ジャックが放つ剣は、私へ向けて振るわれた。けれど、その剣は、私を切り裂く事はなく、空を斬った。
今、確実に、私はやられていた。それなのに、あるのは、剣が振るわれたであろう、薄皮を斬られたような形跡だけ。でも、何で?
後ろへ振り向くと、さっきまで、赤く変化していた瞳の片方が元の黒色に戻っており、頭を抑え踠いている彼の姿があった。
「がああぁああぁぁぁああ!!」
頭を抑え、苦しみながら、彼は立ち上がり、距離を詰めてくる。さっきよりも速いが、さっきよりも更に荒々しくかつ、一直線に向かってくる。片手に握る刀を振るおうとするが、大振りで簡単に避ける事ができた。しかし、彼の振るった刀は容易に私たちのいる建物を切断していた。
なんで?まだ、意識があるの?私とそれ以外を判別できているように思うえるけど……。だとしたら、攻撃をやまないのはおかしい。やっぱり、何とかして何とかしてあの刀を鞘へ納めないと。そのためには、私への攻撃の被害が小さくなるのが鍵になる。つまり、迷わず最短ルートで突っ走る!そうすれば、背後に回って攻撃をしようとする!
目の前から姿が消え、背後に気配が現れた直後に後ろへ振り返り、防御の大勢をとらず一歩踏み込む。彼の刀は袈裟を斬る軌道を描き振るわれるが、その刀が私の体を両断することはなく、皮一枚を斬るに留まった。刀を振るった一瞬の隙で彼の腕を右手でつかみ、反対の手に持っていた鞘で何とか刀を納める。彼は、暴れるのを止め、その場に立ったまま止まっている。何とか落ち着いて周囲を見回してみるが、元あったモダンなバーのような風景は跡形もなく、瓦礫が転がっていた。息も上がったまま、彼の方を向き直ると、彼は唖然とした様子だった。
「俺がやったのか?」
ユジャン「……そうです」
暴れていた時の記憶はない?やっぱり、あの刀が影響していたとみる方がよさそう。それよりも、ジャックの精神状態の方が心配。半分事故とはいえ実際にやってしまった事実は消えない。彼なら間違いなく責任を感じてしまう。
さっきまで唖然としていた表情がすぐに戻り、私へ向けて頭を下げた。
「ユジャン。すまなかった。お前の家を滅茶苦茶にしてしまった。謝って許してもらえることではないが、どうにかしてお前の家は必ず用意するし、できる限り同じものを用意させてもらう。それに、しばらくの住処は俺の家を使ってくれ、俺は支部で寝泊まりするから」
ユジャン「いいえ、私にも否があります。それに、家の家主である課長が支部で寝泊まりするのは、気が引けますので、しばらく、同棲という事でどうでしょう?」
「え?」
さっきまで、青かった顔が「何を言ってるんだ?」といった混乱したような顔になっていた。
最終回の方向性について(エンディング)
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幸せでもいいじゃない(ハッピーエンド)
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最後まで都市らしく(バットエンド)