呪術廻戦ー呪いを斬るー   作:先導

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固陋蠢愚

下水道での戦いにて七海とシェーレを追い詰めた真人。しかし、広間まで追いやられた七海とシェーレの呪力は定時の18時を過ぎたことによって膨れ上がってきた。急に呪力が上がったことに怪訝に思った真人は彼らが言った言葉を思い出す。『ここからは時間外労働』という言葉を。

 

(時間外労働?・・・!時間による縛り!さっきまでは自ら呪力を制限していたのか!)

 

時間による縛りで自ら制限していた呪力を解放した七海とシェーレに真人は好戦的に、そして子供のようなワクワクした気持ちを抑えられず、無邪気な笑みを浮かべる。

 

「おもしろい!」

 

真人は座っていた鉄柵から降り、下まで降りていく。すると、七海は自分たちの術式について真人に話す。

 

「私たちの術式は対象を線分した時、7対3の比率の点を強制的に弱点とするものです。線分するのは、全長やウィングスパンだけではありません。頭部、胴、上腕、前腕などのパーツまで対象として指定できます。そして、この術式は生物以外にも有効です」

 

(術式の開示・・・!)

 

以前シェーレが(たつみ)が言っていたように、自身の能力の開示は術式能力を強化することができる。それを開示したということは、2人は本気で真人を祓うつもりで挑むようだ。

 

「本気だね」

 

「先手は私が」

 

シェーレは先手必勝でハサミを構えて、真人に接近する。真人は向かってくるシェーレを迎えうつために両手に呪力を纏わせる。

 

「エクスタス!!」

 

ビカーーッ!!

 

「うわっ⁉眩しっ!目くらましか!」

 

シェーレの意に応えるかのように、ハサミは強烈な金属発光が放たれる。この攻撃を予想できなかった真人は強烈な光によって目を瞑ってしまう。その瞬間を見逃さなかったシェーレは呪力を帯びた足で強烈な蹴りを真人に放つ。もろにその蹴りをくらった真人は後ずさる。蹴りを放ったシェーレは真人の注目が自分に向けるように走っていく。

 

「また鬼ごっこ?」

 

目を開け、彼女が走る姿を目撃した真人はすぐに彼女を追いかけていく。本来ならば相手の目をくらませ、ハサミで真っ二つに斬ることができる。だが、シェーレはあえてこの手段を使わない。

 

(この呪霊の祓い方は現時点で考えられるのは1つ、呪霊の呪力が尽きるまでダメージを与え続ける。しかし、相手は特級呪霊。この方法はあまり現実的ではない・・・)

 

相手は魂の形を保ち、自身の身体を変形できる特級呪霊。仮に胴体を真っ二つに斬ったところで術式で元通りにされるのが目に見えている。ゆえに彼女がとるのはもう1つの方法だ。

 

(もう1つは一撃で全身を粉々にする!)

 

シェーレが向かって行く先には、壁がある。この壁の手前で立ち止まったシェーレはハサミを床の瓦礫に突き刺し、それを1つの隙間を残さずに真人に放つ。

 

「またその手段?」

 

真人は呪力が込められた拳で迫ってきた瓦礫を粉々に砕いた。

 

「いいえ、本番はここからです」

 

シェーレが口を開いたと同時に、全身に呪力を帯びた七海が接近し、高く跳躍して真人を飛び越えて、その先にある壁に狙いを定める。

 

「十劃呪法『瓦落瓦落』!!」

 

ドオオオオオオオオン!!!!

 

七海は呪力を帯びた強烈な拳を壁に叩きつけた。その瞬間、壁の至る所まで、隙間を通るように七海の呪力が走っていく。

 

(なんてパワー・・・!いや、それより・・・呪力が走った!まさか・・・)

 

大きなヒビが入った壁は粉々になり、大きな瓦礫となって真人に迫る。そして粉々になったこの瓦礫には、七海の呪力が大きく籠められている。

 

(破壊した対象に呪力を籠める拡張術式!!相打ち覚悟の広域攻撃・・・!)

