1.プロフィール
キングマンゴー(King Mango)
性別:牡
毛色:鹿毛
生誕:2001年3月8日
父:キングヘイロー
母:ラウンドピーチ
インブリード:
・Nothen Dancer(S4 × M5)
・Sir Gaylord(S5 × S5)
・Buckpasser(S5 × M4)
競走成績:25戦21勝
獲得賞金: 22億4935万円 + 228万ユーロ + 300万ドル + 17万ポンド + 1140万香港ドル
主な勝利:
・G1
朝日杯FS(2008)、皐月賞(2009)、東京優駿(2009)、菊花賞(2009)、天皇賞(春)(2010)、安田記念(2012・2013)、宝塚記念(2013)、天皇賞(秋)(2013)、マイルCS(2009・2013)、ジャパンC(2012)、有馬記念(2011)、凱旋門賞(2010)、ドバイDF(2011)、サセックスS(2011)、香港マイル(2013)
・G2
産経大阪杯(2010)、毎日王冠(2011・2012・2013)
2.競走成績
・2008年
2歳新馬(1着)、東スポ杯2歳S(2着)、朝日杯FS(1着)
・2009年
皐月賞(1着)、東京優駿(1着)、菊花賞(1着)、マイルCS(1着)
・2010年
産経大阪杯(1着)、天皇賞(春)(1着)、宝塚記念(2着)、凱旋門賞(1着)
・2011年
ドバイDF(1着)、サセックスS(1着)、毎日王冠(1着)、天皇賞(秋)(2着)、有馬記念(1着)
・2012年
安田記念(1着)、毎日王冠(1着)、天皇賞(秋)(2着)、ジャパンC(1着)
・2013年
安田記念(1着)、宝塚記念(1着)、毎日王冠(1着)、天皇賞(秋)(1着)、マイルCS(1着)、香港マイル(1着)
3.解説
・2歳
デビュー時の体重は470kg前後と平均的な体格ものの調教タイムから既に大きな注目が集まっており、新馬戦で1.1倍という圧倒な人気をとっていた。しかし、パドックで見せた馬っ気により1.3倍まで減少…最後まで馬っ気を出したまま勝利するという珍デビューとなる。
2戦目の東スポ杯でも圧倒的人気だったものの「ナカヤマフェスタ」の豪脚によりゴール前で差しきれられ2着に敗北…無敗はいきなり無くなった。
3戦目の朝日杯FSでは3番手につき、最後の直線で追ってきた「セイウンワンダー」らを楽々と突き放し完勝。『最優秀2歳牡馬』に選ばれた。
・3歳
4戦目には皐月賞へと出走。一番人気こそ無敗だった「ロジユニヴァース」に譲ったものの、「ロジユニヴァース」、「リーチザクラウン」らと共に中団で控え…最後に抜け出した後、「アンライバルド」から逃げきり勝利。同期最強を証明した。
次走でNHKマイルか東京優駿かで馬主と調教師が少し揉めたものの東京優駿を選択。5番手である「ロジユニヴァース」と「ゴールデンチケット」の後ろにつき、最後の直線で大きく荒れた馬場の中、1頭だけ突き抜けて後ろの「ロジユニヴァース」に5馬身差をつけて二冠を達成した。その後、「安田記念」への連闘を考えられていたが疲労に断念。
さらに次走では天皇賞(秋)か菊花賞かで菊花賞を選択。「セイウンワンダー」共に逃げる「リーチザクラウン」を捉え、そのまま「スリーロールス」、「フォゲッタブル」を外からかわして勝利。7頭目のクラシック三冠を達成した。
7戦目では半兄「メロンスカイ」がラストランとして出走するジャパンCではなく、マイルCSへ選択。このレースには天皇賞(秋)を勝った「カンパニー」と半兄「オリーブテイオー」が出走していたが、最後の直線で抜け出し「カンパニー」をねじ伏せて3馬身差の完勝。これでこの年は無敗のままG1レースを4勝し「ウオッカ」を抑えて『年度代表馬』へと選ばれた。
・4歳
凱旋門賞への出走を表明し、中距離である産経大阪杯へと出走。有馬記念を勝利した「ドリームジャーニー」との対決に注目が集まった。レースでは大きく出遅れ後方からのレースになるも早めにペースを上げて、最後の直線で「テイエムアンコール」と「サンライズベガ」の間から突き抜けて先頭にたち、追い込んできた「ドリームジャーニー」から逃げ切って勝利した。
次走は安田記念に出走を表明していたものの調教師と馬主との相談により天皇賞(春)へと変更。3番手をキープし続け、最後の直線で仕掛けてきた「マイネルキッツ」をかわして、「ジャガーメイル」から逃げ切り勝利。
