警察官を見て硬直するバルキ...
(ん?待てよ...たしかコイツらは弱いからー...)
「追いついて見ろやぁー!」
「あっ待ちなさい!ったく...」
警察官は腕からリング状の光弾を発射した。
「やっぱり、ここの人は弱いから余裕で逃げぇぇぇぇぇぇ」
リングがバキラの胴体を縛り上げた。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「逃走を図らず日、素直に来れば良いものの...」
「わ、分かったから今回は勘弁をぉぉぉぉ」
「露出狂も立派な犯罪だよ」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
バルキは警察官に引きずられながら連行された。
「バカなヤツだよ...」
「人って光弾放てるんだ...」
「ボス、人は光弾を放つことはできませんよ?」
「でも、父さんは光弾をぶつけられて倒れてたよ」
「きっと光による反射で、コケた際に光弾が当たったように見えたんじゃ?
まぁ今から俺がバカバルキを連れ戻すから、待っててボス」
「はぁ」
テイルは大きく飛び上がると、警察官の前に立ちはだかった。
「テ、テイル助けてくれぇぇぇ」
「俺たちはやりたいことがある。だからそいつを返してくれ」
「ダメだ。彼を裁かなければならないからな。裁かれるまで待ってくれ」
「すまないがちょっとばかし眠ってもらう...」
テイルは白い粉を警察官目掛けて吹きかけた。
警察官はバタリと倒れ、動かなくなった。
「おいバカ、動くなよ...なんだこの輪は」
テイルは困惑しながらもそのリングを切断した。
すると、そのリングは破裂しそこから小人が大量に出てくる。
その小人はテイルとバルキの肌に張り付き、放電し始めた。
「クソ...体が痺れる...」
「しししぃぃぃぃぃびれるぅうう」
眠っていたはずの警察官が目を覚まし、起き上がった。
「...お前は公然わいせつ、そしてお前は公務執行妨害で逮捕する」
警察官は無線で応援を呼び、数分後やってきた応援に2体は連れていかれた。
(テイルさん遅いなあ...)
一方バキラーは2体の帰りを木陰で待っていた。
「ん?」
向こうの一軒家がなんだか騒がしい。
気になったバキラーは様子を見に行った。
「おい無能な警察どもよく聞け!さっさと10億用意しねぇと...
この家族ともども殺しちまうぞぉ?さぁさぁ残り5分だぞ!」
「お願い...子供だけは...」
「そんな言うなら、まずはお前から殺してやるぜ...?」
「...それでもいいから子供だけは...」
子供の母親は目に涙を浮かべながら必死に説得していた。
「嫌だよ。お前が10億用意できるなら別だが」
「分かった!10億出すから!」
「俺はな...お前らみてぇな金持ちが大っ嫌いなんだよ!」
男は子供の前で母親を投げ飛ばした。
「お母さん...うわぁぁぁっああぁあああ」
「おい聞こえてるか!もう時間はねぇぞ!」
一方から光弾が飛んできた。
「そんな光弾でこの俺を捉えれるとでも?ちゃんちゃら可笑しいぜ!」
光弾は弾かれ、ヤジの方へと飛んで行った。
(人ってこんなに強いんだ...ベレトさんたちにとっては弱い...そうなのか?)
「早くその2人を解放しなさい。さもなければ」
「さもなければなんだ?お前らに俺は止められねぇんだよなぁ?」
「チッ...なんて野郎だ...」
「...10億円の準備が出来ました」
「おい、10億円の準備ができたぞ!早くその2人を開放しろ!」
「間に合ったのか!いやぁ、警察共もやるねぇ...でも、開放はしない」
「どういう意味だ」
「警察の力の無さを確かめる為にやったことだからよぉ...