 

シェーレが真人に自分を注目させていたのは、少しでもこの攻撃の足止めをするためだったのだ。このような攻撃をくらえば、ひとたまりもないだろう。

 

「これはさすがに・・・避けた方がいいかな」

 

この攻撃はさすがに危険だと思い、真人は避けようと動き出そうとするが・・・

 

ザシュッ!!ジャコンッ!!

 

逃がさないと言わんばかりに七海が鉈を振るって真人の片足をぶった切り、その直後、シェーレがハサミを開き、真人の胴体を挟んで真っ二つに両断した。

 

「ここは退けます。生きてるなら身体、早くは治した方がいいですよ」

 

「・・・お互い生きていたなら、またお会いしましょう。すいません」

 

七海とシェーレは少しでも瓦礫の衝撃から避けるためにその場から立ち去ろうとする。その間にも真人の頭上に大量の瓦礫が迫り・・・

 

ドオオオオオオオオン!!!!!

 

落ちた瓦礫の衝撃によって、下水道の広場全体に、強い衝撃が走った。

 

 

ゴゴゴゴ・・・

 

一方の河川敷。下水道の戦いの影響で地面がほんの少し揺れている。

 

「あれ?今ちょっと揺れた?」

 

「そうだね。震度2くらい?」

 

ここで順平から話をしようとここにやってきた悠仁と(たつみ)(たつみ)は事情聴取をする前に伊地知に電話をかけているのだが、出る気配がない。

 

「和倉―、伊地知さん出たー?」

 

「いや全然。まったく出ねぇ。どこまで追いかけに行ったんだ?」

 

事情聴取と言っても、伊地知がいない状況の中、素人2人がどこまで事情を聞いていいかわからないため、困り果てる悠仁と(たつみ)

 

「なー、これもう俺が聞いちゃってもいいのかなー?」

 

「いやこういうこと馬鹿正直に聞いていいもんなのか?つーか、高専のことどこまで言っていいんだよ?」

 

「うーん・・・」

 

「?」

 

困り果てている2人の様子に順平は疑問符を浮かべ、首を傾げている。すると、(たつみ)のスマホからアナウンスが流れる。

 

『おかけになった電話は現在出ることができません』

 

「出ろや!!」

 

「うーん、どうしたもんかいのー・・・」

 

電話に出来ないことに対し、(たつみ)は憤慨し、悠仁は本当に困ったように腕を組み、うんうんと頭を捻っている。そんな中順平は悠仁と(たつみ)が着込んでいる制服のボタンに注目し、真人との会話を思い出す。

 

『うずまきのボタン?』

 

『そ。このうずまきのボタンをしている学生に会ったら、仲良くするといい。彼らは呪術師なんだ。きっと順平と気が合うよ』

 

真人からはうずまきのボタンをした学生と仲良くしろと言った。ただその言葉の真意を理解できていない順平は疑問符を浮かべている。

 

(でも、呪術師って真人さんの敵だよな・・・?)

 

呪術師は呪いを祓う存在であるということは順平も理解している。そして、呪術師は真人の敵であることも。それなのになぜ呪術師と仲良くならなければいけないのか。順平はそれが理解できなかった。

 

「あーー!!もういいや!聞いちゃえ!!」

 

このままでは話にならないと思った悠仁は思い切って順平に事件当時のことを聞いてみることにした。

 

「なぁ!この前お前が行った映画館で人が死んでんだ」

 

「!」

 

「なんか見なかった?こういうキモイのとか」

 

悠仁のこの質問に対し、順平はこの2人は事件解決のためにやってきた術師なのだと思った。真人との関係を漏らさないように、順平は慎重に質問に答える。

 

「いや・・・見てないよ。そういうの、ハッキリ見えるようになったの、最近なんだ」

 

嘘は言っていない。だが本当のことも言っていない。実際には真人という呪いを見ているのだから。

 

「そっかー。じゃあもう聞くことねぇや!」

 

「え?もう?」

 

