都市の地獄の日々   作:語部歯車

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第19話 双極の炎(鉾)

 ドリー「存分に怒ってくれ。そうすれば、俺はより人間を知り、近づく事ができるからな」

 

 ?!こいつが今、発している声は、確実にバッシュの声だ。こいつ、バッシュから喉を奪ったのか!こいつ……。

 

 ドリー「まあ、ねじれに成るためには、まず、人間にならなきゃいけねえ。人間の感情、人間の肉体を持って俺は初めてねじれに成れるからな。それには、まず、俺の体に適した肉体がなきゃ……」

 

 ペチャクチャと何言ってんだ……?まあ、おかげで、全員逃げる準備ができた。後は、俺が隙を作るだけでいい。勝利条件は、この場にいる人間の撤退。今の状態じゃあこいつを殺す事はまずできない。なら、絶え間なく攻撃し続けて行動する隙を与えない!

 一気に加速し、あいつへ刀をふるい衝突すると同時にその場にいる全員へ声を発する。

 

「撤退!!」

 

 よし、全員撤退してるな。後は、俺がこいつを食い止めれば良いだけだ。

 1回目の衝突の勢いを逃がさず、ドリーの背後へ抜け、振り返る動作に合わせて更に背後へ回り俺が視界から消える瞬間に首へ向けて刀を振るう。だが、衝突音と共に俺の持つ刀が弾かれ、体勢が崩れる。

 硬い!刃が弾かれた!一旦体勢を立て直さないとやられる。

 弾かれた勢いを利用して後ろに下がると左右からドリーを挟むように2本の刀が現れ、首へ振るわれたが、衝突音がし、少し傷をつけるにとどまった。

 

 カリン「硬っいわね!あ、待たせたわねジャック。ごめんね、。攻撃する頃合いを見計らってて。とりあえず、後で謝るからこのカルシウム君を殺るよ。陣形は会議で話したとおり、さあ、ギア上げていくよ」

 

 ジャック「はい!」

 

 これで何とかこいつが動いた時の想定した状況までは、持ってこれた。とは、言ってもこいつを三人で殺せるのか?いや、今は、その事は考えるべきじょない。確実にこいつを殺すことだけ考えろ。同時に加速し、ジャソンに加勢する。

 

 ジャソン「やっと来たか!もっと早くしてくれ、俺みたいなオジサンに無理させるんじゃねえよ!」

 

 カリン「あら。だとしたら、私はオバサンかしら?」

 

 ジャソン「いやいや、待て待てそーは言ってねえだろ」

 

 カリン「冗談よ」

 

 ジャソン「マジで心臓に悪いからや……」

 

「イチャイチャするのは、勝手ですけど。今、完全に今際の際なりかねないんで集中してくださいませんかねぇ!」

 

 ドリーの周りを交代しながら毎回、違う方向、タイミングで攻撃を加え続ける。

 

 カリン「ほらほら、次はこっちだよ」

 

 ドリー「クソが!」

 

 カリンが攻撃をフェイントをして、攻撃を誘い、後ろに大きく後退し、攻撃を避け隙を作る。

 

 ジャソン「残念!こっちでした!大丈夫かよ!脳みそ足りてないんじゃないか!あ、悪い悪いお前骨だけだから脳みそも、クソもなかったな!!」

 

 背後に回ったジャソンが攻撃を行い、すぐに下がる。誰もいなくなった場所に向け、ドリーは腕を変形させ、刃状にして振るう。ドリーの振り向く動作で死角になった場所へ入り込み斬るが、傷はつくもののこれといったダメージがみられない。攻撃だけでなく、ジャソンとカリンが煽り、攻撃を誘ってもかなりギリギリだ。

 

 ドリー「もう、いい。木端微塵になって死ねー!」

 

 ドリーの周辺の地面にヒビが入り、無数の錐状の突起がある壁が現れ、ドリーを覆うのとほぼ同時、突起が射出された。周りには、逃げ場や身を隠す場所はない。つまり、ここで捌ききるしか選択の余地はない!

 まさしく、豪雨のような針による攻撃は数秒間続いた。全方位への無差別の攻撃はその1つ1つが、貫いた箇所から枝を広げるかのようにし、破裂する。食らえば、即死を回避するために刺さった箇所ごとその周りも抉ることを強制させられる。それが何百発と数が発射される。まさに、理不尽。何より、こいつを理不尽たら占めるのは、未完成であることだ。現在の強さならば、特色がいなくとも、数と状況さえそろえばこいつを殺す事ができる。しかし、それを許さないのがこいつは人間の肉体を得るほど強化される点にある。最終的には、こいつの強さは特色1人以上をいなければ、倒せなくなるだろう。(ジャック)に本当にできるのか?

 針の攻撃が止み当たりを見渡す。自身も満身創痍、当たると同時に攻撃を捌きながら、体を抉ったところから出血し、意識も朦朧としていた。その攻撃から生き延びた代償は、2人の死者と、ほぼ戦闘不可能なほど削られたフィクサーを残す結果となった。2人は、ドリーの攻撃の直前、攻撃の大勢をとっていた事が災いし、回避行動よりも先に数十発もの針が体を穿ち対処する間もなく絶命した。辺りには、もう誰のかすらわからない赤い雨が降る中で、嗤う人ではないものの声が響く。

 ドリー(それ)は、嗤いながら、俺に歩みを進める。ここまでか……。結局、俺は、最後まで仲間を殺されたのに何もなせず、黒い沈黙(かのじょ)のように最後まで戦うこともできなかった。後悔ばかりの人生だった。俺へその手が近づき、触れる直前、全身に響く声が耳に入った。

 

 ?「ジャック!まだ、辞世の句を詠むには早いよ!」

 

 声が耳に入ると同時、地をなめるような炎がドリーの手を焼いた。ドリーと俺の間に2人の人影が割り込む(さす)。2人の姿は、両手の黒い手袋からは、炎がたち、黒いスーツの上に赤を基調とし、金色の装飾が施されたコートを肩から下げている。異なる点と言えば、性別と持っている武器だろう。女性は、自身の背丈を超える大きな鉾を持ち、もう一人の男性は、合計8本もの剣を肩や腰などに収めている。

 意識が、朦朧とする中でもわかる。この2人が誰なのか。何度も声を聞き、長い時間を過ごした。セリナ!リュウジ!なんで?!

 

 セリナ「そりゃあ、息子のピンチを助けるためだ。さて、何年ぶりだこいつを振るうのは。引退してシャオに後を任せてから触ってこなかったからな。まあ、だからって息子を傷つけた奴に負けるわけには、いかねぇな!!」

 

 セリナ「リュウジ。ジャックを頼むよ」

 

 リュウジ「すぐ戻ってくるから生き残っててよ」

 

 セリナ「任せな!私を誰だと思ってるんだい!!」

 

 リュウジは、俺を持ち、その場から移動を始め、セリナは、ドリーへと向き直り……。

 

 セリナ「お待たせ、さあ、やろうか!!」

最終回の方向性について(エンディング)

  • 幸せでもいいじゃない(ハッピーエンド)
  • 最後まで都市らしく(バットエンド)
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