百姓スペちゃん~このニンジンあげません!! 作:牛乳大好き
㈱GINSAJI は豚の生産から加工まで行っている。生産、屠畜、加工、販売、そして食べるまでのワンセットである。
「で、これが先日屠畜場でお肉になった御影豚だ。重さは全部で50キロかな?」
御影家の居間。そこで八軒(いつの日か御影勇吾になるかも)はオルフェーヴルの有馬記念圧勝祝いとして、大きめのダンボールをチームシリウスにプレゼントした。それは約3日前、屠畜場でお肉になった御影豚である。パック詰めされており、血抜きもされているので……ダンボールを開けてみればスーパーで売られている豚肉となんら変わりはない。
「と言っても、皆は俺が定期的に送る御影豚食べてるから知ってるか!」
御影豚は主流である養豚のシステマチックである工場のようなやり方ではなく、放牧に近い方針を取っており、歯応えが良い。しかし、栄養も豊富で食べ応え抜群なのだ。
八軒は知らないが、この御影豚のビタミンB群+タンパク質パワーでチームシリウスのメンバーは何名か、運命の壁を超えてしまった(ディープくん、くーちゃん、オルフェ)のである。恐るべし、御影豚。
「レバーは無いんっすね」
一応、これはオルフェ宛に用意された物なのでオルフェが中を確認したが……レバーが入ってなかったのだ。豚は基本的に捨てるところがなく、血まで食べられる。外国では豚の血を腸詰めしたソーセージまで売られている程だ。
「あっ、レバーは寄生虫がついてたり病気に成ってたら処分なんだ。鳥のレバーは場合によっては生で食べられるけど、豚のレバーは絶対に生で食べれないんだよ」
「昔は牛のレバーも生で食べられてましたね!お父ちゃんが言ってました!!」
豚のレバーは寄生虫が居る可能性が高く、更に病気の関係もあるので絶対に生で食べることは出来ない。
それと……そこそこセレブ家庭出身のキタちゃんが言うが、昔、牛の生レバーが流行っていたが、現在……生のレバーは馬だったり鳥だったりと限られた物でしか食べることが出来ないのだ。
「今日は折角だから、豚肉の加工をしないか?お兄さんが色々教えるぞ!」
そんな今日は㈱GINSAJI の八軒副社長(実質の社長)の全面協力で、豚肉の加工であるソーセージorウインナーを作るのである。
車で30分ぐらい移動すると、㈱GINSAJI の加工工場に到着した。此処では屠畜場でお肉になった御影豚を、ソーセージやベーコンに加工したりして、お店に運ばれるのだ。因みに道の駅、帯広競馬場、チームシリウスのメンバーが出走するレースの会場でも販売される場合がある。
「所でウインナーとソーセージの違いってなに?」
くーちゃんがふと、そう言う。スーパーやデパートの食品売場に行けば、加工されて後は焼くだけor茹でるそして温めるだけのウインナーorソーセージが売られている。だが、ソーセージもウインナーも見た目は殆ど同じだ、何が違うのだろうか?
「一緒だよ?腸……ケーシングに挽肉とかを入れたのをソーセージって言うんだ。ウインナーは正式名をウインナーソーセージって言ってね、羊の腸に詰めたものだよ」
くーちゃんの疑問に答えるように、スペちゃんが説明した。
スペちゃんとディープくんは㈱GINSAJI の始まりや、アキトレーナー達がエゾノー時代からの付き合いなので、エゾノーの先生からの教えも受けている。だから、加工食の知識も豊富なのだ。
「そして私達が美味しいソーセージを食べるために、豚さんは勿論、羊さんも犠牲に成ってます。
いただきますは文字通り、命をいただいています。だから、私達が生きているのは家畜達、そして生産者さんのお陰なんですよ」
生きるためには誰かの命を文字通りに頂く。お肉を食べるには牛、豚、鳥などの命をいただきます、野菜を食べるときは野菜の命をいただきます、だからこそ食べる前のいただきますは大事なのだ。
「「イエスマム!!気を付けます!!」」
スペちゃんの迫力に、マックちゃんとキタちゃんは敬礼したのだった。
「むっずぅぅぅぅう!!」
「誰だ、これ作ったの!?」
「およよよよ……」
「プイッップイ!!」
そしてチームシリウスはお肉の加工の大変さを身をもって知るのだった。
一方、駒場牧場
「なんで……僕達まで」
キタちゃんの学友 シュヴァルグランは姉であるヴィルシーナ、妹であるヴィブロスと共に駒場牧場に放り込まれていた。これはシュヴァルグラン達三姉妹の父親である球界の大スター 佐々木選手の意向である。
「シュヴァル。いや、ヴィルシーナとヴィブロスも良く聞け」
駒場牧場の次期オーナーであり、球界を代表する二刀流投手の駒場一郎(ファイターズ所属)は三姉妹、そして農業体験をさせられている希望者のプロ野球選手に語りながら、乳搾りを行う。
「プロ選手、そしてドリームトロフィーリーグに上がったG1ウマ娘の8割が自己破産或いは将来的に、金銭の不安を抱える!!
現役時代と同じような金銭感覚で生活してしまい、更には一般人のように働いてお金を稼ぐ……という経験が無いからだ!!」
↑マジな話です。
「てか、シュヴァルはチーム決まったのか?ヴィルシーナはアスケラで、ヴィブロスは入学前だしな」
「僕……まだチーム決まってないんだ」
「そうか、俺の幼馴染みがトレセン学園でトレーナーをしてる。紹介してやろう」
3日後……
「「「農業にウェルカム!!」」」←ディープ、スペちゃん、オルフェ、くーちゃん。しかも凄い笑顔。
「そっそんなぁぁあ!!シリウス!?」
シュヴァっち、ようこそ農民シリウスに。
次回、シュヴァっちの歓迎会……ではなく、豚肉フィーバー祭り
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