す】

【其の絶望の名を告げよ、其の名を、忘却した真名を告げよ、遠く、遠く、遠く遠く遙か遠く、もう貴方の顔も忘れた、それでも脚は続く、止まれない呪いは無垢を蝕む】

【渇き、慟哭、狼狽、虚偽、新たな貴方へ救済を、愚かな己へと滅亡を、滅亡を、滅亡を、滅亡を滅亡を我に一切の滅亡を――】

【死を想え、死を忘れるな、その日を摘め、今を生きろ、空の空、一切は空である、故に全ては虚しく、灰に等しく】

【雑音の悉くよ、混沌の糧よ、我が根源を以て一筋の絶望を紡げ、二度目の救済に捧げ、夢幻の灰を顕現せよ――】火炎呪文(メラ)

 

「サオリ、ごめん……世界、滅ぶかも」

 

「あ、ああ……そうなのか…?」

 

「あーあ、センセのせいだぞー?」

 

「味方に話しかけたら急に世界を終わらせるなんて思わないじゃん。あ、でもテイルズ・サガ・クロニクルで見たかも、この展開」

 

やっぱりクソゲーじゃないか()あのゲーム。味方に話しかけるコマンドはあるのに話しかけたら味方が破壊神に覚醒してBADENDなんだよな。一応クリア扱いだから、部門によるけどRTAでも使ったり。

 

 

――かんわきゅーだい♤

 

とりま雨風を凌げる場所に移動しました。てか二人を担いでダレカちゃんが『こうそくいどう』しました。素早さが二段階上がったね。

ここでチンタラしてると、ワカモさんのせいで闇堕ち覚醒したミカさんがサオリさんを殺してダレカちゃんを誘拐しに来ます。つまりどーゆー事だってばよ……?

 

ま、その説明は後々ね。

 

「サオリさん、まずは温かいスープと防水コートをあげよう。たくさんあげよう」

 

「……私には不要だ。代わりに、先生や他の皆に…」

 

「他のみんなの分もあるわい。今から渡しに行くんだわい。だから遠慮なく着れ飲め食え踊れ。はい、センセにも『あぶってかも』を持ってきたよ」

 

「え、なにそれ……魚の塩焼き…?」

 

「酒によく合うんよね。ダレカちゃんの好みは…そうさね、ぼたっこかしら。実質やっこい岩塩やけど、欠片で腹つえーくなる程度にはまんま食えるからコスパ良き良きよ?もち酒もイケる」

 

「……お酒、呑んでないよね?」

 

「えー、今作にはガキ共に酒を促す意図はごぜぇやせん。或いは登場人物全員成人済みです。また或いはキヴォトス用語で『酒』とは『美味しいノンアル合法清涼水』を指す言葉です」

 

「またダレカちゃんがバグった……えーっと、セリカの応援ボイスを流すと直るんだっけ。ちょっと待ってね」

 

「お゛ほッ♡チョワヨー、チョワヨー……♡」

 

「……これが、シャーレの馬鹿コンビ…噂通りか」

 

「待って待って……泣きそうだよ、私は。アリウスまでその噂が届いてるんだね……」

 

「アーウ…!!ダレカチャンヲイジメヌンデ……や、本当に頑張ってるよ?センセを貶すと同時にダレカちゃんを褒めて欲しいかも」

 

ちょいと真面目な話をしますと。さっき説明したけど、この後ってスクワッドの面々を拾って、マダムをボコるんじゃん?姫ちゃんが人質だけど、まあ問題はない。最初からどー動いても、夜明けまでは貴重なロイヤルブラッドを無意味に殺すような事はしないし………ヤられた事もありますねぇ!クソが。まあ……ゆーて正確には、人質じゃなくて餌だけど。センセを殺したり色彩を呼んだりの。

 

マジ単純にね、マダムが色々と企んでるってだけのハナシよ。嘆かわしいね、殺したいね、お前が居なければどれだけキヴォトスが平和だったか………トリカスのせいでアリウスは平和になれなそう()

 

んで、実はね?それはモーマンタイなのよ。ループ初期は苦戦したし何十回か殺されたけど、今は余裕やし。手順は単純です、まず撃ちます。相手は死にます。正確には死なないしクソ不審者にお持ち帰りされるけど、まあ死んだようなモンですよね。

だから実際ね、ベアトリーチェさんはどーでも良いのですわ。ダレっダレのダレカちゃんが手を出すまでもないからね。雑魚雑魚貧弱雑魚虫なセンセでもギリ倒せるんですもの。ちな今のセンセがダレカちゃんを指揮したら二秒で終わるよ。そしてセンセがクッッソ疲れて動けなくなるよ。

 

………まー。()()()()()()()()()ってのもあるんやけどな。ハアァ……クソデカ溜息が量産されちまうぜ……!

