百姓スペちゃん~このニンジンあげません!!   作:牛乳大好き

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if衝撃の匙は、ディープインパクトIN銀の匙なので荒川ワールド全開です。


if衝撃の匙 何処にも英雄がいない

『素晴らしいレコードタイム!!サイレンススズカ!!圧勝です!!』

 

これは正史ウマ娘と同じく、スペちゃんがティナおばさんに引き取りて育てられ、チームシリウスは存在せず、親父殿が心臓病で亡くなったお話。

 

親父殿にも、大好きな姉 スペシャルウィークにも出会う事が無かった衝撃の英雄 ディープインパクトは帽子でウマ耳を隠して家電量販店に展示販売されていた薄型テレビの中継映像を眺めていた。

 

テレビには今年度の天皇賞(秋)の事が映し出されており、サイレンススズカというウマ娘が奇跡とも呼べる逃げを披露し、圧勝した事が映し出されている。

 

(サイレンススズカか……ユタカが話してた特別な相棒だったな)

 

ディープインパクトは帽子を深く被り直し、その場を歩いて去っていった。

ディープインパクトはウマ娘がもつウマソウルの記憶……つまり、前世で競走馬だった頃の記憶が鮮明に残っている。誰からも相手にされず……素質がないと判断された幼少期、ある男に目の輝きを見出だされて買われてディープインパクトという名前を与えられたとき、そして女性調教師に弟や息子のように面倒を見てもらい……やがてレジェンドジョッキーに巡りあい伝説を共に作り上げたことを。だが、良い思い出だけではない。

 

発熱でまともに走れなかった最初の有馬記念、呼吸が難しいぐらい風邪をこじらせて薬で強行出場した凱旋門賞、世間から誹謗中傷もあった。引退してからは強い子孫を残すために、子供を何度も作ることと成った。

 

『貴方よりハーツクライさんの方が良かったわ』

『今はゴルシくんの時代よ!!』

 

あと牝馬からはモテなかった。牝馬はハーツクライやゴールドシップ号の方が良かったそうだ(事実、ディープインパクト号は牝馬からの受けは余り良くなかったそうで、ハーツクライやゴルシはモテモテだったとか)

 

(ユタカ……会いたいよ……)

 

前世?では圧倒的力を見せつけ、伝説を作り出したディープインパクト。だが、彼は世間を賑わせているトゥインクルシリーズでの意欲が無かった。前世?の記憶があり、その事もあってか参戦する意欲がないことも有るのだが、同時に性別ディープインパクト(史実の男の娘)だから難しい所もあるのだ。

それに、親父殿に拾われなかったディープは孤児院育ち。学費の工面も難しく、トレセン学園への転入や入学も難しい。

 

ただ、前世で共に戦ったレジェンドジョッキーに会いたいという思いだけが彼を動かして、ディープインパクトは何処かに去った。

 

 

 

暫くして……

 

トレセン学園で1人の少女、ラインクラフトは違和感を感じていた。

 

(可笑しい……なんで英雄が現れないの?)

 

ラインクラフト号は現役中……それもディープインパクトが伝説を作り出している真っ最中に、急性の心臓発作で亡くなった。

ラインクラフトはそのウマソウルを受け継いでいる事もあってか、ディープインパクト程ではないが前世?の記憶を持っていた。

 

若駒ステークス。英雄の伝説の始まりとなる衝撃のレース、そこにラインクラフトの記憶ではディープインパクトが衝撃の末脚を披露して世間に衝撃を与えた。だが、ディープインパクトは現れない……現れなかった。その代わりなのか……

 

『リトルココンさん!!クラシックはやはり、三冠ですか?』

『ええ、当然よ!!』

 

リトルココンだったり、ビターグラッセだったり、ラインクラフト号の記憶では居なかった筈のウマ娘がクラシックの有力候補として世間から注目を集めていた。しかし、リトルココンとビターグラッセは非常に強い……ラインクラフトでも勝てるかどうか分からない程であり、もし2人の片方がティアラ路線(牝馬クラシック路線)に来たらクラシックでも勝てるかどうか分からない。

 

(ディープインパクトは?英雄は……ユーイチさんが言ってたディープインパクトは?)

