逃走中するならやっぱ璃月港だと思う
「ここが璃月港か~」
「はぁ、ただの璃月港じゃないか。これから何をすると言う。」
「お、アルハイゼンじゃないか。丁度わしも着いたところじゃ。それにしても、何故『逃走中』に参加しようと。」
「…クラクサナリデビ様に唆されて、仕方なく参加することにした。正直なところ、実に面倒だ。」
「そう言うでない。あそこにいる………あれは爆弾か?」
そう言うと、金髪の幼女はワクワクを発散させる為か、爆弾を周囲にばら撒いた。
「!…危ない!」
ファルザンは咄嗟に爆弾を避けようとしたが、その爆弾をアルハイゼンが弾き、爆弾は幼女の足元で爆発する。
「わ!…」
他の爆弾は、幸い誰にも当たらず、大きな被害も出なかった。
煙が消えると、そこには衝撃で転んでしまったのか頬に掠り傷が付いた金髪幼女と、周囲に謝罪を繰り返す、これまた金髪の騎士らしき人がいた。
「えへへ…」
「……ぇー、後で反省室に……」
「流石に今のは危なかったのぅ…」
「危険物は持ち込みが禁止だった筈だが?」
「どれどれ、…かの者はクレーと言い、モンドの爆弾魔だそうじゃ。」
ファルザンは、事前に配られている参加者名簿で該当する幼女を探し、そこに書かれている概要を話した。
「大波乱が始まりそうじゃ…!」
アルハイゼンは逃走中が面倒だったが、ファルザンにとっては楽しみで仕方なかったのである。
「鍾離さんは、どっちの陣営で参加することになってるの?」
「俺は一応逃走者側ということになっている。胡堂主はどっちなんだ?」
「私?私はハンターだよ。ん~、最初に鍾離さん捕まえに行こっかなっ」
「ハハッ、それなら、先ずどこにいるか探さないとだな。」
「あ!そうだった~!まぁ、どんな獲物であろうと、確実に捕まえていくけどね~。」
「そういえば、胡桃殿は開催費だけを負担したのか?」
「そうだよ?それに、1番出しているのは、あの天権·凝光らしいからね。後私がやったのは、綺良々ちゃんに逃走中の招待状を渡したぐらいだよ。」
「そうか。誰がこれを企画したんだろうか。」
「旅人が提案して、総務司で企画されたんだって。」
「中々面白そうなものを考えるな。」
返事を忘れている胡桃は目をキラキラされてどこかを見ていた。
「…頼む!ちょっとだけで良いから、忍術を教えてくれないか!」
「特別に見せてあげたのに、まだ満足いかないのか?」
あの身のこなし…一流だ!と思ったので、胡桃はダッシュで某忍術幼女の方に向かっていった。
「今のは何?!教えて!」
「ん、誰だ?」
「あぁ~、私は胡桃!さっきの動きを見ていて、凄く興味を持っちゃって。」
「なぁ頼む!俺に忍術を教えてくれ!」
「はぁ、拙は眠いから始まるまでだけでも寝させてくれ…Zzz……」
「立って寝ちゃったよ~、あれ、アナタは?」
「俺はトーマだ。今日はよろしく!」
「うん!こちらこそ!」
そんな2人の堅き結束を鍾離と綾人は傍らで見ていたのであった。
「えぇっと、会場はここで合ってるのか…?」
「ふっ、随分と賑わっているようだ。」
「久しぶりに外に出たわね。周りにも人がいっぱい。」
「そうだ公爵、イベントが始まる前にこれ飲まない?」
「…やめておこう。」
…
そうこうしている内に、多くの者が璃月港に集まって来た。
「この度は、璃月港に集まっていただき感謝するわ。」
「みんな、何故ここに集まってもらったかは理解してるわよね?」
「それでは、これより『テイワット逃走中』、開始!」
突如始まった「逃走中」に混沌めいた場所、ハンターにはこれ以上ない最高のタイミングである。
まぁ面白くないから誰も捕まえに行かなかったんだけどね?…胡桃?
ここで、本逃走中のルールを確認しよう。
今回は9:00~18:00の9時間戦いが行われる。
賞金の最大金額は10億モラ。1秒で約3万モラずつ賞金の金額が上がっていく。
自首は不可、自首は不可
「10億モラ?!旅人は出なくて良かったのか?」
「凝光に頼まれたしね。それに、
それ以外は従来の逃走中とほぼ同じだが、この逃走中では元素力を扱うのが認められている。
重傷、致命傷を与えない限り何をやっても良いことになっている。
勿論、刀剣類は刃こぼれされたそれぞれオーダーメイドの特注品(無料)、銃の弾は貫通力を落とした物を用意した。
ハンターはジン、ウェンティ、七七、胡桃、白朮、宵宮、綺良々、ナヒーダ、リネ
逃走者はそれ以外である。
最後にハンターの勝利条件は、逃走者を全員捕まえることだ。
それでは突如として始まった逃走中に視点を戻そう。
「お先!…あたっ」
胡桃はすぐさま鍾離先生に手を付けようとしたが、鍾離は岩柱で自身との間を塞いだ。
そのまま自身に纏わるシールドを展開して逃げ出した。
「…それは反則でしょ」
一方、ナヒーダは逃走者が一斉に逃げて行く中で逃走者並びにハンターの情報を集めた。
そんなこんなで運良く誰も捕まらずにスタートした。
凝光?
実は他にも特殊なルールがあり、ハンターと逃走者の見た目はほぼ一緒になっている。
それ故、逃走者はそれぞれの参加者の動きを見て判断するしかない。
ハンターはハンター同士誰が同じハンターなのか確認しているので、ハンター同士の会話などはありということになっている。
逃走者に見られた場合は、追いかけなければいけない。
(このルールに関連して、ハンター側は多少の奇襲はOKということになっている)
だが、始めの1分間だけは何をしても良いことになっていた。
胡桃以外のハンターが殆ど動かなかったのはそれが理由である。
そんな胡桃も、ハンターだとバレにくいように立ち回って鍾離先生を捕まえようとしていたのはここだけの話である。
レイラ「どうしよう…ここまで逃げたは良いものの、ハンターに見付かったらすぐ逃げなきゃなんでしょ…」
胡桃「う~ん、いないなぁ…」
レイラ「(誰?!それにハンターなのかも分かんない…どうするレイラ?どうする私?)」
胡桃「ここら辺とかいそうだけどな~。誰もいないなら仕方ないか。」
レイラ「…ふぅ、取り敢えず見付からなくて良かった。ファルザン先輩とかも、信用して良いのか分かんなくなってきた…」
この逃走中にも電話機能がある。
クレーに感謝しなければならない。
ドッドコ…ドッドコ…
ファルザン『何じゃ?知論派に入りたくなったのか?』
レイラ「いや、そうじゃないんですけど、ファルザン先輩はハンターなのかなと思って、、」
ファルザン『ワシはハンターではないぞ。それと、次誰かに電話するときは気を付けると良い。お主がハンターだと疑われる可能性だってあるし、電話に出た者が嘘を付く可能性だってあるのじゃ。あくまでも個人戦ということを忘れてはならぬぞ。』
レイラ「良かった…ありがとうございます。」
ファルザン『良いのじゃ。と……共に楽しもうじゃないか!』
レイラ「はい!」
プチ
レイラ「…よし!」
次回ファルザン篇、乞うご期待
ヌヴィレットどこ?