百姓スペちゃん~このニンジンあげません!! 作:牛乳大好き
ウマ娘の進路は様々だ。多くのウマ娘はトレセン学園や地方トレセン学園に進学し、そこで勉学やレースに励む。地方でのレースは勿論、中央のレースでは手当てや賞金が発生する。つまり、レースに出ればお金が貰えるのだ。お金が貰えるという事は、自由に使えるお金が増えるので娯楽に使うによし、将来の学費や活動費のために貯蓄するのもよし、はたまたトレセン学園の学費の足しにするのもよしである。
だが、残酷だが綺麗事ばかりではない。トレセン学園に折角、入学できたのは良かったのだが……思うように活躍できずトレセン学園から地方トレセンに転校したり、トレセン学園から普通の学校に転校する生徒も中には居るのだ。
全てのウマ娘が夢を掴めるのか?と言えば嘘になってしまう。綺麗事での理想ならば、レースで活躍して卒業後もスターとして活躍し続けるのが理想と言えるだろう。事実、レースで活躍することが出来たウマ娘はモデルやCM出演の仕事の依頼も舞い込んだりして、生活に困ることはない……元シリウスのエースであり、今はトゥインクルシリーズを引退しているオグリキャップの知人であるゴールドシチーはモデルの仕事をトゥインクルシリーズ現役から行っていたのだから。
「進路どうしよう!!」
「大学受験って今の内にやっといた方が良いよな?」
そしてシリウスのチゲゾー、大絶賛進路に悩む。チゲゾーも日本ダービーを勝利したりと重賞で活躍しており、知名度は高くモデルやCM出演の仕事は舞い込むかもしれない。だが、出来れば堅実な将来設計も考えものなのだ。
チゲゾーと歳の近いブライアンも関係無い話ではなく、ブライアンも未来を見据えて考えていた。
「「農業良いですよ」」
どや顔でそう告げるスペちゃんとディープくん。農業は年中無休であり、育てている作物によっては纏まった月収は入らないが、サンデー牧場のように兼業を行えば安定した牛乳の月収と作物の纏まったお金を手に入れられる。その代償として多忙と成ってしまうことも多い。
だが、消費者からの「牛乳美味しい!」「この馬鈴薯美味しいですっ!」なんて応援を受ければやる気が最大限まで高まるのだ。
「しかし、悩みどころだよな。俺達大人は子供達全員に夢を叶えて欲しいって願ってるが……」
アプリトレーナーも言う。トレセン学園の全校生徒は一部の例外を除いて寮で暮らしており、親元を離れて生活している。チームのトレーナー達は言うならば、親から子供達を預かっている立場と言え親代わりとも言える。だからこそ、ウマ娘達の未来をしっかりと考えなければ成らないのだ。
「その点、シリウスはチーム方針として農業も行ってるから、いざって時は農場でのアルバイトが出来ますからね。農業は人手不足ですし」
アキトレーナーが告げる。現在、農業は人手不足が深刻化しており、若手の農業離れが進んでいるのだ。アキトレーナーだって実家の御影牧場を継がずに、夢であったトレセンのトレーナーとなった(当初、本人はばんえいリーグのトレーナー志望だったが……今は日本史上最強馬のトレーナーと成っている)こともある。
「そうなんですか?」
ラインクラフトがスペちゃん作の牛乳プリン(材料、サンデー牧場の低温殺菌牛乳)を食べながら問う。ラインクラフトはアスケラ時代から労働力として、シリウスの農業を手伝ってはいたが、若手の農業離れの事を詳しくは知らなかったのだ。
「私達が小学生のころ、派遣切りにあった若手の人達をお父ちゃんが雇ったんですけど……」
スペちゃんは語る。かつて派遣切りにあい、職を喪った哀れな男達7人を哀れに思った親父殿は、彼等を社員として雇おうとした。だが……
「休み無しって事を告げると、全員逃げました。野菜ただ、牛乳飲み放題なのに勿体ない」
「「「逃げた!?」」」
農業は年中無休!!休みなんてない。兼業農家は酪農を行っている場合、牛の世話も有るので休みなんて有るわけがない!!牛さんの世話は絶対に必要なのだ!!
「G1を勝ったウマ娘はマシだろうな。CM出演、雑誌へのモデル出演や取材、そしてテレビ出演と仕事の幅は広がる。
だけどな、綺麗事だけじゃない。勝者が居れば敗者は現れる。レースに勝つとこが出来ない子は可哀想だが、トレセン学園を中退したり、地方トレセンや普通の学校に転校したりと様々だからな」
勝者が居れば、当然敗者も居るのだ。レースの勝者に成れるのはただ1人。中央トレセンに入学できても、一勝も出来ずに現役を終えるウマ娘だって珍しくない。一勝でも出来れば充分、上澄みだろう……重賞を勝てば更にすごい奴、そしてG1を勝てばトップレベル……む?無敗でのクラシック三冠?はい、イレギュラー通り越してドミナントです。
「レースで活躍出来なくても中央に残っていれば、今度は受験戦争だったり、就職活動だったりと……他の学校の学生と同じような戦いが始まる。
まあ、トレセン学園の生徒の多くは名門やお金持ちの生徒が多いしな」
アプリトレーナーの言う通り、実はトレセン学園の生徒達はお金持ちの生徒が多い。
名門どころで言えばマックちゃんのメジロ家、もはや財閥である。最近、ウマ娘界隈でも出てきたサトノ家、ゲーム業界でも有名である。生徒会長であるシンボリルドルフなどが所属するシンボリ一族。そして華麗なる一族などなどのお金持ちで影響力のある一族が多い。
そんな一族出身なら縁故就職するウマ娘も多いのかも知れない。だが、当然ながら一般家庭でありながらトレセン学園に通う生徒達も居るのは居るのだ。
「そういや、トレセン学園って職業体験とか無いですよね?レース以外にも活躍の場面を出すため、色んな人の講演会をしてもらうとかも良いかも!!」
スペちゃんの何気無い発言、これが後に親父殿がトレセン学園に降臨するフラグと成るのだった。
「ゴルシ、お前は将来どうするんだ?農家は大変だから覚悟がないなら辞めた方が良いぞ?俺は泣いた」
「私はハジケリストさ」
なお、ゴルシの進路希望はハジケリストである。
「野菜は食べ放題!!お肉も食べ放題!!牛乳の飲み放題!!もふもふ……こんなに良い仕事が有るなんて!!」
一方のオグリキャップ。トレセン学園卒業後は大蝦夷畜産大学に進学し、野菜とお肉食べ放題のアルバイト農業を満喫する。近々、合流予定。
次回は再びの十勝。
親父殿「なぜ、アメリカが銃社会と成ってるか知ってるか?それは野生動物から身を守るためだ。
ハーフライフルを規制するとか言ってるアホども、ヒグマは可愛いから殺すな麻酔銃を使えとか言ってるアホども、ヒグマの前に立てば全て分かるぞ」
もし、番外編を書くなら?荒川ワールド全開に成るかも
-
衝撃の英雄IN銀の匙
-
此処でのたづなさんの過去(エゾノー)
-
農業シリウスINエゾノー
-
凱旋門賞+チーズ