百姓スペちゃん~このニンジンあげません!! 作:牛乳大好き
ウマ娘世界
英雄が居ないこと、そしてウマソウルからの記憶のお陰で、困惑していたラインクラフトであったが、1人の人物に声をかけられた。
「おー!噂で聞いたぜ?お前もディープインパクトを覚えてるんだよな?アイツ、マジで強かったよな!!と言っても、ゴルシ様は当時産まれてなかったけど」
その人物はゴールドシップ。チームスピカ所属のハジケリストであるが……実力は超一級。宝塚記念を2連覇し、有馬記念さえも制覇した事がある超実力者。
「しかし、ビックリしたぜ。ゴルシ様はハジケリストだから例外だったけどよ、スズカ以外に前世の記憶があるヤツがいるなんてよ」
とラインクラフトを見てそう告げたゴールドシップ。その後ろでは、同じくチームスピカの主力メンバーであるサイレンススズカが隠れていた。
「そのディープインパクトに乗っていた人はユタカって人ですか?」
サイレンススズカがゴールドシップの後ろから出てきて、ラインクラフトにそう問いかける。ユタカ、その名前をラインクラフトは良く知っている、ラインクラフトのジョッキーだったユーイチという人物の幼馴染みであり、天才ジョッキーと呼ばれたレジェンド。
英雄ディープインパクトを英雄に導いた、凄腕ジョッキーである。
「はい、そうです……」
「良かった……私はユタカを守ることが出来たんだ」
サイレンススズカ……いやサイレンススズカ号は天皇賞(秋)の途中、足を骨折してしまう。だが、背中に乗せた若きレジェンドを守るため、ゆっくりと減速した。おかげでレジェンドは無事だったが、サイレンススズカ号は予後不良となり、その生涯を閉じた。
「英雄に会いたいか?アイツの場所知ってるぜ?勿論、お前達の相棒だったユーイチやユタカも居る。だが、1度向こうに渡ると簡単には戻れないぜ?」
ゴールドシップはどういう訳か、ディープインパクトが何処に居るのか知っているようだ。
「何処に居るんですか?」
「馬のゴルシ様から聞いたが、お前達がかつて生きた世界……所謂異世界だよ。心の準備が出来たら……ゴルシ様が送ってやる」
では、一方の英雄は何をしているのか?
銀の匙の世界 エゾノー
「よいしょっと、こんな感じで良いかな?」
本来なら中学校に通わなければ成らないが、ディープインパクトが普通の中学校に馴染めるのか?それと事情を知らない普通の中学生が急に異世界からやってきたディープインパクトを受け入れられるのか分からず、ディープインパクトはエゾノーでホームスクールに近い状態で義務教育を受けており、空いた時間でエゾノーの家畜のお世話や畑仕事を手伝っている。
今は放課後という事もあり、エゾノーの馬術部で部活動を行っていた。
(池江のおじちゃん達もこんなこと……僕にしてくれてたのかな?)
