ふたりはプリキュア!! LEPUS☆GALAXY's   作:きゅー。

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いただき…「頂」。高い所にジャンプする感じなので、このサブタイトルにしました。


第1章:光が変える世界
いただき


「なに?……なにが起こってるの、一体…?」

 

亜希たちの目の前にはいま、信じがたい光景が広がっていた。

突如として崩壊を始めた、自分達の街。

そして姿を現した、身の丈をも遥かに超える体長を誇る、異形の巨大な生物。

そして、その生物と対峙するかのように立ち塞がった2人の少女。

 

プリキュア…と名乗った2人は、人間のそれを遥かに上回る身体能力を持っているようだった。

彼女たちは巨大生物が続けざまに繰り出す攻撃を、連続でいなしている。

その身体の強靭さも、人のそれとは比較対象にはならないようだ。

 

その生物…ボラドスのムチ状の触手から繰り出される連撃を、高高度まで跳び上がり避けると、2人のプリキュアは、すかさずエネルギーを集めた光球を2度3度と、すかさず放った。

 

弾幕、という言葉が似合うほど多くの、真っ直ぐに飛んでゆくエネルギー弾。それらすべて、ボラドスの身体に命中!

 

その瞬間、大音声の爆裂とともに、ボラドスはたじろぐ。

ムチの乱撃も止み、大きな隙が生まれた。

それを狙ったか、2人はボラドスの懐に飛び込み、パンチやキックを見舞う肉弾戦に移った。

ばしん、ばきん、と、大きく拳や足を叩きつける音が響く中、目にも止まらぬ攻撃は、なおも続いていく。

 

「プリキュア…?ホントにいたの?」

プリキュア。いつからか、久しく聞いていなかった言葉だ。

目の前に広がる、あまりに現実離れしたその光景。

亜希はまるで、自分がアニメの世界に入り込んだかのように錯覚してしまうような感覚を覚えていた。

 

一方、先程白いプリキュアに助けられた少女も、母親と再会を果たしていた。

母親に抱き上げられて、すっかり安心したのか、涙は既に引っ込んでいる。

「プリキュアー!がんばれー!」

声を張り上げながら、手に持った小さなマスコットを握りしめ、怪物と戦う2人を応援していた。

 

「おい、今のうちに行くぞ!」

誰が言ったか、避難する市民の1人が大声を張り上げる。

亜希と同様に、信じられない光景を目の当たりにして思わず止まっていた、人々の足が、続々と慌てて動き出していく。

その波に否応なく揉まれながら、亜希たちは避難場所へと赴いていくのだった。

 

***

 

縦横無尽に飛び交う、ツル状の触手による追撃は未だに止む気配がなかった。

ボラドス自身は、"スタミナ切れ"という概念すら持ち合わせていないようだ。

触手をムチのようにぶんぶんと振り回し、その勢いは減衰するどころか、徐々に強く、激しくなっていく一方であった。

光弾で1度隙を作ってからというもの、ボラドスの攻撃はいっそう、目に見えて激しさを増している。

 

触手の動きは見切ったり、避けられないほどではないスピードではあるものの、不規則に展開するそれに、シュプリームとプーカはなかなか攻撃のタイミングを掴めないままであった。

 

と、ボラドスが大きな口を開け、光弾を次々と吐き出した!

マシンガンのように連射していて、乱れ撃ち、という言葉が似つかわしいほどの攻撃だ。

 

「───っ!」

 

間一髪、それを捉えていたシュプリームとプーカはすかさず回避した。

しかし、光弾はまもなく射線上にあったアスファルトやビルに着弾。

すかさず轟音とともに爆発・炎上し、着弾の衝撃はあらゆるものを抉り、倒壊させていった。

 

その爆風や衝撃はかなりのもので、大きく空気の振動させていくのを、プーカは感じ取っていた。

 

どうやらこの相手は一筋縄で行かない様子だ。

ボラドスから距離をとる事にした2人は高く跳躍し、およそ700メートルほど離れた所に聳えるビルの屋上に着地した。

 

「プカ…っ!…このままじゃ…」

「…埒が開かないな」

 

シュプリームとプーカが作戦を立てようとする間にも、ボラドスは破壊活動を続けている。

恐らくは、プリキュアのみを特別に敵視しているわけではなく、理由もなく、本能に従い、ただ純粋に破壊を行っている、という事だろう。

このままでは、この街が焦土と瓦礫の山と変わるのも時間の問題だ。

 

「こうなったら」

プーカが口を開いた。

「"力"を使うプカ」

 

決意の表情とともにプーカの手のひらが、次第に光のオーラで包まれていくのが、シュプリームには見えた。

 

『破壊の力』。

それはかつてシュプリームがプーカに与えた、触れたものを一瞬で分解し消滅させてしまうという、強力無比なものだ。

 

これまでシュプリームと一緒にプリキュアでいる時でさえも、プーカは滅多な事では使わなかった。

それはあまりに強すぎる力ゆえに、あくまで奥の手…最終的な手段として残しているのだ。

そのチカラを、誰かを救う為に今こそ行使する時が来た。

 

「本気、みたいだね」

「ぷかっ」

 

プーカは拳をぎゅっと握りしめて、意気込んでいる。

そして、自分よりも遥かに巨大な敵に、勇気を出して挑もうと構えた。

その所作を見たシュプリームも、同時にファイティングポーズをとった。

「じゃあ、一緒にいこうか」

 

隣のパートナーにそれだけ話すと、ぷか、と短い返事が返ってきた。

それは、きっと信頼の証。

 

2人のプリキュアは共に並び立ち、咆哮をあげる巨獣を見据える。

そしてタイミングを揃えて走り出すと、天高く跳躍した。

 

戦いはまだ、終わってはいない。

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