思った以上にあっさりと事情聴取が終わり、順平は驚きを隠せなかった。

 

「こいつそういう奴なんだよ。まぁそれだけ聞けば十分だろ。でも一応俺たちの上司?みたいな人が来るまで待たせてもらってもいいか?」

 

「いいけど・・・」

 

「サンキュー」

 

順平の了承を得て(たつみ)と悠仁は順平が座っている階段の段差の隣に座り込む。

 

「なぁ、映画館で何見てたの?」

 

待ってるだけも暇なので、2人は順平と雑談をすることにする。

 

「昔のリバイバル上映だから言ってもわかんないよ」

 

「いいからいいから」

 

「もしかしたら知ってる作品かもしれないから、言ってみろよ」

 

「・・・ミミズ人間3」

 

「あーあれか!家康(いえやす)沙良(さよ)と一緒に見たけど超クッソつまんねぇ奴!」

 

「それな!あれのせいで何回殴られたことか・・・」

 

「「殴られた・・・?」」

 

作品の名前を聞いた悠仁は映画鑑賞の特訓を思い出し、渋い顔をしている。事情を全く知らない(たつみ)と順平は疑問符を浮かべている。

 

「本当にねー。でもスプラッター映画だからさー、あれ以上の描写を求める僕たちが悪いのかもね」

 

「かもなー」

 

「でも2は・・・」

 

「「でも2はちょっとおもしろかったな!」」

 

2の方がおもしろいという悠仁と(たつみ)の発言に同じ共感を持っている順平は頬を緩ませた。

 

「そう!そうなんだよ!2だけは楽しみ方があるんだよ!」

 

「え?楽しみ方?」

 

「なんだそれ?3や1にはない奴なのか?」

 

河川敷でミミズ人間2について話している3人の姿を橋の上で目撃する者がいる。その人物はフードを深くかぶって顔を隠している傑であった。

 

「・・・大当たり」

 

3人・・・というより悠仁の姿を確認した傑は笑みを浮かべ、その場を去っていく。傑の存在に気付いていない3人は話で盛り上がっている。

 

「2はさ、一件1や3と変わらないように見えるけど、完璧主義の人間が全てを投げ出すまでの感情の動きがちゃんと描けてるんだ」

 

「あー!だからちゃんと見れたのか!」

 

「それは盲点だったなー。全然気づかなかったわ」

 

「僕も最初、なんで面白いのかわかんなくってさ・・・わざわざ3回も見たよ。グロ描写も2が1番キレてたから辛かったねー。はぁー・・・」

 

「なんでそこまですんの?」

 

「すげぇよお前。チャレンジャーだな・・・」

 

おもしろさの探究のためにわざわざグロ映画を3回も見た順平の精神力にちょっと引いている悠仁と(たつみ)

 

「虎杖君、和倉君、映画好きなの?」

 

「割と結構好きだよ。地元じゃ友達と3人でよく行ったもんだ。最近は全然行けてなくて、プライム動画頼りだけど」

 

「虎杖君は?」

 

「俺はちょい事情があってさ。ここ最近は映画三昧。でもちゃんと映画館でってわけじゃねぇんだよなぁ」

 

「えー?やっぱり映画館でおもしろい作品引いた時の感動はでかいよ。オンデマンドも便利だけどさ」

 

「そう言われるとまた映画行きたくなってくるなぁ・・・」

 

「最後に行ったのいつだっけ・・・。今度お勧めあったら連れてってよ」

 

「えっ!!?」

 

まさかおすすめがあったら映画に連れて行ってと言う悠仁の発言に順平は驚きを隠せなかった。自分の周りにはいなかったタイプの人間であったからなおさら驚きは大きい。

 

「あ、連絡先?ほい。和倉も、ほら」

 

「ちょ・・・待てって・・・友達追加ってどうやるんだっけ・・・」

 

彼の驚きをよそに連絡先交換をしようとしている悠仁と(たつみ)

 

「あれー?順平?」

 

すると、この河川敷を通ってきた女性が順平に声をかけてきた。その女性はどことなく順平と雰囲気が似ている。

 

