ふたりはプリキュア!! LEPUS☆GALAXY's   作:きゅー。

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「創造」です。ちょっとオルFのことにも触れてます


そうぞう

 

ビルとビルの狭間に吹き荒れていた爆風や、舞い上がった土煙が、次第に止んでいく。

先程まで、巨大な足が建物を踏み潰す轟音が響いていたのが嘘だったかのように、辺りはしん、と静まりかえっていた。

 

シュプリームとプーカが連携して放った大技、『プリキュア・スペリオ=ルミエール』は、見事ボラドスの浄化に成功。

2人の持つ、"創造の力"と"破壊の力"を交差させて生み出されし、凄まじいほどの威力を誇る光の奔流。

それをしかと受けたボラドスの身体は既に消え失せていた────

いや、この場合は『あるべき姿』へと戻された、という見方のほうが正しいかもしれない。

 

よく見ると、ボラドスがいた場所からは、ばち、ばちと微弱にスパークを起こしながら飛散してゆく、碧色の光の粒があった。

その光の粒は風に乗るように、ふわりと街を吹き抜けていく。

そうすると、道端の枯れていた花や樹木に緑が戻り、再び活力を取り戻していった。まるで、時間そのものを巻き戻しているかのように。

 

樹木の如き、巨大生物ボラドス…その正体は、"星喰い"の邪なるエネルギーによって歪んだ型で現出した、地球のエレメントの1つ、「木のエレメント」そのものだったのである。

 

***

 

シュプリームとプーカの2人はいま、ボラドスの手による倒壊を免れたビルの屋上に降り立っていた。

そこは周辺の建造物より少し高さがあり、ある程度まで街全体を俯瞰して見る事ができた。

 

────そこから見た街の被害は、凄惨極まりないものであった。

 

ボラドスの攻撃を受けた建造物は、全て崩れた瓦礫へと変わっている。

綺麗に整地されていたはずのアスファルトには、地割れの如く大きな亀裂が入り、今にも裂けてしまいそうだった。

倒壊した家々が、限界を留めないほどにぐしゃりと潰れている。

 

何かが燃え落ち、焦げついたような臭いが、辺りに充満していた。

あちこちで火災が発生しているようで、火の手や煙が上がっている。

遠く、重く響くような非常サイレンが、辺りにこだましていた。

 

「ひどい、プカ…ちょっとの時間でここまで街を壊すなんて…」

 

プーカは胸元にやった手を、ただ握りしめている。

その声がかすかに震えている事に、シュプリームは気づいた。

 

プーカはひとの痛みをよく理解できる。

それゆえに、不条理や理不尽に襲われた人々の悲しみについて、自ら想像する事ができた。

それが自分に足りなくて、プーカにはあるものなのかもしれない…そうシュプリームは感じている。

その心自体が、プーカのチカラの源であり、同時にプリキュアたり得る素質なのだろう。

だったら。

僕が『誰かを助けるための』プリキュアだとするならば、このチカラでいったい何ができるのだろうか────?

 

シュプリームは少し瞑目してから、プーカに語りかけた。

 

「元に戻すんだ、ぜんぶ…僕の力は、その為にある」

「元に戻す…って、まさか」

「ああ、君にだけ力は使わせない、僕も力を使う……"創造の力"をね」

 

"創造の力"…それはシュプリームが持ち合わせていた、人知を超えた能力。

彼女は、かつて光の粒となって、散り散りにさせた世界そのものを再構成し、ピースを繋ぎ合わせるがごとく、自らの実験場としたことがあった。

 

その途方もない力は、"あの戦い"の後に大半が失われてしまったが、今は『キュアシュプリームの力』として、そのカケラが残されているのみ。

しかし、カケラのみでも、強大な力である事に変わりはない。

であれば、世界そのものを改変するのではなく、あくまで破壊された街を修復する為に使う…それこそが力の使い道だろうと踏んだのだ。

 

プリキュアたちが、敵対する存在との戦闘を終えたとき、周囲に及ぼされる被害は元通りに修復される事が多い…という知識は、シュプリームの記憶にも刻まれている。

しかし、ボラドスを浄化しても周囲には変化がなく、解放されたエレメントだけが戻っていくという状況だ。

ならば、自分たちが力を用いて修復を行うしか、他に手段はないように思えた。

 

「全てを元に戻せるかどうか…分からないけど、やるしかない」

「うん…ぼくも手伝うプカ」

 

シュプリームは、変身に用いたアイテム、シュプリームフォンを取り出し、中空に浮かべた。

シュプリームフォンには、シュプリームとプーカを繋げるチカラがあった。これを最大限に使う事により、2人の精神と力とをリンクさせる事ができるのだ。

淡い光を放ちながら浮遊するフォンに、シュプリームとプーカがそっと手を添える。

すると手の甲にある、ウサギのような赤い紋様が発光しだした。

 

フォンに手を添えながら、2人のプリキュアは目を閉じ、祈るように精神を統一していく。

すると、2人の胸元にある、青とピンクの宝石が共鳴するかように光りだした。

同時に、温かな雰囲気を持つオーラが、身体から溢れ出してきた。

それは徐々に変化し光の柱となって、屹立するように天に昇っていく。

 

それは、まるで街そのものを癒すかのような、荘厳かつ優しい光芒。

シュプリームとプーカのリンクによって発動する、創造の技『クレシェンテ=ヒーリング』の波動が、傷ついた薙町市全土を包み込み、覆っていくのだった──────

 

─────そしてまた、日常がはじまる。




おまけ【巨大生物図鑑】
大樹獣 ボラドス
身長:71メートル
体重:45000トン
"星喰い"の異名を持つ存在、ガリュンタイドスが各地から吸い上げた地球の「木のエレメント」が変質、邪な形として現界した巨大生物。
突如、薙町市の地面を割って出現し、市街地に甚大な被害を及ぼした。
主な武器は背中から幾重にも伸びるツル状の触手や、口から放つエレメント弾丸。
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