ハニー・ポッターシリーズ   作:鹿太

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賢者の石編②ー2


ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」 2/3

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

二月

 

クィディッチ競技場

 

ザーーーーーッ

 

 ザーーーーーーッ

 

 ピ シ ャ ー ン ! ! ゴロゴロゴロ……

 

ロン「あれ、ハニー!?……違った、空に走ったのはただの稲妻だった。眼にした衝撃と君の額に走る軌跡でそれで勘違いしちゃった。マーリンの髭」

 

ハニー「えぇ、そうね。目の前が真っ白になるという意味では同じだわ……ハーマイオニー、タオルありがと。あとこの三人入っても十分な大きい傘も」

 

ハーマイオニー「雷よりうるさいのは伝わると思うわよ、全く……どういたしまして。傘はハグリッドからの借り物よ」

 

ハニー「そ。お返しは傘の端にサインとかでも良いかしら?」

 

ロン「家宝になるなあ」

 

ハーマイオニー「普通にお礼でいいでしょ……それにしても、雪が雨に変わっても、こんな雷の日でも、クィディッチの練習は取り止めにならないのね」

 

ロン「そりゃそうだよ。試合は天気なんかで中止にならないからね。なんでかって、中止にしたら観客席から抗議の呪いが飛び交うからだと思うけど」

 

ハーマイオニー「とんでもないわね、ほんと。練習を強行するウッドもウッドだわ。何の意味があるわけ?こんな、チームメイトもほとんど見えなくなるような大雨の中で練習なんて」

 

ロン「あぁ、双子もよく言ってる。ウッドはほとんど狂ってる、って。僕?生粋のハニー狂い」

 

ハニー「7年ぶりのクィディッチ優勝杯がかかっているものね。えぇ、私への熱狂と同じくらいだわ」

 

ハーマイオニー「今月に入ってからはもう殆ど毎日じゃないの……でもハニーにとっては、良いこともあるみたいね」

 

ロン「あぁ、飛行バカだからね」

 

ピ シ ャ ー ン ! ! ゴロゴロゴロ!!!

 

ハーマイオニー「そう、飛行——え?何?」

 

ロン「いやなんでも」

 

ハニー「ロン」

 

ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!僕らのハニー!」

 

ハニー「また雷が落ちそうだけれど、観客席の頂上で新しい私の応援旗を振り回してみたら、どうなるのかしら?」

 

 

ピ シ ャ ー ー ー ー ン ! ! !

 

 

 バ リ バ リ ゴ ロ ゴ ロ ド シ ャ ー ン ! ! ! ! ! 

 

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「ウォっほ、ゲホッ、あぁ、ローブが焦げちゃった、マーリンの髭。ハニー!答えは旗が駄目になる、だったよ!もちのぼくで!」

 

ハーマイオニー「あなたが愉快な旗振り芸をしている間にとっくに練習は再開してるわよ」

 

ロン「そんな、僕なんの為に死にかけたのさ。ハニーの為か。じゃあしょうがないか。減るもんじゃないし」

 

ハーマイオニー「減りなさいよ人として……あぁやってまたずぶ濡れになるのもハニーの為になるのかも、って話をしていたのよ、もう。ほら、例の鏡のせいで寝る時しばらくうなされていたじゃない?」

 

ロン「あぁ、うん。君のベッドに一緒でしか眠れなくなったって……君が困惑風自慢をしてきたアレのこと?僕ぁ僕で夜眠れなかったよ、この雨より激しい涙を流していたからね。なんで僕は女の子じゃないんだろう」

 

ハーマイオニー「男の子だからでしょ。大体ね、あなた日頃どれだけ……それはいいの。とにかく、このウッドの、あー、双子風に言えばほとんど狂ってる練習三昧のお陰で疲れ切って、帰ったらすぐに眠れるようになった、ってこと」

 

ロン「なるほど。道理で君も寝不足から解消されてる、ってわけだ」

 

ハーマイオニー「……黙秘するわ」

 

ロン「なんで僕は女の子じゃないんだろう……あ、みんなが降りてきた。これってあれだよね?赤毛の女神が下界に降りてくる時の宗教画?神々しいなあ」

 

ハーマイオニー「仰々しいの間違いだわ絶対」

 

 

ウッド「——よーし!!今日もいい練習だった!!双子!!雷にも負けない素晴らしいグラブ捌きだった!」

 

フレッド「どうも、キャプテン。目の付け所がいいな」

 

ジョージ「ああ。見えてたかは怪しいけどな、キャプ」

 

ウッド「チェイサー三人娘!風のように素晴らしい連携だった!」

 

アンジェリーナ「あんがと。うん、私たちの息はピッタリだったと思うよ。風に流されて落ちたクァッフルを追いかける競技の練習はバッチリさ……」

 

アリシア「そうね……」

 

ケイティ「そうよね……」

 

ウッド「ハニー!良いスニッチキャッチだったな!」

 

ハニー「えぇ、そうね。確かに練習終わりと同時に帰ってきたこの練習用スニッチは良く出来ていると思うわ。豚のようね」

 

ウッド「うむ!有意義な練習だった!これで——今度の試合の審判はスネイプだが、我々は問題なく勝利を掴むだろう!」

 

ハニー「勿論、本番では例え審判が、審判が、なんですって?」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

ロン「ハニー!タオルを懐で温めておいたよ!なんでかって君を思えば僕の胸は熱くてちょうどいいから……はぁ!?」

 

ハーマイオニー「スネイプが、審判!?」

 

ウッド「サポートご苦労二人とも。うん、そうだ。だから、次の試合は我々にとっても厳しくなる。そういうわけで更に練習をだな」

 

フレッド「おいおい、ウッド。そんなこと言ってる場合かよ。練習なんかでどうにかなる域を越えてるぜ。スネイプの野郎を医務室送りにする計画をした方が有意義だろ」

 

ジョージ「何の冗談だよ、オリバー。クィディッチの審判はずーっとフーチ女史の領域だったじゃないか?あの髪ベタ野郎が何でだって出張って来るんだよ。猛抗議だろ」

 

ウッド「残念ながら事実だ。もちろん、マクゴナガル先生は異を唱えてくれたさ。寮監が審判をするなんてフェアではない、とね」

 

アンジェリーナ「そりゃそうだ!自分の寮が負かされた私達の試合なんだから!」

 

アリシア「そうよ!」

 

ケイティ「そうよそうよ!」

 

フレッド「いいや、そうでなくても俺たちゃぁ誇り高き若獅子どもさ」

 

ジョージ「あぁ、埃被った蛇のアイツにゃいつだって減点対象だとも」

 

ウッド「僕に文句を言ってもしょうがないぞ。これはもう、ダンブルドアの許可も降りた決定事項なんだ。僕達はスネイプが難癖のつけようもないフェアプレイをだな——」

 

ハニー「……あの人が観客席よりも『近く』にいること、それ自体が困るのだけれどね」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

グリフィンドール談話室

 

ロン「例えばアイツの治りかけてヒョコヒョコ歩きの足をもう一回今度はへし折ってやるとかさ、色々やりようがあると思うんだよ、うん」

 

ハーマイオニー「ダメよ」

 

ロン「なんでさ」

 

ハーマイオニー「証拠が残るでしょ。それよりも、以前の携帯型瓶詰め炎をもう少し改良してどうにか出来ないかしら……」

 

ロン「君も君でほんとヤバイよね……ハニー、あー、これは言いたく無かったんだけど、豚一同を代表して言わせてもらうと、君が試合に出ないでくれる方が安心で……」

 

ハニー「ダメよ。シーカーの代わりはいない。私が出ないと、グリフィンドールはシーカー抜きで戦うことになるわ」

 

ロン「ハニー抜きなんて字面だけでも絶望だなあ。で、でも、さあ」

 

ハーマイオニー「そうよ、ハニー!あなた……怖いのは分かってるのよ!誤魔化しても無駄!震えてるくせに!そうでしょロン!背中に乗られてるあなたなら分かるわよね!」

 

ハニー「どうなのロン?」

 

ロン「どうだろうイタタタハニーにあの僕のどんけつをつねられてる痛みであんまりイタタタタタよくわかありがとうございます!!!!」

 

ハーマイオニー「またそういう!そういう……あー、ハニー?ネビルのアレも、あなたがさせているの?」

ハニー「ネビル?彼がどうして……なぁに、あれ」

 

ロン「どうしたのさ二人とも、談話室の入り口に何が……両足をぴったり貼り付けてうさぎ跳びしてるネビルじゃないか。自主的に豚になってエア無茶振りに答えるとはなあ。恐れ入るよ」

 

ザワザワザワザワ

 ゲラゲラゲラゲラ

ギャハハハハ!

 

ハーマイオニー「恐ろしい単語を乱発させないで……みんなどいて!笑い事じゃないわよ、これ、足縛りの呪いだわ!」

 

ロン「そうだぞどけどけ、何が面白いんだよまったく失礼して……呪いだって?」

 

ネビル「ヒュー、ヒューっ、あの、ヒューっ、大広間、から、ヒューっ、ここ、まで……ずっと……ヒューっ」

 

ハニー「無理に喋らないで、ネビル。ハーマイオニー、呪いは解ける?」

 

ハーマイオニー「任せて……『フィニート・インカンターテム 呪文よ終われ』」

 

パッ

 

ドサッ

 

ロン「流石ハーマイオニー。なにその呪文?聞いたことないけどさ」

 

ハーマイオニー「汎用的な反対呪文よ。ミランダ・ゴズホーグの基本呪文集二学年用に書いてあるから、大したことないわ」

 

ロン「まず君は何年生なんだっけと言いたいけどね」

 

ハニー「いいじゃない、ハーマイオニーが勉強熱心なお陰で助かったんだもの……さあネビル、お水よ。ゆっくり飲みなさい?」

 

ネビル「あぁ、あり、ヒュー、あり、がと……ごくっ、ごくっ……こんなに美味しい水、飲んだことないよ……それに、あぁ、ハニー、君って……すごい……天使みたいだ」

 

ハニー「知ってるわ?」

 

ロン「女神だろそこは」

 

ハーマイオニー「後にして、もう……ネビル、何があったの?大広間からって言ってたわよね」

 

ネビル「うん。僕……僕、聞いちゃったんだ。あの、ドラ、えーっと」

 

ロン「ドラマルフォイフォイ」

 

ネビル「うんそれ、そのドラフォイが……」

 

ハーマイオニー「……真面目に話して、って言いたいのに二人とも真面目に話してる顔だから何も言えないの凄く嫌だわ、私」

 

ネビル「……アイツが、言ってたんだ。次の試合、スネイプ先生がクィディッチの審判だ、って……」

 

ハニー「……そうなの。そう、自分たちの寮監がグリフィンドールの邪魔をする、って自慢げにしていたわけ?」

 

ネビル「……ううん。あいつ……言ったんだ……君、が」

 

ハニー「……私?」

 

ネビル「うん……あいつ、君が……尻尾を巻いて逃げる、って……ま、負けるのを恐れて棄権するだろう、って……言ったんだ。だから僕、ゆ、許せなくて……」

 

ハニー「……ネビル……」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

ネビル「僕、言ってやったんだ、君に勝ってシーカーになったのは誰だ、って……そしたら、これ……それで、見下ろされて、笑われて……」

 

ハニー「……」

 

ネビル「『君らの掲げるなけなしの勇気とやらを振り絞っても、お前みたいなのじゃ無駄さ』なんて、言われて……」

 

ハニー「……」

 

ネビル「僕、悔しい……けど、ま、マクゴナガルに言いつけるなんて嫌だ、もうこれ以上巻き込まれたくない……僕、なんて……弱虫、で……やっぱり、僕は……グリフィンドールに、ふさわしく」

 

ハニー「……ロン!!!!!」

 

ロン「ヒンヒン!何だいハニー!!」

 

ハニー「胴上げ!!!!!!」

 

ロン「もちのロンさ!!!!!!」

 

ハーマイオニー「………………は?」

 

ネビル「あ、ありがとう、ハニー。君にそう言ってもら、え?なに?今なんか変な、あれ?あの、僕てっきり頭とか撫でてもらえたりそういうあのそれくらいであの十分だったんだけど」

 

ロン「ヒンヒン!!!おい豚ども集まれ!!!たかれ!!!!!ハニーが胴上げをご所望だ!!!!この粋なスンバラシイ新しい同胞を!!!君は漢だ!!漢だねネビル!!!豚の中で!!!!」

 

ワラワラワララワラ

 マジかよネビル!