「!母さん!」

 

それもそのはずだ。なぜなら彼女は順平の実の母親なのだから。彼女の名は吉野凪である。

 

「こんなところで珍しいねぇ。友達?」

 

「さっき会ったばかりだよ」

 

「「さっき会ったばかりだけど、友達になれそーでーす!」」

 

「ほんとー?仲良くしてやってねー」

 

順平は少し照れくさそうにしていたが、凪が持っている煙草を見て、表情が変わった。

 

「母さん!!煙草・・・やめてって言ってるだろ・・・」

 

凪が煙草を吸っていたという事実に順平は表情が曇る。本気で母親の身体を労わっているのがよく理解できるほどだ。

 

「あー、ごめんごめん。あんたの前じゃ吸わないって約束だったね」

 

凪は順平に謝罪して灰皿ボックスを取り出して煙草の火を潰して、その吸殻をボックスにしまった。

 

「友達はなんて子?」

 

「和倉(たつみ)です!初めまして、お母さん!」

 

「虎杖悠仁です!お母さん、ネギ似合わないっすね!」

 

「お、わかるー?ネギ似合わない女、目指してんの」

 

「何言ってんだ・・・」

 

悠仁の発言に同調している凪の発言に順平は呆れたような顔をしている。

 

「悠仁君、(たつみ)君、どう?晩飯食べていかない?」

 

悠仁と(たつみ)を夕飯に指そう凪に順平は目を見開いて驚く。

 

「ちょ、ちょっと!迷惑だろ⁉」

 

「あ"あ"ん?私の飯が迷惑ぅ?」

 

ズキューーン!!グゴゴゴゴゴゴ・・・

 

突然悠仁からものすごいお腹の音が鳴っている。すごくお腹が空いているのがよくわかる。

 

「すげー腹の音だな、お前・・・」

 

ぐぅー・・・

 

(たつみ)が悠仁に呆れていると、彼もお腹の音が鳴った。

 

「なんだー、和倉も腹減ってんじゃーん」

 

「・・・こほん・・・」

 

お腹が空いていることを悠仁に指摘された(たつみ)は気恥ずかしそうに咳払いをする。

 

「嫌いなもんある?アレルギーとか」

 

「「ないっす!」」

 

空腹ということもあり、悠仁と(たつみ)は凪のご厚意に甘え、夕飯を同伴することになった。

 

 

下水道の戦闘後地。七海が放った瓦落瓦落によって一部大きな瓦礫で山が出来上がっていた。この場所にやってきたエスデスは瓦礫の山を見て感心している。

 

「ほぅ・・・これは・・・」

 

ガコンッ・・・

 

彼女が感心を抱いていると、瓦礫の山の隙間より蛇に似た何かが出てきた。蛇のような生物は自身の姿の形を変え、人型の姿となった。そう、瓦礫に埋もれた真人である。

 

「あっはははははは!見かけによらず無茶するなぁ、あの2人!」

 

相打ち覚悟の戦術を繰り出した七海とシェーレに対し、真人は愉快そうに笑っている。怪我をしている様子は一切見られない。

 

「楽しそうだな、真人」

 

「あ、エスデス!おもしろい奴らだった。いろいろ勉強になったよ」

 

「ほぉ?」

 

真人は自分の術式に興味を持っているエスデスに今日の戦闘で学んだことを教える。

 

「バラバラにすり潰されても、魂の形さえ保てば死にはしない。呪力の消費も自己保管の範疇だ。それと自分の魂の形はどれだけいじってもノーリスクのようだね。次は思い切っていろいろやってみるよ」

 

自分自身を学習し、学びを楽しんでいる真人は次の戦闘が楽しみになってきている。

 

「エスデス、服ちょうだい?」

 

「ふっ・・・殺すぞ」

 

「怖っ」

 

無自覚のセクハラ発言をする真人に対し、エスデスは軽く笑って物騒な返しをするだけであった。

 

「相手の呪術師は?2人いると言っていたが」

 

