魔法"少女"から戻れないんですけど? 作:饅頭
「グ、リ、コ!」
階段を三つ上がり、もう一度じゃんけんをする。
『よし、勝った。えっと、チョコレイトっと!悪いなリロ俺の勝ちだ!』
六段上がり、階段の広場でそう言うエトに僕は反論した。
「もう一回」
『ええ……またかよ。もう何回目だよ。今度は別の遊びにしようぜ。ってか遊んでて良いのかよ。もっと他にやる事あるダロ』
そう言われても仕方が無い。この学校に転校してから三日ちょっと経った。が全く進展は無いし、この生活に慣れる気はしない。身体は軽いけど、ぴらぴらのスカートは違和感しか無い。
動きやすいけどさ。後今の僕は大島桜だ。因みに制服は魔法で制服に見せているだけで実際はふりふりドレスでグリコをやってる変なおっさんだ。
見上げると、丁度エトのスカートの中身が見えそうになっていたので負けを認めて隣に座った。別に僕もただサボって遊んでる訳じゃない。眠気覚ましの為にグリコゲームが良いなとおもって童心に帰ってやってみただけだ。
今の子はきっとやらないんだろうなぁと思っていると、ピロン♪と着信音が広場内に響く。
『伝言板か』
「だね、なんか見つけたのかな」
僕らはそう話しながら、各々スマホを開く。この三日間皆報告をしてくれるが、手がかりは全くと言って良いほどゼロだ。手に入った情報はお土産や観光地にご当地グルメ。こっちは旅の情報誌を作る訳じゃない。魔法少女を探しているんだ。
どうせ、今回も大した内容じゃないんだろうなと期待せずに開くと、染井由乃からだった。内容は一言。
『言う解って何だ?リ、桜は知ってるか?』
いや分からない。方言じゃないだろうし、ただの誤字だろうけど気になる。言うかい、いうかい。誤字だとしたらいうかいじゃない可能性があるか。言う……いうって発音はゆうだよな。ゆうだったらゆうかい?誘拐?なんてそんな訳ないか。漫画じゃアニメじゃないし、僕だってそれは踏まえているつもりだ。
『お?なんか送られて来た。何だこれ?すげえ勢いで動いてる』
スマホをもう一度見てみると、また染井由乃からで現在地の情報だった。常に更新されており、どんどん動いていく。そしてそのスピードは速い。
『helpだってよ、どうする?』
そんなの決まってる。
「他人事じゃなくて自分の事なんだから助けるしかないよ」
こうして、僕達は染井由乃の所まで向かう事にした。でも距離がかなり離れている。どれぐらいかと言ったら県外だ。歩きじゃ無理だし、一刻を争うかもしれないからタクシーに乗って渋滞に巻き込まれたら終わりだ。電車でも時間がかかるとなると…….
僕とエトはぴょんぴょんバネリストと言う魔法を使い飛び跳ねて、目的地まで向かった。
因みにその日のSNSのトレンドは#空飛ぶおパンツだった。日本は今日も平和である。