ハニー・ポッターシリーズ   作:鹿太

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賢者の石編②−1


ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」 1/3

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 19:32:10.36 ID:VLS+n+jf0

 

ハロウィーン翌日

 

ハグリッドの小屋

 

ハグリッド「おぉ、おぉ、ハニー。無事でよかった、本当に、俺ぁトロールが城に入ったって聞いてよお、生きた心地がせんかったぞ……それに、お前さんらで退治した!なんて聞いた時ぁ、そりゃあもう」

 

ハニー「不安なんて、感じる必要あるかしら?私を迎える時は期待と羨望の眼差しと歓喜の声だけ用意しておきなさい、ハグリッド」

 

ハグリッド「ちげえねえ!ヒンヒン!」

 

ハーマイオニー「……昨晩のしおらしさが嘘みたいね。目の当たりにしていなかったら、今でも信じられないわ」

 

ロン「あぁ、あのトロールをぶっ倒した後の至福の時間のこと?いやあ、儚げな美しさだったよなあ。あれのためだけにこれからも僕は戦えるよ」

 

ハニー「なあに、ロン?何か言いたいようね?」

 

ロン「ヒンヒン!君はとっても素敵だね、ってことさ!」

 

ハニー「えぇ、知ってるわ。高貴で可憐で、儚げでしょう?」

 

ロン「!!!! 採用された!!!!!!!!マーリンの髭!!!!髭!!!!!!」

 

ハーマイオニー「何そのシステム……」

 

ハグリッド「グスッ、そうさな、嬉しいこった、今日もお天道様とハニーが拝めるんだから……そんで、そうか。あんたがハニーと一緒にいたっていう?ヒンヒン?」

 

ハーマイオニー「えぇ。あー、生憎だけどそれでは伝わらないの、ごめんなさい……いいえ、違うわ。伝わる方がおかしいの、おかしいのよなんなのそれ一体」

 

ハニー「ハグリッド、彼女は、私の……え、っと」

 

ロン「……」

 

ハーマイオニー「……」

 

ハニー「ニヤニヤしない! 私の、お友達よ!お友達の、は、ハーマイオニー!くれぐれも粗相はしないこと!いいわね!」

 

ハグリッド「! そうか、そうか!お友達、そうか!!あぁ、そりゃあええ!よろしくな、ハーマイオニー。俺ぁルビウス・ハグリッド。ハニーの豚をしちょる。ついでにホグワーツの森番だ」

 

ハーマイオニー「絶対逆だわ……ねえ、あなたたちいつもこんな調子なの?」

 

ロン「もちのロンさ」

 

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 19:32:10.36 ID:VLS+n+jf0

 

ハーマイオニー「結局、あのトロールはなんだったのかしら」

 

ロン「そりゃあ、君とハニーのキューピッドじゃない?」

 

ハーマイオニー「それはそうだけど、そういうことじゃなくて」

 

ハグリッド「お?どういうこった?ん?」

 

ハニー「ハグリッド、たんぽぽジュースが切れたのだけれど?」

 

ハグリッド「おっとすまねえ!ヒンヒン!」

 

ハーマイオニー「いったい誰が、何のために入れたのか、ということ。あんな危険な生き物を校舎に入れるだなんて、正気じゃないもの」

 

ロン「確かにハロウィーンの賑やかしにしちゃあ、粋過ぎて行き過ぎだったよな……でもさあ、天井まで届くくらいバカでかい三つ首の犬が飼われてるんだし、今更じゃないか?」

 

ハーマイオニー「それは……」

 

ハグリッド「ほれハニー、お代わりだ。沢山飲んじょくれ……お、おう?なんでお前さんら、フラッフィーを知っちょるんだ?」

 

ハニー「フラッフィー?」

 

ハグリッド「おう、俺がダンブルドア先生様に預けたフワフワのフラッフィーだ。護るため……おっと!は、ハニー、ほれ、たんぽぽジュースをだな……」

 

ハニー「ハ、グ、リ、ッド?」

 

ハグリッド「おっほー!!そ、そりゃ……いけねえ!いけねえいけねえ!それはいけねえんだ、ハニー!い、いっくらお前さんでも俺は言わん!言わんぞお!お前さんに危ない目に遭わせるわけにいかねえんだ!」

 

ハーマイオニー「……護る……三頭犬……あっ……」

 

ハニー「……ハーマイオニー?」

 

ハーマイオニー「……ダメよ。ハグリッドの言うこと、聞いていたでしょう?危ない何かなら、私だって……きゃあ!?な、なに!?なんで押し倒し、えっ!?な、なんで、顔、近……」

 

ハニー「ハーマイオニー?私、あなたと同部屋になってから、ほんとはずっと、こうしたかったの」ツツーッ

 

ハーマイオニー「あ、あぁ、ダメ、ダメよハニー、ダメ……ロンたちがみてるわ、あ、見てなきゃいいって話じゃ……///」

 

ロン「つづけて」

 

ハグリッド「どうぞ」

 

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 20:02:28.60 ID:VLS+n+jf0

 

ハーマイオニー「ふーっ、ふーーっ、は、話す、から、離れて、お願いだから、普通に、話させて、頂戴!耳元で囁くのはやめて!手も後ろ!いいわね!」

 

ハニー「そう?残念ね」

 

ロン「僕も僕も」

 

ハグリッド「俺も俺も」

 

ファング「バウウバウウ」

 

ハーマイオニー「ふーっ、ふーーっ、あなた、名前を呼ぶのは慣れないのに、どうしてこういうのは、全く、ふーっ、もう」

 

ハニー「だって、洋装店の時も嬉しそうだったわ?そういう眼をしてたんだもの、あなた」

 

ロン「つまり君のせい、ハニーは万物の妖精。そういうことだね」

 

ハーマイオニー「どういうことよ……あのね、三頭犬は……仕掛け扉の上に立っていたの」

 

ハグリッド「! さ、さあな!なんのこっちゃ!」

 

ロン「へーぇ、奴さんの足元はそうなってたのかい?ハニーの足元に這いつくばることに精一杯だったから覚えてないなあ」

 

ハニー「私も、跪かせた三頭犬の肉球に夢中だったからそれどころでは無かったわね」

 

ハグリッド「し、しまった!フラッフィーじゃなく俺が守っちょれば、ハニーにモフモフしてもらえたのか!!」

 

ハーマイオニー「隠す気あるの、ハグリッド……」

 

ハグリッド「う、ウオッホン!とにかく、何がなんだか!お前さんらはとにかく、関わっちゃなんねえ!そうだ、これはダンブルドアとニコラス・フラメルの、約束で……あっ!!」

 

ハニー「ニコラス」

 

ロン「フラメル」

 

ハーマイオニー「……って、マグルの世界でも有名な、賢者の石を作った人のこと?」

 

ハグリッド「!?!?!?!?」

 

ロン「さっすがハーマイオニー。知らないものはないでクラスで有名」

 

ハーマイオニー「適当言わないで。でもその人、本当に有名よ?魔法使いだとは、知らなかったけど」

 

ハニー「ふぅん」

 

 

 

ハニー「賢者の石、ですって?」

 

 

 

 

ハニー「どうなの、ハグリッド?白状しなさい?」

 

ハグリッド「うぅ……そうです、はい……すまねえダンブルドア先生、すまねえ」

 

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 20:08:19.96 ID:VLS+n+jf0

 

ハーマイオニー「賢者の石……確か、永遠の命を約束するとか、黄金を生み出すとか、そういう伝承が付き物だったわね」

 

ハニー「私のように?」

 

ロン「確かに君を見てると永遠に生きていられるし、心が黄金に輝いてるよな……あれ?ハーマイオニー、その石ってもしかして見た目も赤くてすんごく綺麗なんじゃない?」

 

ハーマイオニー「知らないわよ……」

 

ハグリッド「ぎくっ」

 

ハーマイオニー「……どうやらそのようね、ええ」

 

ロン「あー、ともかくハグリッド、君は悪くないよ。強いて言えばハーマイオニーの頭脳とタイミングと、あとは君のウッカリした口が悪いね、うん」

 

ハーマイオニー「最後が致命的だわ」

 

ハグリッド「あぁ、なんちゅうこった……また口を滑らしちまって、俺、俺ぁもう酒はやらんぞ!」

 

ロン「いや君しらふだよ」

 

ハニー「そうね、この私という存在に常に酔っているのよ、そうよねハグリッド?だからあなたは何も悪くないの。平気よ、この私が許してあげる」

 

ハグリッド「は、ハニー……お前さん、お前さんは、天使だ……」

 

ハーマイオニー「……随分と深酔いね、えぇ」

 

ロン「何言ってるのさ、ハグリッド!女神、ハニーは僕らの女神だろ!?」

 

ハーマイオニー「……もう何も言うまい、だわ」

 

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 20:14:24.00 ID:VLS+n+jf0

 

ハーマイオニー「それにしても、あのトロールの事をハグリッドと話そうとしただけだったのに……」

 

ハニー「思った以上の収穫ね。流石よ、ハグリッド。あなたは出来る豚だわ」

 

ハグリッド「ヒンヒン!褒められて、うぅ、喜んでええんだか、悪ぃんだか」

 

ロン「それじゃ、あのデカブツはさ――あ、君のことじゃないよハグリッド――もしかして誰かが、そのなんだか凄い石を盗むために入れたってことなんじゃないか?ほら、大騒ぎだったし、うってつけだろ?」

 

ハーマイオニー「……この城の誰かが、ってこと?あんまり考えたくないわ、それ」

 

ハグリッド「お前さんら、このことにはあんまり関わっちゃいけねぇ!いかん、いかん!」

 

ハーマイオニー「そうは言っても、ハグリッド。私達、巻き込まれちゃったのよ。知らん振りできないわ」

 

ハニー「私達が豚を倒した後、先生たちがやってきたわよね?」

 

ロン「あぁ。マクゴナガルやら、卒倒してたはずのクィレルやら、それに、ダンブルドアまで」

 

ハーマイオニー「あなた達は先に帰されたけど、事情を話してた私が残っている間にほとんどの先生があの場に揃ったわ……あっ。でも……スネイプ先生だけは、いらっしゃらなかった、ような」

 

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 19:46:09.14 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「ビンゴだね」

 

ハニー「……あの情緒不安定なおかしな先生、本当に虐められたいのかしら」

 

ハグリッド「お、おめぇさんら、そりゃ早とちりもいいところだぞ!?ほら、スネイプ先生はあれだ、まーだ医務室で入院しちょるんだろうが!」

 

ハーマイオニー「それでもあの場に、いなかったことは確かだわ」

 

ロン「大方騒ぎに乗じて、医務室から抜け出したんだろうさ。あっ、ひょっとしたら怪我をしてるっていうのも嘘なのかもしれないよ。だって、ネビルの骨折はすぐに退院できたじゃないか?」

 

ハグリッド「そ、そりゃあ、あん人はどっちかってぇと火傷より精神的なその、怪我の方がだな……」

 

ハニー「精神的、そう。豚にすらしたくもない性根ということね、えぇ。始めて目を見た時から分かっていたけれど。おかしな感じだったもの、あの人」

 

ハーマイオニー「……あぁいう人が苦手なのね、ハニー」

 

ハニー「苦手?私が?勘違いしないで、私が恐れるのは退屈と体重計だけよ、グレンジャー」

 

ハーマイオニー「……ヒンヒン」

 

ハニー「っ!や、やめ、やめてよ、は、はー……ハーマイオニー」

 

ハーマイオニー「よろしい。ふふっ」

 

ロン「……あ、僕はいないものとしていいよ、うん」

 

ハグリッド「俺も俺も」

 

ロン「ハグリッド、どんな近眼相手でもそりゃ無理があるって」

 

 

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 19:46:09.14 ID:VLS+n+jf0

 

翌日

 

中庭

 

パチパチッ、パチっ

 

ロン「あぁ、君がその何処にでも持ち歩ける瓶入り炎を持っててくれて良かったよなあ、ハーマイオニー。お陰でこうやって、急な寒さに煽られても焚き火ができるわけだし?教科書も焼べていい?」

 