「どうかなぁ、一度退くと言っていたけど・・・2人とも瓦礫の下かも」

 

エスデスの問いかけに対し、真人は笑みを浮かべて答えた。

 

 

一方その頃、ようやく蠅頭を捕まえた伊地知はそれを檻の中に閉じ込め、車の中で(たつみ)と連絡を取っている。

 

「えぇ!!?吉野順平の自宅に!!?それはちょっと・・・」

 

『心配しなくても大丈夫だって。順平、いい奴だから』

 

『和倉和倉!早く早く!こっからがおもしろいんだって!』

 

『おー。じゃあ俺ら、これから晩飯だから』

 

「晩飯って!!私もすぐ向かいます。違和感を抱いたら、すぐ逃げてください」

 

伊地知は(たつみ)に注意を入れて通話を切った。伊地知の心情はかなり焦っている様子である。

 

(例え吉野順平がこの事件に加害者側として関わっていたとしても、今の和倉君や虎杖君なら、すぐにやられることはないでしょう。ただ・・・これは監督する立場として大失態!ちゃらんぽらんな五条さんや、どこか抜けてる赤女(あかめ)さんならまだしも、大人オブ大人の七海さんに叱られたら・・・私は多分、泣く!!そして今、七海さんのそばにはシェーレさんが!もしあの人の耳にこのことが知られたら、七海さんに・・・!!)

 

七海に怒られてしまう。その事態を回避するために伊地知はすぐに行動に入った。

 

「急げ!!私!!この年で、人前で泣きたくないでしょう!!」

 

伊地知は車のエンジンをかけ、シートベルトをしっかりして車を発車させようとする。するとそのタイミングで今1番かかってほしくないシェーレからの着信が来た。

 

(ああああああ!!予定より速い連絡!!はい、叱られる!!)

 

もう叱られることは決して避けられないと悟った伊地知は観念してシェーレからの通話に出た。

 

「はい、ごめんなさい」

 

『?』

 

通話開始直後にいきなりの謝罪に何のことかわからず、シェーレは疑問符を浮かべている。そちらは置いておいて、シェーレはさっそく本題に入る。

 

『今位置情報を送ったのでピックアップをお願いします。それと、七海さんが負傷したので家入さんの治療の手続きもお願いします。私も一度高専に戻って、態勢を立て直します』

 

「えっ・・・治療って・・・」

 

『大丈夫ですよ。死ぬほどの傷ではないのは確認済みです』

 

七海が負傷したと聞いた時は驚いたが、無事であるとわかった伊地知は安心している。

 

「よかった・・・。すぐ虎杖君と和倉君と合流、そちらに向かいます」

 

『?一緒にいないんですか?』

 

(んー、私の馬鹿ぁ~・・・)

 

安心して緩み切っていたのか悠仁と(たつみ)がいないことを伝えてしまった伊地知は一滴の涙をこぼして自分を責めるのであった。

 

 

真人から一度退いたシェーレは近くにあった公園のお手洗いの外で伊地知と連絡を取っていた。用件を伝え終えたシェーレは通話を切る。そのタイミングで男子トイレから傷口を抑えている七海が出てきた。ある程度の止血は終わったが、タオルなどの布には血がべったりとこびりついている。

 

「!七海さん!もう大丈夫なんですか?」

 

「・・・シェーレさん。あの呪霊はまだ子供です」

 

「!・・・はい。それはあの呪霊の発言からしてもわかります」

 

シェーレは七海を心配して駆け寄ったが、彼から振られた話によって、真剣な顔に変わった。2人が思い浮かぶのは真人の発言だ。

 

『いっぱい練習したからさー』

 

『2人とも実験台としてはベストだもん』

 

『俺は運がいいね』

 

2人は今日戦った戦闘、そして真人の発言を元に彼を推察する。

 

「おそらく、発生してからそこまで時間が経ってないと思われます。貪欲に自分の成長を楽しんでいます」

 

