百姓スペちゃん~このニンジンあげません!! 作:牛乳大好き
トレセン学園には夏合宿がある。大体、7月になると夏の間……トレセン学園が経費を全負担してくれて、指定されたビーチ等で合同合宿を行うのだ。合同合宿と言えど、同じビーチで運動したり同じ宿泊施設で寝泊まりするのだが、行動は基本的に同じチーム同士で行うのだ。
「沖野くん。今年もシリウスは来なかったわね」
「だな、お花さん。多分、あの農業姉弟の実家だろうな。俺も此方に戻ってくる前、農業体験した所だと思う」
最強チーム(総合力)であるリギル、ハジケリストがいるスピカは毎年参加しており、スピカのトレーナーである沖野とリギルのトレーナーである眼鏡をかけた美女の東条花はレクリエーションでビーチバレーを行うウマ娘達を眺めている。
「てか、貴方。その時にディープインパクトに会ったならどうして声をかけなかったのよ?」
「お花さんだって知ってるだろ?ディープインパクトは見掛けの素質は一切ないんだ(史実通り)……あの時はトラクター乗ってたし、帽子を被って人息子を演じていた。分かるわけ無いだろ……」
「彼がウマでありながら、男として産まれたのはウマ娘が持つ《もう1つの記憶》が有りすぎるのも有るかも知れないわね」
「もう1つの記憶?あっ、スズカの奴がたまに言うユタカって人との思い出か!!」
因みにリギルのメンバーはブライアンが抜けた位で、あんまり変化はない。
スピカの方はゴルシ、サイレンススズカ、トウカイテイオー、ダイワスカーレット、ウオッカ、そしてオレハマッテルゼ(高松宮記念でラインクラフトに勝ちました)である。
「……ねえ、沖野くん。やっぱり農業やった方が良いのかしら?」
「お花さんらしくないな……でも、強い奴の真似はしろって昔から言うしな。でも、お花さん……農業はマジで大変だ、選別が地獄過ぎる」
常夏ビーチでの練習は強くなれるし、なにより空いた時間を用いたビーチでのリフレッシュは心に良い影響も与える。チームスピカとチームリギルのメンバーは、秋のG1に備えて合宿+海での遊びに励むのだった。
では我らが農業チームであるシリウスはどうなのかと言うと、北海道の十勝にやって来ていた。
十勝、それは北海道有数の食糧庫であり、沢山の農家さんや酪農家さんが日々……日本を飢えから救うべく戦っている。十勝は結構広く、帯広を含めた市町村から出来ている。余談だが、サンデー牧場は十勝の清水町に存在している。
「やあ、待ってたよ」
サンデー牧場の入口では、サングラスをかけ帽子を被って頭部をいつも通りに隠した親父殿が立っていた。だが、親父殿は何時もと異なり、ハーフライフルを担いでいる。
因みにハーフライフルとは銃身の半分にライフリング(弾丸がジャイロ回転するための溝)が入った初心者でも安心して使える猟銃であり、有効射程距離が短いショットガンと比べて射程も長く使いやすい。
だが、近年は政府の愚策(北海道視点)で所有に制限がかかり、自称動物愛護団体からも「クマが可哀想だから使うな」と言われる程だ。しかし、ハーフライフルやライフルが無ければクマに太刀打ち出来ない……ショットガン(散弾)ではクマは死ぬことはめちゃくちゃ少ないし(ほぼ間違いなく反撃待った無し!!)、ハンドガンでは超人でしかクマを殺せない、スラグ弾は衝撃値は超高くドアさえも粉砕できて「マスターキー(物理)」とも呼べるほど……しかし一撃で殺せなかったら此方がクマに殺される。
「「CV子安のターミネーターがおるぅぅぅ!!」」
武装した親父殿を見て、親父殿と初対面のマックちゃんとラインクラフトはツッコミを叫んでしまった。
「誰がターミネーターだ」
親父殿はサングラスを外し、ベストの胸ポケットに引っ掻けた。
「お父ちゃん、クマ出たの?」
「最近、良く出るからな……エゾシカの被害も増えてるし、クマもな。あと優秀な農業実習生がバイトで来てくれるし、念のためな」
親父殿は狩猟免許を一応、所持している。これは親父殿の生まれ故郷がアメリカという事も有るのだが……
「銃って物騒じゃ有りません?」
「ないと、此方がクマに殺されるぞ」
((いや、アンタ……ヒグマを拳で倒したじゃん))
心の声でアキトレーナーとディープがツッコミを入れるが、気にしてはいけない。
「アメリカの銃社会の訳の1つは野生動物からの自衛の為でもある。
ヒグマより強いグリズリー、巨大なヘラジカ、突進されたらほぼ死のバッファロー、そしてワニ、危険な動物がうようよいる」
アメリカの銃社会の理由の1つに、野生動物からの自衛がある。
アメリカは日本(北海道)と同じく、危険な野生動物が生息している。代表的な肉食動物としてはヒグマよりデンジャラスで巨大なグリズリー、そして池に生息していてゴルフ場や家庭プールにも現れるワニである。そんな危険な動物に素手で立ち向かうなど、自殺行為も等しく……自衛のためのライフルは必要なのだ……勿論、人に射つのはダメである。
「あの……麻酔銃じゃダメなんですか?」
チゲゾーが恐る恐る、手を上げて親父殿に質問した。テレビでは自称動物愛護団体のお陰か、ヒグマが可哀想という声が沢山出ている。
「そもそも麻酔銃は獣医+狩猟免許を持つ少数精鋭しか使えん」
「「「えぇぇぇー!?」」」
だが、麻酔銃は獣医+狩猟免許を持つ少数精鋭の一部の人しか使えず、そんなハンターはほぼ居ない。それに麻酔銃の麻酔は対象の重さなどで量が変わり、多すぎた場合は対象が死ぬし、少なすぎた場合は全く効かず……此方がヒグマに殺される。野生動物の重さなんて、見た目で正確に分かるわけがなく無理!!
それに麻酔銃の射程距離は10~15メートル、めっちゃ短い!麻酔が効く前にアドレナリン全開のヒグマに殺される確率が非常に高い!!
「罠でヒグマと戦うのはオススメしないしな……政府の役人や動物愛護団体も生身でヒグマの前にやって来たら、考えを改めるだろう」
と、その時だった。
「社長。搾乳終わりました」
1人のウマ娘がやって来た。そのウマ娘は作業着姿であり、葦毛だった。だが、そのウマ娘は余りにも有名だった。
「「オグリキャップぅぅぅぅぅう!?」」
「ども」
彼女はオグリキャップ。トレセン学園を卒業後、大蝦夷畜産大学に進学し、食品関係に関して勉強中である。
「紹介しよう!先週からウチで農業実習をしてる、畜産大のオグリだ」
「オグリキャップだ。大蝦夷畜産大学畜産学部に在籍してる。農業は良いな……規格外品の野菜は食べ放題、牛乳も飲み放題、お肉も沢山食べられる」
オグリ、農民に染まる。
ここの北海道はヒグマとどう戦ってますか?
富士先生がライフルで倒してくれます。それと親父殿。
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