 

「さて。じゃあダレカちゃんは大事なお電話をしてくるから、二人は仲良くねー?サオリさんも、またセンセを撃ったら滅ッ、よ?」

 

「……………」

 

「空気を読めないのは格好だけにしようよ……」

 

「おいコラセン公、誰の格好がTPOを弁えてないって?」

 

「……構わない。今更、全てを信用しろとは無理な話だろう……」

 

「そんなこと…!」

 

「センセ、センセ。貴女はどーにも生徒を信用しがちだけど、それを他の人にまで強要しないでね。あんま、気分良くないから」

 

「……………!」

 

「なんちって。にゃはは〜」

 

イジリでも何でも、悪い事に罰は必要だからな。

 

別にダレカちゃんはサオリさんの事は嫌いじゃないけど、センセを生かすために殺さないといけないなら普通に殺せるよ。例え昔馴染みだろうとも、恩人だろうとも。

でもやっぱ、嫌いではないから傷に岩塩を抉り込む程度で許すのです。ダレカちゃん、性格が良くないのは自覚しながらも勝手に色々やって勝手に病む病むヤミーなメンヘラだからね。あ、嘘です。メンヘラではねぇわ、単に性格が悪いだけだわ。は?世界一性格がいいんだが?

 

とりま雰囲気がオワタ二人を放っておいて廃屋を離れる。雨に打たれたって、気にしなーい気にしなーい。

 

ある程度トテトテと歩いて、携帯端末に電話番号を打ち込む。

 

ぷーっ、ぷーっ、プルルル、と鳴りまして。数秒後にノイズのような、電話の先が繋がった音が響く。

 

「あー、もしもしー?聞こえてるー?」

 

返事はない。微かな息遣いと、衣類や装備が擦れる音だけが聞こえる。会話するつもりはないらしい。でも関係ないので続ける。

 

「どーも、ご存知ダレカちゃんやで。ん?なんで電話番号知ってるのか、って思ってるでしょ?答えはカンタン、ダレカちゃんがシャーレの秘書だからさ。シャーレ所属の生徒なら、誰の連絡先も知ってるぜ?ま、所属してなくても知ってるけど。クラスの皆には内緒ダヨッ!ティヒヒッ!!」

 

変わらず無言。でも暗に、要件を言えとの圧を感じる。あ、でも舌打ちは聞こえたかも。相変わらずキレやすいね。

 

「まー、まー。怒んないでよ。電話される覚えがない、ってワケでもねぇんでしょ?言っとくけど、あんま暗躍とか向いてねぇぜ?アンタのやる事成す事、全部バレてっからさ」

 

まだまだ無言。

 

別に憎くはないし、あの程度の()()()()なんてダレカちゃんにとっては複数あるアラームの一つを止められた程度の苛立ちしかない。

とても温厚で空気を読める美人最強無敵系ループ体験者な世界観測側生徒であるダレカちゃんは、百均の靴下に穴が空いたくらいでブチ切れたりはしないので。

 

うん、キレてなーい。キレてなーい………筈がねぇんだよなぁ。

 

「これだけは言っとく………ダレカちゃん、少しキレてるから。うちの可愛いお姫様を唆しやがったクソ狐ちゃんよォ……ケツ引っぱたいてヒイヒイいわせてやっから、精々青いモン拭いて待っとけよ。愛おしい小心者め」

 

『…………殺しますよ、彼岸キミ…ッ』

 

「誰がところ天の助だ。ダレカちゃんだよ、小者脱走犯」

 

それを最後に、ポチリと通話終了のアイコンを押す。別に喧嘩したいワケじゃないからね。でもその度々に邪魔されるのは嫌だし、ヤる事はヤる。

 

「……はぁ……」

 

バチクソ深い溜息をつく。こーゆートキだけは、この宇宙服に感謝してしまう。全てを繭のように包んで、隠してしまうから。願わくば、この繭が彼岸キミの最期の棺桶であって欲しい。

 

再度ついた溜息は、きっと誰の心にも届かない。

 

◆◆◆オマケ◆◆◆

 

ダレカちゃん

・軽くキレてる系生徒。センセを殺しかけたサオリさんに少しだけキレてるし、陰でミカさんにカコバナをした狐にはもっとキレてる。昨日はセリカさんと一緒に寝た。

 

 

ちくわ大明神先生

・本名。閑話のスレにも『ちくわ大明神』と呟いている。最近の悩みは蝉の抜け殻の飴細工を衝動的に大人買いしてしまった事。誰も食べてくれない。

 

 

ミカ

・裏でサオリ殺すガールからアリウス更地ガールにメガシンカした。進化素材は災厄の狐面。別に種族値が+100したりはしない。ロールケーキ生活の結果、この世界に『聖園ミカ』が数kg増えた。

 

 

キツネ

・アジテーター。過去を知る者。情緒ぐちゃぐちゃ。

 

 

サオリ

・対面して、ちゃんと中身に気付いてる系生徒。でも言わない、それがあの子の幸せだから。それはそれとして、過去の知り合いにそっくりな言動にびっくり。情緒ぐちゃぐちゃガール。

 





チョワヨー。
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