魔法"少女"から戻れないんですけど?   作:饅頭

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僕と自分と君の伝言板

 

「はい、こっちを向いて!」

 

そう行って向けられるカメラにぎこちなく笑う。それを見て困った顔をするカメラマン。参ったなぁ。

 

「もうちょっと緊張ほぐせないかしら。ありのままで良いのよ、さくらちゃんの素のままで」

 

そうは言われてもと思うけど、仕方が無い。明るく元気良く、返事だけはしてもう一度撮影をする。

 

 

今、私は染井由乃(ソメイヨシノ)と言う名前で、このスタジオのモデルをやらせて貰っている。名前の由来は、この全体的に淡いピンク色の髪の毛と襟足が濃いピンク色になっているのがソメイヨシノぽかったから。後ギリギリバレなさそうだし。それに……。

 

前言った通り、女子中学生と高校生に影響のある人物になれば良いことに気付いた私はファッションモデルをやっているのだけど、表紙になるのは簡単じゃなさそうだ。まあ、こっちは地道にやろうと思う。

 

と言うか気付いてしまった。これじゃあ効率が悪すぎる。だって何せ、この広い島国からたった四人を探さなきゃいけない。一人と一匹でだ。そんなの一年じゃギリギリだ。それに侵略者も倒さなきゃならないとなると大変だ。

 

じゃあどうすれば良いのか。健康の為、野菜スティックを齧りながら僕は考えた。寝る時間も削って、九時には寝る様にした。それで思いついたのが魔法でクローンを作る事だった。

 

人手が足りないなら増やせば良いじゃないと言うマリーアントアネットの教えの元、僕はクローンを何体か作った。その中の一人が染井由乃だ。因みにソメイヨシノは自然なものでは無く、栽培品種のクローンらしいからこの名前にしたって言うのがある。と言うかクローンを作ろうと思ったのもこれがきっかけだ。まあ、ネットで調べたから合ってるか分からないけど。

 

後の僕達は学校へ行っている。全部の僕と視界と記憶は共有出来る。最初めんどくさがって、一斉に繋げると頭が痛くなるから辞めた。精々、一人。頑張って二人かな。自分が自分で無くなる感じがした。

 

で、本体の僕も渋々学校へ行っている。そこでの僕の名前は大島桜だ。そして隣の金髪ハーフの美少女留学生はエト・シーガン。上位クッションが『記録書かなきゃいけないから付いていく』と言って、突然その姿になった。気軽にTSしないで欲しい、なんて僕が言うのは間違ってる気がしたので言わない。性別が男なのかもどうかも分からないし。人より高位な生物だから性別なんて無いのかも。

 

そんな感じで、僕らは学校を探索して彷徨っていた。全国に散らばっている僕達は、少しの魔力を纏っている。クッション曰く、『見える人が見れば分かる程度』らしい。

 

魔法少女かどうかは判別出来る筈だし、待つしか無いか。僕とクローン達とクッションだけで作ったグループメッセージ《僕と自分と君の伝言板》を眺めながらそう思った。

 

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