  やったなネビル!!

すげえぞネビル!!! 見直したぞネビル!!

 

ガシッ ガシッ

 

ネビル「あっ、えっ、なんで、抱えられて、あの、ほ、本当にするの!?なんっで!?あの、まずえっと、ぼ、僕あのぶ、豚とかそういうのじゃ、あの!」

 

ハニー「ネビル。ありがとう。とっても嬉しいわ。あなたはすごく勇気ある人よ。マルフォイなんかが百人集まったって叶わない程素敵よ。そうよねみんな」

 

そうだそうだー!!

 すげえぞネビル!!!

 

ネビル「あ、ありがと、あの、うん、それでなんで今から僕この上級生の屈強な男たちも含めた面々に打ち上げられないといけないのかっていうあの」

 

ハニー「あなたがグリフィンドールにふさわしい、なんて、言うまでもないこと、私が保証してあげる……この首輪に誓ってね」

 

ネビル「あ…………ひ、ヒンヒン!!!ハニー!僕らのハニー!!!」

 

わーーー!わーー!!

 ネービール! わっしょい!! ネービール!!!わっしょい!!!

わーーー!!!!わーーー−!!!!

 きゃーー!!   きゃーーーー!!!

 

ハーマイオニー「……はーーーーっ。台無しよ、ハニー。もう少しやりようはない訳?」

 

ハニー「ネビルは今がいいと思ったの。みんなに分かってもらうべきだわ……私が、どれだけ勇気付けられたか」

 

ハーマイオニー「……そうでしょうけど。本当にいいの?スネイプは何をしてくるかわからないわ」

 

ハニー「うん……それに私には、とっても頼りになるロンと、とっても賢いあなたがいるし?」

 

ハーマイオニー「……はーっ。分かった、分かりました。三年生用の教科書まで取り寄せることになりそうだわ、全く」

 

ハニー「ありがと……ネビルが戦ってくれたんだもの。私、逃げたりしないわ、スネイプから」

 

ハーマイオニー「……」

 

ガシャーーーン!!!

 うわあーーー!!シャンデリアがー!!!

うわーーー!!ネビルが落ちたー!!!

 すげー!?鞠みたいに弾んで無事だーーー!!

 

 

ハーマイオニー「まずはマクゴナガル先生のお説教からでしょうけどね」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:54:54.28 ID:VLS+n+jf0

 

数週間後

 

クィディッチ競技場

 

リー「さぁいよいよ始まります、グリフィンドール対ハッフルパフの一戦!グリフィンドールはこの試合を勝利すれば単独首位!一気に優勝杯へ王手がかかります!」

 

リー「そこに待った!をかけるのは魔法界の友ことハッフルパフ……並びに、なーーーーぜだか今試合で審判を勤めることと相成ったセブルス・スネイプ先生様様であります」

 

リー「解説のマクゴナガル先生、これは一体どういうことでにゃんこ」

 

にゃんこー!

 

マクゴナガル「わたくしが知りたいところです。それとサラッと言うのを辞めなさいリー。観客も乗るのではありません」

 

リー「それだけ奇怪でならないと言うことですよ、えぇ!奇妙奇天烈奇々怪界意味不明のこんこんちきですよ、一体全体なーにがどうしてあの野郎、おっと失敬、スネイプ先生が審判をする事におなりになってしまっちゃうんですかねえ」

 

マクゴナガル「……わたくしには説明つきませんが、大いなる考えがあるのでしょう。あちらに座っている校長には、ええ。そうに違いありません」

 

リー「そうですね、校長——おーっと!?なんてこった!ダンブルドア!アルバス・ダンブルドアだ!観客席の天辺に座すのはわれらが校長先生じゃーないですか!お珍しい!銀色の髭がイカしてるー!」

 

 

 ワーーーワーーー!

 

スゲー!ホンモノだー!

 

   大広間以外で初めて見たー!

 

 

 

ダンブルドア「ほっほっほ、そうじゃよ!ワシじゃよ!」

 

 

リー「この軽快なサムズアップであります!なんだこのジジイノリいいな!」

 

マクゴナガル「リー!!」

 

リー「失礼!いやあ突飛な事態に熱を帯びてきました波乱のクィディッチ公式戦、いよいよ開幕です!」

 

 

 

ハニー「……あの人が来るなら、心配しなくても良かったかもしれないわね」

 

 

 

スネイプ「……選手は揃ったかね。注意事項を伝える。まず、正々堂々、勝負をするように——」

 

 

ハニー「……不機嫌そうな顔だわ。ダンブルドアの眼前では私に直接的な被害を仕掛けるわけにいかないから、かしら」

 

ハニー「……いいえ。私の目の前で不機嫌でない時がないわよねこの人。授業でも毎度毎度、睨み付けてネチネチ難癖をつけて」

 

ハニー「たまになぜだか視界の真ん中あたりを覆ってブツブツブツブツ言い始めるもの……あれは呪いなのかしら、何故だか何も起きないけれど」

 

ハニー「とにかく……少しでも速く試合を終わらせて、何だか企んでる暇をあげないわ」

 

 

スネイプ「——であるからして、我輩は審判としてこの強い日差しから眼を保護するための、レンズが黒く塗られて外からは眼が見えなくなる素晴らしいゴーグルを着ける事を推奨する。取りたまえ、さあこの眼が見えなくなるゴーグルを。特にシーカー、さあ、シーカー!」

 

ハニー「……遠慮するわ!自前のがあるもの!……なんて見え見えの罠を仕掛けてくるのかしら、信じられない」

 

スネイプ「チッ……試合、開始!!!!」

 

ピィィィィィィィィィィ!!

 

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 23:59:37.05 ID:VLS+n+jf0

 

観客席

 

ロン「えーっと、なんだっけ?ロコモーター・モルフォイ?だっけ」

 

ハーマイオニー「ロコモーター・モルティス、よ!色々考えたけど、スネイプが少しでもハニーを傷つける素ぶりを見せたら、あの時のネビルがやられた足縛りの呪文をかけてやることにするわ」

 

ロン「あぁ、それでフォイが出てきちゃったのか……」

 

 

ドラコ「やぁ、スリザリンの応援席が満杯でね。汚くても仕方ないから、ここを使わせてもらおうか」

 

クラッブ「ゴアー!ゴアー!」

 

ゴイル「ウッホウッホゥ!」

 

 

ロン「……物理的にも。マーリンの髭」

 

ハーマイオニー「……お呼びでないのにね」

 

ドラコ「な、なんだその目は」

 

ロン「靴底に張り付いた百味ビーンズトロールの鼻くそ味を見る目」

 

ドラコ「うるっさいな失礼だなお前は!ふんっ、まぁいい。どうせいまからほえ面かくのは君たちの方だ。勝敗じゃあ賭けにならないから、ポッターがどれだけ箒に乗っていられるか賭ける奴はいるかい?僕は五分も無いと見るねえ」

 

ピィィィィィ!!

 

ロン「黙ってろよ、マルフォイ。あっ、スネイプの野郎試合を止めて……はぁ!?ジョージがスネイプの方にブラッジャーを打った!?お前が飛んできたんだろ!」

 

ドラコ「あーっはっはっは!いいか、ウィーズリー!スネイプ先生は君なんかじゃ見えないものを見てらっしゃるのさ!なーんにも魔法界の事が見えてない、お前たちのような負け犬一家とは違ってね!」

 

ロン「黙ってろって言ってるだろ、こいつ……」

 

ハーマイオニー「無視よ、ロン。無視……あぁ、ペナルティシュートが決められてしまったわ。ハニーは……まだスニッチを探して上空ね」

 

ドラコ「馬鹿と何とかは高いところが好きと言うなあ!」

 

クラッブ「ゴアッッ!」

 

ゴイル「ウッホウッホゥ!」

 

ロン「へえ、だから隣の肉達磨どもはいつもよりテンションが高いってわけ?」

 

ドラコ「なっ、う、うるさいぞ!おいお前ら、興奮するな、黙るフォ……うおっほん!黙れ、いいな?」

 

 

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 00:12:07.93 ID:yRu1OPvD0

 

ピィィィィィッ

 

ハーマイオニー「っ!また、ファウルだわ!……えっ、えっ?どうして、今度はハニーを!?」

 

ロン「!? 審判の飛行を故意に妨げた!?ふざけるな!お前がハニーのふともも触ろうとしたんだろ!!!ふざけんなよあの野郎!!!足どころか全身豚縛りにしてやる!!!!」

 

ハーマイオニー「落ち着きなさいやめなさい!何か言ってるわ……あぁ、試合前のあの罠に間違いないゴーグルを指差しながら喚いているようね」

 

ロン「見苦しいよなあ。あんなのに引っかかるわけないのに。マーリンの髭」

 

ドラコ「ハッハハハ!なぁお前たち、グリフィンドールのクィディッチ選手がどんな風に選ばれるか知ってるかい?」

 

ハーマイオニー「あ、キャプテンのウッドが抗議に行ったわ。それはそうよね、試合を止めるのに何の謂れもないことだもの」

 

ロン「さすが熱血漢、ハニーに豚にする余地が無いと言わしめただけのクィディッチ馬鹿……なっ!?さらにペナルティ二つだって!?」

 

ドラコ「……も、持たざる残念な連中が選ばれてるんだ、そうだろ?ポッターは親がいない、ウィーズリーは金が無い」

 

ハーマイオニー「あぁ……ゴールを決められてしまったわ。なんてことなの」

 

ロン「あぁ、ハニー。早いとこ勝負を決めないといけないよ。僕の理性が残ってて天上に座す君を神と崇める新しい教義を書き始めないうちにね……」

 

ハーマイオニー「近いことはとっくにしてるでしょ……」

 

ドラコ「……おい!!聞いてるのか!!!」

 

ロン「聞いてるわけないだろ」

 

ドラコ「チッ!あー、ロングボトム!君も選手になるべきだね!おつむが無いから!ほーらお前ら!笑え笑え!この前のロングボトムの無様な格好、あれは笑えたなあ!?」

 

クラッブ「ゴアーッハッハ!」

 

ゴイル「ウォホッホッホ!!」

 

ネビル「っ、ま、マルフォイ、僕は、君なんかが百人集まったって叶わないくらい、価値があるんだ!」

 

ドラコ「へぇ、価値ときたか!ロングボトム、君の脳みそが黄金で出来ていたとしても、君はウィーズリーにも劣るほどの貧乏だろうね。つまりどちらも生半可な貧しさじゃないってことだけど!はっはっは——」

 

ロン「おいマルフォイ、いいか、それ以上少しでも口を開いてみろよ。ただじゃ……」

 

ワーーーー!!ワーーーーー!!

