百姓スペちゃん~このニンジンあげません!!   作:牛乳大好き

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牧場の朝は早いよ


サンデー牧場の1日の巻

サンデー牧場の朝は超早い。作物だけの農家さんなら、もう少しゆっくり出来るのだが酪農家の場合は牛さんの面倒を見なければならないこともあり、めちゃくちゃ早起きだ。どれぐらい早起きなのかと言うと……

 

「最低でも5時おきです」

 

5時おきである。5時に起きて、牛さんのお世話から1日が始まる。

 

「ぐー……ぐー……パクパクですわ」

 

だが、マックイーン……盛大に寝坊する。マックイーンは寝坊してしまったが、5時までに起床できたチームシリウスのメンバーはスペちゃん+ディープくんそして親父殿の指導の元で、牛さんのお世話である。

早朝の作業では牛さんの餌やりだったり、子牛の授乳を行ったり、牛舎のお掃除、そして搾乳等を行うのだ。サンデー牧場では牛さんの搾乳を1日2回行っており、搾乳された牛乳はバルククーラーと呼ばれるタンクで保存されて出荷される。

 

マックイーンは熟睡してるが、他のメンバーは牛さんのお世話である。とは言え、初めて牛さんのお世話をするラインクラフトはスペちゃんや親父殿から教えて貰いながらであるが。

 

「おじさん、こんな感じで良いですか?」

「良いぞ。なかなか筋が良いな」

 

ウイニングチケットとナリタブライアンは何度もサンデー牧場で、牛さんのお世話を行った(強制、バイト代は出る)事もあり、簡単な作業では率先して次々と行っている。

 

「所でアキトレーナーは?」

「実家」

 

因みにアキトレーナーは実家の御影牧場なので、後程合流予定。御影牧場でも牛さんの御世話があるので、早朝はそちらの手伝いを行ってから此方にやってくるのだろう。

 

「それじゃあ、俺は搾乳の方に向かうから……スペとディープはクラフトに色々と教えてくれ。そうだな、子牛のお世話とか」

「「イエスサー!!お父ちゃん!!」」

 

そして親父殿は牛さんの搾乳に向かった。因みに搾乳は農業実習生のオグリさんがアプリトレーナーと共にやっており、アプリトレーナーは早朝から叩き起こされた為に、非常に眠そうだとか。

 

 

一方のマックちゃん

 

「ふああ……昨日は移動だけで1日が終わりましたわ。あら、外が騒がしい…………てっ!?誰もいねぇぇぇ!?」

 

6時過ぎ、マックちゃん1時間寝坊で起床。そして視線を感じて外を見てみると、物凄い目力で此方を見るナリタブライアンとウイニングチケットの2人が居たのだ。

 

「チケットさん」

「行くよ、ブライアン」

 

その瞬間、ブライアンとチゲゾーはその場から超高速で消えた。

 

「へ?御二人は何処に!?」

「「農業の時間だ!!働かざる者食うべからず!!」」

 

その声が聞こえた瞬間、マックイーンは後ろを振り向く。そこには仁王立ちしているブライアンとチゲゾーが居たのだ。

そしてパジャマ姿のマックイーンは2人に首根っこを掴まれ、そのままお外に連行された。農作業の始まりである。

 

「待ってください!!私、まだ顔を洗ってませんわ!!」

「「どうせ汚れるから、後で洗えば宜しい」」

 

マックイーン、乳搾りに強制参加!!

 

 

「子供の牛さん可愛いですね!!」

 

子牛の牛舎。そこではラインクラフトはディープインパクト、そしてスペちゃんから牛さんのお世話をしながら、子牛の可愛さにメロメロに成っていた。

だが、この子牛に名前はつけてはいけないのだ。と言うのも……

 

「その牛さん、名前着けないでな?あと3日すれば肉牛の農家さんに出荷するからね」

 

スペちゃんが残酷な現実を告げる。それに対して、ラインクラフトは「えっ?」と困惑しながら子牛の頭を撫でた。そう、今……ラインクラフトと戯れて遊んでいる子牛の運命は既に決まっている。それは肉牛農家さんに出荷……つまり売られて去勢されてやがては食肉にされてしまうのだ。

 

「名前を着けると、その分辛くなるよ。農業は慈善事業じゃないから、残酷な所もあるんだ」

 

ディープインパクトが悲しそうな表情をして、そう告げる。

英雄はディープインパクト号のウマソウルを濃く受け継いだ事も有ってか、ウマソウルの記憶(前世の記憶)がより濃くある。だからこそ、強くてニューゲーム……転生したらヒトだった件のような感じだが同時に経済動物の残酷な面も夢として度々見てしまうのだ。

 

「この赤ちゃん食べるの!?」

「大きくなってからだべ。雄として産まれたホルスタイン(乳牛)は種牛に成らない限り、去勢して大きくなってからお肉に成るの」

 

乳牛ことホルスタインの雄は種牛と成らない限り、原則的に食肉用となる。雌として産まれても、初産として産まれた和牛との混血だったり、牛乳の出が悪くなるとお肉にされるケースも多い。

サンデー牧場等では、八軒達が学生時代に研究した動物福祉としてのデータを用いて……牛乳の出が悪くなっても直ぐにお肉にはせず、蹄耕法と呼ばれ牛さん等を放して土地を整える方法を使ってから動物福祉として役割を与えたりもしている……まあ、その後にお肉に成るのだが。そのお肉は引退牛肉として㈱GINSAJI で加工販売されている。

 

「えっ!?男の子は直ぐに売るとしたら、どうやって牛さん増やしてるんですか!?」

「「種牛の種買ってます」」

 