 

「強力なライバルが現れそうだな……」

 

と、隣に友人であるシーザリオがやって来た。

 

「シーザリオちゃん、ディープインパクトは何処に居るんだろう?」

「ディープインパクト?誰の事だ?」

 

しかし、シーザリオはディープインパクトの事を知らない。いや、当然だろう。ラインクラフトと違って前世?の記憶が稀薄なのだと思う。人間やウマ娘でも前世?の記憶があるのは殆どいないし、世界仰天ニュースなどで前世の記憶の事は有名となったが本当にあるのは極一握りだけなのだから。

 

「英雄だよ!!英雄!!」

「英雄?それはゼンノロブロイ先輩のことか?彼女も英雄という二つ名が有った筈だ」

 

衝撃の英雄を覚えている、いや知ってるのはラインクラフトただ1人であった。

 

 

 

 

ではその衝撃の英雄は何処にいるのだろうか?

 

ウマ娘ではなく、馬と呼ばれる生物が生きるもう1つの世界。そこに英雄は流れ着いた……ただもう一度ユタカに会いたいと願って。

 

『衝撃の英雄、日本史上最強馬ディープインパクト死去』のニュースが流れて数ヵ月後。

 

時は三月末、此処は北海道帯広にある大蝦夷農業高校……縮めてエゾノー。そこにウマ娘という人となったディープインパクトは暮らしていた。

 

「結局、ユタカに会えなかったな……ユタカは忙しいからしょうがないか」

 

エゾノーの雪道を歩くディープインパクト。此処に来てからは最初の数週間は大変だった。異世界から来たという事もあり、伝染病対策などで自衛隊の皆様の手で国立病院に検査入院……未知の伝染病とかの影響も有ったので、当然であったが……検査の結果は特に問題はなかった。だが、念のためDNA検査もされたのだが……

 

『どういう事だ?ウマ耳があり、尻尾もある……だがDNAは人間、ホモサピエンスだと!?』

『まてまてまて!?どういう事だ!?DNAはホモサピエンスだよな!?なんで数ヵ月前に亡くなったディープインパクト号と同一人物と検査結果が出るんだ!?』

 

と国もお手上げの状態となり、亡くなった筈のディープインパクト号がヒトとして戻ってきたなんて摩訶不思議な事もあり、ディープが未成年で中学生と言うことも有ってか、第一発見場所であるエゾノーで保護される事となったのだ。

 

「プイ?」

 

熊出没注意の看板の側、そこでは子牛と共に行動している眼鏡をかけた少年が立っていた。だとすると、エゾノーの新入生だろう。

 

「うわ!?ウマ耳が生えた女の子!?いや男の子なのか!?どっちだ!?てか、お前誰!?」

「僕?僕はディープインパクト」

 

これからこのエゾノーで、共に畜産農業を学び……生きることや命の有り難さを学ぶ八軒勇吾との出会いであった。

 




ゴルシ様「このゴルシ様に任せておけ!!並行世界のゴルシ様から、ディープインパクトが何処にいるのか聞いたぜ?」
ラインクラフト「何処ですか!?」
ゴルシ様「異世界」


農業スペちゃん世界での予告

ゴルシ「お前達に緊急ミッションを与える。シリウスの強さの秘密を暴くぞ!!」

次回、ミッションINゴルシ!!チームスピカが早朝からシリウスを尾行!?

やってみたい農業体験は?

  • 牛の乳搾り
  • 乗馬
  • 馬鈴薯収穫
  • 大根一通り作業
  • トマト収穫(エゾノー)
  • ウインナー作り
  • 養鶏と卵
  • 地獄のバター
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