ハーマイオニー「使わないと言う意味が同じなら、先にあなたの頭から突っ込んでみることにするわ?」

 

ハニー「青い炎は綺麗だし、そうさせて貰う?ロン?」

 

ロン「ほ、ほんの冗談さ。もちの僕で。流石の僕も頭に火をつけて平気でいられる自信はないよ、まだ」

 

ハーマイオニー「永劫つけないで頂戴そんな自信」

 

ロン「それでさ、ハニー。どうする?今すぐ命令してくれれば、僕、例のなんとか石があるって言うあの廊下に飛びこんじまうけど」

 

ハニー「いいえ、別にいいわ。永遠の命だの黄金だのに、興味はないもの。あなたは?」

 

ロン「いいや、君がいるし」

 

ハニー「そうよねえ」

 

ハーマイオニー「この頭の痛みが取れるなら少し欲しいわ、私……でも、スネイプ先生が一体何をしたいのかは……」

 

ハニー「気になるわね、えぇ。それで……ハーレムでも築く気かしら?」

 

ロン「僕は君だけがいればいいよ、ハニー!」

 

ハニー「当たり前でしょう、私の豚」

 

ロン「ヒンヒン!」

 

ハーマイオニー「そんな小さなことなのかしら……あぁ、でも良かったわ。今日からスネイプ先生の授業は再開だそうだもの」

 

ロン「そりゃいいや、奴さんの面を見て、何を考えてるのか暴いっちまおう」

 

ハニー「言っておくけれど、あれは私の豚になんてしないわよ?」

 

ハーマイオニー「承知しているわ……あ、それこそあそこを歩いているの、スネイプ先生じゃなぁい?」

 

ロン「ほんとだ。顔の包帯は取れてるな、でも……おいおい、なんだいあいつ。足を引きずってるぜ」

 

ハニー「ふぅん。まるで大きな獣にでもやられたようだわ。それとも、誰かの折檻でも受けたのかしら」

 

ロン「ハニー、ハニー!僕は君に何をされても次の瞬間には飛び起きるよ、ハニー!」

 

ハーマイオニー「ロン、ちょっと黙って……あ、スネイプ先生に気づかれてしまったわ」

 

スネイプ「…………」

 

ハニー「私に任せて。えぇ、豚にするつもりはないけれど……愛想良くして、何か聞き出せないか試してみましょう」

 

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 20:26:39.93 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「ごきげんよう、スネイプ先生?」

 

スネイプ「……」

 

ハニー「すっかりご体調もよろしいようで、なによりだわ」

 

スネイプ「……」

 

ハニー「……」

 

ロン「おい!ハニーを無視するなんて、いくら先生でもやっていいことと悪いことがあるんではないですか、先生!」

 

ハーマイオニー「ロン、抑えて、抑えて頂戴。そんな口を利いてはいけないわ」

 

スネイプ「……やはり見た目はリリーそのもの……しかし、この目、この目が……」ブツブツブツブツブツ

 

ハニー「?」

 

スネイプ「いやむしろこの目のせいで台無し、台無しではないかこんなことがリリーという完璧な存在に……そうまるで完成間近の魔法薬にトロールの鼻くそをぶち撒けたかのような……」ブツブツブツ

 

ハニー「……ねえ、今、トロールと言わなかった?」

 

ロン「言ったね。確かに言った。ハニーに誓ってもいい」

 

ハーマイオニー「あー、そう聞こえたわ、えぇ……まさか、本当に」

 

ハニー「えぇ、この人……」

 

スネイプ「……なんだ、その目は。いろいろな意味で。その反抗的な目、いや、態度が非常に気に食わん、ポッター。グリフィンドールから1点減点」

 

ハニー「……はぁ……!?」

 

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 20:33:17.15 ID:VLS+n+jf0

 

地下廊教室

 

スネイプ「この授業では、入学したての一年生であっても、N.E.W.T.試験を控えた最終学年生であっても、はたまたたとえ、魔法界の英雄様であっても?等しく単なる学生に過ぎないことをわきまえておくように」

 

スネイプ「特に、奢り高ぶり態度も悪くそして何より目が形容しようのない邪悪さを物語っている女王様気分の愚か者は、よーく聞いておくことですな?いいですかな、グリフィンドールの?天下を獲るとかいう、英雄のお嬢さん?」

 

ドラコ「ぷぷぷーっ。ほらお前たち、笑え笑え」

 

クラッブ「ゴアーッ」

 

ゴイル「ウッホウッホ」

 

ハニー「……」

 

ロン「ハニー、あのイヤミ野郎どもをぶっ飛ばす準備はグリフィンドール生全員すんでるぜ。僕はスネイプ、ネビルがその他」

 

ネビル「うん、そうだよ……そうなの!?」

 

ハニー「いいわよ、全く、嫌味がお子様ね。相手をするだけ無駄だわ」

 

ハーマイオニー「なんであんな、理不尽な……あー、本当にスネイプはあなたのこと、嫌っているみたいだわ」

 

ハニー「……そのようね、えぇ。私だって同じだわ」

 

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 20:39:25.22 ID:VLS+n+jf0

 

スネイプ「ポッター。私語は慎めと以前言ったはずだが?まさかそんなことすら覚えていないのかね?」

 

ハニー「えぇ、あなたが不様に泣きながら鍋に飛び込んだ日に言っていたわね……あら、随分前ではないかしら?それでは忘れていても仕方ないと思うのだけれど?」

 

ハーマイオニー「は、ハニー、ダメよ、どうしてそんな挑発的な……あぁ」

 

スネイプ「不遜な態度にグリフィンドールから1点減点。授業を始める……その前に、ポッター」

 

ハニー「何かしら、先生?」

 

スネイプ「アスフォデルの球根に、ニガヨモギを煎じたものを加えると、何になる」

 

ハニー「『生ける屍の水薬』眠り薬です、先生」

 

スネイプ「……」

 

ハニー「あなたがお長い休暇を取っている間に、私、教科書のだいたいの事は覚えてしまったのだけれど?ふふっ」

 

ロン「君と仲良くなるためだぜ、ハーマイオニー」

 

ハーマイオニー「なぁにそれ可愛い」

 

スネイプ「……傲慢な態度に5点減点!」

 

ハニー「どうぞ、お気がすむまで。必死になっちゃって」

 

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 20:47:44.94 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「ごっそり減点されっちまったな……あぁハニー、君を悪く言ったように聞こえたら僕を蹴っ飛ばしてくれ。あの、スネイプの野郎め」

 

ハーマイオニー「あれから何度も事あるごとにハニーから減点していったわね……ハニー、平気?」

 

ハニー「別に、あれくらいでは堪えないわ。幸い……今度の週末は、クィディッチの本番だもの。私の初試合、得点を増やすチャンスだわ。それと豚」

 

ロン「その通り。僕らのハニーがシーカーをするチームが負けるなんてありえないし、そして配布用の首輪は搬入済みさ。任せてよ」

 

ハーマイオニー「余計な騒動を起こさないで……えーっと、シーカーって結局どんなポジションだったかしら」

 

ハニー「取れば試合終了で、チームに一五〇点が加算される『スニッチ』を獲るポジションよ。私にうってつけね、ひれ伏させてあげるわ」

 

ロン「僕、なんでスニッチじゃないんだろう」

 

ハーマイオニー「人類だからよ。そう……あぁ、でも不安だわ。つまり、とても狙われやすいってことなんでしょう?大逆転に、試合終了を担うなんて」

 

ロン「まあね。この日の為に僕、なんとかブラッジャーの一つになれないかなあと思ったんだけど——ほら、うちの双子達がこいつを叩いて敵チームにぶっ飛ばすビーターだからさ、なんとかなるかと思ったんだ。ダメだった。もっと石頭ならよかったなあ」

 

ハーマイオニー「……前提からなんとかならなかったの?」

 

ロン「で、クァッフルならいけるかなあって思って、ほら、チェイサーがこいつをゴールに決めれば得点な訳だから」

 

ハーマイオニー「ねえ、なんでさっきから道具になりたがるわけ?」

 

ハニー「もうとっくに私のモノなのにね?」

 

ロン「そりゃそうか。やめだやめだ。僕、ロナルド・ビリウス・ウィーズリー。ハニーの豚、よろしく!」

 

ハーマイオニー「存じ上げていますとも。真剣な話をさせてよ、もう……ハニー、あなたに何かあったら、って思うと」

 

ハニー「あら、心配してくれるの?」

 

ハーマイオニー「……あのねえ、当然、心配してるわ!なんなのそれ!あなたは私の大事なお友達、違うの?」

 

ハニー「あっ……あ、えっと……あり、ありがと、ハーマイオニー」

 

ロン「あー、悪いね。僕ちょっとトイレ、ホントごめんよ、なぁに、すぐにスッキリしてくるさ、もちの僕で」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0

 

土曜日

 

クィディッチ競技場

 

ウッド「準備はいいか、野郎ども!」

 

アンジェリーナ「あら、女性もいるのよ」

 

ケイティ「そうよ」

 

アリシア「そうよそうよ」

 

フレッド「茶化してやるなよお嬢さん方。これぁ古臭いチームの伝統って奴だ。つまりまあ、破るためにあるとも言うな。前言撤回、君らが正しい」

 

ジョージ「笑かしてくれるなよオリバー。俺たちのチームにゃかの女王様が入ったんだ、野郎の出番なんてどこにある?発言を撤廃しろよな、ああ」

 

ウッド「うむ、そうだな!そして女性諸君!何より、ケイティ!ハニー!君達は初陣だ!どうだ、緊張の方は!」

 

ハニー「冗談。今からスニッチをどうやって出迎えてあげるか考えているところだわ」

 

アリシア「大丈夫?」

 

ケイティ「大丈夫!」

 

ウッド「ようし、その意気だ!いいか、僕らはこの数年で最高のチームだ、うん!マクゴナガル先生からもそう言付けを預かっている!我々なら、どんな敵にもまけない!と!」

 

フレッド「そりゃあ、マクゴナガル女史自らチームの編成をがっつりだものなあ。あとスンバらしい箒の贈り物までくれるなんて」

 

ジョージ「ハニー、ニンバス2000の乗り心地はどうだ?ある日の朝食で突然贈られてきたそいつはさ。粋だよな、先生はさあ」

 

ハニー「とっても快適よ。あなた達の弟の背中の次に」

 

フレッド「そりゃああいつも喜ぶよ、むせび泣いて」

 

ジョージ「そりゃもうご陽気に鳴くだろうさ、ああ」

 

ウッド「上々、上等!よーし!!ゴールは任せろ!!!!」

 

ハニー「えぇ!すぐに終わらせてあげる!」

 

アンジェリーナ「行こう!チェイサー三人娘のお披露目だ!」

 

アリシア「そうね!」

 

ケイティ「そうよね!!」

 

アンジェリーナ「……あのさ二人とも、もうちょっと喋ってもあの、いいんだよ……?」

 

フレッド「相棒!人間ブラッジャーと呼ばれる俺たちの出番だ!」

 

ジョージ「おうさ、兄弟!恐ろしさを思い知れよな、蛇寮ども!」

 

ウッド「行くぞ!グリフィンドール!!勝利は我にあり!!!」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0

 

クィディッチ・ピッチ

 

フーチ「両チーム、揃いましたね!さあ、正々堂々、戦いなさい!いいですね!」

 

フリント「へへっ、良いともさ、先生。そうだろ野郎ども」

 

  ガッテンさ先生

       へっへっへ 

   腕が鳴るぜ

 

フレッド「マーカス・フリント。ラフプレー上等のゴリラみたいなやつ。取り巻きの野郎共もまた然りさ」

 

ジョージ「もしくはトロールのそっくりさんだな。ハロウィーンの時みたいにノしてやろうじゃないか?」

 

ハニー「えぇ。吠え面かかせてあげるわ……あら」

 

 ゴーゴー!グリフィンドール!!

ゴーゴー!グリフィンドール!!  ゴーゴーグリフィンドール!

    ゴーゴー!グリフィンドール! 

 ハニーー! ヒンヒーン!

