百姓スペちゃん~このニンジンあげません!! 作:牛乳大好き
牛乳。日本人の9割は間違いなく飲んだことが有るだろう、飲み物である。その牛乳であるが、今では小学校や中学校の給食は勿論のこと、コンビニでも手軽に売られている牛乳である。しかし、皆さんは御存知だろうか?一般的なコンビニやスーパーで売られている牛乳は別であるが、農家や酪農家で味わえる牛乳は季節によって味が違うのである。
スペちゃん現役時代。
「スペの飲んでる牛乳はどこで売っているんだ?」
スペシャルウィークは現役時代。スペちゃんはトレセン学園で『チームシリウス』と呼ばれるチームに所属していた。チームシリウスはスペちゃんが加入した段階でメンバーはたった3人という少なさであり、個人個人の強さはトップレベルであるが、残念な事に数が少ない事もあってかアオハル杯等は同じく少数精鋭のチームスピカなどと組んで出場していたほどだ。
「この牛乳ですか?市販されてませんよ。市販の基準は満たしてますけど、残念ながら一般販売されてません。
これは私の両親が定期的に箱詰めして、送ってくれた物です」
スペちゃんの実家は兼業農家であり、馬鈴薯やニンジン等の作物と酪農を生業としている。兼業農家をしている所は作物がダメなら酪農、酪農がダメなら作物で賄い安定した収益を出しやすいぶん忙しい。事実、スペちゃんは家族とティナおばさんが休んでいる所を見たことがない。
都会で1人がんばるスペちゃんの為にも、親父殿とお母ちゃんは定期的に自作の牛乳と野菜を仕送りしてくれるのだ。
因みに箱詰め加工は近所(北海道基準)に住む、テンポイントというウマ娘の実家の町工場がしてくれている。
「旨いのか?」
「ブライアンさん、飲みますか?私の部屋に沢山有りますよ。あれでしたら、部室の冷蔵庫にも置きますよ」
チームシリウスのメンバーはスペちゃんを除いてあと、2人いる。1人はエリートチームであるチームリギルに所属していたが、なんだかやり方が合わずチームシリウスにやって来たナリタブライアン……因みにシリウスにやってきて三冠馬と成った。通称はブライアンorナリブー
「ああ、頼む」
「スペの実家の牛乳!?私も飲んでいいかな!?」
そしてチームシリウスのリーダーである元気一杯のウイニングチケット。涙脆く、号泣する映画を見れば秒で泣いてしまうほどの人物だ。チームシリウス初のダービーを制覇した実力者でもある。アダ名はチゲゾー。
「良いですよ。これ、お父ちゃんと弟が搾った牛乳です」
スペちゃんは紙コップに、牛乳を注いでブライアンとチゲゾーに渡した。牛乳を貰った2人はゴクリゴクリと牛乳を飲むと……その味に衝撃を受けたのか、凄く驚いた表情をした。
「うま!?」
「なにこれ!?旨すぎ!!」
「低温殺菌牛乳です。63度で30分ぐらい加熱した牛乳ですね」
牛乳は加熱殺菌しなければ売ることが出来ない。ブライアンやチゲゾーが普段飲んでいる牛乳、つまりスーパーやコンビニで販売されている牛乳の多くは超高温瞬間殺菌牛乳と呼ばれており、120度~130度ほどで1秒~3秒ほど殺菌した牛乳だ。
「美味しいでしょ?基本的に牛乳って加熱すればするほど味が落ちると言われてるんですよ。でも、生の牛乳は決まりで売れなくて、飲む場合は自己責任なんですよね」
生の牛乳は決まりで販売が出来ない。スペちゃんの実家や多くの酪農家は気をつけて牛乳を作ってくれてますが、O157のリスクは絶対にないとは言えないです。しかし、牛乳は加熱していない生の状態が美味しく……スペちゃんは勿論のこと、実家が農家の『百姓貴族』の作者である荒川先生は生で飲んでいるとか。
「あと、牛乳って牛の体調バロメーターでもありますから、私の実家じゃお父ちゃん達が毎日生で飲んで確認してます」
「体調バロメーター?」
「えっ、牛さんの体調で味変わるの!?」
「変わりますよ、季節や食べた物でも変わりますから」
牛乳は乳牛の体調や食べた物でも味が変わり、なんと匂いも変わる。例えば牛がニンニクを食べた場合は牛乳からニンニクの匂いがするのだ。
「「ニンニクの匂いの牛乳!?」」
「北海道にアイヌネギ(ギョウジャニンニク)って野草が有るんですけど、それを食べた牛さんの牛乳はニンニクの匂いがしますよ」
そして季節によっても変わるのだが、これは牛さんが水を良く飲んだり、農家さんが作物のエサを変えたりなどで変わるのだ。
例えば12月~4月。基本が寒いこともあってか、牛さんがあんまり水を飲まず……秋に収穫された芋やカボチャを与えることもあってか甘味が増して、乳成分が濃くなる。
「少し甘いな……少し芋の量を減らすか」
「えっ!?お父ちゃん、与えるエサを変えるの!?」
5月から6月。放牧が始まり、牛さんが青草などを食べるためなのか少し水っぽくなる。
「お姉ちゃん、少し薄いね」
「牛さん一杯草食べたからね……てっくさーー!!この牛さん、アイヌネギ食べたべ!!」
「てっ、本当にくさぁぁあ!?」
7月から9月。牛さんが暑さでバテることもあってか、水を沢山飲んで乳成分が薄くなる。
「この時期は一番水っぽいな。トウモロコシの飼料を増やすか」
「牛さん、沢山水飲むもんね」
そして10月から11月。過ごしやすくなり、また牛乳が濃くなってくる。
「1年通してこんな感じですね。因みに牛乳を飲んでゴロゴロする場合は、低温殺菌牛乳を試して下さい。低温殺菌牛乳だとゴロゴロしないって人も居ますよ」
牛乳は栄養も満点だが、体質で飲めない人も居るのも事実。市販の牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまうっと言う人も居るが、その人でも低温殺菌牛乳だと大丈夫っという人も居るのだ。
「そういや、トレーナーが、牛乳が飲めないって言ってたな」
「良し!!トレーナーさんにも飲んで貰おう!!」
だが、スペちゃんの実家の牛乳は美味しい。これならシリウスのトレーナーにも気に入って貰えるかもしれない。
「もしもし、お父ちゃん?さっそく顧客が1人増えるかも知れないよ」
『それでこそ、俺の娘だ。あっ、チームメイトの嬢ちゃん達はタダだから』
後日、ブライアンとチゲゾー、そしてシリウスのトレーナーの下にも牛乳が届く。ブライアンとチゲゾーはタダであったが、シリウスのトレーナーだけは代金が引かれた。
野菜嫌いを克服するにはどうすれば良いですか?
農家で分別作業して、野菜を出荷する大変さを知れば良いと思うよ(笑)
もし、番外編を書くなら?荒川ワールド全開に成るかも
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