「それだけではありません。赤女(あかめ)さんが戦った特級呪霊は領域展開まで会得していた。奴が生きていたらそのステージに辿り着くまでそう時間はかからないでしょう」

 

「加えて、こちらの予想を遥かに上回る被害者数・・・。七海さん」

 

「ええ。1秒でも早く祓わなければ、取り返しがつかなくなる」

 

次に会うことがあれば必ず祓う。七海とシェーレはそう結論づけるのであった。

 

 

順平の自宅。夕食に招かれた悠仁と(たつみ)は凪と順平と共にわいわいと雑談で盛り上がっている。

 

「ははは!そんでそんで⁉」

 

「そんでね!たかし君が自信満々に『これは外来種の幼虫だ!毒があるかもしれない!みんな、触っちゃダメだ!』つーから拾ってみたら、給食の糸こんにゃくだったんすよ!!」

 

「「わはははははは!!」」

 

幼き頃の悠仁のエピソードを聞いて(たつみ)と凪は大うけで大笑いしている。お酒を飲んで酔っ払いっている様子の凪に順平は呆れている。

 

「糸こん!!糸こんにゃくだって!!あはははは!!」

 

「母さん、飲みすぎ・・・」

 

「ほら、(たつみ)君!モノボケモノボケ!」

 

「えー、俺がやってもいいんすか?」

 

(最悪の酔っ払いだ・・・)

 

凪の酔っ払い具合に順平は気恥しい気持ちだ。凪に無茶ぶりをされた(たつみ)はその期待を応えるためにモノボケをする。

 

「ウィルソーン!!!ウィルソーン!!!許してくれ、ウィルソーン!!!」

 

「だっはははははは!!」

 

「ブーーッ!!」

 

(たつみ)が出したモノボケに悠仁は大笑い、順平は口に含んでいたお茶を思わず吹いてしまう。

 

「それ、キャストアウェイだろ!!?」

 

「正解!」

 

「私わかんなーい、映画ネター?」

 

「はいじゃあ次俺なー!火だぁ~~!!」

 

「ぷっ!ははははは!」

 

バカみたいに大騒ぎ、それでいて楽しい夕食に3人だけでなく、順平も楽しそうに笑っている。

 

 

夕食後、よほどに酔っぱらっていたのか、凪は机に突っ伏して眠ってしまっている。順平はそんな母に優しく上着をかけてあげた。

 

「順平の母ちゃん、いい人だな」

 

「うん」

 

順平の脳裏に浮かび上がってくるのは、学校に行きたくないと相談した時の凪の言葉であった。

 

『学校?・・・いいんじゃない?行かなくても』

 

『え?』

 

『あんたぐらいの年頃は何でも重く考えすぎるからね。学校なんて小さな水槽にすぎないんだよ。海だって、他の水槽だってある。好きに選びな。・・・お、私めっちゃいいこと言うなぁ!名言出ちゃったわ。さっすが凪さん♪』

 

イジメのことを伝えていなくても、事情を察してくれたあの時の凪の言葉は、間違いなく順平の心を救ってくれた。順平は本当に凪には感謝しているし、長生きしてもらいたいと思っているのだ。

 

「虎杖君のお母さんはどんな人?」

 

「あー、俺会ったことねぇんだわ。父ちゃんはうーっすら記憶あんだけど・・・俺にはじいちゃんがいたから」

 

「和倉君は?」

 

「いねぇ。俺が小さい頃に事故で死んじゃってさ」

 

「・・・ごめん・・・」

 

(たつみ)には母親がいないと聞かされた順平は失言だったと思い、彼に謝罪した。

 

「いいよ。母さんのことはあんまり覚えてないし。それに・・・俺には親父がいたからさ」

 

笑みを浮かべている様子から、(たつみ)は気にしていない様子だ。話をしていると(たつみ)のスマホに着信が届いた。伊地知からの電話だ。

 

「おっと悪い電話。もしもし、伊地知さん?はい・・・大丈夫っす。・・・いやー、これから映画鑑賞会だから・・・」

 

(たつみ)が通話している間に順平はテレビの下にあるボックスから映画のDVDを探し始める。

 

「はい・・・じゃあ2時間後に」

 

『2時間後!!!??』

 

(たつみ)は驚愕する伊地知の声を無視して通話を切った。すると、順平は悠仁と(たつみ)に質問をする。

 

「虎杖君と和倉君は・・・呪術師なんだよね?」

 

「おお」

 

(あれ?俺らこれ言ったっけか・・・?)