 

アンジェリーナ「応援席見て。あっはは、すごいや。君の似顔絵が描かれたどでかい旗があるよ、ハニー」

 

アリシア「凄いわ」

 

ケイティ「凄いわね」

 

ハニー「『ハニーを魔法省大臣に!』ですって。ふふっ……あれを描いたのはディーンかしら?後で褒めてあげないと……」

 

ウッド「うん!最高のコンディション!最高のチーム!そして最高の応援だ!勝った!!!!クィディッチリーグ、完!!!!!!」

 

フーチ「終わらせない!さあ、笛を吹いたらですよ——しああぁぁぁぁぁい!!開始!!!」

 

ピーーーーッ!!!!!

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0

 

数分前

 

観客席

 

「さぁ!ピッチに選手が揃いました!本日の空は澄み渡り、風がそよぐように芝生を揺らしております。今シーズン最初のクィディッチにふさわしいまさに開幕日和と言えるでしょう!」

 

「おりしもカードは伝統の一戦、グリフィンドール対スリザリン!観客席のボルテージも最高潮、満員御礼大盛況!」

 

「ホグワーツ総出でこのクィディッチ競技場に駆けつけ、今か今かと見守る中、フーチ先生が中央サークルへ進みます!間も無く、幕が上がるようです!」

 

「——幕が上がると申しますと、この実況を聞いている・お耳にしている・『お目に』している皆々様がたにおかれましてもまた同様のご気分じゃあないでしょうか」

 

「随分とお待たせしました。もう見られないんじゃないかと思ったことでしょう。例え見られたとしても、すっかり大人しくなってそれらしい台詞だけで流されるのではないかと」

 

「しゃらくせえぜ!!!!!時を超え、場所を変え、酸いも甘いも嚙み分けて、恥も外聞も捨てて帰って参りました!お久しぶりの方はお久しぶり!初めましての方は初めまして!」

 

 

リー「実況を担当いたしますのはわたくし、リー・ジョーダン!!!!何者にも縛られずどんな型にもハマらない!ハーメられルなンて御免こうむる最強無敵の自由人!リー・ジョーダンがお送りします!!!!!」

 

 ワー!

ワー! ソリャソウダー!

 ワー! シッテター!

 

リー「そしてそして、解説はこの方!我らがグリフィンドールチームの総監督!我らのハニー・ポッターを今世紀最年少シーカーに抜擢・最適・大役得!!ミス・職権乱用こと——」

 

リー「マクゴにゃがるせんせー!!!!!」

 

にゃんこー!!!

 

マクゴナガル「リーーーーー!!!!!!おかしなコールをさせるのを辞めなさい!!!!!」

 

リー「やだなあ!!!!伝統ですよ、先生!!ご新規ないっち年生、ついてこいよ!!!」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0

 

ピーーーーーッ!!

 

リー「フーチ先生がホイッスルと共にクァッフルを高く高く宙に打ち上げ、ついに試合が始まりました!アンジェリーナ選手がすかさず真紅のボールをかっさらう!追いすがるはキャプテンのフリント!」

 

リー「ご覧ください彼女のこの素晴らしい飛行!ボールに対する集中力!気合い!情熱!!そして何よりかなーーり魅力的であります!」

 

マクゴナガル「リー!試合に関する実況をしなさい!!」

 

リー「ガッテン承知です先生!さあアンジェリーナ、このままゴールを……あっ……パスが阻まれ、ボールはスリザリンチームに渡りました」

 

リー「……」

 

マクゴナガル「……」

 

リー「……飛んでますね、すごく……すごく飛んで、はい……先生、最近どうですか?」

 

マクゴナガル「マイクを取り上げる準備をしているところです」

 

リー「冗談!!冗談ですから!ジョーダンだけに!」

 

マクゴナガル「……」

 

リー「この真顔です!!皆さん!!僕は今、追い詰められたネズミの目線を体感しています!!!」

 

 

 

 

 

ハーマイオニー「……リーって、あなたのあのお兄さんの双子と仲良しなのよね」

 

ロン「そうさ。つまりとってもふざけた奴ってわけ」

 

ハーマイオニー「それはよく分かるわ。よく分かりますとも、えぇ」

 

 

追加 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0

 

リー「エイドリアン・ピュシーがクァッフルを手にしてピッチを走ります!ゴールに向かって一直線!」

 

リー「——しかしこれはブラッジャーに阻まれました!遠目からはどちらか分かりませんがウィーズリーの双子のどちらかの好プレーです。おーいフレッジョ!やったな!」

 

リー「ボールを拾って再びアンジェリ〜ナ・ジョンソン、前方には誰もいません!いけ、アンジェリーナ!」

 

カーーン!

 

リー「ゴーーーール!グリフィンドール先取点!!!一〇対〇、グリフィンドールのチェイサーアンジェリーナが見事なシュートを決めました!」

 

リー「あっ、ご覧ください!上空で、シーカーのハニー・ポッター!我らがグリフィンドールの女神、ハニー・ポッターが空中で、クルンと一回転!二回転!!三回転!!!祝福の舞であります!」

 

リー「あぁ!あぁ!そんな動きをされたら!!!私共も目を回す他ありません!!!!誰かー!!マダム・ポンフリー!!!!助けてーー!!急性豚症候群が続出だーーー!」

 

マクゴナガル「リー!試合は再開していますよ!」

 

リー「そうでしょうとも!!!さあさあ、ボールはスリザリンチームへ——」

 

 

———

 

——

 

 

 

ハグリッド「ごめんよ、ちょいと詰めとくれ。すまんな、ありがとよ。おうロン、ハーマイオニー。スニッチは出たか?ハニーはどうだ?天使か?」

 

ロン「女神だよ、もちのロンで」

 

ハーマイオニー「あなた達いつまでもそんな調子なのね……まだよ。得点も、取って取られてと言う感じね。ハニーは得点の度に少しリアクションして、ずっと探してるけど……」

 

 

 

カーン!

 

リー「グリフィンドール、七〇点目!さあ皆さん上空をご覧ください!あぁ!!!!ハニー・ポッターまたも一回転!スニッチが現れなくてもなんのその!我々の心のスニッチは既にダイビングキャッチであります!!」

 

ハニー「————っ、————っ!?————」

 

 

ワーワーーー!!

 

 

 

ハーマイオニー「あそこよ。あぁ、今度はその場でクルクルし始めたわね」

 

ロン「……」

 

ハグリッド「おぉ、楽しそうでええなあ。俺ああんな風に回っちまったらゲーゲーきちまってもうダメだ」

 

ハーマイオニー「そうよね。私も飛行はそこまでだから、羨ましいわ……あんな動き、絶対できないもの」

ロン「……違う!」

 

ハーマイオニー「あーはいはい、女神だから当然って言うのでしょう?分かったから——」

 

ロン「そうじゃない!あれ、パフォーマンスじゃないよ!ハニーが……箒のコントロールを失ってるんだ!!」

 

ハーマイオニー「……えっ!?」

 

 

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0

 

ワーーーワーーーー!!!

 きゃーーーーー!きゃーーーーー!

   ヒ、ヒーン!ヒンヒーーン!

 

リー「な、なんということでしょう!!グリフィンドールの期待の新星、あの、は、ハニー・ポッターが!えーっと、喜びを爆発させてる、と言いますか!まるで暴れブラッジャーに跨っているかのようなすんごい、あー、スンバラシイキレのある動きです、えぇ!」

 

 

 

 

ハニー「っ、っ!!おとなしく、しなっ、さいよ!!」

 

 

 

 

ハーマイオニー「ほ、箒のコントロールを、って!?どういうこと!?そんなことがあり得るの!?」

 

ロン「あり得ないよ!ニンバス2000が贈られてからずっとハニーの飛行を見てたけど、あんなことになるはずない!」

 

ハーマイオニー「そ、そうよね!?だったら……」

 

ロン「初めてニンバスで飛んだ時のハニーの顔といったら、いつもの強張った表情も探るような目も全部かなぐり捨てて本当に心から笑ってて、あぁ、あれは素晴らしかったなあ……僕はああいうモノの為に日夜踏まれてるよ、本当……」

 

ハーマイオニー「あのねえ!それは——後で詳しく聞かせなさい!!!!なにそれ!!!また私が仲良くなる前の自慢な訳!?!?聞いてないわよ!!!それはまだ教えてもらってないわ!!!」

 

ハグリッド「うっぷ、お、おりゃああんな動き見てるだけで気分がえれぇこっちゃ、ハニーはどうなってんだ?え?あー、お前さんらなんか言うとったか?うん?」

 

ロン「こっちの話だよハグリッド!一体、どうなって……まさか、誰かが箒に悪戯をしたんじゃないか!?きっとあのフォイフォイ野郎だ、ちっくしょうマーリンの髭!髭!!」

 

ハグリッド「い、いんや、ありえねぇ、そいつぁありえねぇぞ、ロン!ありゃぁ最新型だっちゅうし、箒なんて代物にただの生徒がちょっかいなんざ、かけられねぇ!」

 

ハーマイオニー「……それが生徒なら、ね!ロン、あそこ!スリザリンの応援席、見て頂戴!」

 

ロン「はぁ!?今ハニー以外を網膜に映すのは僕の信念に反するんだけど……」

 

ハーマイオニー「普段どうやって生きてるのよ!」

 

ロン「ハニーへの感謝で心を一杯に——」

 

ハーマイオニー「もういい!いいから!いいから見なさい!あそこ!クィレル先生が固唾を呑んで見守ってる、後ろ!スネイプが……まばたき一つせず、ハニーを睨んでるわ!!」

 

ロン「な、なんだって!あの野郎!ハニーの豚は僕だぞ!!!」

 

ハーマイオニー「いっぺん!!!!それから!!!!!離れなさい!!!!」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:00:46.53 ID:VLS+n+jf0

 

 

クィレル「———っ、————っ」

 

スネイプ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、〜〜〜〜〜〜〜っっっっ」

 

 

 

ロン「……ほんとだ、クィレルは息を飲んで見守ってるけど……スネイプの野郎、何かブツブツブツブツ言ってやがる!!それに、ローブに腕を突っ込んで、怪しい動きさ!」

 

ハーマイオニー「えぇ!クィレル先生はただ祈ってるだけだわ!スネイプは……きっと、ローブの中に杖を持っているのよ!」

 

ロン「『呪って』るんだ!ハニーのこと!」

 

ハーマイオニー「そういうこと!!」

 

ハグリッド「!? な、なぁにを言っちょる!?スネイプ先生が、そんなわけ……」

 

ハーマイオニー「事実よ、ハグリッド!〜〜〜〜っ、私、行ってくる!スネイプを、止めて見せるわ!」

 

ロン「あぁ、いい具合に燃やしっちまってくれよな!僕は……ピッチに、行かなきゃ!!」

 

ハグリッド「あっ、おい、どこ行くんだハーマイオニー!おい、ハーマイオニー!?」

 

ネビル「えっ?ロンどうしたの、そりゃあハニーのあのー見え隠れする太ももとかで興奮する気持ちは分かっちゃうけどそんな観客席から乗り出してそん——ろ、ローーーーン!?ここ天辺だよ!?!?!?死んじゃう!!!!飛び降りたら死んじゃうよ、ローーーーーーーン!?!?!?!?!?」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:07:15.29 ID:VLS+n+jf0

 

スリザリン観客席

 

ザワザワザワザワ

 

スリザリン生徒「ギャハハ!なんだよポッターのやつ、おかしいんじゃねえのか!?」

  スリザリン生徒「サービスはいいけどさあ、いい加減しつっこいよな」

        スリザリン生徒「目立ちたがりなんでしょ、よーくわかるわ」

 スリザリン生徒「……で、でもさあ、あんな動き、すごくないか?普通できる?あんなこと?

スリザリン生徒「そりゃあ……そうだけど」

   スリザリン生徒「はあ?振り回されてるだけじゃないか、あんなの」

 スリザリン生徒「だからそれがヤベェんだって、あれって、箒の——」

 

ハーマイオニー「はぁっ、はぁっ、みんな、ハニーの方を見てるから、目立たずに、スリザリンの応援席に紛れ込めたわね……本当、みんな、見てて……」

 

 

カーン!!