種牛の精子は売られており、乳牛が発情すると獣医さんや人工受精師を呼んで、人工受精してもらう。

種牛ことスーパーエリートさんは一回搾り取る(意味深)したあと、希薄液で埋めて小分けして液体窒素で保存。その後、必要に合わせて出荷されるのだ。初産の場合は初妊牛の負担を減らすためホルスタインより小柄な和牛が選ばれるケースもある。

 

だが、サラブレッドの場合は人工受精が禁止されており、種馬への負担が非常に激しい。強いサラブレッドの遺伝子を沢山残すためにも、強い種牡馬の種付け回数は非常に多く……ディープインパクト号等の負担は非常に多く……種付けのお陰で早死にしたのでは?と言われる名馬も居る程だ。

 

「女の子が産まれたら?」

「そのまま飼います。その場合は可愛がってますよ」

「血統書付きで、正式な名前も書類として残すんだよ?父親や母親の名前も見れば分かるしね!」

 

女の子のホルスタインが産まれたら、育てて乳牛として頑張って貰うのだ。とは言え、ホルスタインは妊娠と出産を経験しないとお乳が出ないので……そこまで育てるのは大変である。

 

「エゾノーエイトユウゴとか、エゾノーロイヤルクライシスとか、サンデーエボリューションフチコ、ジャパンメイドハナコとか」

「ウマ娘の名前に似てない!?」

 

あと、サンデー牧場で飼育されている乳牛は血統書で、名前がつけられている。

 

 

午前7時。漸く食事である。

 

「「「いただきます」」」

「ディープ先輩とスペ先輩、オグリさんの茶碗が最早……炊飯器なんですけど!!」

 

野菜、お米、お肉(特に豚肉や牛肉)、は自己栽培や物々交換で手に入れており、基本的には買わない。そのお陰か、食費は非常に安く……その上牛乳は飲み放題なのだ!!

ディープインパクト(史実では大食い)、スペシャルウィーク御存知大食い、オグリキャップ大食い、その為かこの3人のお茶碗は専用の炊飯器である。

 

午前8時。

 

「皆、練習始めるよ」

 

アキトレーナー、御影牧場の手伝いと朝食を終えて登場。ただいまより、午前中の練習が始まる。

 

「朝から……あんなに働いたのに……練習ですの!?」

 

頑張れマックイーン!!

 

「所で……犬猫が入りそうなかごの罠が有るんですけど」

「「アライグマの罠」」

 

近年、特定指定外来種であるアライグマを捕まえる罠である。アライグマを捕まえて猟師さんに手渡すと、猟師さんが窓口に持っていってお金が貰えるのだ。

アライグマは農作物を食べる害獣であり、ラスカルのモデルだからと情けをかけてはいけない。アライグマは可愛くても、とても狂暴で人間に襲いかかるケースも実際にある。

 

そして練習をサンデー牧場の敷地で頑張っていると……

 

「お前達、差し入れだ」

「旨いぞ」

 

親父殿が軽トラで寸胴鍋、焚火台、そしてお水と取れ立てのトウキビ(とうもろこし)を沢山持ってきてくれた。助手席にはオグリが乗っているが、オグリはトウキビを丸齧りで食べている。

 

「取れ立てのトウキビを湯がくと、甘味が凄いんだ。トウキビは収穫した瞬間から甘味が落ちるから、農家でしかこれは食べれないぞ」

 

オグリはそう告げ、軽トラの荷台から寸胴鍋、焚火台、トウキビ等をおろして、寸胴鍋に水を入れてトウキビを湯がく。

湯がいたトウキビをシリウスのメンバーに配り、トウキビを食べるメンバー。

 

「甘い!!」

「これ、本当にトウモロコシ!?」

 

サンデー牧場が合宿場なので、こうして差し入れも農作物が届くのだ。

 

 

午後2時。練習が終わり、昼食を食べ終えると畑のお手伝い。

 

サンデー牧場の農園は親父殿の意思で、基本的に農薬は使わない。ジャガイモシストセンチュウなどの一部を倒す際は農薬を使うが、余程ではない限り使わないので、馬鈴薯畑では良く雑草が生える。その雑草は基本的に、自分達で引っこ抜くのだが……農薬を使わないので虫は来るし、雑草も良く生える。

 

「今日も多いな~」

 

虚無顔で数多の雑草を駆逐する親父殿。しかし、スペちゃんとディープくんは心の中で毎回思う。

 

「「農薬つかえよぉぉおおお!!」」

 

スペちゃんは思う。きっと無農薬農業を経験した農家の子供は、その大変さを理解してしまい……将来的には農薬を使う農家さんに成るのでは?と。

 

午後4時

 

「皆、作業お疲れ様ね。これ、営業の帰りにご近所の農家さんと物々交換でゲットした規格外品よ?デザートに食べて」

 

スペちゃんと非常に良く似ており、サンデー牧場の経理を担当しているお母ちゃんこと、キャンペンガールが大きなゴミ袋を沢山もって現れた。そのゴミ袋には……

 

「メロンですわぁぁぁあ!?えっえっぇぇぇ!高級食材ですわよ!!」

 

高級メロンの規格外品(味は正規と全く同じ)が沢山入っていたのだ。

都内では非常に高い高級メロン、それが大量に無料で貰えた為なのか……マックイーンは驚いた。




次回……ウマ娘ばんえいダービー!!

ハネダボブサップ「どうもハネダボブサップです」←身長2メートルオーバー、体重筋肉で180キロ。

もし、番外編を書くなら?荒川ワールド全開に成るかも

  • 衝撃の英雄IN銀の匙
  • 此処でのたづなさんの過去(エゾノー)
  • 農業シリウスINエゾノー
  • 凱旋門賞+チーズ
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