都市の地獄の日々   作:語部歯車

17 / 28
第15話 旋律を追う者

 

 全部隊が配置につき、旧L社の支部を取り囲む。突入部隊、総勢63名が3つの出入り口の前に待機し、合図を待っていた。突入の合図は、身に着けている通信装置から出される手はずになっている。全員いる事を確認し、通信機を起動し、マイクに向けて話す。

 

「こちら第三課、配置につきました」

 

 ジャソン『了解。合図を出すまで警戒を行いながら待機』

 

 心臓がいつもより僅かに早鐘を打ち、体温も若干高いだろう。しかし、思考は、いつも以上に冷静で、クリアだ。体もいつもよりスムーズに動いてくれている。調子が良いってやつだろうが、油断はしない。慎重に、最短、最速、最適を選び続けろ。

 

 ジャソン『3カウントで突入とする。3、2、1、突入‼』

 

 ジャソンの合図と同時に扉を蹴り飛ばし、廊下の中にいた5人を反応を許さずに斬り伏せる。

 

「2・1で散開!」

 

 二人一組を作り、散らばるように指示し、部屋をしらみつぶしに削っていく。扉を斬り、中を確認し、人がいるなら、即座に首を断って絶命させる事を繰り返す。誰がそこにいようが、関係なく。殺していく。血に染まっていた無機質な鉄の壁は、新たな血で洗われる。これを繰り返し続けた。

 やはりというべきか。想定よりもこの支部がそうとう広い。所々にある目新しい壁はおそらく、この施設が拡張された証拠だ。となれば、もともと、資料の中での、人数の想定規模よりも多いと考えた方が良いな。

 加速しながら、旧L社支部の中を進む。途中にいる奴は、通り過ぎる時に斬りながら進んでいく。エレベーターは、扉を斬り、下へそのまま落下する。

 サインを出して3階層ごとに2組突入するように指示を一番下の階までたどり着くまで続けながら降りる。俺以外は、全員他の階層の殲滅に向い、俺だけが、それに着地した。

 着地すると同時に金属音が反響する。おそらくは、エレベーターの上に降りたみたいだな。エレベーターの天井を切り、中へと入っていく。一応床も切り下にさらに階層がないか確認したが、ここが最下層のようだな。

 エレベーターの扉の先へ進む。左右に扉のようなものはなく、隠し扉と言った類いは、見当たらない。その道を進んでいく。

 一本道か、俺らとは、とことん相性が悪いな。結局、俺らは、気付かれないうちに最短最速、最高効率で標的を殺す事に特化してるからな。こうも、真っ向勝負しないといけない状況を作られるのは、正直よろしくはないな。といっても、どうしようもない以上さっさと行くしかないな。

 扉を切り中へ入る。中へ入ると同時に薬品の臭いと様々な精密機械が目に入ってきた。そんな中でも一際目を引いたのが、正面にあった人が1人すっぽり入るようなカプセルとその前に立つ異様な雰囲気をかもし出す男だった。男は、俺が来る事がわかっていたようにこちらを見て笑みを浮かべる。

 

 ?「やあ、はじめまして。ジャック君」

 

 こいつ、何で俺の名前を知っている?

 男の言葉で俺の動きが停止する。男の言葉に思考が奪われ動きが止まった俺へ更に言葉を続ける。

 

 ?「いや、タケルと言った方がいいかな?」

 

 何……で、こいつが、その名を知って。名前も知らない男の発した言葉によって思考までもが停止しかかる。もう、いい、関係ない。ただ殺そう。

 目の前にいる人間を殺すために踏み込もうとした瞬間に何かが俺にのしかかり、その場に縫い止められる。

 

 ?「動かれてしまえば、終わり。特に君みたいな速度を武器とする者なら尚更だ。なら、相手が動く一瞬を奪いそのうちに動けないようにすればいい。簡単か話だ。

 さて、先ほども言ったが、はじめまして。私は君達が殺しにきた5つの団体をまとめている者。他の名称に倣うなら、思考の渦のカハールだ。同時に旋律を追う者でもある」

 

 

最終回の方向性について(エンディング)

  • 幸せでもいいじゃない(ハッピーエンド)
  • 最後まで都市らしく(バットエンド)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。