「最強ってさ…、堕としたくなるよね」理論の堕とされる側であるTS戦闘狂 作:産地直送の焼き鳥
※2/27 「YES 、Sir」の掛け声を「YES、Ma’am」に変更しました。
どうもこの度総合生徒会長の役柄を拝命しました『龍神楽 羅希』、中等部2年でございます。
いつのまにか私が知らぬ間に総合生徒会長に就任していたので、新手の異能攻撃か、もしくは特殊な秘宝*1の影響を受けているのではないかと思っている今日この頃である。
まさか昨年度の生徒会長を捕まえた後、困っていた生徒会を助けていたのが不味かったのか?!
いや、私が自ら捕まえたから罪悪感で行っていただけなのだが…。
最後の方はほぼ全員が私の指示に従っていたことが不味かったか?それとも生徒会会議に生徒会長代理で出席したのが不味かったか?それともアレか、色んな式典や行事で、私が生徒会員の皆に指示を出していたのを一般生徒に見られていたのが不味かったのか???
「…全部ではないか、コンチクショウが!!」
今になって考えてみると、やってしまったとしか言えない。
あんなことしていたら、『私が次期生徒会長で〜す』なんて言っているようなもんだろう!!
ハァ、と大きいため息を吐きながら寝起きでボサボサとなってしまった長い髪の毛を姿見の前で髪を梳いてゆく。
まだカーテンの外は暗い時間ではあるため、少し目がしょぼしょぼするが我慢してしっかりとこんがらがっているとこを直して行く。
かなりの長髪であるし、異能の影響で生えているツノがあるため、朝の時間に髪を直すのはかなり大変なのだ。
これもまた性別が変わって困っている要因の一つである。
このままにしておくのも、母が『羅希は長い方が可愛い!!』と言ったため、仕方なくである。
まあ?可愛いと呼ばれては、私としても満更ではないからな!
諸君、決して母のためではないぞ!断じてな!
…まぁ母以外にも髪を伸ばしておく理由はあるのだが、それは後に置いておく。
髪を梳き終えると、すぐさま制服へと着替える。
私たち『国立異能鍛錬総合学園』の制服は基本的にだが学部ごとに制服が違う。
迷宮探索科だったら赤色を基調とした制服、理工科だったら灰色を基調にした作業着のような制服、農学科だったら濃い緑の制服、普通科ならばブレザーを改造したようなベージュ色である。
最近は普通科と理工科から『色が似ているから何とかして欲しい』という苦情が来ているが、んなもん知らん。
そして私は先ほど『基本的にだが学部ごとに』と言った。
つまりは例外があるのだ。
その例外は生徒会と風紀委員会が中心である。
一応だが学園内には警備員は多数在籍してはいるが『校風的に生徒自身で解決するのが望ましい』とされている。
ここの時点で少しおかしい気がするが、気にしている奴はほとんどいない。やはり新手の異能攻撃か…?!*2
ともかく我々生徒会、及び風紀委員はその特殊性から制服の色が独立している。
例えば農学科の在籍しているが風紀委員ならば、風紀委員専用の制服を着て、普通科の生徒が生徒会ならば生徒会専用の制服を常時着るとかだ。
もちろん休日は流石に私服で問題ないが。
そんな生徒会の制服はどんな者であるかと言うと、一言で言うならば改造された黒を基調とする軍服、だろうか。
金のボタンに帽子、生徒会幹部にはかっけえマントまで支給される。
いざとなればマントは盾になったりもする特殊加工である。どっかの特殊部隊か何かか?
ちなみに私の提案ではなくこの学園設立からの伝統だ。
風紀委員の制服?…後でいいだろう。
どうせ後で見るのだ。
手袋、ベルト、帽子、マント、制服全てを着ると玄関のドアを開け、生徒会本部へと向かって行った。
◇◇◇
この学園は中高一貫で全寮制だ。
帰省するのは年四度の長期休暇の時のみ。ちなみに電話、メールなどは使用可能なため入学を検討している者たちは安心していただきたい。
さて、そんな全寮制のおかげで私に割り振られた寮から生徒会へは数分で到着する。
生徒会は全七階建てのビルとなっている。場所は高等部と中等部の敷地の間くらいだな。正式名称は「生徒会本部」となっているのだが、一般生徒からは『権力の塔』なんて言う不名誉な名をいただいている。…まぁ中身を知らん者たちの対応なんていつでも、何処でもいつの時代でも同じだ。気にしないほうがいいだろう
さて、『名も知らぬ諸君』、君たちのためにまずは中を説明していくとしよう。
まずは一階、『本部入り口』。
完全に機械で行われているが、生徒会本部役員の入室や関係者の管理をしている。
それと玄関の裏側には車庫があったりする。
え?中学生から高校生しかいないから運転できないって?