 

フリント「ヘッヘッヘ!ゴールがガラ空きなおかげでまた得点だぜ!!!」

 

リー「あーーーーっと!!こーれは危ないところでした!!!ハニー・ポッター!!!片腕で箒を軸に一回転!?!?ど、どこまで記録を伸ばすつもりだー!?!?」

 

マクゴナガル「リー!!!!別の競技のように実況しない!!!!あぁ、どう、どうすれば、あぁ、ポッター!」

 

フリント「……実況もされねえけどな!!!ヘッヘッヘ!!!ヘッヘッヘ!!!!!」

 

 

ハーマイオニー「あれはあれでいいのかしら……と、ともかく、こっちを!」

 

 

クィレル「っ、————っ!」

 

スネイプ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 

 

ハーマイオニー「後ろに回り込めたわ……でも、止めるには、どうすれば……」

 

ハーマイオニー「……燃やしっちまえ、か……ほんと、ロンってハニーの事になると冴えてるんだから」

 

ハーマイオニー「……持ってて良かったわ、瓶詰め出来る携帯炎を、ね」

 

カパッ

 

ボワァァァァッ

 

ドラコ「あーーーーーッはっはっはっは!!!ヒーーーっ、ヒーーーーッ!!ポッターのやつ、どれだけ無様を晒すつもりなんだ!?あーっはっはは、ヒーーーっ、ヒーー……火ィィィィィィぃ!?!?!?!?!?」

 

クラッブ「ご、ゴアああああああ!?!?!?!?」

 

ゴイル「う、ウッホぁぁあああああ!?!?!?」

 

ドラコ「お、お前ら落ち着け!!あ、火を恐れる本能はあるんだな!?それは一つ収穫で、せ、先生!?スネイプ先生!?!?!?!?ローブが燃えてます!!!!」

 

ワーーー!!?!?!?ワーーーーー!?!?

 ウワアああああ!!!火ダァあああああ!!?

 水!!!水!!! アグメン!! アグメン!! 

 誰かアグメンしろよ!!!

ついでにクィレルのターバンにもかけちまおうぜ!

  ニンニククセェしな!ギャハハ!!!!!

 

 

ハーマイオニー「……スネイプは唱えるのをやめたわ。これでよし……あー……クィレル先生はとんだ、とばっちりだったわね」

 

ハーマイオニー「あとは、ハニー……ハニー!?あぁ、胸を抑えて、急降下して行くわ!?ど、どこか、怪我を……あぁ!!!」

 

 

 

ハニー「っ、〜〜〜〜~っ!!!」

 

 

 

ロン「そしてそんなハニーの着地点に先回りしてクッションになるべく待機していた僕さぐぇっ!!!幸せな重み!!!!!ヒンヒン!ハニー!?無事かい!?」

 

ハニー「っ、っは、っ、はっ、ろ、ロン……よくやったわ。えぇ、出来る、豚ね……ありがと」

 

ロン「僕なんて!そんで、何があったのさ!?一体……」

 

ハニー「話は後……あぁ、大変だったわ……これを抑えておく為に、片腕を使わなきゃいけなかったのは」

 

スッ

 

ロン「!?!?は、はははははハニーそんな服の裾を持ち上げてななななななに何をやめてあのそういうの僕あのえっとそういうのははははははハーマイオニーとおねがいしたいんだけどまーりんマーリンのマーリンの特大えーっとあの」

 

ハニー「? なあに?なんの話?これを取り出そうとしているだけよ。この……私の胸元に、飛び込んできた……」

 

パタッ、パタパタッ

 

ロン「!」

 

ハニー「金のスニッチを、ね!」

 

 

ピィィィィィィィぃぃ!!!!

 

フーチ「試合、終了!!!!」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:07:15.29 ID:VLS+n+jf0

 

ワァァァァァ!!!

  うわああああああああああああああああああ!!

ウオおおおおおお!!!!

 

リー「やった!!!やったぜ!!!!!なんと!!!!!終始我々をスンバラシイ動きで魅せてくれていたハニー・ポッターが!!!あの凄まじい空中ショーの只中!!!」

 

リー「途中から豚どもによるハニーの応援歌に合わせるような演舞さながらの激しい上へ下へ右に左に振り回されているような動きの中!!!」

 

リー「スニッチを!!!!!スニッチをキャッチしました!!!!!」

 

ワァああああああ!!!

 ヒンヒーーーーん!

わああああ!!!

 いいのかーー!? 

    おいおい服の中に入れてたぞ!?

 キャッチって言えるのかーーー!?

 

リー「負け犬の遠吠えが気持ちいいですね! 解説のマクゴナガル先生、どうでしたか?」

 

マクゴナガル「……お黙りなさい、リー」

 

リー「は、えっと、それを取り上げられると僕は存在意義が無くなっちまうので困っちまうのですが、どういう」

 

マクゴナガル「わたくし達は今日、伝説を見ました。静かに噛み締めさせなさい、と言っているのです」

 

リー「この真顔であります」

 

マクゴナガル「チャーリー・ウィーズリーのドラゴンダンス・キャッチ以来の衝撃です、あぁ……頂きましたよ、今年のクィディッチ杯は」

 

リー「この、真顔であります!やっぱり先生は最高だぜ!!」

 

リー「さぁさぁ、波乱万丈津々浦々ございましたがクィディッチリーグ初戦のグリフィンドール対スリザリンは、ハニー・ポッターのスニッチ・キャッチで見事!グリフィンドールチームの勝利です!!!」

 

リー「実況はリー・ジョーダン!リー・ジョーダンでお送りいたしました!みなさま!またお会いしましょう!!」

 

わああああああああ!!

 わああああああああああ!!

ヒンヒーーン!ヒーーン!!

 

 

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:07:15.29 ID:VLS+n+jf0

 

 

ワーーーワーーーー!!

 

グリフィンドール生「スニッチを燃やせーーーーー!!!」

グリフィンドール生「ハニーの制服の中に入りやがったスニッチを許すなああああああ!」

グリフィンドール生「羨ましいぞおおお!そのスニッチをよこせーーーーーー!!」

 

フーチ「いけません!試合に使われたスニッチは大事に保管される決まりで、下がりなさい!下がりなさい!」

 

ワーワーワーー!!

 

マクゴナガル「……いいでしょう、雄々しく勇敢なグリフィンドール生!スニッチに変えられ飛び回りたいという勇気も示せるのなら前に出てきなさい!さあ!それ以上の醜態を晒す気がおありなら!」

 

ワーワーワー

 にゃんここわーーい

 

マクゴナガル「リー!!!!聞こえましたよ!!!!」

 

 

 

ハグリッドの小屋

 

 

ハグリッド「……クィディッチ競技場は、大変な騒ぎになっちょるな」

 

ロン「……なぁハグリッド、君ならなんとかあのスニッチを奪ってこられるんじゃ……」

 

ハグリッド「バカ言っちゃいけねえ。マクゴナガル先生様になんて俺が一ダースいようが敵うわけねえだろうが?」

 

ハーマイオニー「本当にバカなことを言っていないで、もう。ハニー……平気?」

 

ハニー「えぇ、全然。全然平気よ。勝てて、良かったわ。それに、どうしてそんなことを?聞くまでもないじゃない?だって私、豚さんたちの音頭に合わせて、踊っていただけだわ?」

 

ハーマイオニー「……はーーっ。そうね。怖かったわよね、聞くまでもなかったわ、ええ」

 

ハニー「この、私が、怖い?冗談。冗談キツイわ、ハーマイオニー……」

 

ハーマイオニー「あなたの強情もね。はい、お茶よ。これを飲んで、少し落ち着いてから話しましょ?ね?」

 

ハニー「……美味しい。ありがと」

 

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:14:11.81 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……そう。それじゃ、全部あのスネイプの仕業なのね」

 

ロン「あぁ、大方こないだ君にこっぴどくあしらわれたのに腹がたったんだろうさ。全く、ご褒美だって思えないのかな」

 

ハグリッド「それだから豚になれっちゅうことだ……いや、いやいやいや!お前さんら、まだ言っちょるんか?なんでスネイプ先生を疑う!?」

 

ハーマイオニー「だって、ハグリッド。私達、見たじゃないの。スネイプ先生がハニーから目を離さず、何かブツブツ言っているところ!」

 

ハグリッド「あ、あの、あー、それはきっと大方また自制するために必死だったんだろうて……大体なぁ、ホグワーツの教師がそんな理由で生徒に呪いなんざかけるわけが……」

 

ハニー「じゃぁ、こっちの線はどうかしら。あの人は、私がハロウィーンの日に自分が何をしていたのか検討をつけている、と気づいて」

 

ロン「!そうか、邪魔される前に……君を!?殺そうと!?野郎、屠殺してやる!!」

 

ハーマイオニー「ハニーの豚はあなたの方だから屠殺はおかしいわロン、落ち着いて!」

 

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:22:12.17 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「落ち着いてるさ!落ち着きすぎてチャドリー・キャノンズの優勝パレードをしたい気分だよ!!」

 

ハグリッド「そんじゃぁこの上なく錯乱しちょるってことだ、ロン、やめろ!スネイプ先生はそんなこたぁしねぇ!」

 

ハニー「……ハグリッド?やけにあの人を庇うのね……?」

 

ハグリッド「うっ……は、ハニー。俺達のハニー。そんな目で、見ねぇでくれ……うぅ」

 

ハニー「……私、私の豚たちには、精一杯、一杯一杯、優しくしてきたつもりだけれど?」

 

ハグリッド「うー、うーぅ、ハニー、これぁ俺だけの問題じゃねぇんだ……」

 

ハニー「……そう。なら……信じるわ」

 

ハグリッド「どんな罰でも受ける!豚から畜生になってもえぇ!だから……へ?」

 

ハニー「私の大事な豚の言うことだもの、信じてあげる。あなたはずっと、私に使える豚であることを示してきたもの、ね?」

 

ハグリッド「は、ハニー……」

 

ハニー「……わたし、あなたを。信じて、いいのよね?」

 

ハグリッド「…………」

 

ロン「あ。ハグリッドの奴、失神してら」

 

ハーマイオニー「人ってあまりにも可愛いものを見ると意識失うのね」

 

ハニー「誰のことを言っているのかしら、私、想像もつかないわ。美しいのは否定しないけれど」

 

ロン「そりゃあ本当のことだしね、しょうがないよ、マーリンの髭」

 

ハーマイオニー「しょうがないのはあなた達よ、まったくもう」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:29:41.72 ID:VLS+n+jf0

 

十二月

 

大広間

 

ドラコ「もうすぐクリスマスだと言うのに、家に帰ってくるなと言われる哀れな奴がいるんだってねえ?」

 

クスクスクス

 ゲラゲラゲラゲラ

 

ドラコ「全く無様なことさ。無様と言えば、今度のクィディッチの試合じゃあユニフォームを新調してブカブカにしておく無様なシーカーが続出すると思わないか?え?」

 

……あー 

 ……えーっと

 

スリザリン生徒「……いや、ドラコ。君は選手じゃないから分からないかもしれないけど」

スリザリン生徒「……正直あの動きをしてスニッチを押さえられたポッターはやばい」

スリザリン生徒「うん。ポッターまじやばい。もう対戦したくない」

スリザリン生徒「片手だぜ片手。頭おかしいよ、あいつ」

 

ドラコ「……あー!!!そういえば、クリスマスに呼ばれないどころかクリスマスを過ごせない、家族もいないのがいるらしいねえ!」

 

ギャハハハハ!

 ゲラゲラゲラ!!!!

