百姓スペちゃん~このニンジンあげません!! 作:牛乳大好き
最近、農業はハイテク化が急激に進んでいる。トラクターや様々な機械にも、今話題のAI技術や高度な電子制御が搭載されていたり、無人で稼働できたり自動操縦や遠隔操作が出来たりと進歩も著しい。
トラクター等の機械だけではない。最近では葉物野菜や一部の果肉野菜だけであるが、工場で野菜を生産出来るようになったのだ。工場で作られる野菜は土を使わず、栄養が溶け込んでいる液体で栽培するために連作障害(同じ作物を連続で同じ畑で作り続けると、土壌の栄養バランスが崩れたり、その作物を好む害虫や菌の密度が高くなる)が起きる恐れがない。しかも、光や温度を屋内でコントロールするので寄生虫や害虫を恐れずにすむし、1年間で10作以上作り続けるという高速サイクルを行うことが出来るのだ。ただし、デメリットとして発展途上であること、工場の建設費が高いこと、水や電気代などのランニングコストの負担が大きいことである。しかし、農業経験皆無で野菜を栽培できて、害虫と無縁ならメリットも充分に高いだろう。
そんなハイテク農業であるが、今日はハイテクが進んだトラクターの事をお話ししよう。
サンデーサイレンス「ハイテクが進みすぎたトラクターはいらん。自分で直せないし、壊れたら業者呼ばないとダメだからな!!」
とある農家さん「ハイテクトラクター最高!!勝手に進んでくれるし、作業効率が良い!!フルパワーだし!!楽チンだ!!」
便利な物は便利であるが、同時にデメリットも存在する。今日はそんなお話しだ。
ある日のこと。
「理事長。今すぐ、バカな考えはやめてください。確かにトレセン学園は電波は良好ですから、ハイテクトラクターは使えるでしょう。で・す・が!!初期コスト、維持費、もしもの修理代が普通のトラクターと比べて高いんです!!」
理事長ちゃん(11歳)は保護者であるトキノミノル、そして我らがサンデー牧場出身であるスペちゃんからお説教を受けていた。
理事長ちゃんは日々、農業や酪農に関しての勉強を行っている。当初は「ディープインパクトが強いのは牛乳を飲んでるからだ!!」と思って興味本位で始めたトレセン牧場であるが、始めた責任もあり……理事長ちゃんは日々農業と酪農を頑張りながら理事長の業務そして勉強も頑張っている。そんな中、理事長ちゃんはハイテクトラクターの存在を知り、値段の事を考えずに買おうとしたのだ……それも2台も!!
「ハイテクトラクターは普通のトラクターのうん倍……物によっては10倍の値段がします。
一般的なトラクターは100万~買えますが、ハイテクトラクターはなんと1000万以上します」
ハイテクトラクターはめちゃくちゃ高い。物にもよるが、だいたい……1000万以上は当たり前。GPSを用いた自動操縦や最適な進路を出してくれたりと、ハイテク機能が盛りだくさんだ。
肥料をまく時も、コンピューターが最適にして無駄なく最適に蒔いてくれるとか。まあ、作者の大伯父や知人の農家さんは誰もハイテクトラクター使ってないので、らしいですが……
「でも、物は値段なりだと言うだろう!?高い分、便利で作業も楽に成るんじゃないのか!?」
理事長ちゃんの言うことも一理有る。物も値段なりということで、ハイテクトラクターは値段が高いが……その分、トラクターと比べて作業効率が良くなるなどの便利な機能があるだろう。
「確かにそうですが、理事長ちゃんの思ってる倍以上……壊れやすいです。私の御近所の農家さんも、ハイテクトラクターを使ってましたが……」
ハイテクな分、繊細な部分もある。普通のトラクターなら知識があれば自分で修理できたり、他のトラクターから使える部品を持ってきてキメラトラクターとして、何十年も使うことが出来る。事実、大伯父の家には50年物のキメラトラクターが現役であった。
「電気柵に当たっただけで壊れて、約20万消し飛びます。しかも、修理の度に業者さんを呼ばないといけませんね」
電気柵に当たって壊れたり、壊れてしまえば自分で直せないので業者を呼ばないといけません。道の真ん中で壊れてしまえば、そのまま立ち往生なんて事もあります。