ファン投票で圧倒的1位を獲得した宝塚記念では「ブエナビスタ」と「スクリーンヒーロー」と初対戦。最後の直線で接戦になるも伏兵「ナカヤマフェスタ」に外から差しきれられ再び敗れた。
日本代表の名を背負い「ナカヤマフェスタ」、「ヴィクトワールピサ」と共に凱旋門賞へと出走。偽りの直線で抜け出すも外から伸びてきた「ナカヤマフェスタ」との接戦の末…ハナ差で勝利。日本馬初の凱旋門勝利、それも日本馬のワンツーで達成された。また、この功績から『JRA賞特別賞』を受賞した。
・5歳
日本に帰国後はしばらく放牧になっていたもののドバイへの遠征を発表される。早めに現地入りしてドバイDFまで過ごした。そして迎えた本番…最悪の重馬場の中で最初から先頭にたち、最終コーナー手前から仕掛けていき後続と大きな差をつけ…20馬身以上の広げたままレコードタイムで勝利。
厩舎が災害で壊れたため帰国せず、イギリスより招待されたサセックスSへと直行する。「フランケル(Frankel)」と「キャンフォードフリスフ(Canford Cliffs)」が圧倒的人気を集めている中、3番人気で出走。逃げる「フランケル」の後ろを取り、ゴール直前で綺麗に差しきり勝利。マイルでの実力を世界に証明した。ここで、馬主は日本のG1レースを全て勝たせるまで現役を続けると宣言する。
帰国後、馬体が500kgを越えるまでに成長していた。そして毎日王冠へ出走し…圧倒的強さを見せ完勝。
天皇賞(秋)では中団で走り、ゴール前で先頭に立った「トーセンジョーダン」を「ペルーサ」、「ダークシャドウ」と共に捉えにかかるもハナ差で逃げ切られ2着に敗れた。
そして有馬記念…ファン投票で1位を取り、クラシック三冠馬となった「オルフェーヴル」と対決に注目が集まった。いざ、レースとなるとドバイDF時と同様にかかったかのように先頭に立ち、後続を大きく突き放し…その勢いのまま、10馬身以上の着差を付けてゴールイン。2度目の『年度代表馬』に選ばれ…WBRRではドバイDFで143ポンドものレーティングを獲得し、世界一の称号も手に入れた。
・6歳
休みを多く挟み、目標であった安田記念に直行する。実績のある「サダムパテック」、「ストロングリターン」、ラストランである三冠馬「アパパネ」、香港から参戦した「グロリアスデイズ(Glorious Days)」らがいるなかで「シルポート」、「エイシンアポロン」、「リアルインパクト」に続く4番手を走る。最後の直線で呆気なく抜け出して後続を大きく離し、「ストロングリターン」と「グランプリボス」から逃げきり勝利。これで残るのは宝塚記念と天皇賞(秋)、ジャパンCになった。しかし、馬体の状態から宝塚記念は回避する。
毎日王冠では「カレンブラックヒル」や「エイシンフラッシュ」がいる中で「グランプリボス」と共に2番手を走り、最後の直線で突き放し勝利…連覇を達成する。
迎えた天皇賞(秋)、「シルポート」が大きく逃げる中、集団に捕まり内から抜け出せない状態となってしまった。そして、最後の直線…間が出来て「カレンブラックヒル」の外から仕掛け、内から伸びてきた「エイシンフラッシュ」を捉えにかかるも「フェノーメノ」を差したところでゴール…再び2着と敗れた。
ジャパンCにも出走…三冠馬となった「ジェンティルドンナ」、凱旋門賞から帰った三冠馬「オルフェーヴル」との三冠馬三頭による三強対決に注目が集まった。「ビートブラック」が逃げる中、「エイシンフラッシュ」と「ローズキングダム」と共に中団の外のポジションへと付いた。最後の直線で仕掛けるのが遅れ、「オルフェーヴル」と「ジェンティルドンナ」らに先頭を立たれるも外から仕掛け、最速の上りタイムで2頭をまとめて差しきり勝利。『年度代表馬』こそ「ジェンティルドンナ」に譲ったものの、三冠馬対決の功績より2度目の『JRA賞特別賞』を受賞した。
・7歳
再び多くの休みを取り、安田記念へと出走。高松宮記念を勝った「ロードカナロア」、ヴィクトリアマイルを勝った「ヴィルシーナ」、NHKマイルを勝った「ダノンシャーク」がいるなかで昨年同様に「シルポート」に続く2番手を走る。そして、最後の直線で「シルポート」を捉え大きく抜け出し、後方から伸びた「ロードカナロア」と「ダノンシャーク」から5馬身で逃げ切りレコードタイムで連覇した。そして、次走として3年ぶりの宝塚記念への出走を発表する。