この金持ちには死んでもらう!警察共!自分たちの無能さを憎んでな!きゃはははは!」
「人ってこんなにひどいのが居るの...?許せない...」
バキラーは大きく飛び上がり、その男のいる3階のベランダに飛び乗った。
「その2人を開放しろ」
「なんだ?このガキは?正義ぶってってんじゃねぇ!」
男の拳がバキラーの胸に直撃した。
「・・・」
バキラーの骨は砕けなかった。
「ぎゃあぁぁぁぁぁ...か、堅い...」
対して男の指はバキバキに折れ、動揺しながら後ずさりした。
すると、その男は子供を盾にした。
「誰だか知らねぇが...俺を怒らせた罪はデカいぞ?」
「その小さい人を離せ!」
「子供を知らない?ふっ...宇宙人の割にはこの星の言葉が上手だなぁ!」
「離さないなら...」
バキラーは窓枠の木材を外し、男の股間目掛けて叩きつけた。
「父さん、人の弱点って知ってる?」
「男の弱点なら知ってるぞぉ!それは股間だ!」
「股間ってここ?」
「俺たちスケルトンには付いてないが、人の男ならかなり効くぞ!」
「へぇ…人って変な生き物…」
「ほぁぁぁぁ...あぁぁぁ」
男は股間を押さえながら膝から崩れ落ちた。
バキラーは悶絶している男を外に放り投げ、警察官に引き渡した。
「本当に...ありがとうございます...本当に...」
「グスッ...おにぃさんありがと...」
「別に...ちょっとイライラしちゃったんで...」
バキラーが玄関から外に出ると、歓声が響き渡った。
「君、名前は?」
「え、えと、バキラーです」
「バキラーというのか...ありきたりだが、素晴らしい能力を持ってるね良かったら警察に...」
「すいません、もう既に他のところに就いてるんで...」
「おぉ、そうかそうか...その気になったらいつでも歓迎するぞ!」
「はい...では俺は待ってる人がいるので...」
バキラーは急いで公園の木陰に戻った。
しばらくの間、人々の歓声は住宅街をにぎやかにした。
そのころ...
「君たち、身分を証明できるものを何か一つでも持ってないのか?」
「あのーですね、実は俺たちこの星のもんじゃないんすよね...」
「この星のものじゃないだと?」
「これを見ていただければ」
テイルは皮のスーツを脱いだ。
「...スケルトン?」
「え、俺たちの事知ってるのか?」
「まさか実在していたとはな...」
テイルはそのスーツを着なおした。
「そういう事だ。この金で許してくれないか?」
「まぁ、待ちなさい。少しの間、留置所に居てもらうからな。その間、悪さをしなければ許そう」
「うぉ本当か?よっしゃぁぁぁ!ありがとな警察の人!」
「感謝する」
「はいはい。じゃぁ牢に入っといてな...」
(スケルトンかぁ...研究者に渡すのもいいかもなぁ...)
警察官は牢から立ち去る時、口元をニヤリとさせた。
「...怪しくないかバルキ」
「こんな俺でも分かる怪しさだったな」
「逃げるか」
「なんだ!今日は気が合うな!ヘブォッ」
「黙れバカ。看守に気づかれたらどうする」
「ならもっと他の黙らせ方があるだr」
「こうか?」
テイルはバルキの口を押えた。
バルキは頷き、脱走の計画を企てはじめる。
そのころ、バキラーはずっと木陰で2体の帰りを待っていた。
「遅いなぁ...」
徐々に日が暮れ始め、公園には小学生くらいの子供が集まり始めた。
それと同時に多くのカメラを持った人間がバキラーを取り囲む。
「貴方があの凶悪犯、間野雄哉から2人を守った人ですよね?」
「あ、はい。そうですが...あな」
「2人を守る覚悟はいつ決めました?」
「普段何をしていますか?」
「お仕事は何を?」
「何故警察官の仕事を断ったのですか?」
多くの質問がバキラーに降り注ぐ。
「あのー、えっと...」
「・・・」
「またね」
バキラーは飛び上がり、人通りの多い市街地へ逃げた。
「あぁー...」
「スゴイ!飛びました!」
「どうやって飛んでるのでしょう…」
「今から私の千里眼で追跡します!」
市街地...
「うぉあっなんだ??」
「キャッ!」
バキラーの着地した際の衝撃で風を起こしてしまった。
「あっ、すいません...」
バキラーは人を避けるように路地裏に隠れた。
「別に、まぁ...」
「何なの...」
路地裏...
(父さんとテイルさんに何かあったのか...?)
その不安がバキラーの頭によぎった。
一方、2体は...
「壁破壊がはやいかなぁ」
「もうそれでいい」
テイルは戦闘用の銃を取り出し、放つと壁に大きな風穴を開けた。
同時に留置所内で大音量の警報音が鳴り響く。
「飛ぶぞバカ」
「せめてバルキを付けろバルキを!」
「おい何をしている...」
担当官が駆けつけた時には2体は逃げ出していた。
「まずい...上司になんて言おう...」
「こんなに簡単に脱走できるだなんてな!やっぱこの星の人はちょろいな!」
「...いや、早く帰るぞ」
「はいよぉ!」
2体はバキラーの待つ公園まで飛んで行った。
留置所...
「逃げられたか...」
「所長、どうします...?」
「あのスケルトンを捕らえ、研究所送りにしてやろうじゃないか...」