百姓スペちゃん~このニンジンあげません!!   作:牛乳大好き

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カボチャ……それは生命力EXの野菜である。


カボチャの巻

「トレーナーさん!!遅い!!遅い!!そんなんじゃ、日が暮れますよ!!」

 

ここはトレセン学園の学内農園。そこでは用務員の皆様が、食堂で使われたりイベントで販売される野菜を含めた農作物の栽培が行われている。普段は用務員さん+バイト代目当てのウマ娘やトレーナーだけが作業をしていたのだが、それは昔のはなし。

北海道十勝から我らがスペシャルウィークこと農民スペちゃんが転校してからは、チームシリウスは強制参加となり、チームシリウスのトレーナーことアプリトレーナーは慣れない畑作業で半泣きに成っていた。

 

「ちくしょーー!!カボチャの剪定が地獄過ぎる!!」

 

作業着には芋虫がへばり着き、アプリトレーナーは半泣きに成ってしまった。

先代トレーナーがオグリキャップのトゥインクルシリーズ引退を切っ掛けに、トレーナー業務を引退してシリウスのチーフトレーナーと成ったアプリトレーナー。別に農作業は嫌いではなかったし、ウイニングチケットことチゲゾーと共にバイトでニンジンの収穫などは手伝っていた。だが、世間では若い30代手前とは言え、慣れない農作業はしんどく……スペちゃんが加入してからは本格的な農業もするはめになり、全身筋肉痛だ。農業で使う筋肉……通称農筋は、スポーツやレースで使う筋肉とは別なのである。

 

ではここで、皆も食べたことがあるカボチャの恐ろしさを説明しよう。

カボチャは戦時中にもオススメされた事があるほど、めちゃくちゃ生命力が高い。サンデー牧場のカボチャは一晩で13cmも伸びたことがある。

 

「伸びすぎだべ!!」←夏休みにカボチャの記録をとっていた小学生スペちゃん。

 

しかも剪定で切ったはずの余分な蔓をそこら辺に放置すると、根をはって復活する。なので剪定した蔓は速やかにゴミ袋等に入れる必要があるだろう。

 

「こんなにも大変だとはな……」

 

ふーと綺麗な汗を流すナリタブライアン。此方はアプリトレーナーと比べて問題はなく、ちゃくちゃくと農民化が進んでいる。

 

「どの蔓切ったらよいんだよぉお!!」

 

余りの蔓の多さに、ウイニングチケットは戸惑いながらハサミで剪定を続ける。流石に初心者に鎌は持たせられない。

 

「あんまりですわー!!なんで私まで……およよよ……」

 

半泣きを通り越して、泣きそうに成っている葦毛の少女。彼女はチームシリウスの新人、メジロマックイーンである。入学早々、チームが決まらず……最近になってシリウスに入ったのは良いが、こうして農作業に強制参加である。

因みに実家は財閥であり、農作業とは無縁。既に、慣れない農作業で筋肉痛のオンパレードである。

 

「さあ、剪定ですよ剪定!!ハハハハ!!もっと持ってきなさい!!」

 

鎌を振り回し、カボチャの剪定を繰り返すダービー馬であり、ジャパンカップを征した日本総大将スペシャルウィーク。幼少期からカボチャと戦い続けたお陰か、次々とカボチャを剪定して、剪定された蔓をずだ袋に入れていく。

 

「プイプイプーイ!!プイプーイ!!瞼の裏に、カボチャの光景がやけついちゃったよ!!」

 

スペちゃんと同じく、剪定を繰り返す弟くんこと日本史上最強馬ディープインパクト(此処での戦績、無敗でのクラシック三冠、有馬記念制覇、天皇賞(春)世界記録樹立、春シニア三冠、そして凱旋門賞勝利)、風邪という最大の弱点を克服した衝撃の英雄も鎌を振り回して次々と剪定していく。

 

「サンデー牧場での農業実習を思い出すな……サンデーさんの所、農薬一切使わないから剪定は勿論、雑草の除去も大変なんだよね」

 

スペちゃんとディープと同じく、鎌を用いて剪定を行うのはエゾノー→大蝦夷畜産大学→と進路を辿ったチームシリウスの新卒サブトレーナーである御影アキである。

因みにスペちゃんからはアキさん、ディープからはアキ姉さん、他のメンバーからは御影トレーナーと呼ばれてるとか。

 

「農薬はダメなのです!?あんまりですわー!!」

「なんで手作業なんだよ!?文明の力はどうした!?」

 

マックイーンとアプリトレーナーの悲鳴が響くが、次々と剪定は進められていく。だが、終わりが見えない。

 

そんな時であった。

 

「スペシャルウィークさん、なにやってるの?」

「あっスペちゃんだ!!」

 

そこに、スペちゃんの親友である東京生まれ東京育ちのキングヘイロー、キングヘイローと同室である高知県出身のハルウララがやって来た。

 

(労働力きたぁー!!)

 

ニヤリとスペちゃんは笑みを浮かべた。キングヘイローとハルウララ、強制参加決定である。

 

「ディープくん!なにしてるの?」

 

今度はディープインパクトのクラスメート、秋華賞とNHKマイルを制覇したマイル女王 ラインクラフトがやって来た。

 

(労働力きたぁー!!)

 

やはり姉弟。考えるのは同じであった。ラインクラフト、強制参加決定である。

 

 

 

その日の夜。

 

「疲れた……」

 

アプリトレーナーは寝巻きに着替え、布団に入って眠ろうとした。だが、瞼を閉じると……瞼の裏に数多のカボチャの蔓が映し出された。

 

「うわぁぁ!?」

 

ようこそ、トレーナー。これで貴方もカボチャ剪定マイスターの仲間入りだ。




マックイーン「てか、シリウスって私以外ダービー勝ってるわよね!?このチーム、チートじゃない!?」

次回は防疫、牧場見学は許可を貰って消毒はしっかりね。さもないと全家畜処分とか普通にあるから。

もし、番外編を書くなら?荒川ワールド全開に成るかも

  • 衝撃の英雄IN銀の匙
  • 此処でのたづなさんの過去(エゾノー)
  • 農業シリウスINエゾノー
  • 凱旋門賞+チーズ
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