 

ハーマイオニー「!!!ロン!!!!ロン!!!!ハニーが!!!」

 

ロン「えっ!?何!?うわ!?すんごい急降下だ!?まるで稲妻だ!君の額に刻まれた印はそういうことだったんだねハニー!!!」

 

ドラコ「あーっはっはっは!ポッターは地面に金貨でも見つけたんじゃないのか!?ウィーズリー、君にくれてやるつもりなんだろう!そうだろう!?それで、友達ごっこの代金を払ってるんだ!君たちなんて——」

 

 

ロン「おい」

 

ドラコ「はっは、なんだい!文句でも……ひっ、な、なんでいきなりこっち見て、さっきまでは、少しも……」

 

ロン「いい加減にしろって、言ったよなあ!?口を利かせなくするのに杖なんていらないことを教えてやるよ!!行くぞネビル!!!!」

 

ネビル「任せてよ!!!!!!!うわあああああ!!!!思い出し玉喰らえええええええ!!!」

ドラコ「うわっ!?や、やめろウィーズリー!く、来るな!クラッブゴイル!僕を守れえ!」

 

クラッブ「ゴアああああああ!!!」

 

ゴイル「ウッホウッホウッホーーー!!」

 

ドカ!バキ!

 グシャ!ギリギリギリ!!

ボコボコボコボコボコ!!!

 きゃーーー!きゃーーーー!

 

 

ハーマイオニー「あぁ、あぁ!!行けっ!!ハニー!!……すごい!スニッチを取ったわ!!あぁ、なんて凄いの!!!こんな短時間で!!!ハニー!!!!キャーーーー!!!愛してる!!!!!」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 00:12:07.93 ID:yRu1OPvD0

 

ピピィィィィィィィッ

 

リー「しぁああああああい!!!終了!!!!!!なんと!!!!!なんと!!!!」

 

リー「開始五分、いや、それ以下の電撃戦!!!!グリフィンドールのシーカー、我等がハニー・ポッターが稲妻の如き強襲でスニッチを手にしました!!!」

 

リー「とんでもなく公正ですーぅんばらしい審判っぷりによるチームの淀んだムードを切り裂くような!!この試合を見ている我々のどんよりした気分を吹き飛ばすような!!!目の覚めるようなプレイでした!!!!」

 

ワァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 ハニー!ハニー!ハニー!

きゃーーーー!! キャーーーー!!

 

リー「観客席もどよめいております!!!当然です!!!先生!!!解説のマクゴナガル先生!!お言葉をよろしいでしょうか!!!!」

 

マクゴナガル「前代未聞、その一言です。えぇ、少なくともわたくしがこの城に来てからの最短記録に間違いありません」

 

マクゴナガル「スニッチ最短記録保持者と言えばもちろんタッツヒル・トルネードーズのロデリック・プランプトンが持つ1921年カタパルツ戦3.5秒という異次元の記録ですが、私は常々あの記録に否定的な立場を取っています」

 

マクゴナガル「と言うのも、あの動きは偶然スニッチが袖口に入り込んだに過ぎないとしか思えないからです——それがどうですか此度のミス・ポッターの素晴らしい観察眼、度胸、身のこなし」

 

マクゴナガル「そして箒を己の身体の一部かのようにあやつり繰り出された急降下。どれを取っても一級品と言って良いでしょう」

 

マクゴナガル「素晴らしいです、ポッター。あなたは素晴らしい」

 

リー「一言って出だしから随分行数を稼いだなと思わなくもありませんがそれだけマクゴナガル先生も大興奮ということです!えぇ!」

 

リー「観客席の声も聞いて見ましょう!あ、ミス・グレンジャー?さっき大声で言ったこともう一回繰り返してもらえる?え?だめ?はっはっは!そんなに照れなくてもとっくにバレてるって!お熱いねえ!」

 

リー「熱いと言えば場外乱闘も大白熱だったようです!制服ズタボロの生徒の一角を見て見ましょう!鼻血まみれのロンが同じく鼻血と目の周りに青あざをこさえたネビルを肩車しながら雄叫びをあげています!何があったのでしょうか!観客席からコソコソと立ち去る二つの肉塊とそれに担がれる伸びてマすルフォイは見なかったことに致しましょう!」

 

リー「とにかくグリフィンドール!圧倒的不利な何かを抱えながらも快勝!ハッフルパフの選手も、不憫なムードの中よく戦いました!彼らも強かった!謂れのないイヤーな目線はどこかの誰かさん一人に向けようじゃありませんか!」

 

リー「しかし!勝者はグリフィンドールです!優勝杯に向けた大事な一戦、見事な勝利でした!ここまでのお相手はリー・ジョーダン!リー・ジョーダンがお送りしました!またお会いしましょう!」

 

ワーーーーワーーーー!

 ヒンヒーーン!ヒーーーン!

 

 

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 00:21:10.29 ID:yRu1OPvD0

 

ロン「やったね、ハニー!イテテッ、おいやめろよ!ハニーの靴についた芝生を取るのは足拭きマットの僕の役目だぞ、あいててて」

 

ハニー「えぇ、当然の結果よ……あなたはどうしてそんな格好な訳?」

 

ロン「あ、ごめん。やっぱり君を出迎えるんだからもっとちゃんとするべきだったよね。燕尾服とか?」

 

ハニー「そうじゃなくて、ボロボロじゃないの。どうして……顔も痣だらけだわ?」

 

ロン「ちょっと喧嘩をね。それはいいんだ、大丈夫、気にしないで……うぉっと!あの、バニー、頬を両手で挟まれるど、ちょっとあいてて君背低いから首もあいででで」

 

ハニー「……どうせ私のために何かしたんでしょ」

 

ロン「何をおっしゃる、僕が君のために何かしてない瞬間なんて存在しないよ。もちの僕で」

 

ハニー「……はぁ。ふふっ、まあいいわ。あとでゆっくり聞かせて?それで……ハーマイオニー?」

 

ハーマイオニー「……」

 

ハニー「ねぇ、どうしてそんなに離れたところで黙っているの?私、あなたからもお祝いの言葉がほしいのだけれど」

 

ハーマイオニー「あ、あぅ……お、おめで、と」

 

ロン「触れないであげなよ、ハニー。まったく、『あれはつい口が滑ったの!違うの!』を百回は聞いたぜ」

 

ハニー「そ。あとで、ゆっくり、聞くことにするわ」

 

ロン「どうぞどうぞ」

 

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/10/10(水) 00:25:16.59 ID:yRu1OPvD0

 

ロン「それにしてもハニー、すんごかったよ。僕らが何か準備する必要なんかなかったんじゃないかなあ」

 

ハーマイオニー「結果論よ、それは……でも、ダンブルドア先生がいらっしゃることが分かっていたら確かに緊張しなくて済んだかもしれないわね、ええ」

 

ハニー「ダンブルドア、ね……試合終了の後声をかけられたわ」

 

ロン「首輪をくれって?」

 

ハーマイオニー「やめてお願いだから」

 

ハニー「提案しても良かったのだけれどね……『あの鏡の事にクヨクヨせず努力できたのは素晴らしい』ですって。当然よね、私だもの」

 

ロン「君だもんなあ、当然。クヨクヨ?そんなの、この校庭の切りそろえられた爽やかな芝生と同じくらい……あれ?あのさ、あの校庭の隅っこの方のあれ、見てよ」

 

ハーマイオニー「え?……フードを頭まで被った不審な人がいる、わね。それに……あの、ヒョコヒョコ歩きは……」

 

ハニー「……スネイプ?……禁じられた森に、なんの用があるのかしら」

 

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 00:29:04 ID:yRu1OPvD0

 

禁じられた森

 

クィレル「——ひっ、ひぃっ!セブルス、どうして、君にこんなところで……」

 

スネイプ「このことは、二人だけの問題にしよう。そう思いましてな?」

 

 

 

ハニー「……ハーマイオニー、しっかり背中に掴まっているのよ」

 

ハーマイオニー「え、えぇ……私達が箒に乗って上から追いかけてきた先で、スネイプ先生が……クィレル先生に、詰め寄っているなんて」

 

ロン「ゼェ、ゼェ、そして僕、ゼハァ、は、全力疾走、して、この木の天辺に、ゼェ、全力で登ってきてハニーの腰掛けクッションになってるってわけ!なぁに、ハニーに鍛えてもらったからね!平気、さ!」

 

ハニー「ちょっと黙って。後で撫でてあげるから」

 

ロン「ヒン!」

 

ハーマイオニー「あなたさっきまでボロボロのロンを気づかってなかった……?」

 

ロン「大丈夫だよ、実はこういう時のハニーは頑張って体重かけないようにすんごく気を使ってくれてて——」

 

ハニー「ロン。私、ハグリッドからこの森にとても大きい蜘蛛の友達がいるって聞いたことがあるのだけれど」

 

ロン「すいません黙ります。本当に黙ります勘弁してくださいすいませんでした」

 

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 00:38:25.10 ID:yRu1OPvD0

 

クィレル「ふ、二人、だけ?セブルス、私としては、君個人とはなにも……」

 

スネイプ「『賢者の石』のことは、生徒諸君に知られてはまずい。そうだな?」

 

 

ロン「! 今、賢者の石って言ったよ!やっぱりだ、あのやろう!」

 

ハーマイオニー「あの様子……クィレル先生に、護りを突破する方法を聞きだすつもりかしら?」

 

 

スネイプ「もうあの野獣を出し抜く術を知ったのですかな?」

 

クィレル「なにが、わたしには、何のことだか……」

 

 

ロン「! 君の言う通りだハーマイオニー……つまりスネイプは」

 

ハニー「……クィレル先生を脅して、協力させようとしているのね。大人しくて、従えやすそうな相手を……最低だわ。下衆だとは思っていたけれど、ここまでなんて」

 

 

スネイプ「クィレル。我輩を、敵に回したくなければ……何がいいたいのか、よぉくご存知のはずだ」

 

クィレル「ひぅ、あ、あああああの、わた、わたわたわたし、は……」

 

スネイプ「あなたの怪しげなまやかしについて、お教えいただこう?それに……どちらに対して、忠誠を、誓うのか」

 

クィレル「……」

 

スネイプ「今一度よく考えることだ。近々またお話しすることになりますな。失礼」

 

クィレル「……」ドサッ ブルブルブル

 

 

ハニー「……頭を抱えて、震えているわ。見てられない、あの人は豚には出来なさそうだと思ったけれど、でも……」

 

ハーマイオニー「だ、ダメよ、ハニー。スネイプは立ち去ったように見えるけど、私たちが聞いていて、それに賢者の石の事まで知ってるとバレたらどうなるか」

 

ハニー「……そうね。一旦帰って、整理しましょう。さ、ハーマイオニー。もう一回捕まって?ロン、後でね」

 

ロン「うん……ねえ、さっきの蜘蛛の話ってあの、冗談だよね」

 

ハニー「うふふ」

 

ロン「うふふじゃないよ!?」

 

ハーマイオニー「大声やめて。ロン、大丈夫よ。大きな蜘蛛って、きっとアクロマンチュラのことでしょう?かつてはスコットランドに大規模なコロニーがあるなんて噂が流れた事もあったらしいけど、魔法生物の権威スキャマンダーだって見つけられなかったんだから」

 

ロン「そ、そうなの……?」

 