…君ら「私有地内は運転免許証不必要」と言うのは知っているか?そういうことだ。まぁ乗るには生徒会が発行した許可証が無いと乗れんが。
次は三階、『職員業務室』。
二階はどうしたのかって?
アソコは色々特殊なのでな。後日である。
ここの学園は基本的に生徒が基本業務を行なっているが、国との交渉、学園に関わる問題、それと学園運営事項などは職員が担当していたりする。
それと朝言った警備員だな。
それらの大人の基本的な在室場所がここだ。勿論各学科にも職員室は置かれているが、ここが中心として動いているわけだ。
四階からは生徒会の執務室が入ってくる。
『風紀委員室』。
彼ら風紀委員は生徒会の下部組織であり、尚且つ独立機関というよく分からん性質を持っている。
まぁ生徒会は風紀委員会への命令権を持っているが、緊急事態には無視、または独断で行動できる、というわけだ。
彼らの基本業務は学園内の治安維持。具体的に言えば監視カメラとかを使って犯罪防止だとか、学園内の巡回、それとこの学園の敷地内にあるダンジョンの監視・点検などが中心だ。
少し中を覗いてみるとしようか。
「「「あ、総合生徒会長!!おはようございます!!」」」
「あぁ,おはよう」
今私の前にいる白い警察官のような服を着ているのが風紀委員だ。
何でも『自由の中にも白き秩序を』という意味が込められているとか。
ちなみにそこらの制服とは訳が違う。
着ていてもメッサ軽いし、動きやすく、破れにくい。防刃防火防水機能までついている超高性能制服である。
しっかり生徒会の服にもついてるぞ、この機能は。
着ていてとても楽である。
「龍神楽さん、何かご用でしょうか?風紀委員長は現在いませんが…」
「いや、特にない。問題がないか見に来た程度だ。…にしてもアイツはまだ来ていないのか?」
部下のことをよく見てる奴はいい上司って言うしな。結構見に来ていたりする。私の方まで連絡をさせるのは非効率的だし。
「…はい。委員長はまた寝坊ですね…」
「ハァァ…」
風紀委員長は寝坊助である。
なぜ風紀委員に入れたのか聞いてみたいし、何であんな奴が風紀委員長なのやら…。
まぁ実力はしっかりと評価しているが。
「副委員長!委員長から電話です!『朝起きたら寝室内に強敵がいた。対処してから向かうため遅れる。以上』とのことです!」
「あぁ、いつも通りの寝坊の言い訳ですね。ハァ…、今日来るのはいつになるんでしょうか。書類がまだたっぷりあるというのに…」
そして目の前でため息ばっかり吐いている幸薄少女が風紀委員副委員長である。
とても優秀なのだが、委員長にいつも振り回されている。まぁ彼に首輪をつけて制御していただきたいところだ。
…先ほど風紀委員長の言い訳で出てきた『強敵』とはおそらく『ベッド』のことだ。うん、間違ってはいない。九割九分九厘そうである。
「それでは何も報告がなければ私は上に向かわせてもらう」
「はい、毎朝ありがとうございます。風紀委員長には爪の垢でも煎じて飲んでいただきたいですねぇ…。ハァ…」
彼女の背中からスゴイ陰の気が漂ってくるため、さっさと退散するとしよう。
エレベーターに乗って五階に向かえば、『中等部生徒会』が置かれている。
ここは中等部の生徒の管理とか、施設の整備点検、中等部のみの行事や部活の準備・管理などを行なっている。
「おーい、中等部部長はいるか」
「あ、はい中等部部長ですね。ちょっと待っててください」
中等部の入り口あたりで待つ。
あ、中等部部長と言うのは中等部生徒会生徒会長のことである。名称が長いためと総合生徒会長との区分のため、生徒会内とか正式でない場では『中等部部長』と呼んでいる。
最近になって新入生の体験入会が始まった訳だが、今さっき部長を呼びに行ったのが中学三年、そして目の前にいるのが新入生だ。
そしておそらく私の顔をあまり覚えていないのだろう。尻尾やツノを持っている生徒は結構いる。さらにいつも被っている帽子は黒色のため、遠目に見ればツノは帽子の模様に見えてしまう。そのため私の見た目というか、特徴はこの世界では一般的とは言えないが似ているものは意外といる。
だから私のことを『すごく怖い気配を出していた人』と覚えているのだろうか。
そんな時はこんなことが起きる。
「えーっと、お嬢ちゃんどうしたの?迷子かな?」
「…」
まぁ身長の低さのためだとは思うが。
今の身長は150cmに届いてすらいないためだろう、寛大な心で許してやる。
小5から今まで3cmしか伸びていないが、今年中に10センチ伸びる予定なので問題はないだろう。…無いよな?