 

 

ハニー「……少し耳障りだったけれど、急いで古い手に切り替えるしかないマルフォイが滑稽だから流してあげましょう」

 

ロン「あいつ、飛行を自慢してたくせにわっかんないのかあ。その前にハニーを馬鹿にしてる時点で見る目がないのは丸わかりなけだけどさ。あと普通に家族がどうので許せないからぶっ飛ばしてきていいかな?あの周り全員だけど」

 

ハーマイオニー「ほっときましょう、えぇ。クリスマスに寮に残るリスト……二人とも、もう名前を書いた?マクゴナガル先生に提出してこなくちゃいけないわ」

 

ハニー「えぇ、大丈夫……ロン、あなたも本当に残るの?クリスマス休暇」

 

ロン「ヒンヒン、もちの僕さ、ハニー!いやあ、パパとママがチャーリーに会いに急にルーマニアに行くなんてなあ、びっくりだよ!」

 

ハーマイオニー「私も残りたかったわ……ルーマニアでドラゴンの研究をされているのでしょう?えっと、マクゴナガル先生もこの前漏らしていた、チャーリーお兄様は」

 

ロン「そうそう、元グリフィンドールの伝説的シーカー。君の話をしておくように言っておくよ、ねえ、現グリフィンドールの伝説的シーカーさん」

 

ハニー「えぇ。高貴で可憐で儚げで、伝説的な私の活躍をね」

 

ロン「!!!! 採用された!!!!!」

 

ハーマイオニー「だからなんなのそのシステム……」

 

ハニー「お利口な豚にはご褒美よ。ねえロン……本当はお父様達はあなたも誘ったのじゃないの?違う?」

 

ロン「あー、まあね。でも……ほら、ルーマニアの旅費だってばかにならないし……僕とか双子とかパーシーの分が浮くだけでも、ほら、僕んちは貧乏だから……」

 

フレッド「まったくロニーよ、お前ときたら気が利かないなあ。好感が持てないぞ、お前」

 

ジョージ「君を一人にさせない為に残るんだ、って言える奴ならモテるんだがな、お前も」

 

ロン「余計なお世話だよ!マーリンの髭!」

 

ハニー「正直な豚は好きよ。はい、アーン」

 

ロン「!!!! あ、あの、いいのかな、あ、アーン」

 

ハーマイオニー「二人だけになってから存分にしてくれないかしら、それ」

 

フレッド「今つっこむのはそこじゃあないと思うぜ、才女様」

 

ジョージ「クッションになってることは流すんだ、最後まで」

 

ハーマイオニー「もう野暮よ、ここまできたら」

 

 

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:29:41.72 ID:VLS+n+jf0

 

休暇初日

 

中庭

 

ハーマイオニー「いい、約束して!私がいない間に、二人で四階の廊下に行かないこと!いいわね!」

 

ハニー「えぇ、そうしないでいてあげる。そもそも言ったじゃない?中のものに私、なんの用もないもの」

 

ロン「ハニーが行けって言ったら僕ぁハニーの言うことに従うよ、何においても。何せ僕、ハニーの一番の……」

 

ハーマイオニー「一番の豚ならハニーのことを考えて行動するんでしょ!全く、あなたは……あぁ、やっぱり私も、城に……」

 

ハニー「ダメよ。あなたには、あなたを待ってる家族がいるんでしょ」

 

ハーマイオニー「ハニー……でも私、とっても寂しいわ。あなたと離れるの。あなたも、そうでしょ?」

 

ハニー「……うん」

 

ギュッ

 

ハーマイオニー「手紙、書くわね。沢山書くわ。返事を頂戴?」

 

ハニー「……ヘドウィグにしっかりお願いをしておくわ。ね。わたしの手紙……きっと、とっても、重いだろうから」

 

ハーマイオニー「私だって」

 

ロン「おい、ハニーのふくろうの白豚。君、本当はそんな名前だったんだね。だろうと思った……どうやらこの冬、ゆっくり寝る暇はないらしいぜ」

 

ヘドウィグ「ピピィー!?」

 

 

 

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:37:37.97 ID:VLS+n+jf0

 

クリスマス

 

グリフィンドール談話室

 

フレッド「メリークリスマス、愛し君!我らがグリフィンの勝利の女神様、ハニー・ポッター!」

 

ジョージ「哀れな子羊の僕らに、暫しの間君と合間見えたことの感動と喜びを堪能する時間を!」

 

ハニー「ハァーイ、メリークリスマス。そんなに敬愛していただけるのなら、首輪を受け取ってもいいのよ?」

 

フレッド「おーっとお嬢さん、そいつを受け取るわけにはいかないのさ、とってもとってもステキな申し出なのだけどね」

 

ジョージ「君にはロニーを任せてる、僕らの面倒までみてもらわなくって結構さ。優しい君の思いだけ受け取っておこう」

 

ハニー「……あなたたち家族って、なんなのかしら」

 

フレッド「きみの良き友人さ、そうとも」

 

ジョージ「ロンもだろ?もちのあいつで」

 

ハニー「そうね。えぇ、ロンは、私の大切な……」

 

 

ドタドタドタドタ!!!

 

 

ロン「やぁ、ハニー!僕らのハニー!ヒンヒン!メリークリスマスハニー!!!!」

 

ハニー「あら……ふふっ、私の豚、いいえ、トナカイさん?着ぐるみは気に入ってくれたかしら?」

 

ロン「もちのロンさ!僕、これ、一生着ることにするよ!ヒンヒン!」

 

 

フレッド「あいつも大変だなあ」

 

ジョージ「変態の間違いだろ?」

 

フレッド「どっちもな」

 

ジョージ「違いねえや」

 

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:42:41.77 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「双子はいっちまったね、ハニー。大方雪玉をたくさん作って、誰かの頭に跳ね続けるお得意のいたずらを仕掛けるつもりだぜ」

 

ハニー「そうかもしれないわね、大騒ぎがあの2人の代名詞のようだし……パーシーは?」

 

ロン「休暇初日から宿題漬けだよ、奴さんは。マーリンの髭」

 

ハニー「そうね。私達も宿題はやるべきだけれど、こう寒いとその気にもならないわ」

 

ロン「あぁ、ごめんよハニー!暖炉の火を強くするかい?」

 

ハニー「いいえ、そっちはいいわ。でもちょっと体勢を変えるから、もう少し上に移りなさい?」

 

ロン「合点さ!たとえフカフカのソファーでも、君が座るときは常にクッションだよハニー!」

 

ハニー「あなたは出来るトナカイさんね、えぇ」

 

ロン「うん!うん、あの……えっと、これまでは他に沢山人がいたから逆に平気だったんだけど、あの……あー……あのさ、二人だけだとその、ちょっとだけ、気恥ずかしい気も」

 

ハニー「ダメよ……あなたが、始めたんでしょ。付き合ってもらうわ、えぇ、いつだって」

 

ロン「……もちの僕さ、僕らのハニー」

 

ハニー「えぇ、ふふっ。よろしい」

 

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:48:04.16 ID:VLS+n+jf0

 

パチパチッ、パチッ

 

ロン「うーん、っと……ハハハ、ハニーは強いなぁ……ポーンを、その」

 

ハニー「……」

 

ロン「えーっと、おや?こりゃぁ僕は手詰まりかもしれないや。困った、困っちまうなぁ」

 

ハニー「ロン。私のトナカイ、私の豚」

 

ロン「……なんだい、ハニー」

 

ハニー「回りくどいのは嫌いよ。いい?手なんて抜いたら、絶対承知しないわ」

 

ロン「……あー」

 

ハニー「……」

 

ロン「クイーンを、前へ。チェック・メイト」

 

ハニー「……女王で幕引きなんて、私へのあてつけ?仕返しのつもり?」

 

ロン「ち、違うんだハニー!ごめん、ごめんよハニー!でもチェスはこの豚いいやトナカイな僕の唯一のとりえなのさ、ごめん!ごめんよハニー僕のハニー!」

 

ハニー「どうして謝るの、誇りなさい。この私に、一度でも、一泡ふかせたのだからね」

 

ロン「一度?」

 

ハニー「ロン」

 

ロン「ヒンヒン!なんだい、ハニー!」

 

ハニー「壊されたチェスが元に戻るまでに口の中に入れていたら、どうなるのかしら?」

 

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:52:48.86 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「かーっっぺ、っぺっぺ!正解は、ハニー!口の中ですごく暴れる、だね!もちの僕で!」

 

ハニー「有意義な検証だったわ、えぇ。そういえば、プレゼントが届いているのよね」

 

ロン「あー、そうだね!チェスなんてやめっちまおう、うん!」

 

ハニー「……駒落ちしてもらっても勝てないなんて」

 

ロン「忘れようハニー、君は最高だよハニー。さっ、君へのこの小山ほどもあるプレゼントを開けちまおう。日が暮れるよ」

 

ハニー「訓練された豚が増えたおかげね。あっ、お菓子はあなたにあげるわ、ロン。いつもよく働くご褒美よ」

 

ロン「ホントかいハニー!」

 

ハニー「えぇ……みんなに伝えておきなさい?ノンシュガーならもらってあげるわ、って」

 

ロン「豚の回覧板に書いておかなきゃいけないな、うん。冬休み中のハニー観測記のとこに。ハーマイオニーの校閲を受けてからだけど。もちのロンで」

 

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:56:36.15 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「ハグリッドからは、フクロウの鳴き声のような音がする横笛ね。手作りかしら。ふふっ。可愛いわ」

 

ロン「君の笑顔もね。あぁ、君のフクロウもきっと喜ぶよ、僕はヒンヒン言ってりゃわかるけどさ」

 

ハニー「あの豚以下のおじさん、おばさんからはクリスマス休暇は帰らない事を伝えた返事と、50ペンス硬貨が一枚っきりね。まあ、奮発した方じゃないかしら?あの人たちにしてみれば」

 

ロン「これがマグルのお金?へーーー。変なの、マーリンの髭!パパなら喜ぶかもしれないよ……言ったことがあったっけ?パパはマグル製品の、あー、豚なんだ」

 

ハニー「分かりやすい例えね、えぇ。それならあなたにあげるわ、これ。今度送ってあげなさい、お父様に」

 

ロン「ヒンヒン!ありがとう、ハニー!喜ぶよ……あー……ついでに、そいつも喜んでくれるといいんだけど……僕、いま君が開けようとしてるのが何か、わかるよ」

 

ハニー「? どういうこと……あら、これ……セーターだわ?」

 

ロン「うん、あー……あの、それ、うちのママからだ。ママったら、本気かよ。ウィーズリー家特製セーターを、君に贈るだなんて……マーリンの髭!髭!!」

 

ハニー「……」

 

ロン「あ、あのさ、ハニー、気に入らなかったら別にその、枕の中にでも入れて綿の足しにでもしてもらえば、えっと……あっ!」

 

ハニー「あなたのママって、とっても素敵ね、ロン。私のこと、話していてくれたの?」

 

ロン「そ、そりゃ当然だって僕も手紙くらいは書くしねたまにそんで君の事が僕の口から出ない時間なんて一秒でもないわけだから手紙にもそりゃあのそれでえっと僕の背中に縋り付かれるとえっとあーハーマイオニーいなくてよかった!?」

 

ハニー「ありがと……着ていい?わたし、とっても好きだわ、このセーター。とっても温かくて……あなた達みたいね」

 

ロン「あー、君が気に入ったなら嬉しいよ、うん。君の髪みたいに真紅で最高だね、ママの最高傑作さ、あぁ……あっ!僕のは毎年恒例栗色だけど、注文通り豚のアップリケがついてる!やったぜ!!!!」

 

 

ハニー「……ふふっ。家族と、お揃いね」

 

 

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 21:07:15.29 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「さて、あと残ったのは双子とパーシーの分のようね」

 

ロン「そうだね。あー、開ける前からゴソゴソ言ったりしてる奴はきっと悪戯三昧してる双子への仕返しとかだろうし、触らない方がいいよ、ハニー。僕がこっちに置いとくからさ……あれ?」

 

ハニー「……ハーマイオニーは歯科医のご両親監修のノンシュガーのケーキに、それに、手紙だわ。ロン、早くこっちに来て。あなたの背中で、ゆっくりとこの手紙を読まなきゃ……いい?その間、あなたわ私の顔の方を見ないこと。約束できるかしら?」

 

ロン「あぁ、晩餐までにどうか頼むよ……えっとさ、ハニー。ツリーの後ろにヒッソリと置かれてたんだけど、これ、君宛てみたい。最後の一つだね」

 

ハニー「私?あら……恥ずかしがりの豚からの贈り物かしら?」

 