「うむ…………ハイテクがダメだったら、このハイパワートラクターはダメなのか!?」
理事長ちゃんは続いて、モンスターマシンのような大きなハイパワートラクターのカタログを出してきた。確かにこれはアナログタイプであり、大きな分マシンパワーが凄くて作業効率も良いだろう。
「「トレセン学園牧場の規模ならいりません」」
「なんでなのじゃ!?」
だが、トレセン学園の牧場と農園の規模から考えれば、手に余る物なので必要ないだろう。
「此処じゃもて余すからですね。うーん、私も現物は多摩子さん所の、ギガファームでしか見たことがないんですけど」
モンスターマシンパワーを持つハイパワートラクターは、スペちゃんの知人では稲田多摩子が経営する、ギガファームにある。だが、北海道まで行くには時間がないだろう。
「では、私がエゾノー時代に経験したモンスタートラクターの話をします」
トキノミノルは語りだす。
トキノミノルがエゾノーに居た頃、北海道某所でモンスタートラクターを購入したとある酪農家の方が居ました。
「ひゃっほー!!すげぇぇ!!なんてパワーだ!!作業効率が段違いだぜ!!」
その酪農家はモンスタートラクターの圧倒的ハイパワーで、牧草を瞬く間に刈り、あっという間にサイレージ作業を終わらせた。因みにサイレージとは、牧草を細かく切って密閉して乳酸発酵させた物であり、牛さん達のエサである。
だが、暫くして……その酪農家さんの牛さんに異変が現れた。突如として牛さん達が倒れてしまったのだ。
「なっなにが起きた!?」
調べてみると、牧草畑に落ちていた金属ワイヤーを巻き込んでしまい……圧倒的パワーで金属ワイヤーや金属ゴミも粉々に砕いてしまって牧草と混ぜ合わせてしまったのだ。そうとも知らず、その牧草から出来たサイレージを牛さんに与えてしまい、牛さんの消化器官は金属でボロボロに成ってしまったのだ。
結果、牛さんは全廃棄、サイレージも全廃棄と成ったのだ。
「今のヤツは金属探知機で分かるらしいですけど」
「らしい?」
「見たことないので」
恐るべし、ハイパワートラクター。
「今は牛さんの胃に磁石を入れてる農家さんもあるプイ」
すると、そこに何故かイギリス空軍の軍服姿のディープインパクトがやって来た。
「ディープちゃんお帰り。公務どう?」
「王子様やお姫様になりたいって思ってる人々の幻想をぶち壊すぐらい、大変プイ。あれ、分担してるって言っても合計3000件とか多忙過ぎるよ」
因みに、イギリス王族のドレスコードは軍服である。なので、ディープ王子も軍服を与えられた。
「訓練受けたけど、軍人や自衛隊さんって本当に凄いプイ」
「「「なにがあったの!?」」」
何処か遠い目をしたディープインパクト。因みにイギリス王族の男子の兵役は家業同然なので、ディープ王子はイギリスで数日間、必要最低限のドレスコード+王族家業(ミリタリー)を叩き込まれたようだ。
話がそれた。
「牛さんの胃袋に磁石!?」
「うん。サンデー牧場は入れてないプイ」
「残酷ですけど、牛さんを入れ換えた方がコストと手間が楽ですし、屠殺場で出す手間も有りますからね」
牛さんが異物(金属)を食べてしまっても大丈夫なように、牛さんの胃袋に磁石を入れている農家さんもいる。磁石を出すときは、もっと強い磁石を使って引っ張り出したり、屠殺の時に出したりしてるのだ。
「因みにGPSや電波で誘導してくれるハイテクトラクターですが、サンデー牧場やアキねーちゃんの実家では、あまり使えません。理由は携帯電話の電波が微弱だから」
「場所によったら圏外プイ」
「でも繋がるようになったんですね。私がエゾノー時代は完全圏外でしたよ」
あと、GPSトラクターの一部は圏外エリアだと使えないんだとか。なので、サンデー牧場ではほぼ使えません!!
親父殿「一応、サンデー牧場でもハイテクは使ってるぞ?トラクターじゃなくて、ロールサイレージの中にGPSを入れてる」
スペちゃん「ロールサイレージや家畜を盗む泥棒も居ますよ!」
ディープ「そんな泥棒は、種豚(重さ400キロ)の群れに放り込みます」
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