目の前の新入生が困っていると、中等部部長がやってきた。
「あ、部長!この子どうしましょうか。職員の方の迷子ですかね」
「えっ」
新入生が中等部部長の方を向いた時に、唇に人差し指を当て、いわゆる『静かに』というポーズをとってみた。
部長は何か察したのか
「うーん、どうすればいいだろうね。錦鯉さんはどう思う?」
「え、私ですか?」
おぉ!新入生の質問にYESでもNOでもなく質問返しで誤魔化すとは。
なかなか切り替えが早いな。コイツ。
さてはて、目の前の新入生ちゃんはどうするか、…おっと?
「えーっとお嬢ちゃん。お姉さんにその制服どこで拾ってきたのか教えてくれない?」
「…」
ほう、そうきたか。身長が小さくなっている、または小さくできる物質変化系の異能者もいるのだからもう少し考えた方がいいとは思うのだが…、まあいいだろう。
拾ってきた、ではなく私のものだからな。
答えんでいいだろう。
強引に解釈するならば『自分のクローゼットの中から拾ってきた』だろうか?
すると困ったように新入生ちゃんは
「人見知りちゃんですね…。えーっと…、それじゃあ…、あ!それじゃあ私についてきてくれないかな?職員業務室まで連れて行ってあげる!」
「…(コク)」
面白そうだから頷いてみると、新入生ちゃんの顔がすっごく明るくなった。
おそらく先輩方の前で役に立てて嬉しいのだろう。
…後ろの君の先輩方は和やかな目でこっちをみているが。オイ、そこのやつ。「総合生徒会長が幼児の真似とかきっしょ」とか思っただろう。そうだそこの中等部部長だ。
後で話があるぞ?
目の前の新入生ちゃんとは裏腹に、部長の方は顔が真っ青である。
そして後ろの中等部生徒会役員たちは必死に笑いを堪えている。
…もう少し仕掛けておこう。
「…(スッ)」
「…あぁ!抱っこですか!良いですよ、こう見えてもお姉さん力持ちなのです!」
おっと躊躇なく行くか。
新入生ちゃんはその細い二の腕に力を込めて、力こぶを作っていた。
まぁ、そんなに自信があるなら身体強化の異能だろうか?
しかし無謀としか言いようがないぞ?
なぜなら私の体重は
「よいしょぉぉぉ?!?!?」
200kg近いからな。
ほぼ筋肉の塊である。
そして彼女の声と共に、笑い声が響く。まぁ堪えていたところにこの声だ。
当然吹き出すだろうな。
「えっ、えっ??」
まぁ新入生ちゃんは意味がわからないだろう。
目の前の美少女が予想よりも重くて、さらに先輩方が笑い始めたのだ。当たり前だろう。
さてネタバラシだ。
「さて、錦鯉、と言ったな」
「ぽえ?」
追い討ちで先ほどまで一言も喋らなかった美少女が、急に喋り始めたので放心状態だ。悪いが採点していくぞ。
「迷子の子どもに対する対応としては完璧だったな。しかし相手が異能で小さくなっていてナイフを持って攻撃してくるパターンや、抱きつくことで発動するタイプの異能を警戒していないところは減点、と言ったところだ」
「ふぇ、ふぇええ?」
面白いほどに混乱しているな。
さて、中等部部長はっと。
「それと中等部部長、それだけ元気なら問題は特にないな?」
「あ、はい。報告するようなことは特に。…あのーイタズラに手伝ったということで『OHANASHI』はチャラには…」
「生徒会業務が終わったら喫茶店に行くぞ。勿論私の奢りで良いぞ?良かったなぁ?」
あ、崩れ落ちた。
この亡骸は放っておいて、さっさと次の階に行くとしよう。あ、言い忘れていた。
「それと錦鯉」
「ほえ、…あ、はい!」
呼び捨てで呼ばれたため、研修を思い出して正気に戻れたようである。
良かった良かった。
「先ほど言ったのは『迷子の子どもへの対処』への採点結果だ。あの対応には80点をやろう。
…それと総合生徒会長の顔は一応覚えておいたほうがいいぞ?『迷子の子ども』からのおすすめだ。
さて私は帰らせてもらう」
「「「龍神楽生徒会長、また後で!!」」」