宝塚記念、ファン投票にて堂々の1位に選ばれる。昨年の『年度代表馬』である「ジェンティルドンナ」、天皇賞(春)を勝った「フェノーメノ」、昨年の有馬記念を勝った「ゴールドシップ」らと共に4強と呼ばれながらの出走となった。そして、レースではラストランになる「シルポート」と共に大逃げを行い、後続に20馬身以上を広げながらターフを駆けた。最後の直線で垂れた「シルポート」をかわして先頭へと立つとそのままゴールへと向かうも、後続から抜け出した「ゴールドシップ」に迫られ、距離が詰められ…並んだ状態でのゴールとなった。数分の写真判定の結果…ハナ差で勝利しており、G1レース、14勝目を達成。残るのは天皇賞(秋)だけとなった。
毎日王冠にて昨年の天皇賞(秋)に敗北した「エイシンフラッシュ」と6度目の対決。「クラレント」、「レッドスパーダ」、「ミッキードリーム」に次ぐ4番手で進めていき…最後の直線で抜け出し勝利。3連覇を達成し、天皇賞(秋)へと向かう。
天皇賞(秋)にてライバルである「ジェンティルドンナ」、「エイシンフラッシュ」らに加え、重賞3連勝中の「トウケイヘイロー」らがいるなかでの1番人気で出走。「トウケイヘイロー」、「ジェンティルドンナ」に続く3番手でレースを進めていき…最終コーナーから仕掛けて早めに先頭へとたった。そして、追ってくる「ジェンティルドンナ」らを大きく突き放すも…伏兵「ジャスタウェイ」が外から鋭い末脚で伸びており、距離を詰められる。しかし、ペースを崩すことはなく、半馬身差で逃げ切り勝利。念願の天皇賞(秋)及びマイル以上のG1レースを全て勝利したため、年内での引退が発表された。
ラストランが香港マイルを決まり、マイルCSへ4年ぶりに出走する。ややスタートで出遅れてしまい、「ダノンヨーヨー」、「サンレイレーザー」次ぐ後方からのレースになった。コーナーで加速しながら外へと回り…最後の直線で大外から一気に足を伸ばした。同じく足を伸ばした「トーセンラー」と接戦の末、クビ差で捉えて勝利する。
ラストラン、香港マイルにてチャンピオンズマイルを勝利した「ダンエクセル(Dan Excel)」、フォレ賞を勝利したフランスの「ムーンライトクラウド(Moonlight Cloud)」、G1レース3勝の「スカイランタン(Sky Lantern)」、安田記念に出走していた「グロリアスデイズ」らがいるなかで1番人気に推される。「キングクリーサ(King Kreesa)」と「ヘレンスピリッツ(Helene Spirit)」に次ぐ、3番手に着く。残り400m、「ゴールドファン(Gold-Fun)」と共に前へと抜け出すとそのまま加速して先頭にたち、後続を突き離して5馬身差の圧勝。7歳という高齢ながら衰えを感じさせず現役を終えた。また、3度目の『年度代表馬』に選ばれた。
種牡馬となると、初年度だけで300頭というとんでもない数の牝馬が集まった。代表産駒は皐月賞(2019)と宝塚記念(2019)を勝利した「タニノマンゴヤン」、東京優駿(2018)を勝利した「カレンプリンス」、東京優駿(2019)を勝利した「ヴァイス」、高松宮記念(2022)を勝利した「エアジョーカー」、ケンタッキーダービー(2021)を勝利した「マンゴーデイズ(Mango Days)」など。
4.エピソード
・調教師には「ズブい馬」と評価され、スイッチの入りが遅く、1500m以下のレースは厳しいと評価されていた。しかし加速力は凄まじく、実際に1600mでは世界に敵無しの強さだった。
・性欲が強く、パドック時もよく馬っ気を出していた。特に母と同じ栗毛の馬に興奮するのか厩務員が言うには「スマートファルコン」や「オルフェーヴル」が前を通るたびに出しているらしい。
・「ダイワスカーレット」と交配させると2年連続で双子となった。
・「ウオッカ」との間に出来た「タニノマンゴヤン」は3歳馬で初の宝塚記念1着を達成した。
・主戦騎手はラストランの香港マイルを除き一貫しており、「キング(*キングヘイロー)で勝ちたかったことが全て出来た。最強の馬だった。」と涙と笑顔を同時にみせた。
・遠征は苦手なのか、凱旋門賞時は食事をあまり取らず、日本から餌と水を取り寄せたことで何とか食べた。また、2011年のドバイDFでの大逃げは大暴走によるもので、20馬身以上の大勝は最終コーナー近くで制御が効いてきた故の勝利とのこと。
・2009年は「ローレルゲレイロ」が短距離(高松宮記念&スプリターズS)、「キングマンゴー」がマイル(マイルCS)、中距離(皐月賞&東京優駿)、長距離(菊花賞)の勝利により「キングヘイロー」の産駒は全距離のG1を制覇した。