キヴォトスが丸ごと地球に転移した話   作:任侠的かちゅーしゃ

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プロローグ

 

『おはようございます。全国的な失踪事件が相次ぎ、警察の手腕が世間に問われる中2026年6月1日を迎えました──』

 

 

 

『─緊急地震速報です!強い揺れに警戒してください!』

 

 

...我々は望む、七つの嘆きを。

 

 

『速報をお伝えします!10m級の大津波が全世界の太平洋沿岸部を襲っています!現在大津波警報が発令され、日本へは1時間程度で到達すると見込まれ──』

 

 

...我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

 

『被害は拡大し続け、国内では死者4万2546人、行方不明者11万7194人、負傷者は30万人を超えるとみられています。また大規模な異常気象が世界中で報告されていて──』

 

 

『臨時ニュースです!太平洋上に巨大な大陸のようなものが出現しました、現在内閣府による緊急記者会見が行われ、巨大複合災害との関係性について──』

 

 

 

...我々は再び踏み出した、一つの悲劇と青春、そして希望(奇跡)の物語を。

 

 

 

─私のミスでした。

 

─なんて言って、繰り返すことももうできません。

 

─私はミスをしすぎました。キヴォトスが別世界と干渉する程、ミスを積み重ねてしまいました。

 

─先生はこの記憶がなくなりますし、そもそもシャーレが作られる前からのスタートかもしれません。

 

─先生、貴方が結局正しかったみたいですね。

 

 

─ですから、先生。

 

 

『アビドスに不明な機種の戦車軍団出現 アビドス高校蹂躙』

 

 

─私が信じられる大人である貴方になら。

 

 

『何者かによる絨毯爆撃でトリニティ壊滅』

 

『ゲヘナ風紀委員会 正体不明の武装集団との交戦で半壊』

 

 

─この壊れたループの外で、また別の結果を────

 

 

『百鬼夜行 未知の艦隊によりミサイル攻撃を受け消滅』

 

『D.U.に大量破壊兵器投下、連邦生徒会全滅』

 

『掲げられる白青赤の三色旗、キヴォトス終焉か』

 

 

─だから先生、どうか─────

 

 

 

『内閣府を乗せた海上自衛隊特派部隊による発表です。』

 

『新大陸にはヒトの少女に酷似した生物や多数のロボットなどによる独自の文明が存在し、新大陸文明は自らの大陸と文明を──』

 

『─巨大学園都市"キヴォトス"と称していたとのことです。』

 

 

 

 

キヴォトスが丸ごと地球に転移した話

 

 

 

 

──2026年6月3日 深夜 東京──

 

「それではこれより内閣緊急会議を始める。」

 

「この緊急会議では海上自衛隊特派で得た各種情報とその見解について特派に同行した各大臣に述べてもらう。」

 

「それではまず外務大臣。」

 

「はい、外務省としての情報、見解を述べます。」

 

「まず"キヴォトス"との外交についてです。」

 

「"キヴォトス"は国家の要件とされる主権、領土、国民の全てを事実上保持する名目上は我が国の高校に相当する数千の"学園"により統治されています。」

 

「その中でもやはりパワーバランスと言うものがあるようで、3つの主要な学園を外務省でまとめて来ました。」

 

「1つはミレニアムサイエンススクール。この"学園"は理系で、生徒は非常に高い知能を有していると思われます。」

 

「我々が独自にミレニアムサイエンススクールの生徒複数名と接触しIQテストを実施したところ、軒並み160程度の数値を叩き出しています。」

 

ナンダト! テンサイマミレジャナイカ!

ガヤガヤガヤガヤ

 

「静粛に!今は内閣が集まる緊急会議中だ!私語を慎むように!」

 

「...外務大臣、続けてくれ。」

 

「2つ目はゲヘナ学園。この"学園"の治める自治区は治安が壊滅的に悪く、大量の不良生徒などが徘徊しているとの報告もあります。」

 

「各学園には"部活"と呼ばれる組織があり、ゲヘナ学園の"部活"には頻繁にレストランなどで爆破や襲撃を行う"美食研究会"、温泉があると考えた場所を市街地など問わずに爆破する"温泉開発部"など危険な部活が複数あります。」

 

テロリストジャナイカ!

ガヤガヤッ

 

「ゴホンッ!」

 

シーン

 

「3つ目はトリニティ総合学園。比較的自治区の治安は良く、お嬢様学校のような雰囲気が強いです。」

 

「しかし調査によると内部ではパテル、フィリウス、サンクトゥスの3派閥に別れ派閥争いを行ったり、陰湿ないじめなども日常茶飯事とのことです。」

 

「また、各学園を制御する最高位機関である連邦生徒会と呼ばれる組織も存在しているようです。」

 

「次に周辺各国と"キヴォトス"の関係です。」

 

「先日の津波により中国、ロシア、アメリカ、オーストラリアなどの太平洋岸及び軍事基地は壊滅し、"キヴォトス"との接触は行えていないようです。」

 

「我が国も例外なく甚大な被害を受けていますが、先の大震災からの努力により被害は他国よりかなり抑えられています。」

 

「そのため"キヴォトス"と接触し関係を築けているのは我々日本だけと言うことになります。」

 

「外務省はこれらのことから、"キヴォトス"との外交を我が国で独占し、我が国が唯一の窓口となるような条約を結ぶことで野心に溢れる中国やロシアなどが敵対的行動をとることを抑えられると言うことを提案致します。」

 

「ありがとう、次に財務大臣。」

 

「はい、財務省から述べさせていただきます。」

 

「"キヴォトス"には我が国と同じように企業などが存在し、金銭取引が行われています。」

 

「利用されている通貨はなんと日本円、またキヴォトスのGDPも財務省の優秀な職員たちによる推定で2兆2000億ドル、カナダなどと同程度となっています。」

 

「技術はホログラムや自立思考AIなど地球よりも一歩進んだもののようです。」

 

「また文化についても日本と似通ったものをもち、"キヴォトス"が日本と親和性が高いのは確実です。」

 

「そこで財務省としては"キヴォトス"との経済取引を我が国で独占することで深刻な円安やインフレに解決を見出すことを提案します。」

 

「次に防衛大臣。」

 

「"キヴォトス"の生徒たちは全員が当然のように重火器を携行し、戦車や攻撃ヘリなどの兵器も保有しています。」

 

「また頻繁に銃撃戦なども起こり、我々にとって脅威であるのは必至。」

 

「そのため防衛省は我々の軍事力を誇示し、安易に我が国の国民と財産を傷つけられないようにすることを提案します。」

 

「ありがとう、これで全員同行大臣の発言が終わった。」

 

「最後に特派部隊により撮影された特派の一部始終を抑えたビデオを再生する。」

 

カチッ

 

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