百姓スペちゃん~このニンジンあげません!! 作:牛乳大好き
宝塚記念。それは初夏のグランプリであり、選ばれたウマ娘が疾走する。
「マックちゃんもいつの日か、出れたら良いね」
「もっ勿論ですわ!」
当然ながらチームシリウスからも選ばれたウマ娘が出走であり、選ばれたのはスペシャルウィーク、そしてシリウスが誇る日本競馬最強のディープインパクトである。この十勝の大地が産んだ農民姉弟が勝負服を纏い、疾走するのだ。
当然ながら、チームシリウスは全員がスペちゃんとディープくんの応援に駆け付けており、最前列の観客席にはアキ、マックイーン、チゲゾー、ブライアンが存在感を出していた。む?アプリトレーナーはどうしたって?剪定病(カボチャの蔓を剪定したくなる症状、命名スペちゃん)の発作が出て1人カボチャの剪定を行っている。
「あの……アキトレーナー……ブライアン先輩、チケット先輩……1つ聞いて良いでしょうか?」
「「「えっ?なに」」」
「なんなんですの!!この服は!?」
チームシリウス御一行は全員揃って「御影豚」と書かれた黒いTシャツを着ていたのだ。
因みに、御影豚とはアキトレーナーのご実家である御影牧場の土地で飼育されている食用豚であり、アキトレーナーの恋人である八軒勇吾さんが㈱GINSAJI として加工販売を行っている豚である。種類としてはバークシャーだ。
「なにって御影豚だよ、御影豚。マックイーン、お前もこの前、御影豚のベーコン食べただろ?」
「あのベーコン、御影豚のベーコンなのですの!?」
因みに㈱GINSAJI にはサンデー牧場(というか親父殿)も投資しており、チームシリウスとサンデー牧場には定期的に御影豚のお肉が1頭分届く。
「因みにディープくんが風邪に強くなったのは、御影豚を沢山食べたからという説があるよ。豚肉ってビタミンが豊富で、風邪引きにくくなるの」
そしてアキトレーナーから話された衝撃の事実。ディープインパクト最大の弱点である、風邪を引くと弱体化する物は御影豚のお陰で綺麗にさっぱり無くなったのだ。
御影豚が誇る豊富なビタミンB群が、ディープインパクトの抵抗力を高めてしまい……その結果、無敗でクラシック三冠+無敗での凱旋門賞勝利+からの有馬2連覇の英雄が誕生した。
なお、御影豚はディープインパクトとスペちゃんの手でトレセン学園で宣伝されており、ラインクラフトは御影豚のお陰で心臓病(史実での急性心不全)を返り討ちにして短距離でも覚醒した……恐るべし御影豚。
「アキ!!なんとか間に合ったか!?レースは未だか!?」
「八軒落ち着けよ、まだ出走時間じゃないだろ」
と、そこに新たな人物が現れた。1人はアキの恋人であり、㈱GINSJI の実質的な社長である八軒勇吾、もう1人は親父殿の介入のお陰で史実と異なりエゾノーを辞めなくてすんでプロ野球選手と成った駒場一郎である。
「勇吾くんにいっちゃん。レースは未だだよ」
「良かった……間に合ったか」
『ではこれより、宝塚記念の選手入場です』
いよいよ、選手入場のお時間がやって来た。次々と選手が紹介されていき、いよいよ残りは8人。
『8番人気 ハッピーミーク、所属チームはスピカ!!』
先ずは馬場及び距離適正が全て対応のハッピーミーク。チームスピカが有るのに、スペちゃんがシリウスに入ったタイムパラドックスのお陰かスピカに入ったようだ。
『7番人気 リトルココン、所属チームはファースト!!』
風邪克服ディープインパクトの被害者1号リトルココン。相手が悪すぎた。
『6番人気 ビターグラッセ、所属チームは同じくファースト!!』
ディープインパクトの被害者2号ビターグラッセ。相手が悪すぎた、その2。
『5番人気 チームアスケラ所属!!日米オークスウマ娘!!シーザリオ!!』
ディープインパクトのクラスメートであり、アメリカから戻ってきたオークス娘 シーザリオ。どことなくスペちゃんに似ている気がする。
『4番人気 最強チームリギル所属!!怪鳥の異名を誇る帰国子女!!エルコンドルパサー!!』
最強のチームリギル所属のエルコンドルパサー。海外遠征の経験があり、海外のG1さえも制覇した女傑である。スペちゃんのクラスメート。
『3番人気 シリウス……いや!!北海道が誇る最強農民姉弟の片割れ!!スペシャルウィーク!!』
そして我らが農民であるスペちゃんの登場である!!