ロン「どうだろ、豚規定で過度な装飾や高価過ぎるものをやたらと贈るのはダメって周知してあるんだけど、これ、随分高級そうな包みじゃないか?」

 

ハニー「……気遣い出来る豚は好きよ」

 

ロン「そんなのもらって君が気を遣っちゃいけないからね、あぁ……開けてみる?」

 

ハニー「えぇ……随分と、軽いけれど……」

 

シュルシュル、シュルッ

 

パサッ

 

ロン「……!!!」

 

ハニー「あぁ、床に落ちて……なぁに?古臭い、マントかしら。最後に開けるというのに、外れを残してしまったようだわ」

 

ロン「……あぁ、ハニー。僕、それ、もしも僕が思っている物と同じなら。きっと、とんでもなく貴重な物だ。君の存在の次に」

 

ハニー「それはそうでしょうね。それで……なぁに?検討はついているのでしょう?回りくどいのは嫌いよ、何度も言わせないで」

 

ロン「ご、ごめんよ!ヒンヒン!それ、それは……『透明マント』だ、ハニー!すっごいや、流石ハニー、貢物もハニー級ってわけさ!」

 

ハニー「『透明マント』??」

 

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:01:15.71 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「ほら、鏡を見てみなよ!君がマントで覆った部分が、すっかり消えてなくなっちまった!」

 

ハニー「これは……ふぅん。少し、確かにすこーし、凄いわね。流石の私も、存在を消すことはできないもの」

 

ロン「君はどこでもいつでも輝いているからね、あぁ。あっ、手紙だ、ハニー!マントが入っていた包みに、手紙があるみたいだよ」

 

ハニー「……『君のお父さんが亡くなる前にこれを私に預けた 君に返す時が来たようだ 上手に使いなさい』」

 

ハニー「……これだけ、だわ。贈り主の名前もなし」

 

ロン「スッゲェや、ハニー。本当にすごいよ。ちょ、ちょっとだけ触ってもいい?一体誰なんだろうね、あ、マクゴナガルかな、でもニンバス2000の時の手紙の感じとは違うなあ。すごいなあ、どうなってんだろ!」

 

ハニー「そうね……足長おじさん、ってやつかしら?……クリスマスって、素敵ね。なんだか夢見たことが、いくつも叶っちゃうわ」

 

ロン「すごいなあ、手触りも……うん?何か言ったかい、ハニー!君は夢のように素敵だってのは知ってるよ!もちの僕でね!」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:05:55.42 ID:VLS+n+jf0

 

フレッド「おっ、ハニーもウィーズリーセーターを着ているな」

 

ジョージ「これで君も映えあるおふざけ一家の一員ってわけだ」

 

ハニー「光栄よ、ふふっ」

 

フレッド「そっちにはイニシャルがついてないな。僕らの方にはFと」

 

ジョージ「あぁ、Gが書かれてるのに。わざわざ教えられなくてもさ」

 

フレッド「あぁ、分かってるのに」

 

ジョージ「当然さ。俺たち双子は」

 

フレッジョ「「グレッドとフォージさ」」

 

パーシー「やあ諸君。さあ、監督生の僕についてきたまえ、大広間へ行こう。クリスマスのご馳走が待っているよ」

 

フレッド「パースパース、おいおいダメダメ。完璧パーフェクトな君がなんてザマなんだい、え?」

 

ジョージ「今宵は正装が必要なんだぜ?もちのロナルドで君にも贈られてるだろ?マザーからさ」

 

パーシー「うっ、うわ、ほんとだ、みんな着て……あー、ロン?君は僕と同じで、色が気に入らないと言っていた気がしたんだが……」

 

ロン「何を言ってるのさこの豚印の前に」

 

パーシー「お前……お前なあ……」

 

ハニー「観念なさいよ、パーシー。みんなお揃いよ。ふふっ」

 

パーシー「……はーっ。わかった。好きにしてくれ」

 

フレッド「おーっと言ったなパーシー!嬉しいねえ!君から僕らへ『好きにしてくれ』なーんて迂闊な言葉が出るとはなあ!」

 

ジョージ「どうやら気が抜けているみたいだなあ完璧君!お望みどおり『好きに』させてもらうぜ!まずはこのセーターだ!」

 

パーシー「う、うわ、しまっ、やめ、やめてーーー!!!やめろーーー!!め、メガネに、メガネに触るなー!!!服はいいけど、眼鏡はやめるんだー!!!!」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:05:55.42 ID:VLS+n+jf0

 

大広間

 

ハグリッド「おっほー、ハニー!メリー・クリスマス!俺にトナカイのツノの生えた帽子をありがとうよ!笛はどうだったい?」

 

ハニー「ハァイ、ハグリッド。メリークリスマス。えぇ、素敵だったわ。この晩餐もね、とっても」

ハグリッド「そうだろうが?腕によりをかけとったからなあ……あぁ、お前の親父さんはいつも、どうやってだか昼間っからこのご馳走を俺んちに持ち込んで五人でパーティしとったが」

 

ハニー「……パパが?」

 

ハグリッド「あぁ、そうだ。お前さんの親父さん達は愉快な友達だった。でも不思議でなあ。あんな量を運んでたらどうやっても目立つはずなのに、それ以外の悪戯三昧でも仕掛ける途中で捕まるヘマはせなんだ、これが」

 

ハニー「……」

 

ハグリッド「あぁ、いけねえ。昔の話はえぇんだ。どうだ、ハニー?一緒にクラッカーを引くか?うん?」

 

ハニー「そうしてあげるわ。これにしましょう?」

 

ハグリッド「おう、そんじゃ……せー、の!」

 

ドカンッ!!!

 

パラパラッ、パサッ

 

ハニー「凄い迫力ね、魔法界のクラッカー。中にプレゼントまで入っているし。これの中身は……婦人用の帽子だわ」

 

ハグリッド「おぉ、洒落とるなあ。ハニー、被るかい?」

 

ハニー「遠慮するわ。前髪が崩れるから、好きじゃないの」

 

ハグリッド「そうか。俺もお前さんからもらったツノ付きのこいつがあるし、そんじゃ、俺からダンブルドア先生にあげよう。うん。喜ぶぞお、先生」

 

ハニー「……ダンブルドアに?」

 

ハグリッド「そうさ、先生様はお洒落だからな。そいじゃあなハニー!ヒンヒン!ロン、楽しめよ!」

 

ロン「当然!この胸のマークに誓えるね、あぁ」

 

ハグリッド「そりゃぁえぇ……おぉ、そうか!そうか!ハニー、え?えぇセーターだ!みんなと一緒で、良かったなあ」

 

ハニー「! えぇ、うん!ありがと!」

 

ハグリッド「おう、そんじゃあな。おう双子よ、雪玉のお返しはどうだった?え?そんでパーシー……パーシー、お前さん、今年は随分楽しそうだなあ?サンタクロースの形した縁の眼鏡なんて付けてよお?」

 

フレッド「自信作です」

 

ジョージ「新製品です」

 

パーシー「何のだよ……メリークリスマス、ハグリッド……あ、気にしないで。これを言うと光るようになってるんだ、このメガネ……もう諦めたんだよ、うん……今日真夜中まで外せないらしいから、うん」

 

ドスンッ、ドスンッ

 

ハニー「……本当にダンブルドアにあげるようだわ、ハグリッドったら。あの人も……あら、嬉しそうに自分の帽子と交換したわね」

 

ロン「変わってるからなあ、ダンブルドアって。あ、こっちを見てるよ、ハニー」

 

 

 

ダンブルドア「————」パチンッ

 

 

 

ハニー「……ウインクされたわ」

 

ロン「……校長じゃなかったらとっちめるのになあ。どうだいハニー、豚の素質ありかな?」

 

ハニー「……よく分からないわ。悪い人では、ないのだろうけれど」

 

ロン「そりゃあ、あんなに愉快な格好ならなあ」

 

 

 

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:05:55.42 ID:VLS+n+jf0

 

深夜

 

ロン「クリスマスパーティーは凄かったね、ハニー」

 

ハニー「えぇ、まさかハグリッドが『どじょうすくい』をしっかり出来てしまうなんて」

 

ロン「君からの無茶振りは僕らにとっての使命と同じさ、あぁ。クラッカーからの大収穫も楽しめたし、いい晩餐だったなあ」

 

ハニー「新品のチェスセットも手に入れたもの。明日は今日のリベンジをするわよ、ロン。ほえ面かく用意をしておきなさい?いいこと?」

 

ロン「あぁ、うん、その前に僕はハグリッドが酔っ払ってマクゴナガルの頬にキスしちまったくらいの量ワインをガブ飲みすることにしとくよ、そうすりゃその面が生えてくるかもしれないし」

 

ハニー「あれは愉快だったしマクゴナガル先生も愉快そうに笑っていたけれど、あなたのその態度は愉快ではないわね?」

 

ロン「ヒンヒン!僕は君を常に笑わせるのが生き甲斐さ!」

 

ハニー「そうしなさい、全く……さぁ、もう寝ましょうか。ハーマイオニーへの手紙も書きおえたところだもの」

 

ロン「あぁ、あれ手紙だったのかい。ハニー、君達のことだから素晴らしい長編小説をたしなめているところかと」

 

ハニー「あら、なんだかこの寒空に放り出されたいトナカイさんがいるようね?」

 

ロン「今の僕はクリスマスのトナカイさ!飛んで見せるよ、ハニー!君のためにね!」

 

ハニー「そう、今度乗らせていただくわ。おやすみ」

 

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:08:39.82 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「……」

 

ハニー「……」

 

ロン「女子寮に、行かないのかい?」

 

ハニー「行くわ、もちろんよ。あなたは?」

 

ロン「あぁ、僕もすぐに。ここでハニーを見送ったら、すぐに寝室に上がって、疲れっちまったからそのままベッドに直行さ!君の夢を見れるといいな!」

 

ハニー「……そう」

 

ロン「ハニー。僕らのハニー」

 

ハニー「なぁに?」

 

ロン「無茶をしちゃ、駄目だぜ。おやすみ」

 

ハニー「……えぇ」

 

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:12:05.32 ID:VLS+n+jf0

 

 

ハニー「……」

 

ハニー「……本当は、ロンも一緒に誘って。このマントを使って、色々探ってみたかった、けれど」

 

ハニー「……このマントは、私の……『お父さんが亡くなる前に』……」

 

ハニー「……」

 

ハニー「パパは、きっと……えぇ、ハグリッドが言っていたわ。何かの途中で、捕まるようなことはなかった……どうやっても目立つ、はずなのに」

 

ハニー「この透明マントを、学生の頃から使って……城中を、歩いていたんだわ」

 

ハニー「……」

 

ハニー「今日だけ。今夜だけ、一人で行かせて。この大事なマントを……わたしだけで。ごねんね」

 

バサッ、シュルシュルッ

 

ハニー「……なんでだろう。こんなに薄いマントなのに。あのセーターと、同じくらい、に」

 

ハニー「あったかい……ぁ」

 

ハニー「あ……ふふっ」

 

ハニー「……パパとお揃い、だわ」

 

ギィィッ、バタンッ

 

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:16:30.52 ID:VLS+n+jf0

 

カツッ、カツッ、カツッ

 

ハニー「見えないと分かっているけれど、なんとなく、廊下の真ん中は歩きがたいわね。えぇ、この私が隅をこそこそだなんて、不服だけれど」

 

ハニー「……」

 

カツッ、カツッ、カツ

 

ハニー「そもそも、私。このマントを使って、何がしたいのかしら」

 

ハニー「ニコラス・フラメルのことはとっくに分かっているし、賢者の石が守られている場所の検討もついている」

 

ハニー「……ふふっ。いいえ、理由なんていいの」

 

ハニー「ただ、このマントを……前に使っていた人と、同じように」

 

ハニー「きっとこうして、夜中にだって出歩いていたに違いないわ。悪戯三昧、そう言っていたもの」

 

ハニー「こうやって、同じ事をしてみれば……同じ服を着て……同じ事を、すれば、それだけで」

 

ハニー「……本当は」

 

ハニー「本当は……何にも、思い出が……無くったって……」

 

ガシャンッ!!!

