第22話
誰かの息切れの音と風を切る感触と共に揺られる。何があった?リュウジとセリナに助けられて……。ダメだそれ以降の記憶がない。身体も動かない。それに誰に運ばれて?
朧な意識中、何とか目を開け辺りを確認する。ユジャンの姿が最初に見え、その次に視界に入ったのは、青い火柱が上がり、火柱の方から熱風が吹き、すぐさま、空気が強烈な勢いで吹き戻る瞬間だった。
ユジャン「起きましたか課長。今は、前線から撤退中です。ねじれとは、セリナさんとリュウジさんが戦って足止めを行っています。すでに、一級フィクサー以下の任務領域に無いとし、支部長からの撤退命令も出ています」
また、俺は守られたんだな。何もできず、俺があいつの言葉で動けなかったのにも関わらず、その責任を全うすらせず、今こうして、誰かに責任を押し付けている。あまつさえ、生き残ったことに安心してしまった……。何一つ変わっていないじゃないか。あの時から、また、大切な存在の命と引き換えに生き残ってしまった。何をしているんだおれは……。またおれは……。
「わかった。できる限り早くこの場所からはなれないとな。犠牲になった奴らの命が無駄になる」
ユジャン「はい……。それじゃあ急ぎ、?!」
ユジャンに背負われていた状態から急に俺は空中に投げ出されていた。肺の中にあった空気が抜けていく。咳き込みながらユジャンの方を見る。ユジャンの右脇腹を深々と抉る腕が顔を見せる。
ユジャン「ガッ」
ドリー「君やるね。僕が後ろにいるのに気づいてすぐに彼を投げたね。お陰様で貫く場所がズレたよ」
さっきまであった肉は跡形もなく、元の骨だけの状態となっていた。さっきと違うのは、骨が発している熱気だ。ここからでも熱いと感じる。抉られた箇所は焼かれている。ユジャンの脇腹から出血が見られない。
ドリー「まあ、いいや。君は目的じゃないしさっさと行きなよ。僕はそこに転がってる彼で楽しむからさ」
ユジャンの脇腹から腕を引き抜きながらそんな事を話す。
ユジャン「ハァ、ハァ。煩い。どうせ殺すのは、変わらないでしょ」
ドリー「わかる?今のはうまくやったつもりなんだけど、うまくいかないな。まあ、いいや。
じゃあ、君の片目もらうね」
踏み込みによって加速し、ユジャンに肉薄し、そのまま反応できずにいるユジャンの右目を抉り、自分の何もない右目にはめようとするが、その前に掌でユジャンの目は、ドリーが発している熱にやられ、焼かれる。
ドリー「やっぱりだめか。ずいぶんと厄介な事をしてくれたようだ。熱が収まるまで何もできないし、振り出しか。
しょうがない。肉体を作るのは、後回しにして精神の動きを模倣できるようにさせてもらう。つまり、ジャック、君をねじれにする。ちょうど使えそうな物もあることだしな」
どうする。俺はどっちみち肉体が悲鳴をあげて逃げ切れない。俺が囮になれば、多少の時間は稼げるか? ユジャンの傷は俺以上に重症。恐らく俺が囮になった所で逃げ切るまでの時間には、到底たりない。どうすればこの場を……
ユジャン「はぁ、はぁ、っジャック課長は、逃げてください。私は、どうせこの身体だと逃げ切れません。なら、ここで囮になります」
その選択は俺がしなければいけないだろ!こいつらの先に立ち、命を預かる存在が、何故その命の選択を命を預かった者に委ねて良いだろう。つくづく、実感させられる。あの人に近づこうと足掻けば足掻くほどその距離に絶望しそうになる。
「……わかった。ユジャン、ここは頼んだ」
ユジャン「はい。先に逝ってます。なるべく遅く来てください」
「……あぁ」
ユジャンを背にして駆ける。あぁ、俺はまた、選択を他人に委ねてしまったのか。あの日、あの人のようになりたいと思い、誰よりも先に立たなければならないのに、今俺は、部下にその選択を強いてしまった。俺は、何をしてきたんだ?俺が積み重ねてきた物は、紛い物だったのか?なら、この2年間の努力は、意味はなかったのか。
そうか、俺は理想に至る努力すらできていなかったのか……
あと少しで裏路地だ。裏路地まで行けばなんとか身を
ドリー「身を隠して、とか考えてたか?ジャック?」
「は?何でおm、グッ!」
何でこいつがここに、ユジャンは?ユジャンんはどうなった?
ドリー「そんなにこいつの事が心配かよ。案視しろ、ちゃんと生きてるから。さすがに暴れられないように片腕と片足もらったけどな。待っとけよ持ってくるから」
そうか。もう、ここまでか。ユジャンを犠牲にしようとしても逃げることすらできなかった。結局何もできずに終わるんだな。何もできずに……何も、何も、ナニも、ナにもデキズ二終ワル。
視界が白ク…霧か。もう、何モウゴカナイ、動キタクナイ
投稿が遅れてすみません。語部の歯車です。テスト期間だったのと、身体を壊してしまい、創作活動ができずにいました。ここ3日ぐらいやっと体調が良くなり始め、久しぶりに物語を描かせていただきました。皆様、このような物語を読んでいただき誠にありがとうございます。心のそこから感謝申し上げます。今後とも、よろしくお願いいたします
最終回の方向性について(エンディング)
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幸せでもいいじゃない(ハッピーエンド)
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最後まで都市らしく(バットエンド)