魔法"少女"から戻れないんですけど?   作:饅頭

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I月
魔法"少女"から戻れないんですけど?


 

当たり前って言うのは、誰しもが分かった気でいる大切でかけがえのない物だって誰かが言ってた。

 

そんな事を僕は、月から降ってくる兎を見て思い出した。

 

 

 

 


 

今日は五月四日。朝、目を覚ましてすぐお腹が鳴った。冷蔵庫の中には何も無かったので、カップ麺にお湯を入れて三分待つ。その間、暇だったから太陽を浴びる事にした。確か太陽を浴びると、幸せな奴が出るらしい。

 

だけど、僕の予想に反して太陽は出ていなかった。いや、太陽はうっすらと顔を出して、それを塞ぐ様に月が出ていた。

 

金環日食って奴かぁ。って思いながら少しがっかりしていると、上から何かが落ちてくるのが見えた。次第に数はどんどん多くなって言った。その中の一つが近くに落ちたので、カップ麺を食べたら行こうと思う。

 

食事後、謎の落下物を求めて散歩に出かけた。最悪、食後の運動でも良いなと思いながらそこら辺をうろうろしていると、声が聞こえたのでそっちの方へと行ってみると。

 

『何だよ、何で早まってるんだよ明日ダロォ?フライングしてんじゃネェヨ!まだ魔法少女もイタイタイ……タンマタンマ!』

 

三匹の兎がクッションに動物の耳が生えた様な生物を虐めていた。

 

『ちょっと待って!話そう?な?話せば分かるって。お前らこっち来て何秒目?オレ?俺はね、三分前ぐらいに来た。どうせお前らこっち来て数秒だろ?分かる?先輩なの俺。先輩には先輩に対する口の聞き方あるだろ。なぁ』

 

なんか何と無くだけど、虐められるのに納得してしまった。あーいうタイプアレだよね。分かるよ兎達。でもね、暴力はダメだと思うんだ。

 

「ア、アンナトコロ二キョダイナウサギサンガイルゾ〜!ヤバーイコワァイ」

 

兎達に聞こえる様にそう言うと、蜘蛛の子を散らす様に去って行った。残ったのは汚れたクッションの様なへんなのだけ。

 

『助かった……。ってもしかしてアンタ。俺が見えるノカ?』

 

「え、もしかしてオカルトとかスピチュアル的な存在?霊と宗教は信じないって決めてるんだけど」

 

『オカ……スピ?良く分かんねえけど、俺が見えるのならちょうど良い。頼む、時間がねえんだ。手短に言うとだな』

 

「うん」

 

『このままじゃ世界は滅亡するンダ。あのウサちゃん達によってな』

 

「へぇ、え?」

 

『って事でこれにサインを』

 

「え、何これ」

 

『魔法少女契約書だ。名前とハンコ、無いならシャチハタ。母印でも良い』

 

「魔法少女。ちょっと待って、もうちょっと詳しく話してよ。君は誰?あの兎達は何者?魔法少女って僕には出来ないよ」

 

『……はぁ。しょうがねえな。月は……まだ大丈夫カ。まず、俺はそうだな。お前ら人間より上位の存在だ。だが、お前らに敵意は無い。だから安心しろ。で、敵意があるのはあのウサギちゃん達みたいな奴だな。アイツらは月の侵略者だ』

 

「侵略者?」

 

『あぁ。って言っても、この世界を自分のものにしようとしてる奴に操られて来てるだけでコマで黒幕は裏にいるけどな。まあ、そこは今回どうにか出来たらの話だ』

 

理解が難しい。そんなアニメや漫画みたいな話信じられない。そんな事を言ってその場を言って、その場を去りたかったけど、目の前の光景が否定する。月から兎がどんどん落ちていく。

 

「あの兎はあのままほっといておいて大丈夫なの?」

 

『まあ、今のところはだな。多分アイツらは一番下っ端でその上がいる筈なんだが、出てくる様子が無さそうだ。ソイツが出て来たら焦らなきゃ……おいどうした?』

 

「あっソ、ソイツの見た目ってどんなのか分かる?」

 

『ああ、大体下っ端より大きかったり力が強い。まあ多いのは、見た目が変わるケースだな。他にもいるが。町の一般人じゃ全員集まっても瞬殺だな』

 

「ちなみに君だと?」

 

『勿論瞬殺だよ、結果は見なくても分かるから俺は逃げ……ピチャ?』

 

「後ろ」

 

巨大なリアル兎が上位クッションに涎を垂らした。僕の声で振り向くと、巨大兎と目が合った。

 

『ダァァァァァ!?』

 

「危ない!」

 

喰われそうになった所を慌てて掴んで巨大兎から離し、ラグビーボールの様に抱え運ぶ。何処行けば良いんだ?

 

『なぁ、契約してくれ。今ならすげーパワーが手に入るし、スキマ時間でサクサクッと戦ってくれれば良いから。残業代と保険も入れるし、今なら何でも夢が叶うドリームスタンプカードも付ける。先着三名様だけだぞ〜』

 

そう言って、カードをちらつかせる。幸い、図体がデカいせいで足が遅いとは言え。いつまでも走ってられない。なら、やるしか無い。

 

「分かった。契約書を」

 

『オシッ、名前を言ってくれ。記憶するから』

 

「只野利呂」

 

『ただの、りろ。よし手借りるぞ』

 

突然手を掴まれて驚いていると、突然噛まれた。

 

「イタッ」

 

『これでヨシッ!契約完了だ。これからよろしくなリロ!』

 

明るくそう言うクッションを地べたに投げる。ムカつくわ。

 

『イッテェ。何すんだよ!まあ、良いや変身してくれ』

 

「え?どうやって」

 

疑問に思っていると、脳みそに直接声が流れ込んでくる。

 

《こんにちは、魔法少女音声自動サービスです。契約者のタダノ リロ様で間違い無いでしょうか?》

 

「はい」

 

《今回は変身の御利用で宜しかったでしょうか》

 

「はい、出来るだけ早めで」

 

《畏まりました。緊急変身ですね、最短の変身を約束致します。代金はマシュマロ・ビーズクッション様宛で宜しいでしょうか?》

 

「え、あっはい。その人で」

 

そして僕は変身して白髪ロングの美少女魔法少女となり、可愛いメルヘンな魔法(にゃんにゃんファンタジーパレード)とか言う変な魔法で巨大猫を呼び出し。ねこパンチで巨大ウサギを吹っ飛ばし勝利した。

 

そんな感じで僕の初戦闘は終わった。と思ったんだけど、これはⅠの月のボス侵略者らしく、全部でⅫあるらしい。どうやら、僕の魔法少女活動は長引きそうだ。

 

因みに何故か魔法少女状態から戻れない。何で?

 

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