魔法"少女"から戻れないんですけど? 作:饅頭
『魔法少女フォームから解除されないって?そんな馬鹿な。うーん、もしかして……緊急変身した?』
そこらへんの兎達を魔法で倒した後、戻ろうと思ってもうんともすんとも言わなかった。
「した。だって危なかったし」
『あー……。なるほどぉそっか。そうかぁ……あのね、落ち着いて聞いて欲しいんだけど。緊急変身をすると、契約が終わるまで変身解除を出来ないんだ。で、今回の契約解除がⅫの月の侵略者を倒すまでにしたんだ。アイツらは月一で来るから』
「後、十一ヶ月はこの状態って事?」
ええ……全然スキマ時間にサクッとじゃない。日常にガッツリと干渉してるよ。
『まあね。でもまぁ、良いじゃん。男ならまだしもリロは女の子だからその格好良く似合ってるよ』
僕の方を見てクッションはそう言うけど、全く嬉しく無い。何故なら。
「いや、男だよ」
何を言ってるんだこのクッションは。
『いやいや、何言ってんの?男?いや、男が魔法少女になれる訳ないじゃん』
「なれちゃってるんだけど」
『……まあ、良いか。良いや、バレなきゃセーフ。あ、後倒せないと契約失敗になるから頑張ろうね』
え、失敗って男に戻れなくなるって事?そう思って咄嗟に僕は股間に手をやり、空をきった。そうだった。僕は今女なんだ。
『それから……』
「まだなんかあるの?」
『ごめん、魔法少女は後四人必要だったんだった。そう言う
「そう言えばさ」
話を聞いている時にふと思ったことがある。魔法少女の素質の話だ。
「魔法少女って誰でもなれるの?」
『いや、そう簡単にホイホイなれネエヨ。適性があるか。そして魔力を認識して身体に馴染みやすくなる中学生から高校生ぐらいの女が魔法少女になれる筈なんだがナァ』
そう言って僕の方に視線を向ける。そんな事言われてもどうしようもないし、どうすれば良いか分からない。取り敢えず元の身体に戻りたいかどうかは別にして、戻った方が良いのは確かな気がする。でも戻ったら仕事か。嫌だなぁ。
貯金は少しあるし、節約すれば一年ぐらいは何とか過ごせる……かな。いや、クッションの話によると仲間に魔力を渡して減ったら解けるらしいからそっちにするか。
「適性ってどんなの?どうやって分かるの?」
『簡単だ。魔力を持った存在が認識出来るか出来ないか』
……ふーむ。あっ僕が魔法少女になれたのはクッションが見えたからか。成程。でも、この広い日本の中で四人探すのは大変だな。街中で彷徨いて反応を見るか?このドレスみたいな服で街中歩いていたら目立つだろう。必ず顔か行動に出る筈だ。きっと。僕だったら二度見する。
取り敢えず、街中に出向こうと思う。目指すは、人が一杯いる場所。渋谷とかいそうだなぁ。