「皆、牛乳は飲むべ!!」
しかも「牛乳飲もう!!」と書かれた幟をもっての登場だ。幟にはサンデー牧場と御影牧場と駒場牧場そしてエゾノーのメアドが書かれており、宣伝の準備はバッチリである!!
『2番人気 チームスピカ所属!!今もっとも勢いがあるかも知れない、ハジケリスト!!ゴールドシップ!!』
「ゴルシィィィイ!!頼むぞ!!お前にぜんぶっぱしたのだから!!」
ゴールドシップが出てくると、エゾノーが誇るチーズ仏陀こと中島先生がエールを送った。
「「「中島先生!?」」」
「ディープにかけるのは安全策過ぎます。勝負師なら他を選ぶのですよ」
「いや、トゥインクルシリーズは学生だから賭け事無いですから」
『そして1番人気!!世界最強馬!!ディープインパクトォォォォオオ!!』
「プイプーイ!!」
ついにディープ、降臨!!ディープも「牛乳はプイッ!」と書かれた幟を持って現れた。当然、サンデー牧場などのメアドが書かれている。
「「「二人揃って牛乳の宣伝!?」」」
「そう言えば聞いたことがあるよ!!」
チゲゾーは話し出した。最近、日本の牛乳消費量は減ってきているのだ。牛乳消費量が減ると行政から「牛乳の消費量減ってるから減らせ」と残酷な指令が出る。そうなると、苦労してとった牛乳を捨てなくてはならないし、なんなら乳牛も処分しなくてはならない時もある。
「なのにバターを作れって消費者は言うからな。牛乳捨ててるのに無茶な事だ」
「だよな」
『宝塚記念……まもなくスタート!!』
駒場と八軒がそう告げる。牛乳は捨てられるが、バターを作れって消費者は言うのだ。年々、牛乳の価値が下がって酪農家の離農or乳牛を辞めて別の農業を行う農家が増えている。その結果、他の酪農家が頑張るしかないのに牛乳を減らせだ。
そして牛乳を出す乳牛を処分すれば今度はバターの為に、牛乳を出せと言われる。理不尽である!!
『ディープインパクト!!やっぱり出遅れた!!そしてゴールドシップはそれ以上の出遅れ!!』
「マックちゃん。バター作ってみる?バターって自分で作れるんだよ?遠心分離機で生クリームも出きるよ」
「本当ですの!?パクパク……ごほん!!アキトレーナー、教えて下さいませ!!」
バターはその気になったら自分で作れることが出きるのだ。出来れば、遠心分離機等で低温殺菌牛乳を、生クリームと脱脂乳に別ける。その別けた生クリームをペットボトルに入れて、ひたすら振る!!
それがめんどくさかったら低温殺菌牛乳をペットボトルに入れて、ひたすら振る!!これでバターの完成である。
『ディープインパクトが今、翼を広げた!!ディープインパクト先頭!!ディープインパクト先頭!!間違いなく飛んだ!間違いなく飛んだ!!』
『そしてゴルシは世紀の出遅れで最下位争いですね』
「ゴルシィィィイ!!」
中島先生の悲鳴が轟き、ディープインパクトがゴールした。
「グラス!!これ、エルはどう反応すれば良いのですか!?」
1着と2着に挟まれ、その1着と2着が堂々と牛乳の宣伝を行っている。農民に挟まれたエルコンドルパサーの運命は!?
スペちゃん「レースしたの初めでですね!!」
八軒「というか、後半はバターのお題だけど」
次回……こそバターを作る!!マックイーンの手が限界を超える!!
もし、番外編を書くなら?荒川ワールド全開に成るかも
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