馬房の掃除を終えたディープインパクトは道具を片付けて、馬房を後にする。
「すーげーピカピカにしてるぞ、あの子……」
「やっぱり前世が馬だから、分かるのかな?」
馬術部の先輩達が、掃除の終えた馬房を見て唖然としていた。
「でもよ、あの子……本当に早いのか?」
「人間の陸上部の人と比べても、細いよな?中3と考えても同世代と比べてもな……」
他の部活がジョギング……体力作りをしている最中、ディープインパクトを眺めてそう告げる。
「この世界に来て良かったな……先生達は優しいし、ご飯は美味しいし、ユタカが居るし……でも」
馬に跨がり、人馬一体の動きをして練習を行う馬術部員を見ながら、英雄はぼやく。
だが、英雄のトラウマは癒えていない。
『なに……彼、普通じゃない!!』
共に走った馬には恐がられるわ。
『ディープインパクト?強すぎて面白くない。早く負ければ良いのな……どうせ八百長だろ』
心ない競馬ファンからは冷たいメッセージをネット、掲示板、などで囁かれる。
『薬で強かったじゃないか!!このドーピングが』
フランスの獣医に勧められた風邪薬を飲んで、強行出場した凱旋門賞。マトモに走れる状態では無かったが、日本中の期待を背負って走った……だけど届かなかった。そして、その風邪薬がロンシャンではドーピング扱いだった。
掌を返され、薬を使わないと勝てないヤツという心ない誹謗中傷が届いた。
「おーい、ディープくん」
引退してからは強い子孫を残すため、何百……何千と種付けを行わなければならず、身体の負担が大きくなった。人のエゴに利用され、手術を受けても種付け計画されたほどだった……
「ディープくん。聞いてる?」
その声が聞こえ、我に帰るディープインパクト。声の方を見ると、1年生の御影アキが横に立っていた。
まだこの時期は1年生は殆ど入部してないが、アキは春休みから馬術部として活躍しており、経験者という事もあってか既に馬に乗って馬術の練習を行っているのだ。
「あっ、アキねーちゃん」
「そろそろ、馬に乗ってみる?ほら、騎手の見ていた景色を見てみようよ」
ディープインパクトは此処では馬術部に所属してるという事もあり、馬に乗る権利はある。そろそろ、乗って欲しいと他の部員にも思われていたのだ。
「ディープくんさ、此処に来ても少し思い詰めていたところ有ったから、気分転換して欲しいんだよね。
伝説の名馬で、日本史上最強馬だった前世の経験から私達じゃ分からない不安とかも有ったかも知れないけど……これだけは言えるよ」
「君に勇気を与えられた、夢を与えられた、希望を与えられた人は沢山居る。これ、馬術部の先輩達で一緒に調べたディープインパクト号の応援メッセージなんだけど……」
アキはポケットから、メモ帳を取り出してディープに手渡す。そこには……
『本当にカッコいい!!大好き!!』
『有馬記念感動したよ!!正に翔んだ!!』
『誰だよ、競馬にペガサス連れてきたの……それぐらい凄かった!!』
『ありがとう。君と同じ時代に産まれて良かった』
『ディープインパクトのレースのお陰で、いじめから立ち直れました!!』
『夢と希望をありがとう!元気が湧いてきました!』
かつてのディープインパクト号へ宛てられた応援メッセージであった。
気が付けば、ディープの目から涙が出ていた。自分が駆け抜けた前世での17年は無駄じゃなかった。自分を応援してくれた人々は、批判していた人よりも遥かに多かったのだ。
「競馬は確かに人のエゴもあるでしょう……公営賭博でもあり、汚い所も有ります。
ですが、同時にスポーツであり、貴方は多くの人々に夢と希望を与えたのですよ……ディープインパクト」
そこに……釈迦如来……つまり仏陀のような男、つまりチーズ仏陀こと中島先生が現れた。中島先生は馬術部の顧問である。
「貴方はもう競走馬でも種牡馬でも有りません、1人の子供ディープインパクトです。
こらからの人生は永いです……貴方の心の傷は深いかも知れませんが、自由に走り抜けなさい」
と、チーズ仏陀が言うが、その側ではディープがいつの日かであった八軒の姿があったのだ。恐らく、見学だろう。
「あっ、あの時の遭難者プイ」
「お前はあの時の!?えっ……あの……中島先生………この子ってもしかして……」
「もしかしてなにもではなく、昨年亡くなったディープインパクト号の生まれ変わりで異世界出身だそうです。少なくとも、国はそう結論しました」
「異世界ってあんの!?」
そして翌日。
「新入生の諸君、入部おめでとう」
八軒は馬術部に入部した。
「我が部は馬のお世話が有るので、毎朝4時起きです」
馬術部は4時起きであり、4時から馬のお世話を毎日行うのだ。その結果、八軒は朝4時が確定してしまい、朝4時から馬のお世話→朝5時から当番実習というフルコンボを聞いてしまい、崩れ落ちた。
ゴルシ(馬)『よくぞ参った……ウマ娘よ』←クラウチングスタートの構え
くーちゃん「ゴルシさんに特徴が似てる、四足歩行の生き物が凄い体勢で、脳内に語りかけてきた!?」
兄上『ディープ……私はお前になりたかったのだ』
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