 

(たつみ)が疑問符を浮かべている間にも、順平はもう1つ質問をする。

 

「・・・人を・・・殺したことある?」

 

順平の質問に対し、悠仁と(たつみ)は反応する。

 

「「・・・ない」」

 

「でもいつか、悪い呪術師と戦ったりするよね?その時はどうするの?」

 

「どうって・・・」

 

「・・・それでも・・・殺したくはないな」

 

悪い呪術師が相手でも人は殺したくない。悠仁のその答えに順平は理解できなかった。

 

「なんで?悪い奴だよ?」

 

「なんつーか・・・一度人を殺したら、殺すっていう選択肢が俺の生活に入り込むと思うんだ。命の価値があいまいになって、大切な人の価値までわからなくなるのが・・・俺は怖い・・・」

 

悪い呪術師と相対した時の悠仁の考え方に、順平には考えさせられるものがあり、渋い顔つきになっている。

 

「・・・和倉君はどう?」

 

「・・・わかんねぇ。もしもそいつがどうしようもなく憎い奴や、救いようがない下衆野郎だった場合は・・・俺は多分、迷わずに殺してると思う」

 

たとえ話をする(たつみ)の脳裏に浮かび上がったのは、父を殺した憎き存在、斬鬼の姿だ。

 

「でも・・・人を殺したら、自分も大切な人も、重い十字架を背負うことになると思う。その十字架を背負えるのかって言われると・・・どうしても躊躇ってしまうと思う・・・」

 

(たつみ)の答えを聞いた順平は少し、顔を俯かせてしまう。

 

 

家映画を見終わり、悠仁と(たつみ)を見送った順平はベッドに寝転がり、思いふけっている。

 

(人に心なんてない・・・その考えに救われた。力を与えてもらった。でも・・・僕が人を殺すことで、あの魂()が穢れてしまうなら・・・僕に人は・・・殺せない・・・)

 

順平は自分の母のことを思いながら、瞼を閉じ、就寝につくのであった。

 

 

吉野家のリビング。電気が消えて真っ暗なこの部屋で、机に突っ伏していた凪は目を覚ました。

 

「う・・・んー・・・ふぁー・・・やだ、寝ちゃったぁ・・・。悠仁君と(たつみ)君、もう帰っちゃったかなぁ・・・げっ!!もうこんな時間!!片付けないと・・・」

 

もうだいぶ遅い時間になっていたことに気付いた凪は後片付けをしようと動いた時、テーブルに何かが置いてあることに気付いた。

 

「ん?なにこれ?」

 

凪はテーブルに置いてあったものを拾いあげる。拾い上げたものとは・・・なんと、行方がわからないはずの宿儺の指の1本であった。

 

「・・・指・・・?」

 

疑問符を浮かべている凪の背後に、1体の呪霊の姿が・・・

 

 

記録

 

里桜高校での事件後

 

吉野順平の自宅から実母、吉野凪の遺体と、剥き出しの宿儺の指(副左腕小指)が見つかる。

 

吉野凪は宿儺の指によって寄せられた呪霊に襲われたとみられる。遺体は腰から下が欠損していた。

 

現場には、目視で可能な血痕はなく、吉野凪の遺体は寝室に横たわっており、掛け布団をめくると、あるだけの保冷剤と氷嚢が敷き詰められていた。

 

 

里桜高校での事件当日。呪術師の待機場そばの廊下で悠仁と(たつみ)は七海から待機を順平の監視という名の待機を言い渡される。だが2人は納得できない。

 

「俺たちは足手纏いかよ、七海さん。今怪我してんだろ?」

 