ここには同年代が多いので,もっと気楽に締めるのだが今回ばかりは少しふざけるようだ。
まあ私が始めたのでいいのだが。
部屋から出ていくと、新入生ちゃんの『えぇぇぇぇぇ〜〜〜!?!?』という声と他の会員たちの大爆笑で見送られた。
次は高等部生徒会室である。ここが六階だ。
業務は中等部生徒会の仕事内容が『高等部』に変わっただけだな。それに加えて受験・就職に関することはここが一括して行なっていたりもする。
「高等部部長殿はおられるか?」
「あぁ、あなたですか。…副部長、部長共にまだきていません。まぁいつも通りです」
私が入ってきた途端、室内にいたものたちがこちらをみてくる。基本的に不快感と嫉妬心だな。
目の前のコイツはクッソ塩対応だが、マシな方である。
前回話しかけた奴なんて無視してきたからな?次やったら泣くぞ?本気でやれば私は140dBまで出せるからな、覚悟しとけ。*3
「そうか。それでは私は退散させていただく」
「ええ、そうしてください。」
さっさと退散である。
どうにも大半の高等部生徒会役員が『中坊がなぜ総合生徒会長に…』という心境となっているのだ。
まあ当たり前だろうな。ポッとでの人間に学園内最高の地位が取られた訳だし。
…地位やら権限譲ってやりたいんだけどなぁ、譲ったらなぁ…。『お?譲ったならアイツの方が強くね?それじゃあお前は興味ねえな!ガハハ!』と言った感じで雑魚が沢山来なくなるのが不安なのである。
この席に座って分かったことだが、前よりも襲撃者が増えているのだ。私としてもこの効果だけは渡せない。
…権限だけ渡せないだろうか。
それと風紀委員長とは違い、副部長・部長は寝坊などではない。
部長の方が先天性の病を患っており、登校にしばし時間がかかってしまうのだ。
それに幼馴染の副部長が付き添ってる感じだな。
あの副部長顔はゴリラか893とか何だけど、すんげえ紳士的なんだよな。副部長が甲斐甲斐しく世話をしていて、それに部長がたまに照れるという何とまあ、てえてえ姿を見せる訳である。
あの二人はとてもお似合いのカップルだ。本当に。末長く爆発してくれ。
閑話休題。
さて最上階は私の仕事場『総合生徒会本部』である。
「おはよう、皆」
「「「おはようございます!!」」」
みんな各自が自身の机で資料の確認や、書類作成などをしている。
ここの業務は高等部・中等部合同の行事、例えば運動会や文化祭、そして対抗大会、入学式、卒業式の準備・計画・運営をしている。
他にも学園運営に口を少し挟んだり、外部との交渉、それと風紀委員会は総合生徒会本部の下部に入っているため風紀委員会との協力とかも業務に入っている。
まずは自分の机に向かうとしよう。
私の机は中々に大きい。
総合生徒会長の判子やサインが必要な書類も結構あるからな。その分書類の置き場所も必要という訳だ。…よくよく考えると生徒のサイン・判子が必要って何だ。
考えながら自分の椅子に座る。
柔らかすぎず、硬すぎず。業務に最適のお気に入りの椅子である。
「会長、今日の朝の分の書類です」
「ありがと」
そして隣にいるのが専門秘書官。
まあ秘書みてえなもんだ。生徒会長とか忙しい奴らの手助け員。基本的にここで生徒会長とかの仕事を学んでから、次代生徒会長に就任することが多い。
しかしながら前年度は総合生徒会のほとんどが事件に関与していたからな。当然前専門秘書官も捕まっている。
残っているのはマトモな数名だけである。
そのため私は学園の歴史でも珍しい『専門秘書官経験なしの総合生徒会長』らしい。
ちなみに200年ほど前と60年前に計2回ほどあったとのこと。
さすがにどちらも高等部のもののため、中等部の者がなったことは無い。それ故に私の優秀さが立証されたな!
専門秘書官から渡された熱いブラックコーヒーを飲む。
ん?カフェオレ?何を言っている。どっからどう見てもブラックなコーヒーではないか。私がブラックと言ったらブラックなのだ。良いね?