ハーマイオニー「はぁ。教科書を真面目に読んでないことはよーく分かったわ。アクロマンチュラは最初に書かれてる魔法生物じゃない……この森にアクロマンチュラはいません。絶対よ」

 

ガサガサガサガサ 

  カシャンッ、カシャン……

 

 

 

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 00:42:37.71 ID:yRu1OPvD0

 

数十分後

 

談話室

 

ハーマイオニー「スネイプのあの言い方……きっと、石を守るのは三頭犬だけじゃないのだわ。でも当然よね?伝説の代物なんだもの」

 

ハニー「えぇ、そうね。色々な、人を惑わせるような魔法がたくさんかけられているのよ」

 

ロン「僕は君一人でイチコロだけど……それで、『闇の魔術に対する防衛術』の教師のクィレルを脅して、自分の側にひきこもう、ってわけか」

 

ハーマイオニー「きっと、そうよ。少し、あー、卑屈な方だけど、ホグワーツで教える一流の教師ですもの」

 

ハニー「……むしろ卑屈だからこそ、かも、ね」

 

ロン「……それじゃ、石が守られるのはクィレルがスネイプに反抗出来ている間だけってこと?そんなもん、三日ともたないぜ、やれやれ」

 

ハニー「……そういう事ね。今度からクィレル先生の授業では優しくしてあげましょうか」

 

ロン「そうだね。そうだ、僕は今みたいに授業中も君のクッションじゃないか?こう、こうして、こう、ブリッジしてお腹に座ってもらってさあ?君っていう素晴らしい存在を教壇からでももっと目に出来るようにしてみるってのはどうかなあ」

 

ハニー「えぇ、良い眺めね。私は構わないわ」

 

ハーマイオニー「構わないもんですか」

 

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 00:50:38.08 ID:yRu1OPvD0

 

数週間後

 

ロン「意外にもってるな、クィレルの奴……僕、奴さんのこと見直したよ。もちろん君にはいつも見惚れているけどね、ハニー」

 

ハニー「えぇ、そうね。私はむしろ、ロン。私の豚なあなたの頭がパンクしないかどうかの方が気になるのだけれど」

 

ロン「……それなら頼むよ僕らのハニー。ハーマイオニーにこの復習地獄から解放するよう頼んでくないかな……」

 

ハーマイオニー「『石』の危機は重大よ、けど!試験だってずっとずっと重大なの!ロン、あなたは基礎がなってないわ!もう一度発音からダメ出しされたいのかしら!」

 

ロン「もうお腹いっぱいだよ君のレビオサーは……あのねぇハーマイオニー!試験はずっとずっと先のことだ!『石』は明日にでも……」

 

ハーマイオニー「ずっとじゃないわ、もう十週しかないのよ!?あぁ、あと一月前から準備するべきだったわね……」

 

ロン「ハーマイオニー、この城の危機と進級、君はどっちが大事なのさ。僕が大事なもの?ハニーの嬉々と研究」

 

ハーマイオニー「なるほど。平和になったこのお城で、あなたは私達の後輩になりたいというわけね?」

 

ハニー「クッション代わりを探さないといけないわ」

 

ロン「ハニー、僕らのハニー!君のクッションは僕だけだよヒンヒン!ヒン!」

 

ハニー「それなら頑張りなさい、ロン……あのね。授業中、硬い椅子に座るのは、私だってやよ。この意味がわかるでしょ?」

 

ロン「……ヒンヒン!よおおし!ハーマイオニー!ちょっと上手く再現する為にトロール連れてきてくれる!?」

 

ハーマイオニー「真面目なのかふざけるのかどっちかにしなさい!トロールなんてその辺にいるわけないでしょ!」

 

ロン「ハグリッドでもいいよハグリッドでも……あれぇ?僕が奴さんの事を考えてたから幻覚を見てるのかな。図書館にハグリッドがいる!おーい!」

 

ハーマイオニー「え?そんなはずないわ、前に図書館の事は凄く苦手だから行きたくない、って……あー、あれはハグリッドね、えぇ」

 

ハニー「そうね。頭にピンクの水玉のハンカチを被っているけれど、あれは私の可愛い豚に違いないわ。ハグリッド!返事!!!」

 

ハグリッド「ヒンヒン!ぁ、いけねえ!身体が勝手に!!!」

 

ハーマイオニー「えぇ、勝手にしてよ、もう……」

 

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:00:08.78 ID:yRu1OPvD0

 

ハグリッド「……よ、ようおめぇさんら!なぁに、なんでもねえんだなぁんでも!ちょっと、散歩だ!それだけだ!!なんでもねえんだ!うん!」

 

ハーマイオニー「私達まだ何も聞いてないわ、ハグリッド」

 

ロン「散歩で、図書館ねぇ。きっと君は少し羽を伸ばしたかったら裁判所にでも行くんだろうなあ」

 

ハニー「ハグリッド?今、背中に何を隠したの?」

 

ハグリッド「あっ、い、いや、なんでも、なーんでもねぇ!ただの、あの、あー!」

 

ハニー「ハ、グ、リ、ッド?」ツツーッ

 

ハグリッド「おっほぉー!こ、これですはい!すいませんでさぁ!」

 

ドサドサドサッ

 

ハーマイオニー「あ、本なのね……これって……あー」

 

ロン「……ハグリッド、何のつもりさ」

 

ハニー「『ドラゴンの飼い方——卵から灼熱地獄まで』『イギリスとアイルランドのドラゴンの種類』『ドラゴンとさんとお友らひになりましょう!』……?」

 

ロン「ぜーーーんぶドラゴンの、飼い方の本!?君、まさか……」

 

ハグリッド「あー、いや、ほら。違うんだ。お前さんたちと一緒でよ、あの、ちょっとした勉強で、あの、いや、勉強ちゅうても別に、あー、ただの好奇心で、あの!」

 

ハニー「何をするつもりなの、ハグリッド?」

 

ハグリッド「い、いや、いけね、いけねぇ!そんな眼で見んでくれ、あの、ここじゃ、ここじゃ駄目だ!駄目だ、あとで俺んちにこい!じゃ、じゃあな!」

 

バタバタバタッ 

  ドシンッドシンッドシン

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:04:51.36 ID:yRu1OPvD0

 

ロン「行っちまった……好奇心とか言ってたけどさあ。あの顔、なーんか怪しい」

 

ハニー「……ハグリッドはドラゴンが好きよ。初めて会った時、言っていたもの。私の誕生日プレゼントにドラゴンの卵を用意できたら良かった、って」

 

ロン「信じられないよ。1790年のワーロック法でドラゴンの飼育や卵の取引は全面的に違法になったことなんてみーんな知ってる。どっちみち無理なんだけどさ。ドラゴン研究をしてるチャーリーの手の火傷を見れば思い知るよ。ドラゴンを飼うなんて無謀だ、って」

 

ハーマイオニー「……あなた、必要な試験の勉強は全然なのにどうしてちょっと詳しいの?法律までなんて」

 

ロン「そりゃぁ……僕だって男の子だし?ドラゴンがかっちょいいって気持ち、分からなくもないよ。魔法使いなら小さい頃一度は通る道さ。ドラゴンを従える最強魔法使いの僕カッケェ!ってやつ。その名残だよ、うん」

 

ハニー「そうね。それで、今は私に従っているわけだけれど?」

 

ロン「うん、高貴で可憐で儚げで、伝説的な魔女の使い豚としてね。本望だなあ」

 

ハーマイオニー「幼いあなたが見たら絶望すると思うわよ……」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:04:51.36 ID:yRu1OPvD0

 

数時間後

 

ハグリッドの小屋

 

ハグリッド「よう来た、よう来た。あー、茶はいるか?え?お湯ならすぐに用意できるが」

 

ハニー「……結構よ、ハグリッド。外はあんなに晴れて暑い日なのに、窒息してしまいそうだもの、ここ」

 

ハーマイオニー「……暖炉は燃え盛って、窓も締め切って、カーテンでしっかり覆った上でね」

 

ロン「……あのさあハグリッド。隠す気あるの?その暖炉の真ん中にあるまるーいものはなんだい?」

 

ハグリッド「し、知らねえ!知らねえなあ!暖炉のことなんてなーんにも知らねえ!答えられねえな、うん!」

 

ハニー「へえ……それじゃあ聞かないであげるわ、ハグリッド?」

 

ハグリッド「! ほ、ほんとかハニー!?お前さんは、あぁ、天使だなあ……」

 

ロン「女神だよ、灼熱の」

 

ハーマイオニー「朦朧としてないで……あぁ、いつもだったわね、ええ」

 

ハニー「えぇ。ゴウゴウと火を立ててる暖炉の真ん中のどう考えてもおかしな丸いものについては私たち、何も聞かないであげる。その代わり、教えて欲しいことがあるの。いい?」

 

ハグリッド「おう、おう、ようがす、ハニー。なんでも聞いてくれ。俺が答えられるものなら、あー、その暖炉のこと以外ならよ、なんでも答えよう!お前さんの豚として約束する!ヒンヒン!」

 

ハニー「そ。それじゃ、賢者の石を護ってるのは三頭犬の他に何があるのか教えなさい?」

 

ハグリッド「そりゃあ……!?お、お前さんら、まーだそのことに首を突っ込んどったんか!?」

 

ロン「首どころかあっちから体当たりしてくる勢いさ、あぁ。さあハグリッド、約束だろ。教えてもらうよ、首輪にかけて」

 

ハグリッド「う、うぅ……その、俺からはダンブルドアにフラッフィーを貸した、その話はしとろうが?」

 

ハニー「えぇ、以前に聞いたわ。あの可愛いふわふわの犬ね」

 

ハーマイオニー「ふわふわかも可愛いかも復唱しかねるけど、えぇ。聞いたわ」

 

ハグリッド「そんで、先生方の何人かも協力しなすったんだ。魔法の、罠をかけた。スプラウト先生、フリットウィック先生、マクゴナガル先生……」

 

ロン「マタタビ地獄とか?」

 

ハーマイオニー「それ先生自身への罠でしょ」

 

ハグリッド「そんで、クィレル先生。あとダンブルドア先生も後からちょいと細工をしたと言うちょったし、あと、誰かを忘れとるな……そうだ!そうそう、スネイプ先生」

 

ハニー「……スネイプ、ですって?」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:04:51.36 ID:yRu1OPvD0

 

ロン「……マーリンの髭」

 

ハグリッド「そうだ、うん。あー、お前さんらまだスネイプ先生を疑っとったんだな?そんなはずがねえと言ったのは、まあ、そういうことだ。先生は石を『護る』のに加勢しちょるんだ。どうして盗むはずがある?え?」

 

ハーマイオニー「……協力することで自分の担当する罠を無効に出来るし、他の先生方の罠も探ろうとしたに違いないわ」

 

ロン「そうだそうだ、全く見え見えの魂胆だよ」

 

ハニー「……最低ね」

 

ハグリッド「お?なんで怒っちょる?あー、そ、そうだな、先生の態度とか言動とかはその、確かに変かもしれねーけどよ。大目に見てやって……」

 

 

ガリガリっ、ピキッ

 

ハグリッド「!!! 来たか!?!?!?」

 

ロン「……言動がおかしいのは君の方こそだよ、ハグリッド。あー……暖炉のその丸いやつから何か音がしたね、うん」

 

ハグリッド「おう、おう、もうすぐなんだ……今のは殻の中を爪で引っ掻いた音に違いねえ、あぁ、早く会いてぇなあ……ひび割れてはいねえがあとほんの数日ってとこだ。その本に書いてあった、うん」

 