 

ハニー「っ!あぁ……廊下の所々にある、甲冑……この私としたことが、しまったわ。つい、ボーッと」

 

フィルチ「誰だ!誰かいるのか!?!?」

 

ハニー「っ!?」

 

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:23:52.31 ID:VLS+n+jf0

 

スネイプ「どうしたのだ、フィルチ。我輩のクリスマスナイト特別パトロール減点祭り大開催に着いて行くと言い出したのは君だろう。何をボサッとしている?」

 

ハニー「……僻みってやつかしら」

 

フィルチ「スネイプ教授!今、確かに誰かがここで……そう!あちらの甲冑のあたりで、音がしたのです!はい!」

 

ハニー「……まずいわ。近づいてきてる」

 

スネイプ「ふむ……何者の影も見えん、が……なるほど?なにやら……懐かしい気配がするような……ふむ?」

 

ハニー「……」

 

スネイプ「フィルチ、廊下のそちらの端を。我輩はこちらを歩く。彫像の影まで丹念に、『手で触って』探すのだ。いいな?」

 

フィルチ「仰せの通りに!」

 

ハニー「まずい、わ……あっ、あそこの、教室……扉が、少し開いてる」

 

ハニー「……音は、たてないように。慎重に、よ」

 

ハニー「っ、この私に、コソコソさせるだなんて、屈辱だわ……覚えておきなさい、スネイプ」

 

スーッ、カチャッ

 

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:27:22.07 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……行ってしまったようね」

 

ハニー「ふーっ。焦ってなんていないけれど。少し疲れたわ……もう、大丈夫。マントも脱いでしまいましょう」

 

ハニー「それで、この教室は何かしら。あまり考えずに歩いていたから、何階かも……あら?」

 

ハニー「こんなホコリだらけの、カビ臭い教室に……どうしてこんなに大きくて、立派な鏡が?」

 

ハニー「……」

 

ハニー「『すつうを みぞの のろここ のたなあ くなはで おか のたなあ はしたわ』」

 

ハニー「……???」

 

ハニー「デタラメな、文字……でも、鏡に書かれているのなら、反対に、つまり……」

 

ハニー「心の、望みを……?」

 

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:32:13.62 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……ふぅん。面白そうじゃない?望みを映す、だなんて。大きくでたわね。魔法の世界らしいわ、えぇ」

 

ハニー「私の望み、そうね……このホグワーツの全員を、ヒンヒン言わせること?かしら」

 

ハニー「誰にでも分かることだけれど?そんな望みを見事当ててみせる、っていうわけ?鏡風情が随分、生意気だわ」

 

ハニー「……さぁ」

 

ハニー「……私しか、映っていないのだけれど?」

 

鏡 スゥゥゥゥッ

 

ハニー「! 像が乱れて、渦巻いていくわね……へぇ、何かおかしなことが起きるのは本当みたい」

 

ハニー「さぁ、それじゃあ。見せてみなさい。あらゆる生徒が、私の足元に五体投地する、姿……を」

 

ハニー「……えっ」

 

ハニー「……」

 

ハニー「……大人になった、わた、し……?」

 

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:35:22.71 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……いいえ、少し。少し、違うわ。目……私の目は、こんなに綺麗なグリーンじゃない」

 

ハニー「それに……となりにいる、男の人。黒い髪、あちこちツンツン逆立ってる……それで。私と同じ、ハシバミ色の、目」

 

ハニー「……」

 

ハニー「私、じゃない……私の知らない人……じゃ、ない」

 

ハニー「……」

 

ハニー「……私の、両親?」

 

リリー『……』ニコッ

 

ジェームズ『……』ニッ

 

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:39:06.26 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……へぇ」

 

ハニー「やっぱり、そうね。完璧な私だもの……本当に、そっくり……とっても、とっても、綺麗な人だわ」

 

リリー『……』ニコッ

 

ハニー「それに……それに吊り合うくらい、素敵な人。とっても、素敵な……私とおんなじ眼をした人」

 

ジェームズ『……』ニッ

 

ハニー「……言いたいことが、山ほどあるわ」

 

ハニー「えぇ、そうね。鏡はきっと……この望みを、叶えてくれているのね」

 

ハニー「……全く、この私を置いていってしまうなんて。あなたたちはとても不幸者よ。まぁ、死んでしまうことが既にそうだったかもしれないけれど」

 

ハニー「この私の、生まれた瞬間からそんなに美しくなる様を見る権利を、放棄してしまうなんて」

 

ハニー「まったく、まったく。子不幸者だわ、あなたたち」

 

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:42:31.93 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……ねぇ」

 

リリー『……』ニコッ

 

ハニー「……私は、とっても幸せな家庭にいたみたい。だってそうだもの。私みたいに綺麗な母親、それに」

 

ジェームズ『……』ニッ

 

ハニー「こんなに素敵な父親もいるんだもの。毎日が楽しかったに違いないの」

 

ハニー「……そうでしょ?」

 

リリー『……』コクッ

 

ジェームズ『……』コクッ

 

ハニー「……なら、どうして。どうして  死んで、しまうのよ」

 

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:45:42.14 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「どうして、私を置いていってしまったの」

 

ハニー「どうして、どうして!私をあんなところに預けてしまったの」

 

ハニー「どうして、どうしてどうして!幸せなあなた達が死んでしまわなければならなかったの!どうして。どうして」

 

リリー『……』

 

ジェームズ『……』

 

ハニー「どうして、何も、言って、くれないの。私……私」

 

ハニー「わたし、ずっと……ずっと……」

 

ハニー「ずっと、会いたかった……!! ママ!!パパ!!!」

 

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:51:08.26 ID:VLS+n+jf0

 

翌朝

 

ハニー「ロン、おはよう。いい天気ね」

 

ロン「やぁハニー!僕の……あー、ハニー?」

 

ハニー「なぁに?私の美しい顔がどうかしたの、今さら見惚れることないでしょう」

 

ロン「何を言うのさ僕はいつだって……それはいいのさ。君、なんだか目が腫れているようだけど?」

 

ハニー「……そうね。そうかもしれないわ」

 

ロン「っ、どうしたのさ、おったまげー。君らしくないね、ハニー。謙虚な君もステキだけどね!」

 

ハニー「……ねぇロン、あなたに見せたいものがあるの、今夜」

 

ロン「へぇ!そりゃめちゃくちゃ楽しみだよ、ハニー!あー、でもほら。君は少し、寝たほうがいい。その……」

 

ハニー「えぇ……きっとあなたも、喜んでくれると思うわ」ニコッ

 

ロン「…………」

 

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 22:56:56.39 ID:VLS+n+jf0

 

深夜

 

ロン「すっごいや、ハニー!僕、僕!!」

 

ハニー「えぇ。ふふっ、可愛い豚さんにご褒美よ。あなたの、家族が――」

 

ロン「僕、僕!ハニーから、おったまげるくらいでっかい首輪を貰ってるよ!」

 

ハニー「……えっ」

 

ロン「あぁ、それにリードも!えっ、そ、そんなものまで!?ちょ、ちょっと待ってくれよハニー、僕らのハニー!それは心の準備がさぁ!」

 

ハニー「……ぁ。そっか……あれは、私の望みであって……ロン、には……」

 

ロン「すっごいや!ね、ねぇハニー?この鏡って、も、もしかしてその……未来を映す鏡、とか……?」

 

ハニー「……私の両親は、私の横に立ったりしないわ。できないもの。ずっとね」

 

ロン「えっ、なんだい!?わ、わぁ……僕が、そ、そっか……あーあの、ハニー?ちょっとさ、今から箒置き場に行ってきていい?その、僕、来年さあ、挑戦を……」

 

ハニー「……そこの窓から行けばいいじゃない?幸い、そう高い階じゃないようだから」

 

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:00:43.34 ID:VLS+n+jf0

 

数日後

 

ロン「ねぇ、ハニー。僕らのハニー。ココアはどうだい?」

 

ハニー「いらないわ」

 

ロン「それじゃ、ほら。色々暖炉で炙って食べたけど、君、これが気に入っていたろう?マシュマロさ。どうだい?」

 

ハニー「お菓子は全部あなたにあげる、って言ったはずよ。二度も言わせないの」

 

ロン「……なぁ、ハニー。あの鏡のことを考えているんだろう?」

 

ハニー「……いつから私の心を勝手に読むようになったのかしら」

 

ロン「割と最初からさ、あぁ。悪かったよ、君がその……あの鏡に、両親を見ていたなんて、思ってなくって」

 

ハニー「それは、いいの。で、私があの鏡のことを考えていたら、どうだというの?私の豚?」

 

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:05:23.06 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「……あの鏡、なんだかおかしいよ。もう、あそこには行かない方が良い」

 

ハニー「……いつから私に指図できるようになったの?」

 

ロン「指図なんかじゃないさ、お願いだよ。ハニー、君、君……酷い顔だ、ハニー。目も、あー、おかしいし……」

 

ハニー「っ、わたしの、顔が!!なんですって!?」

 

ロン「! あの、その……」

 

ハニー「たとえあなたであっても許さないわよ!えぇ、ロン!さっきから、なあに!言うに事欠いてわたしの、わたしの……!ママ、の、顔を……パパの目を!!あなた!!!」

 

ロン「えっ、あ、えっ?は、ハニー、落ち着いて!違う、その、僕は……か、顔色が、悪い、って、そう言いたかっただけで……目だって腫れて、ほら……」

 

ハニー「あっ……あぁ、そう……メイクにはもう少し時間をかけないといけないわね。朝の出迎えを二十分、遅らせなさい」

 

ロン「……ハニー、お願いだよ。せめて少し寝よう?今でもいいからさ……」

 

ハニー「……眠れないのよ」

 

ロン「……え?」

 

ハニー「あの鏡を見てから、二人の顔を、見てから……眠ると変な夢を見るの。そうね」

 

ハニー「最初は夢でも二人と一緒で……幸せなのに、途中から……おかしな高笑いが響いて、緑色の閃光と一緒に消え去ってしまう」

 

ハニー「そういう、悪夢……だから、寝れないの。寝ちゃ、いけないわ。二人は……二人は、一緒に。それで……」

 

ロン「ハニー……」

 

ハニー「あなたは私の豚、そうよね」

 

ロン「……」

 

ハニー「……わたしがパパとママに会える、唯一の機会なの。あの前でだけ、一緒にいられるの」

 

ロン「……」

 

ハニー「……私の、邪魔をしないで。いいわね?」

 

ロン「……」

 

ハニー「ロン?私の、可愛い豚?」

 

ロン「……ヒンヒン、さ。ハニー」

 

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:08:31.86 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……」キィィッ

 

ハニー「……」

 

ハニー「パパ、ママ」

 

ジェームズ『……』ニッ

 

リリー『……』ニコッ

 

ハニー「わたし、幸せだわ。えぇ……固い床で、そうね……ロンはいなくて、暖かさもなんにもなくて、居心地の悪いところ、だけれど」

 

ドサッ

 

ハニー「ここに、いるわ……わたし、ここにいる。ずっとここにいる」

 

ハニー「パパとママだって、ここにいるわ……わたしがここにいれば」

 

ハニー「……わたしがいれば、二人はずっと、ここにいてくれるんだわ」

 

ハニー「もう何もかも、勝手にすればいい。わたし……やっと、会えた。大事な大事な……家族、に……パパ……ママ……」

 

 

 

 

 

ダンブルドア「やぁ、ハニー。今日も来たのかい?」

 

ハニー「!? だ、ダンブルドア、校長!?」

 

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:13:59.04 ID:VLS+n+jf0

 

ダンブルドア「隣に腰掛けてもよいかね。ほっほ、若いお嬢さんとこうして床に座るなんて、何十年ぶりか。胸が踊るのう」

 

ハニー「……先生ほどのいい男なら、そう月日は経っていないように思うわ」

 

ダンブルドア「これは嬉しい、君に言われると殊更のう。のう、ハニー。君はとても似ておる。リリーと、ジェームズ。その姿に、その心に瓜二つじゃ」

 

ハニー「……鏡に、見えるの、ですか?」

 