「ふぅ、甘くて良いな…」
さて、業務開始だ。
「『給食室からの今週の献立表』…これは私のハンコいらなくないか?可決。
次、『理工科からの研究費追加要請』…ここの学科は学園内で一二を争う資金の多さだぞ?否決。
次、『生徒名簿の最終確認』…これは後でいい。放課後やる。
次、『国立異能鍛錬大学の設立』…またか。何度目だ本当に。九回目か?金がかかるわ国との相談が必要だと何度言ったらわかるんだ。要検討。
次、『ダンジョン現時点の最深部58階層の攻略計画立案書』…食料品とポーションの数が不十分。それと探索者の名前・ジョブ・パーティの記入漏れ多数。再提出」
さっさと書類を片付けていく。
早めに終わらせて朝食を取りたいのだ。素早く判断し、素早くハンコを押す。サインが必要なものにはサインもだ。
それを秘書官が処分・要検討・可決などの種類ごとに回収していき、区分けしていく。
生徒会歴が長い子を選んだお陰で秘書官としてとても優秀だ。
ちなみに前生徒会の真面目な子である。
「総合生徒会長興味ないの?」と聞いたら「権力とか要らないので」と返ってきた。うーん、いい子。
早めに処理した方がいいものが最初に渡されてくる。この分だと今日は早く終わりそうだな。
そう思っていると、生徒会役員の一人が電話をとった
「はい、総合生徒会本部です。何か…はい、はい!?本当ですか!?了解です。場所は…」
何やら不審な様子である。
電話をとっている彼がすぐさまメモをとり、隣のものに見せた。
「…!!」
そのメモを受け取った彼は、壁に設置されている大型モニターに映像を写した。
「皆さん!風紀委員から連絡です!魔物研究会と理工科での共同研究が失敗し、『巨大な触手生物が誕生した』とのこと!!
場所を写します!!」
すると学園内のカメラに接続され、その巨大触手生物の姿が映り、それと発生場所の地図が出てくる。
発生場所は理工科大型野外実験場。えーっと近くには、理工科研究棟、理工科高等部寮及び中等部寮、そして向かい側には風紀委員の寮。…あ。
「なお現在は風紀委員長が交戦中とのことです!!風紀委員長からは『二度寝してぇから誰か来てくれない?(`・∀・´)』とのメッセージが!!」
そういや風紀委員長、『朝起きたら寝室内に強敵がいた。対処してから向かうため遅れる。以上』とか言っていたな。
…たまにあるマジ案件かい!
こんちくしょう!!
「総合生徒会、非戦闘員、及び第二、第三隊以外出動する!!副生徒会長は業務処理を続けてろ!!風紀委員長が面倒くさくなって周囲の建物壊す前に向かうぞ!総員出動準備!!」
「「「YES、Ma’am!!」」」
「えっ、私だけそのまま!?私副生徒会長だから動かした方がいいんじゃ---」
「学生の避難状況は!!」
「良好です!すでに現着した風紀委員第一隊によって八割が避難完了しています!」
よしよし、あとは触手のバケモンをぶっ倒すだけの簡単なお仕事である。
さっさと倒すとするか。
「追加情報です!!開発者たちが『特殊制服のみを溶かせるように作ったぜ!!頑張ったな俺ら!!』と言っていたとのこと!!被害者は風紀委員長の制服のみです!!」
………。
特殊制服=我々生徒会や風紀委員の制服である。つまりはそういうこと。
「あ!風紀委員長の服が大分溶けてきました!よっしゃ、タコ野郎もっとやれ!!イケメンのムキムキ裸が見てえんだよこちとら!!
タコ、がんばれ!!」
ひとまずはナレーターのやつをしばいてから、向かうとしよう。
「あ、せ、生徒会長!!ち、違うんです。これにはとても高尚な理由がございまして…、一緒にみます?」なんて言ってたが拳骨しておいた。
「グオオオオォォォォ!!!」なんて言っているが気にしない。
そもそも私はレズビアンである。中身は元男子高校生だし。賄賂として見せてくるんだったら綺麗なお姉さんの写真持ってこい。
「さて、全員準備はできたか?」
「は!第一隊全員準備完了です!」
「第四隊同じく!」
よし、それでは行くとするか。
「総合生徒会、これより総合生徒会長『龍神楽 羅希』の名の元に『風紀取締権弐型準一種』*4の行使を宣言する!」
「「「YES、Ma’am!!」」」
「総員、出動!」
なお誰も『肉体的』損害を受けず討伐完了。
戦闘を担当していた幾名かに、物資が支給された程度の被害だった。
それとこの触手を開発した奴らは男女半々であり、触手討伐中の光景を見て狂喜乱舞していたことを追記しておく。
あとはご想像にお任せ。