ハーマイオニー「これね……『趣味と実益を兼ねたドラゴンの育て方』」

 

ハニー「本物のドラゴンの卵なのね、ハグリッド」

 

ハグリッド「おう、そうで……!?な、なーんで知っちょる!?ノルウェー・リッジバック種のドラゴン、名付けてノーバートのこと!?」

 

ロン「全部君が言ってるよ、今も含めて」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:04:51.36 ID:yRu1OPvD0

 

ハグリッド「うぅ、俺ぁどうしてこうなんだ……もう酒はやらねえぞ、俺は」

 

ロン「だからシラフだって君。いつもだけど。酔ってるのはハニーにだけだろ?」

 

ハーマイオニー「前に全く同じことやったでしょう、もういいわ……ノルウェー・リッジバック。あー、ドラゴンの中でもかなり危険な部類の種、って書いてあった気がするわ?」

 

ハグリッド「あぁ、そんで、かっちょいい……」

 

ハーマイオニー「知らないわよ」

 

ロン「ハグリッド、どうやって手に入れたんだい?とんでもなく高かっただろう?ハニーの天井どころか青空知らずの価値くらいに」

 

ハグリッド「あ、あぁ、値なんてつけられねえな……そうなんだ、買ったんじゃねぇ。貰ったんだ、うん」

 

ロン「……もらったぁ?」

 

ハグリッド「おう。ハニー、前に話した事を覚えとるかい?俺ぁドラゴンの卵が欲しくてよお。漏れ鍋のトムに、そいうツテがねえかって話とったんだ」

 

ハニー「……えぇ、よく覚えてるわ。それで?」

 

ハグリッド「おぉ、そんで、この前ホグズミード村で飲んどったらなあ。トムから俺のことを聞いた、たまたまうっかりドラゴンの卵を持ってるんだが欲しいか、って奴がいてよ。そんなこともあるんだなあ」

 

ロン「な、い、よ!!!わかってるだろ、ハグリッド!わかってて言ってるな、君!」

 

ハグリッド「い、いや、そ、そりゃまあ、訳ありって感じなのは分かっちょる!うん!あぁ、奴さん、処分に困ってたみてぇだ。俺にくれるときもせいぜいしたっちゅうとった。だからまあ、良いことをしたんじゃねえか?な?」

 

ハーマイオニー「そういうことじゃなくて……違法なんでしょ、ドラゴンの飼育は!それに、ハグリッド!この小屋は木製だわ!」

 

ロン「そうだよ!リッジバック種は火を吐く能力が他の種より早く現れるだろ!?」

 

ハーマイオニー「そうで……あなた本当にドラゴンのことちょっと詳しいわね!?勉強もそれくらい真面目にしなさいよ……あら?」

 

ハニー「どうしたの?私に見惚れた?」

 

ハーマイオニー「今更でしょそんなの……あのね、今……窓の外、誰か、いたような?あの……カーテンの隙間に」

 

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:08:50.34 ID:yRu1OPvD0

 

ロン「ま、まずいぞ!こんなもんを持ってるのを、見られたら!垂れ込まれたらそれだけでアズカバンもんだ!」

 

ハニー「? アズカバンって?」

 

ロン「あー、魔法使いが入る激ヤバ刑務所」

 

ハニー「……ふぅん」

 

ハグリッド「だ、暖炉は見えねぇ窓のはずだ、うん。でも、あー、聞かれてたかもしれねえ!だ、誰だ!?誰かおるんか、おい!?」

 

……

 

フォーイッ!

 

ハニー「……」

 

ロン「……」

 

ハーマイオニー「……」

 

ハグリッド「……なんだ、ただのフォイか」

 

ハニー「そうね、ただのフォイね」

 

ロン「フォイじゃ仕方ないな、猫とかなら怪しいけど、フォイだもんな」

 

ハーマイオニー「そうね……フォイだものね。最近そこらでよく聞くし、珍しくもなんともないわ」

 

 

窓枠の下ドラコ「!?……!?!?!?!?」

 

 

ハグリッド「と、とにかくお前さんら、もう帰れ!もうすぐ日も落ちる、ほれほれ!」

 

ハニー「でも、ハグリッド……」

 

ハグリッド「あぁ、ハニー。お前さんにも早く見せてやりてえ。言ったろうが?あれはとっても美しいんだ。お前さんの次にな、え?どうだ?楽しみにしとってくれよ!」

 

ハニー「……そうしてあげる」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:13:54.31 ID:yRu1OPvD0

 

談話室

 

ロン「平穏な毎日ってどんなもんだろうな……スネイプ黒幕説の確定、復習地獄、おまけにドラゴンの卵とはね」

 

ハーマイオニー「……ハニー、絶対、あなたが止めるべきだったわ。止められたでしょ、あなたなら」

 

ハニー「……でもハグリッドは本心から、私に見せてくれようとしてたわ」

 

ハーマイオニー「……はーっ。前々から思っていたけどあなたってハグリッドにとても甘いわよね。諸々の秘密、いくらでも話させることは出来たでしょうにそうはしなかったし」

 

ロン「勝手にポロポロ喋ってる、とも言うね。ともかく、これからはハグリッドの事も気にしなきゃいけないよ」

 

ハニー「……こうなったら一度、孵すところまでは付き合ってもいいかもしれないわ。だって現実として、あの小屋で育てるのは絶対に無理なんでしょう?」

 

ロン「無理だね。火の問題もあるけど、まず二週間であの小屋は潰されっちまうよ。ハグリッドサイズのあの小屋でもだぜ?」

 

ハーマイオニー「……ハニー、あなたに見せて満足させてから、どこかに移させるということ?それは……そんなこと、どうやって」

 

ハニー「ロン、あなたのお兄さんは?」

 

ロン「うーん、パーシーの石頭ならあのドラゴンの胃に引っかかって倒せるかもしれない、うん。確かに」

 

ハーマイオニー「食べさせないでよ……そうだわ、チャーリーよ。よく話に出てる、ドラゴンの研究をしてるっていうあなたのお兄さん!」

 

ロン「あー……そうか、その手があった!うん、僕、チャーリーに手紙を書いてみる、任せてよ」

 

ハニー「えぇ。なんとか……それで」

 

ハニー「……絶対、ハグリッドを犯罪者になんか、させないわ」

 

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0

 

数日後

 

廊下

 

『いよいよ孵るぞ』

 

ハニー「……ハグリッドからの、たった一行の手紙ね。朝食時でも昼食時でもないこの時間にいきなり手紙だなんて、急いで出した証拠だわ」

 

ロン「チャーリーからの返事が間に合わなかったなあ……それじゃ、行こうかハニー。さ、背中に」

 

ハニー「えぇ」

 

ハーマイオニー「待ちなさい。まだ授業があるのに、抜け出さないわよ。少しでも目立たないようにしなくっちゃ」

 

ロン「だ、だってさハーマイオニー。あー、ドラゴンの卵が孵るところなんて一生に一度拝めるかわからないんだぜ?ハニーの笑顔と同じくらい尊いんだよ、うん」

 

ハーマイオニー「この前は大反対してたのに男の子の部分を出さないで。とにかく、ハグリッドのところに行くのは授業の後!ドラゴンは、それまで孵らないことを祈るしか——」

 

ハニー「……黙って! 廊下の向こう……マルフォイが、いるわ」

 

 

ドラコ「……」

 

クラッブ「ゴァ」

 

ゴイル「ウホ」

 

 

ロン「……あんな不自然なところで、どう考えても聞き耳を立ててました、って感じだね。取り巻きのゴリラにもおとなしくさせてさ」

 

ハーマイオニー「……どこから聞かれていたのかしら。ねえ、そもそもあの時の窓にいたのは、もしかして……」

 

ハニー「……どちらにせよ、もう遅いわ。今日、見守って……それで、なんとかしなくっちゃ。私たち、だけで」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0

 

夕方

 

ハグリッドの小屋

 

ハグリッド「よう来た、ようきた。もうすぐだ、間も無くだぞ……ほれ、もうテーブルの上に置いとるんだ。さっきから殻を削る音の間隔が短くなっちょる」

 

カリカリガリガリ、カリッ

 

ロン「あぁ、僕がハニーに対して美少女だなって思うくらいまでの間隔くらいになってから言ってほしいな」

 

ハニー「……負けないくらい、中で動いているようだけれどね」

 

ハーマイオニー「近寄っても大丈夫、なのよね?あぁ、本当……卵全体に、深い亀裂が入ってるわ」

 

ピシピシッ!

 

ビキッ、パキパキパキッ

 

ハニー「! 割れるわ!」

 

ピシピシピシッ

 

バキッ

 

ドラゴン「——キーーーッ!キーーーーーッ!」

 

ハグリッド「おっほぉー!!産まれた!!産まれたぞ!!!あぁ、ノーバート!ママちゃんがわかるかい!」

 

ハニー「……」

 

ロン「うわぁ……マーリンの……うん……」

 

ハーマイオニー「あー……えっと、なんていえばいいかしら……しわくちゃの蝙蝠、のような」

 

ロン「うん……あー、土砂降りの地面に落ちてる捨てられた傘見たいな……あー」

 

ハグリッド「そうだろう?そうだろう?美しいなあ、ああ……」

 

ロン「狂ってるぜ。ハニー、あー、平気かい?」

 

ハーマイオニー「言葉を無くすのはわかるけど、ほら……例の話を、ハグリッドに……」

 

ハニー「…………」

 

 

ハニー「かわいい」

 

ロン「うん?」

 

ハーマイオニー「えっ?何、ハニー?今、何て……」

 

ハニー「可愛い!!!!ハグリッド!!!!!褒めてあげる!!!!!なぁに、これ!!!この子!!!!とっても可愛いわ!!!!!!」

 

ロン「!?」

 

ハーマイオニー「!?」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0

 

ハグリッド「!!! あぁハニー!ほんとか!気に入ってくれたかい!え!?」

 

ハニー「当然よ!だって、とっても!あぁ、なあにこのしわくちゃの翼、一生懸命はためかせて、あぁ、これはツノになるのかしら?まだ丸っこくて、たまらないわ!!!」

 

ハグリッド「そうだろう、そうだろう!そんで見てくれ、このつぶらな、オレンジ色の瞳をよお!」

 

ハニー「えぇ、出目金がたまらないわ!それに……」

 

ノーバート「——ッブシュン!!」パチパチッ!