ダンブルドア「いいや、この鏡がうつすのは使用者の望みのみじゃ。そしてわしの推測は、当たっていたと思っていいかな?」

 

ハニー「……えぇ。わたし……私がずっと見たかった、両親の姿……」

 

ダンブルドア「いいや、ハニー」

 

ダンブルドア「あれは君の両親ではない。あれは望みじゃ、君の、”ただの”望みなのじゃ」

 

ハニー「っ」

 

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:20:44.90 ID:VLS+n+jf0

 

ダンブルドア「この鏡の虜になってしもうた者は、これまでに何百人とおる」

 

ダンブルドア「既に説明したことじゃが、この鏡は使用者の望みを映し出してくれるのじゃ……一番強い望み、心の奥底にある願望を」

 

ダンブルドア「ハニー。君は両親を想った、だからその望みが映った」

 

ダンブルドア「ロナルド・ウィーズリーは何より君の下にいたかった、だからその姿が映った」

 

ダンブルドア「のう、ハニー。だがこれは、手に入る物でも、未来のことでも、ないのじゃよ」

 

ダンブルドア「ただの、望み。それに過ぎない」

 

ハニー「……」

 

ダンブルドア「現実であるか、果たして可能なものかさえ判断できず。この鏡の前でおかしくなってもうた者……欲深い、ということではない。」

 

ダンブルドア「現実が辛いものであれば、ことさら夢見てしまうものじゃそれは、ようわかる。だが、じゃ。ハニー」

 

ダンブルドア「夢にふけったり、生きることを忘れてしまうことはよくない……手に入る望みも、何も。無くなってしまうのではないかね?」

 

ハニー「……」

 

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:30:35.48 ID:VLS+n+jf0

ハニー「……先生、お言葉ですが」

 

ダンブルドア「うむ」

 

ハニー「私は、どうやっても。この望みを、手に入れることは、叶いませんわ」

 

ダンブルドア「うむ、そうじゃろう。ジェームズと、リリーは……死んでしまった。まっこと、悲しいことじゃ」

 

ハニー「そんな私が――わたしが、これにすがって、なにが悪いと、言うんですか」

 

ダンブルドア「……」

 

ハニー「わたし、ずっと、ずっと!ずっと、一人だった!一人ぼっちで、寂しくて!!!ずっと、ずっとよ!!!」

 

ハニー「家族が欲しかった、大事な人が欲しかった、わたしを、わたし、に、優しく微笑んでくれて!それで、それで!!」

 

ハニー「……パパとママに、会いたかった……だから、だったら、それが叶うここにずっといたい!!!!!ここで、ママに!笑っていてほしい!!!パパと、一緒にいたい!!!!」

 

ハニー「だって、わたし、わたし……」

 

ダンブルドア「それが、二人から受け取った君の人生かね」

 

ダンブルドア「生きる者の責任を果たさず、ここで望みに魅入られれていくのが、君の生きる理由なのかね」

 

ハニー「……」

 

ダンブルドア「君は本当に、ずっと一人だったのかね。違うんじゃ、ハニー。君は望んだ、強く強く、両親の姿を。これだけで、よーくわかるはずじゃ」

 

ダンブルドア「君は覚えてなくとも、両親をずっと愛していた。そして両親は君を――たとえ死んでしまっていたとしても――愛し続けている、その結果なのじゃ。ハニーよ……そこに映っているのが、本当の両親だと果たして言えるのじゃろうか。いいや」

 

ダンブルドア「さっきわしに、鏡に君の両親が見えるのかと聞いたね?違う。おぉ、わしは鏡など見ておらぬよ。どうかね」

 

ハニー「……ずっと、私を見ていたわ。ずっと……その青い瞳で、まっすぐに」

 

ダンブルドア「そうじゃ。わしが見ているジェームズとリリーは、君じゃ。君の中に、わしは二人をハッキリと見ておる。あぁ、懐かしい友よ」

 

ハニー「!」

 

ダンブルドア「君の本物の両親は、君の望みだけで現れる虚像などではない。現実に生きる君を、しかと支えておるよ。それは君が正に証明しておるのじゃ……ジェームズなどは、きっととてもうるさいことじゃろうなあ」

 

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:38:34.05 ID:VLS+n+jf0

 

ハニー「……先生、わたし――いいえ。私」

 

ダンブルドア「うむ、その目じゃ。まっこと、目はジェームズの生き写しじゃのう、ほっほ。当時の先生の一部はすくみ上がることじゃろうな」

 

ダンブルドア「さて……ロン、もう出てきなさい、ハニーは大丈夫じゃ」

 

ロン「あ……ハニー。ごめん、僕」

 

ハニー「……」

 

ロン「どうしても、君を放っておけなかった。だから、マクゴナガルに相談して、それで、ダンブルドア、が……」

 

ハニー「……ロン。いいの……あの、私……」

 

ダンブルドア「ほっほ。良いセーターじゃな、ロン。お母様にわしの靴下も編んでくれるように頼んでくれるかね?」

 

ロン「え?あの、は、はあ……」

 

ハニー「……セーター。あなたのお母様からもらった……あぁ……とっても、暖かなもの。えぇ、ロン。いいの。ねえ、こっちに来て?」

 

ロン「う、うん……えーっと、折檻なら是非ともあの僕にもあの列車で見せてくれたさ、関節技を……」

 

ギューーッ

 

ロン「」

 

ダンブルドア「おぉ、これは、注文通りの見事な関節技ではないのかね?鯖折りというやつじゃ、うん。折る程の力が入ってはおらぬようじゃがのう」

 

ロン「あああああああのハニーえっと正面からそういうことされると流石に僕はあああああキャノンズが一失点キャノンズが……」

 

ハニー「ロン。それに、今はいないけど……ハーマイオニー」

 

ハニー「……手に入らない望みなんて、なんてちっぽけなんだろう。私にはもう、そんなもの。そんなもの、なくったって……とっくに、腕の中にあったんだわ。腕の中に、いたんだわ」

 

ハニー「……今を生きて、パパとママには……あっちに行ってから、たくさんたくさん。今度は二人にも話しをしてもらわなきゃ」

 

ハニー「それまで、ロン。私の豚として、その……しっかり、着いてきなさい!いいわね!」

 

ロン「!あぁ、もちの、もちの僕さ!僕らのハニー!」

 

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:44:04.54 ID:VLS+n+jf0

 

ダンブルドア「この鏡はもう明日には移してしまおう」

 

ダンブルドア「じゃが、再び出くわしたとしても。君はあぁはならないじゃろうて。そうだね?」

 

ハニー「当然だわ。むしろ、なぁに?私、何かおかしな事をしていたかしら。ねぇロン?」

 

ロン「いいやハニー!君はいつだって君らしいよ!全部全部君だからね!」

 

ハニー「なんだか言い方に含みがあるけれど。何が言いたいのかしら、ヒンヒン鳴いて答えなさい」

 

ロン「ヒンヒン!ハニーは最高ってことさ!」

 

ハニー「あぁ、そう。そういえば、ダンブルドア校長?一つ質問をよろしいかしら」

 

ダンブルドア「なにかね、ハニー?今のも既に質問じゃが、もう一つだけ許そう」

 

ハニー「先生があの鏡を見ると、何が映るのですか?」

 

ダンブルドア「おーぅ、そうじゃな。ウィーズリー家特性手編み靴下を貰えた光景かのう。それか、あたたかいベッドにくるまって眠るところじゃ。ほら、もうおかえり。チッチチッ」

 

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:49:02.16 ID:VLS+n+jf0

 

冬休み明け

 

ハーマイオニー「……」

 

ロン「……」

 

ハニー「……私の豚を、私に断りなく正座させないでくれる——」

 

ハーマイオニー「ハニーは黙ってて!ロン、あなたがいながらなんてことなの!!なんなのこの報告書は!!!聞いてないわ!!!!ハニーからは聞いてないわよここ、この鏡云々のところは!!!!!」

 

ロン「ごめんよハーマイオニー、だけど僕は、ほら。結果的にハニーのためになったわけで」

 

ハーマイオニー「結果論じゃないの!もう!ハニーが勝手気ままに動くのはしょうがないとして!あなたがしっかり止めないと駄目でしょう!?」

 

ハニー「ちょっと待ちなさい、ちょっと。それじゃ私がまるで、世話をされているようで——」

 

ハーマイオニー「夜の廊下にちょっとでも涙目になったのなら黙ってなさいよ!」

 

ハニー「な、なによ!!うるさいわよグレンジャー!」

 

ハーマイオニー「ヒンヒン!ヒン!」

 

ハニー「やめてよお!!!」

 

ロン「あー、幸せだなぁ。でもどうせならハニーに踏まれながら眺めてたいなぁ」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

ハーマイオニー「はぁ……全く、帰ってきてすぐこんな気分になるなんて。もういいわ、正座やめて、ロン。あなたに何か言ったところでしょうがないことだし……」

 

ロン「やったぜ。さ、ハニー。座るなら僕の背中に、僕の定位置であって君の安住の地でもあるからね、ああ」

 

ハニー「えぇ、そうするわ」

 

ハーマイオニー「流れるように……ねえハニー?本当に平気?お父様と……お母様のこと」

 

ハニー「……うん。だってもう、あなた達がいるもの。平気」

 

ハーマイオニー「……わかったわ。あのね、寂しいならいつでも言って。あなたのためなら、わた……きゃあ!?えっ!?なに!?ろ、ロンの背中に座るんじゃ、なんで私に、迫って、えっと……?」

 

ハニー「そうね、ハーマイオニー……あなたも着ていたのね、ウィーズリーお母様からのセーター。お揃いよ、えぇ。もっと近くで見せて、いいわよね……?」

 

ハーマイオニー「そ、それは、もちろん、あ、あぁ、ハニー……」

 

ロン「つづけて」

 

 

 

ネビル「あ、おーい!みんなー!冬休みは、どう……ど、どうぞ!!!!!!!ひ……ヒンヒン!ヒンヒン!」

 

ロン「おかえり、そしてウェルカムさ、ネビル」

 

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

ハーマイオニー「ふーーーっ、ふーーーっ、座って!ロンの背中に!セーターを見たいならそこから見て!というかさっきの状態じゃ見えないでしょ!見てないでしょ!!!」

 

ハニー「まあ、そうね。あなたのふわふわで気持ち良い髪が鼻をくすぐっただけだわ」

 

ロン「そのままの方が僕らはよく見えたんだけど」

 

ハーマイオニー「黙って!ふーーーーっ……なんだかホグワーツに帰ってきた実感が湧いてきたわ、えぇ」

 

ロン「僕も僕も。お陰様で心置きなくハニーに背中に座ってもらえるよ」

 

ハニー「そうね、誰かさんが調子を取り戻せたようで良かったわ、えぇ」

 

ハーマイオニー「? なんの話?」

 

ロン「こっちの話さ。ヒンヒン!ハニー!君はどこまでも素敵だね!もちのロンで!」

 

ハニー「えぇ、私の可愛い豚さん。高貴で可憐で儚げで、伝説的だもの。当然よ」

 

ハーマイオニー「はいはい。いつも通りなのは分かったわ……全く」

 

ハニー「えぇ、いつも通りなの……いつも通り。あなた達と私がいて」

 

ハニー「ふふっ。それで十分、幸せだわ。わたし」

 

 

 

続く

 

 

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

長くなるんでスレの途中やけど一回区切るで!!すまんな!!!

続きはなるべく早く!

じゃあの!





全スレタイリスト

これから順次書き直していくつもりですが

いつまでかかるやら気長な話になりますので

続きをお急ぎの場合はこちらのスレタイを検索ください


賢者の石編

ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」

ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」

ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」


秘密の部屋編

ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」

ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」


アズカバンの囚人編

ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック……?」

ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」

ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」


炎のゴブレット編

ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」

ハニー・ポッター「何が来ようと、受けて立つわ」

ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」

ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けて立てばいいのよ。勝つのは、私よ」


不死鳥の騎士団編

ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」

ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」

ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」

ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」


謎のプリンス編

ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」

ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」

ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを」

ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」


死の秘宝編

ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」

ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」

ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……超えてみせる!」



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