都市の地獄の日々   作:語部歯車

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第24話 殻(檻)を超えて

第24話 殻(檻)を超えて

 あれ?私は、ジャックを庇ってそれから……?!ジャックは!?あれは、ジャック?あぁ!早く、あそこに行かなきゃ。彼が死んでしまう。早くしないと、彼が彼でなくなってしまう。早く立て!早く!ジャック!

 ねじれがジャックから目を離した瞬間、彼の前にあの刀が浮遊していた。刀は、一人でに抜かれる。

 その光景を見た瞬間ゾワリと、悪寒を感じた。息も絶えながら彼の側に行くため走る。もう方向感覚も、立っている事すらまともにでなきない中で走る。早くしないと彼がどこかに行ってしまう。そういう感覚が全身を襲う。それだけは……。

 白い霧が町になって人や町を作りすぐに淀んで彼に向かって纏わりつくようにして彼の姿豹変した。彼を縛るように霧は白い服を形成し、霧で形成された仮面は彼の顔を覆い隠すようにして仮面が彼の顔を隠し、浮遊していた。刀が彼の胸を貫く。鞘が刀の形を取り、それを掴む。

 姿がきえ、次の瞬間、彼はねじれを細切れにして、その頭を掴んでいた。ポツリと雨が降り始める。

 

ユジャン「じゃ、ジャック?」

 

 声に反応し、こちらを向く。何も写さない仮面がこちらを見る。それと目が合い、体が強張る。全身が告げる警告を振り払い、歩を進める。きっと、彼は今、絶望してる。それが何かは私には推し量る事はできない。それは、誰にもできないだろう。それでも、彼が私達の前に立とうと常に足掻いていたのを知っている。私達がこぼれ落ちないように茨の道でありながら、私達を助けてくれた。なら、今度は私が彼を助けなくては。でないと、彼に恩を返す事ができないところに消えてしまう。

 彼の前に立つ。前とは異なり何もしてこなかった。お陰で難なく彼の側に行けた。何に絶望したのか。それを知ることはできない。だからこそ、私は彼の隣に立っていたい。自分勝手な願いに過ぎないそれでも、彼にはこんなところで終わってほしくない。だから……。

 

 ユジャン「はぁ……っ、助けに来ましたよ課長」

 

 彼の胸にある刀を掴む。その瞬間、全身に想像を絶する激痛が迸る。

 

 ユジャン「ッ!」

 

 意識が飛びそうになるのを無理矢理繋ぎ止める。激痛で軋む身体を動かし、刀を彼の胸から抜く。その痛みは刀を抜こうとするほど、強烈になっていく。それと同時に彼の感じているものが流れ込んでくる。

 残りもう少しという所で腕が動き、刀身を掴み抜けないように力を加えられ順調に抜けていた刀が止まり、抜けなくなる。

 何で……!?いや、でも、どうするれば……彼のこの手は……私達を違う。繋がりを気づかせないと、彼が繋いできた事を気づかせないと……。

 

ユジャン「はぁ……はぁ……っ、なに、してるんですか課長。こんな……ところで終わっていいん……ですか?ここで終わらせてしまったら、それこそ何も残りませんよ!

 何で!私がここにいると思ってるんですか!貴方が、私達に道を示してくれたから!貴方について来たんです!それを勝手に終らせないでください!

 何もできなかった?!何も出来てなかったら私達は貴方に命を預けたりしない!今ここに私はいない!その繋がりを幻想なんて言って捨てないでください!はぁ……はぁ……」

 

 私の思っている事を全部ぶつける。彼の手の力も最初に比べると無いに等しくなる。

 

 ユジャン「それでも、堕ちて逝きたいなら、私も一緒に堕ちてあげます」

 

 その一言を言うと、彼の手が刀身から離れ、刀が彼の胸から抜ける。刀が身体を抜けると彼を纏っていた霧かま霧散し、消える。倒れる彼の身体を支える。彼の手にあった物は地面に落ちる。

 

 ジャック「……ユジャン?」

 

 ユジャン「はい。大丈夫です。私はここにいます」

 

 ジャック「あぁ……ありがとう」

 

 ジャックは、その体格に見合った子供のように私に抱きついている。かわいい……。さて、これからどうしましょうか。一旦支部に戻らないとですね。幸い、ねじれは課長が倒してくれましたし。

 浮遊感を感じ、気づいたらジャックに抱えられ空中にいた。地面を見ると白い森があった。白い森の木々が赤色へと色付いていく。何が起きたのか全く理解が追い付かない。白い森を彩る赤は、濁流となって一際目立つ一本の大樹に流れる。知っているけれど、確実に大きく異なる存在。強いて言葉にするならば格が違う。全身の細胞が生存を諦めるように動き出す。その威圧感は、赤が集まれば集まるほど強大に規模が増大している。

 下では赤色の濁流が流れる中を木々を足場にし、森の外に降りる。ジャックは、私をゆっくり下ろし、腰にかけていた刀を渡してくる。

 

「こいつを頼む。二人の片身だ」

 

 ユジャン「死ぬ気ですか?あれは完全に私達が対処できる範囲を超えています。戦闘していたのだって撤退するためじゃないですか!」

 

 刀を渡そうする彼に精一杯叫ぶ。逃げる為に皆を犠牲にして、セリナさんだってジャックに生きて欲しいから……なのに何で?!

 

「……そうだな。今ここで逃げたら俺は、前の俺と変わらなくなっちう。それにあれは逃げた所で意味ない。あれはずっと俺の事を見てる」

 

 そん……な。じゃあ、どうすれば……

 

「大丈夫。ちゃんと戻ってくる。その刀とりにな……だから、こいつは任せた」

 

 小さな手が私の頭を撫でる。小さいけれど、優しく、てそれでいて私を安心感をくれる手。手が私から離れ、こんな状況なのに私に笑顔を向けて駆けていく。

 

「行ってくる」

 

 ユジャン「いってらっしゃい」

最終回の方向性について(エンディング)

  • 幸せでもいいじゃない(ハッピーエンド)
  • 最後まで都市らしく(バットエンド)
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