 

ハニー「——くしゃみ、したわ!!鼻から火花が!!!ねえハグリッド、撫でてもいい?」

 

ハグリッド「あぁ、俺ぁこのまま燃やされちまってもいいな……あぁ、撫ぜちょくれハニー。ノーバートも喜ぶぞお」

 

 

ハーマイオニー「……あー、ロン?あれは、その……ハグリッドに合わせて……?」

 

ロン「いや、本心だね……心からの、うん……ニンバス2000に初めて乗った時と同じ顔してるよ」

 

ハーマイオニー「……こんなだったのね」

 

 

ハニー「なんて素晴らしいの……ドラゴンって、本当に可愛いわ……ほら、ハグリッドも撫でてみて?首の感触が似ているのかと思ったけれど、蛇とはちょっと違うわね?」

 

ハグリッド「うん?ハニーは蛇が好きなんかい——おっほぉ!ノーバート!ちっちゃいちっちゃいノーバート!牙もちっちぇなあ!」

 

ハニー「えぇ……数少ない、話し相手だったから……あら!お痛はダメよ、ノーバート!」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0

 

ハグリッド「そんじゃ、また来てくれや!いつでもええぞ、まあ元からハニーはいつだって来れるんだがよ!ヒンヒン!」

 

ハニー「えぇ、そうしてあげる!お世話にくるわ、それじゃあね!」

 

バタンッ

 

ハニー「あぁ、どうしようかしら?毎日でも見たいわ。でもクィディッチの練習もあるし、でも、あ、そうだわ。ねえ、三人で持ち回りで当番を決めない?それで、成長記録をつけて、あと……」

 

ロン「……」

 

ハーマイオニー「……」

 

ハニー「あと……あ、っと……んっ、んー……」

 

ロン「……」

 

ハーマイオニー「……」

 

ハニー「…………まあ、大したことなかったわね」

 

ハーマイオニー「戯言はノーバートの卵の殻で作ったネックレスを投げ捨ててからお願いできる?」

 

ハニー「! や!やよ!宝物よ!?」

 

ロン「うーん、この可愛さは人類の至宝。仕方ない」

 

ハーマイオニー「仕方ない、じゃないでしょ!ハニー!!あのねえ!!さっきまでは、可愛さで見逃してあげたけど!!」

 

ハニー「……あ、ハーマイオニーも思っていたの?そうそう、可愛いわよねノーバート」

 

ハーマイオニー「あ!!な!!!た!!!!の!!!!!よ!!!!!!!」

 

ロン「落ち着いてハーマイオニー、お願いだよ頼むよ嫌だよ僕に君を止めさせないでくれよ、こんなの僕の役目じゃないよ」

 

ハーマイオニー「忘れちゃダメよ、ハニー。そう!すっっっかり忘れていたようだけど、ノーバートはハグリッドのところでは育てられないの!危険なのよ!」

 

ハニー「……でも。だって……す、少しくらい……」

 

ハーマイオニー「少しっていつ!どのくらい育つまで!ファングが三時のおやつになるまでには決心がつくんでしょうね!」

 

ロン「ど、どうどう、どうどう……」

 

ハーマイオニー「語彙が無いわねあなたもなんなの!ほら、ハニーをちゃんと止めなさい!」

 

ロン「あー、ハニー?ほら、チャーリーにはさあ、もう手紙をさあ……」

 

ハニー「……だめ?」

 

ロン「……僕は駄目なやつだ」

 

ハーマイオニー「知ってるわ。本当に。心から」

 

 

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0

 

一週間後

 

ハーマイオニー「……だからね?ハグリッド、悲しいけどノーバートは……」

 

ハニー「見て!あぁ、ハグリッド!今少し飛んだわ!」

 

ハグリッド「おぉお!ノーバートや!すごい!すごいぞお!」

 

ロン「心を鬼に、心を鬼に、心をハーマイ鬼ーに……なあハグリッド、この一週間でそいつはどれだけでかくなったと思ってるんだい?」

 

ハグリッド「おぉノーバート!おぉ……おぉ?そうさなあ、大きさで言うとだいたい三倍くれぇか?なあハニー」

 

ハニー「そうね、体重はもう少し増えたかしら。偉いわねノーバート、ちゃんと体重計に乗れて。そうよ、自己管理は大事よ」

 

ハーマイオニー「しっかり管理しておいて何を……二人とも、いい加減にしなさい!少しは聞く耳を持ちなさい!ノーバートは、飼えないの!」

 

ハニー「……飼えてるじゃない!現に今!私たち、しっかりお世話できてるわ!ほら見て!えさだって……」

 

ノーバート「——キィぃィィ!」

 

ボワァァァァァ!

 

ジュゥゥゥ!!

 

ハグリッド「! お、おぉ!?ノーバート、このブランデーが気に入らんかったかい!?そうさなあ、お前さんもおっきくなった!もっとえぇ酒を買ってこんとなあ!」

 

ロン「……ハグリッド、最近外の農園の手入れはしてる?草も伸び放題だし、あー、そのブランデーの空き瓶とか毟った鳥の羽とかが散乱してるけどさ」

 

ハーマイオニー「今の、炎だって!ついこの前まではマッチより小さかったのに、もうこんなに吹けるようになってるじゃない!危険よ!いまでもう、限界なのよ!」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0

 

ハニー「っ、そ、それじゃ、もっと広いところで飼えばいいわ!そうよ!室内じゃなくて、外で……」

 

ハーマイオニー「本末転倒だわ!誰にも知られちゃいけない、そう言ったわよね!」

 

ロン「あー、そうだね。もうハグリッドの小屋で何日も日の光を見てないよ、窓は木を打ち付けて塞いじまったし……ん?」

 

ハグリッド「あ、あー、心配すんなハーマイオニー!もうすぐよ、あの、この部屋を広げる魔法をかける許可をダンブルドアからもらおうと思っとるんだ、うん!そうすりゃ、ノーバートだってもっと翼を広げてだな……」

 

ハニー「そうよ!そうよ!!」

 

ノーバート「——キィィィ」バサッ

 

ロン「……あのさ、あー、お二人さん?ハーマイオニーも?そのノーバートも何か言いたげに手を広げてるぜ?」

 

ハーマイオニー「検知不可能拡大呪文のことを言ってるの?あのねえ、そんな高度な魔法を使うのにどんな言い訳を使うって言うの!?」

 

ハグリッド「成長期が来ちゃって、とか……」

 

ハニー「お楽しみ会がしたいわ、とか……」

 

ハーマイオニー「……ちょっと可愛いのやめなさいよ!!!!」

 

ノーバート「——」

 

 

バサッバサッ

 

 

ロン「……あー、ちょっと?ハグリッド、ハニー?ノーバートがさ、浮かび上がってるんだけど見なくて大丈夫?あー、ハーマイオニーがキレっちまってダメか。いつもみたいに下向いてやり過ごそうとし——ッ!!!どけ!!!!ハーマイオニー!!!!!」

 

ドンッ!

 

ハーマイオニー「大体、あなたたち、きゃあ!?な、なにを……」

 

ハニー「!? ロン!何して—————ぁ」

 

 

 

 

ノーバート「——キシャあああああ!!!」

 

 

 

 

ハグリッド「——あぁああ!いかん!いかんぞ!!!の、ノーバートや!!」

 

 

 

ハグリッド「それはロンの首輪なんだ!!!!豚一頭につき首輪は一つ!!!そう教えただろうが!!!!」

 

ロン「やーめーろ!!おい!!!!!これは僕んだぞ!!!!お前にはとっくに、ハーマイオニーが伸縮自在呪文をかけてくれた立派な首輪があるだろ!このやろ!!!!ヒンヒン!ヒン!!!!!」

 

ノーバート「キシャヒィィン!ヒィィン!」

 

ハーマイオニー「……私を押したのは何だったの?」

 

ハニー「ロンの方に飛びつく時に、翼があなたの頭に当たりそうだったのを庇ってたわね?」

 

ハーマイオニー「……動体視力が良いようで助かるわ。いい、ハニー。今度の土曜深夜にノーバートを運んで、北棟の天辺でチャーリーの仲間たちに引き渡す。これは決定事項よ」

 

ハニー「……だってこんなに、いい子なのに」

 

ハーマイオニー「生態とサイズに無理があるの。何度も言ってるじゃない……あなただって、ずーーっと狭くて仲間もいなくて、思いっきり息も吐けないところで暮らすことになったらどう思う?」

 

ハニー「……はーっ。それを言われと、そうね……可哀想だわ、えぇ。とっても。とってもね……一人ぼっちは、嫌よね」

 

ハーマイオニー「急に聞き分けが良くなって助かるわ。そういうこと」

 

ロン「同胞ではあるよ?」

 

ハーマイオニー「混ぜっ返さないで。あぁ、さっきはありがとう。翼が当たりそうだったから助けてくれたんでしょ?」

 

ロン「? よく覚えてないけど、君からのお礼は貴重だから受け取っておくよ。おったまげー」

 

ハーマイオニー「……何よ!!!あ!!!思い出したわ!!!さっきあなた失礼なこと言っていたわね!!!!誰の何が鬼ですって!?」

 

ロン「今の顔とか?……うわ、ノーバートの牙より怖ぇや。マーリンの髭」

 

 

 

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週末

 

大広間

 

ロン「……本当にすみませんでした」

 

ハーマイオニー「……何が?先日の私に対するなんとかって侮辱の話?」

 

ロン「違う違う。あー……よりによって土曜夜、スネイプからの罰則をくらっちまうなんて……ハニー、ごめんよ。僕は豚以下の畜生だ……」

 

ハニー「……しょうがないわ。あの、マルフォイに。また喧嘩をふっかけられたのでしょう?」

 

ロン「うん。君たちがこう良ーい雰囲気だったからお邪魔しないようにトイレに行ってきたんだけど、なーんだか探るような感じで因縁をつけてきてさ」

 

ハーマイオニー「因縁?」

 

ロン「そう。あいつ、やっぱり何か気づいてたんじゃないかな。やけにこう、なんて言ってたっけ……」

 

 

 

ドラコ『おい!ウィーズリー!この僕!ドラ!!!!コ・マルフォイが!荘ゴン!!!なこのホールでお前に声をかけてるのがわからないのか!?ドラ!!!!コ・マルフォイが!この!!荘ゴンな!!!』

 

 

 

ロン「……こんな感じ。それでお得意の家ガー金ガーが始まったからさ……胸ぐらを掴んでるところをスネイプに見つかって、あとはそう、起きてしまったことで……」

 

ハーマイオニー「……あの人あまりにも分かり易過ぎない?」

 

ハニー「……ドラゴンのことを仄めかしているのね。でも探ってももう遅いわ。明日の夜には、ノーバートは空の上だもの」

 

ロン「そうそう。日程が書かれた紙は、僕がここに持ってるよ……忘れないようにって、そこだけ破って持ち歩いてるんだ……あれ?……うん?ポケットが……あれ、寝室に置いてたっけ……?とにかく、うん。あの紙がえーっと、見られさえしなければ!誰にも知られるわけがないよ!もちのあの、僕で!」

 

ハーマイオニー「……」

 

ハニー「……」

 

ロン「……本当に、その……」

 

ハニー「ロン」

 

ロン「ヒンヒン!なんだい、ハニー!」

 

ハニー「ネビルは出来たようだけれど、うさぎ跳びでここから寝室まで行ったら、どうなるのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

ドラコ「土曜、真夜中……北棟の天辺!捕まえてやるぞ、ポッター!」

 

 

 

 

 

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土曜

 

ハーマイオニー「……もしかしたらマルフォイに知られてしまったかもしれないけど、もう日程はずらせないものね」

 

ハニー「……そうね。チャーリーのお兄さんの仲間たちがここを通るのは今週のこの時間一回きり、それに……えぇ、ノーバートは……やっぱりもう、無理のようだわ」

 

ハーマイオニー「あなたに撫でられて小屋が半壊しかけたものね、もう……まだ燃えていないのが奇跡だわ」

 

ハニー「えぇ……さ、ハーマイオニー。透明マントの中に」

 

パサッ

 

ハーマイオニー「……行きましょう。もうとっくに外出禁止時間だから、ゆっくりね」

 

ハニー「えぇ……ゆっくり、離れないように、歩かなきゃ、いけないわ。それに……暗いし、その……」

 

ハーマイオニー「……はいはい」

 

ギュッ

 

ハニー「! えぇ、手、繋いであげる!ふふっ」

 

ハーマイオニー「えぇ、そうして頂戴」

 

コツッ、コツッ、コツッ……

 

ハニー「こうして狭い中で2人だと、よく分かるわ。ハーマイオニーの髪はいい香りね。何を使ってるの?」

 

ハーマイオニー「あのねえ……知ってるはずじゃない。何故ってあなた、同じの使って……おほん」

 

ハニー「気づいてて、くれたのね」

 

ハーマイオニー「それはもう、ええ。気づかないはずないじゃない。だって私達大体、毎日———」

 

—————

 

——

 

 

スネイプの事務所

 

ロン「くそっ!!!!くそっ!!!!!!!!なんで僕は!!!!!こんな!!!!!!!!!!ちくしょう!!!!!!!!マーリンの!!!!ちくしょう!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

スネイプ「うるさいぞウィーズリー!黙ってカエルのはらわたを引き摺り出せ!!!そしてそれをポッターの眼に巻いてこい!!!」

 

ロン「うるせえ!!!!!!!!!!何をさせる気だ!!!!!こんちくしょう!!!!!!!!!マーリンのひげ!!!!!!!!ヒゲ!!!!!!!!髭!!!!!!!!」

 

 

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ハグリッドの小屋

 

ハグリッド「グスッ、グスッ、悲しいなあ。もう親離れなんて、ノーバートや、お前さんと過ごせた数週間は夢のようだった、グスッ、俺はお前を一生忘れねえぞ、グスッ」

 

ハニー「……ノーバート、あなたのお気に入りだったテディベアを入れておくわ。私たちだと思って、大事にしてね」

 

ビリビリッ!!キシャーッ!

 

ハグリッド「オォ、熱烈なハグだ……そうか、お前さんも寂しいか、ウゥ、グスッ、オーイオイオイ」

 

ハニー「そうね、私も身が引き裂かれる、想いだわ……」

 

ハーマイオニー「……裂かれたのはぬいぐるみの方のようだけどね、えぇ。流石にこの木箱に押し込められるのはストレスなんだわ、きっと」

 

ハニー「ハグリッド、しゃんとしなさい。ノーバートとは笑顔でお別れしよう、そう決めたでしょう?」

 

ハグリッド「グス、ひっ、グスッ、そう、そうさな。お前さんがいるだけで笑顔になっちまう、そうなんだけどよ……悲しくて、すまねえ、グスッ」

 

ハニー「大丈夫よ……チャーリーからの手紙に、書いてあったでしょう?きっと優しくしてくれるわ」

 

ハーマイオニー「そうね。チャーリーは、ハグリッド。あなたにとっても感謝してたわ。学生時代はあなたと仲良く出来たお陰で今があるんだ、って。だから違法なドラゴンを引き取るなんて危ない事を引き受けてくれるのよ。仲間を説得してまで」

 

ハニー「あなたの人徳よ、誇りに思うわ、ハグリッド」

 

ハグリッド「っ、っ、ズビーーーっ。うん、そうさな。チャーリーはいいやつだ、奴さんに面倒見てもらえるなら……きっと幸せになる。うん。バイバイだよ、ノーバート」

 

ハーマイオニー「時間ね……ハグリッドは何か起きた時のために絶対に小屋から出ないで、いい?それじゃ……『ウィンガーディアム・レビオーサ』」

 

フワッ……

 

ハニー「……本当に、今日が限界だったみたい。私たち二人とノーバートが入った木箱を隠してギリギリだわ、透明マント」

 

ハグリッド「ほー、これがあれか、親父さんの持ってたって言う……ハーマイオニーにロン、チャーリー、それにハニーに……ジェームズ。俺は、友達に恵まれちょる。グスッ、すまねえ、泣き止もうと思ったんに、すまねえ。すまねえな、二人とも……」

 

ハニー「ハグリッド……そうよ。私達……わたし達、友達じゃない。謝られるのは好きじゃないわ?」

 

ハグリッド「グスッ、あぁ、ありがとうな。ありがとうよ、ハニー。ハーマイオニー。ノーバートを、頼む……」

 

 

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北棟 

 

一階

 

ハニー「ここまで来たわ。あとはこの天辺まで、登るだけ」

 

ハーマイオニー「なんとかノーバートが大人しくしてくれて良かったわ。騒がずに……騒がず、に?」

 

ドタバタドタバタ!

 ワー‼︎ワー!

 

ハニー「……なんだか、騒がしいわね?」

 

ハーマイオニー「廊下の向こうだわ?誰かが、揉めてるみたい……」

 

 

ドラコ「やめろ!離せ!くそ!管理人風情がこの僕に何の真似だ!僕はマルフォイだぞ!」 

 

フィルチ「真夜中でも出歩ける立場なんてあるわけがないだろう。あぁ、副校長先生。こいつです」

 

マグゴナガル「ミセス・ノリスが駆け込んできたので何事かと思いましたよ……まあ、まあ!ミスター・マルフォイ!こんな時間にこんな場所で何をしているのです!?」

 

ドラコ「ちっ、違っ、誤解です!僕は捕まえようとしていただけなんだ!ポッターだ!ポッター達がもうすぐ、ここに来るんだ!ドラゴンを連れて!違法なドラゴンを!」

 

フィルチ「さっきからこの調子でしてねえ。ドラゴン、ドラゴンと」

 

マクゴナガル「なんというくだらない言い訳を!フィルチさん、この子は私が預かります!さあミスター・マルフォイ!来なさい!あなたの罰則と減点について、それに普段からの素行も!スネイプ先生とお話しなくては!」

 

ドラコ「いてて!離せ、離せよ!ポッター!くそう!!くそう!!!!」

 

フィルチ「……チッ。鞭打ち出来ればあんな餓鬼……ミセス・ノリスを迎えに行くか……」

 

ツカッツカッツカッ……

 

 

 

ハニー「……っ、……っ」

 

ハーマイオニー「〜〜っ、こらえて、ハニー。〜〜っ、大声で、笑うのは、天辺、天辺に着いてから、に!しましょう」

 

ハニー「えぇ、えぇ……ざまあみなさいよ、マルフォイ!」

 

コツッ、コツッ、コツッ

 

 

 

 

ミセス・ノリス「……ナーン?」

 

 

 

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ハニー「……チャーリーの仲間たちは、気さくな人達だったわね。ノーバートもきっと、道中退屈しなくて済むわ」

 

ハーマイオニー「えぇ、えぇ!あぁ!解放的な気分よ!この数週間の悩みがぜーんぶ片づいたんだもの!これで試験に集中出来るのね!」

 

ハニー「そうね。それに……マルフォイが捕まるなんておまけ付き!これ以上ないわ!」

 

ハーマイオニー「最高よ!あぁ、空も綺麗で、月が明るいわ!踊りたい気分!」

 

ハニー「……いいわ、踊りましょ!ふふっ」

 

ギュッ

 

ハーマイオニー「えっ……ふふふっ!ハニー!足がめちゃくちゃよ、私たち!踊りって言えるのかしら、これ!」

 

ハニー「いいのよ、なんだって!こんなに楽しい気分に水を差すなんて、なーんにも」

 

 

ミセス・ノリス「ナーン」

 

 

ハニー「ナーン……に、も……えっ?」

 

ハーマイオニー「今、の……あ、あ!ハニー!透明——」

 

フィルチ「さて、さてさて……困ったことになりましたねえ?」

 

ハニー「……」

 

ハーマイオニー「……」

 

 

 

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変身術の教室

 

マクゴナガル「…………」

 

ハニー「……」

 

ハーマイオニー「……」

 

ドラコ「ほぅら!僕の言った通りだったじゃないか!ポッターに、グレンジャー!お前たちの負けだ!」

 

マクゴナガル「静かにしなさい、ミスター・マルフォイ」

 

ドラコ「するもんか!それで!ドラゴンも捕まえたんでしょうね!こいつらが運んでいたのは間違いないんだ!違法なドラゴンを!あの薄汚い森番の小屋で育てていたんだ!僕は知ってるぞ!」

 

マクゴナガル「……はーっ。ミスター・マルフォイ?あなたはまだ分からないのですか?あなたは騙されたのです、ミス・ポッターたちに」

 

ドラコ「……は、はあ?」

 

マクゴナガル「違法なドラゴン?そんなものは見つかりませんでした……あなたの主張を受けてスネイプ先生が虱潰しに探しましたが、北棟の天辺には何も無いと断言されています。物理的にも、痕跡もです。ドラゴン程の強い魔法生物が残す魔法力は、目に見えなくともはっきりと残ります」

 

ドラコ「そんな、そんなはずない!だって、こいつらは!今日、この時間に!」

 

マクゴナガル「ですから、からかわれたのですよ。ハグリッドの小屋も、全く、昔と変わらず雑多なだけでした。あんな場所でドラゴンなんて育てられるはずがありますか」

 

 

ハニー「……チャーリーの仲間たちが、飛び立つ前にやってたの、って」

 

ハーマイオニー「……えぇ、その痕跡を消していたんだわ。彼らは専門家だもの……一人がハグリッドの所に飛んで行ったのも」

 

ハニー「……きっと、そっちもなんとかしてくれたのね」

 

ドラコ「そんな、そんな……だって、僕は……」

 

ガタガタドタドタ、バタンッ!

 

フィルチ「今日はあなたのとこの生徒が入れ食いですなあ、副校長先生。さあ、入れ!」

 

ネビル「イタタタ!痛い!ひ、引っ張らないで!……あ!ハニー!探してたんだ!よかった!!!!」

 

ハーマイオニー「……ネビル!?」

 

ハニー「あぁ……これ以上悪くなるなんて、信じられない……」

 

ネビル「ろ、ロンが今日は罰則を受けてるだろう!?なのにあのマルフォイが君を真夜中に捕まえるだなんだって喋ってるのを聞いちゃって、ぼ、僕がやらなきゃ、止めなきゃって!だから……」

 

フィルチ「息巻くのはいいですがね、ヒーローくん。この状況がどういうことか分かっているのか?」

 

ネビル「えっ?だって、ハニーは見つかって、あ、ハーマイオニーもいて、良かった。あれ?マルフォイもいて……マクゴナガル、先生。こ、こんばんわ」

 

マクゴナガル「えぇ、ミスター・ロングボトム。素晴らしい宵ですね。わたくしもこれまで体験したことない程の事態に高揚していますよ、勿論」

 

ネビル「……ぱ、パジャマパーティじゃ、ない、よね」

 

ハニー「……それはあなただけだわ、ネビル」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:25:46.24 ID:yRu1OPvD0

 

マクゴナガル「呆れ果てたことです。一晩に、グリフィンドールからこんなにも……」

 

ハニー「……」

 

ハーマイオニー「……」

 

ネビル「……」

 

マクゴナガル「ミス・グレンジャー。あなたはもう少し賢いと思っていました」

 

ハーマイオニー「……はい、先生」

 

マクゴナガル「ミスター・ロングボトム。どんな事情があろうとも夜の廊下を歩く権利は一切ありません」

 

ネビル「……はい、先生」

 

マクゴナガル「……ミス・ポッター」

 

ハニー「……はい、先生」

 

マクゴナガル「……グリフィンドールはあなたにとって、価値のないものでしたか?」

 

ハニー「っ、違い、ます……先生」

 

マクゴナガル「そう捉えてると思わずにはいられません。あなた方には失望しました。特に今は危険な時だというのに、こんな時間に……三人とも、減点です。五〇点」

 

ハニー「っ、そんな——」

 

マクゴナガル「一人、五〇点です」

 

ハニー「——っ、そんな!先生!!!酷い……!」

 

マクゴナガル「酷い!酷いかどうか決めるのはあなたですか!ポッター!グリフィンドールからは一五〇点減点、えぇ、これは決定です!いいですか!わたくしは自分の寮生をこんなに恥ずかしく思ったことはありません!!」

 

ハニー「……」

 

マクゴナガル「卑劣な嘘で人を欺き、笑い者にしようなどと……あまつさえ友まで巻き込んだことを、反省なさい!フィルチ先生についてお帰りなさい。四人の罰則については、追って伝えます」

 

ハニー「……はい、先生」

 

ハーマイオニー「……はい、先生」

 

ネビル「……僕、なんて、ばかな……は、はい先生」

 

ドラコ「ふんっ、まあいい、この面を拝めただけで……ん?四人の罰則???」

 

マクゴナガル「当然です、ミスター・マルフォイ。減点はスネイプ先生に任せましたが、罰則についてはあなたも同じものを受けてもらいます。お覚悟なさい」

 

ドラコ「ん、な!?そんなの!!!ち、父上が!!!」

 

マクゴナガル「……あなたのお父上ならおそらく、ツメの甘さをお叱りになるのでは?さあ、帰りなさい!早く!」

 

ギィィィィッ、バタンッ

 

マクゴナガル「……あぁ、ミセス・ノリス。マタタビを分けて頂けませんか?」

 

ミセス・ノリス「ナーン」

 

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:32:19.22 ID:yRu1OPvD0

 

グリフィンドール談話室

 

ロン「……ついてなかった、そう思おうよ。うん。誰も悪くないよ、」

 

ハーマイオニー「一人、五十点……はは、は。たった一晩で、一五〇点……失って、しまったわ」

 

ハニー「……」

 

ネビル「ごめん、ごめんよ。僕、僕が余計なことしたせいで……」

 

ロン「ネビル、よせよ。君は巻き込まれただけさ、あぁ。それに、僕の代わりをしようとしてくれたんだろう?漢だぜ君は、豚の中の」

 

ハーマイオニー「それって褒めているのかしら……あぁ、朝が来なければいいのに。大広間の寮対抗得点の砂時計がどうなってるのか、それを見てみんながなんて言うか、想像もしたくないわ……」

 

ハニー「……」

 

ネビル「……僕、先に寝るよ。きっとこれは悪い夢なんだ、は、っは、は……」

 

ロン「……行っちまった。あー、あのさあハニー?本当にさ、うん。運が無かったんだ、気にしなくていいってば。双子なんて入学からこっちどれだけ減点されたかわかったもんじゃないぜ?」

 

ハニー「……それでも一晩で一五〇点なんて、えぇ……伝説的でしょう?私に、相応しいわね」

 

ロン「それは……うん、まあ、そうだけど……」

 

ハーマイオニー「……私たちももう寝ましょう?ネビルは良いことを言ったわ、きっとこれは夢なのよ、えぇ……ロン、おやすみなさい。さ、ハニー……一緒に寝ましょう?」

 

ハニー「えぇ……今日もね……」

 

ロン「うん……うん?あれ?なんだろう?一気に沈んだ気分がどっか行く言葉が聞こえた気がするんだけど?あれ?」

 

 

ハーマイオニー「……どうしてあの時、透明マントのことを忘れていたのかしら……あぁ、ねえ……おかしいわ?スネイプが北棟の天辺を虱潰しにしたと言っていたじゃない?それなら、マントがみつかってないと……」

 

ハニー「……スネイプが行く前に、回収されたみたいだわ。見て、寝室のドアノブのところ。透明マントよ」

 

ハーマイオニー「あ……本当ね。メッセージカードが付いてるわ……『必要な時の為に』……ですって」

 

ハニー「……あの人らしい、文句だわ。えぇ。それまでは不用意な事に使わない……そうしてあげる」

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:39:38.30 ID:yRu1OPvD0

 

翌朝

 

大広間

 

ザワザワザワザワ

 ザワザワザワザワ

 

ハッフルパフ生徒「おい、これどうなってるの?僕たちの得点が最下位じゃないなんて、何かの間違いだろ?」

 

レイブンクロー生徒「そこじゃないだろ。見ろよ、スリザリンがトップだぜ。うえー、今年はこの光景を見ることはないと思ってたのにさあ」

 

グリフィンドール生徒「どうなってるんだよ!?なんでグリフィンドールが最下位に!?たった一晩で何があったんだ!?」

 

スリザリン生徒「ヘッヘッヘ!ポッターには感謝するぜ!」

 

スリザリン生徒「おーい!みんな聞けよ!ポッターがさあ!バカな一年生の何人かと一緒に!」

 

スリザリン生徒「そうさ!俺たちの寮の一年生、ポッターの仲間と喧嘩してた奴を知ってるだろう!そいつをハメようとしたんだ!」

 

スリザリン生徒「ドラフォイがさあ!騙されただけなのにあいつまで罰則を食らうんだぜえ!」

 

スリザリン生徒「最低だよなあ!ポッター!」

 

ザワザワザワザワザワザワ

 

スリザリン生徒「ぎゃははは!でもよお!そのお陰で俺たちは今年も一位だ!」

 

スリザリン生徒「そうだ、そうだ!お!噂をすれば!!オーーい、ポッター!!!」

 

スリザリン生徒「お偉い、俺たちの恩人様だ!!!ヘッヘッヘ!!!」

 

スリザリン生徒「おいウィーズリー!俺たちが替わりに背負ってやろうかぁ!?ぎゃははははは!」

スリザリン生徒「なんて言うんだっけぇ?オィンク!オィンク!?だー〜っはっはっは!!きっもち悪りぃー!!!」

 

ゲラゲラゲラゲラ

 

ハニー「……」

 

ロン「おい!なんだよ!見せもんじゃないぞ!」

 

ハニー「いいわ、ロン。そのまま進んで。いいから」

 

ロン「っ、でもさあ……」

 

ハニー「いいから!」

 

ヒソヒソヒソヒソ

 

レイブンクロー生徒「ちぇっ、なんだよ。あーあ、今年もスリザリンの勝ちかあ」

 

ハッフルパフ生徒「バカだよなあ。揉め事なんて起こすからこんなことになるんだよ」

 

レイブンクロー生徒「でも遅かれ早かれだったんじゃない?ほら、あの態度よ?入学から、ずーっと」

 

ハッフルパフ生徒「……確かに、関わりたくないよなあ」

 

ハニー「…………」

 

ロン「……おい、ハニーの定位置に置かれたこの首輪の山はなんだよ!言いたいことがあるならこの僕が、あ!誰だよ投げたやつ!!!こんにゃろ!!マーリンの髭!」

 

ハーマイオニー「ハニー、トーストを何枚か包んでおいたわ。外で食べましょう?ね?」

 

ハニー「……そうしてあげる」

 

ザワザワザワザワ

 ヒソヒソヒソヒソ

 

スリザリン生徒「ありがとよ!!ポッター!!!借りができたぜ!!!」

 

バタンッ

 

ロン「……最後のあいつは絶対にいつか潰す」

 

ハーマイオニー「やめて。ほら、行きましょう?さあ、外野を気にしている余裕なんかないわ。私達、ノーバートのせいで復習が全然進んでいないんだもの……無視よ、無視」

 

ハニー「……そう、ね。無視をされるのは、私の方かも、しれないけれど」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:39:38.30 ID:yRu1OPvD0

 

クィディッチ競技場

 

ウッド「チームを、辞めたいだって!?どういう意味だ、シーカー!」

 

ハニー「そのまんまの意味。このチームを辞めたいの」

 

ウッド「だが、それでどうやって失った点を取り戻すつもりだ!?君だって分かってるだろう、シーカー!」

 

ハニー「っ、それは、試合で得られる得点は大きいけど、でも……」

 

ウッド「そうだろう!?大体、僕らだってポジションを空けられるのは困る……そうだろ、みんな!」

 

アンジェリーナ「あー、うん。シーカー。君はさ、うちで一人っきりのその、シーカーなんだし?チームを辞められるのは困るかなあ。チームはね」

 

アリシア「そうねー」

 

ケイティ「そうよねー」

 

フレッド「そうだぜシーカー。君ってば何考えてんの?」

 

ジョージ「考え無しなのは弟だけにしろよな、シーカー」

 

ハニー「……えぇ。私は『シーカー』よ」

 

ウッド「納得したようで何より!!よーし!!!!練習を再開しよう!!」

 

ハニー「……ここすらも。空だって……もう居場所が、なくなっちゃったみたい」

 

 

追加: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/10(水) 01:39:38.30 ID:yRu1OPvD0

 

廊下

 

ハニー「……一人で歩くなんて、どれくらいぶりかしら」

 

ハニー「……少なくともこの城に来てからは、殆ど無かったことよね」

 

ハニー「クィディッチの練習の時も、いつもロンかハーマイオニーか、どちらもかが応援してくれていたもの」

 

ハニー「でも……私が練習しているだけでブーイングをしてくる人が沢山来るようになってしまったから、二人を観客席で待たせるわけにはいかないわ」

 

ハニー「まだ図書館のはず、よね?……学年末試験が近くなって、沢山詰め込まなきゃいけないことがあるのは助かったわ」

 

ハニー「少なくとも……年号や魔法理論の文字を追いかけている間は。今のこの……惨めな気持ちの、思い出さなくて、済むから……」

 

 

   「うっ、うっ、そんな、なんで、私、私をそこまで、惨めに……」

 

 

ハニー「そう……?誰の声、かしら……こっちの……空き教室ね?」

 

ハニー「これ……これは、啜り泣いてるのは……クィレル先生?」

 

 

クィレル「あぁ、あぁ……どうか、どうかお許しを」

 

クィレル「言う通り、言う通りに、いたします、から!」

 

 

がチャッ!

 

ハニー「きゃ!あ……やっぱりクィレル先生ね……私に気づかずに、行ってしまったわ」

 

ハニー「あんなに顔面蒼白で……ターバンもずれてるのに、走って」

 

ハニー「……相手は」

 

キィィィッ

 

ハニー「誰もいないわ。でも向こうの扉が開けっ放し……と、言うことは。きっと話していたのは、スネイプなのね」

 

ハニー「……」

 

ハニー「……」

 

ハニー「……やめましょ。もう、余計なことはしないわ。変なことには、首を突っ込まない、そうよ」

 

ハニー「……もう誰にも、嫌われたく、ないもの……」

 

 

ロン「ハニーの良いところ、僕の体調によって座り方を変えるところ」

 

ハーマイオニー「それさっき言ったわ。アウトよ、ロン」

 

ロン「あぁ、154ターン目で負けるなんて悔しいな。マーリンの髭……でもさあハーマイオニー?君も匂い関係のワード多くなかった?反則じゃないか……あ!ハニー!ヒンヒン!探したよ!」

 

ハーマイオニー「しょうがないでしょ、透明マントの中はそれはもう……ハニー!帰りましょう?」

 

ハニー「えぇ!……えぇ、大丈夫。ふふっ。私には、二人が。いるんだもの」

 

続く




全スレタイリスト

これから順次書き直していくつもりですが

いつまでかかるやら気長な話になりますので

続きをお急ぎの場合はこちらのスレタイを検索ください


賢者の石編

ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」

ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」

ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」


秘密の部屋編

ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」

ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」


アズカバンの囚人編

ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック……?」

ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」

ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」


炎のゴブレット編

ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」

ハニー・ポッター「何が来ようと、受けて立つわ」

ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」

ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けて立てばいいのよ。勝つのは、私よ」


不死鳥の騎士団編

ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」

ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」

ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」

ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」


謎のプリンス編

ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」

ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」

ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを」

ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」


死の秘宝編

ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」

ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」

ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……超えてみせる!」
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