「次はちゃんと俺たちを連れて行ってくれ、ナナミン。『仲間が死にました。でもそこに僕はいませんでした。なぜなら僕は子供だからです』なんて。俺はごめんだ」

 

悠仁の言い分を聞いても、七海の答えは決して変わらない。ゆえに冷静に返事を返す。

 

「ダメです」

 

「「!」」

 

「知っての通り、例のツギハギの呪霊は改造した人間を使う。どうしようもない人間というのは存在します。この仕事をしている限り、君たちもいつか人を殺さなければならない時が来る」

 

「「!!」」

 

「でもそれは今ではない」

 

七海の言葉に2人が思い浮かべるのは、自分が順平に言った言葉だ。

 

『それでも・・・殺したくはないな』

 

『俺は怖い・・・』

 

『十字架を背負えるのかって言われると・・・どうしても躊躇ってしまうと思う・・・』

 

自分たちが言った言葉がこのような形で返って来ることになるとは思わず、2人は渋い顔つきになる。

 

「理解してください。子供であるということは、決して罪ではない」

 

「「・・・・・・」」

 

「君たちにはこれから、吉野順平の監視をお願いします」

 

七海は改めて順平の監視を命じて、先に行ってしまう。顔を俯かせている2人にシェーレが声をかける。

 

「・・・すいません。でも、七海さんは決して、あなたたちが憎いから言っているわけではないんです。あの人もあなたたちを心配しているんです。それだけは、わかってください」

 

シェーレは2人に頭を下げ、七海の後をついていくのであった。

 

 

黒い服は持っていなかったから

母のクローゼットを開けて

はじめに目についたものを羽織った。

 

嗅ぎ慣れた朝の空気も

見慣れた通学路も

今日は・・・

 

 

吉野家の自宅。凪の死にひどくショックを受けている順平に真人は凪の死の原因ともされる宿儺の指を見せた。

 

「これは宿儺といって、呪いを呼び寄せる呪物なんだ」

 

「なんで・・・そんなものが家に・・・!」

 

「人を呪うことで金を稼いでいる呪詛師は多い。そういう連中の仕業だろう。コネと金さえあれば、人なんて簡単に呪い殺せるんだよ。心当たりはないかい?君や母親を恨んでいる人間・・・もしくは、金と暇を持て余した薄暗い人間に」

 

真人の問いかけに対し、順平の頭の中に、1人の人間が真っ先に思い浮かんだ。

 

 

里桜高校の体育館。現在、全国読書感想文コンクールの表彰式が執り行われており、全教師と全生徒がここに集まっている。

 

「表彰状、全国読書感想文コンクール最優秀作品賞、伊藤翔太」

 

壇上に上がっている男子生徒、伊藤翔太は爽やかな笑みを浮かべて、表彰状を受け取る。体育館内では生徒たちによる拍手が鳴り響いている。

 

「「「翔太せんぱーーい♡」」」

 

「いやぁ、照れますねぇ」

 

女子生徒たちから黄色い歓声を受け取った伊藤は彼女たちに手をあげて呼び声に応えた。これには女子生徒たちはさらに高い歓声を上げている。表彰を受け取った伊藤は壇上の端に移動し、表彰者たちの隣に並ぶ。すると、伊藤は隣の男子生徒に、一同に聞こえないように小声で突っかかってきた。

 

(何してくれてんの。適当に書けっつったろ。最優秀賞なんか取らせやがって。死ぬか?)

 

(ご、ごめん・・・)

 

(で、お前は入賞止まりw)

 

この伊藤という男、実は順平をイジメていた不良グループのリーダー格で、今回の最優秀賞は他人任せによって書かせたものであり、本当は入賞するつもりは一切なかったのだ。これが伊藤の本性であり、爽やかな笑みはただの猫かぶりなのだ。ただほとんどの生徒はそのことに気付いていない。その証拠が女子生徒たちの歓声である。

 

「はぁー・・・やっぱりかっこいいわ、翔太先輩」

 

「だよねー」

 

「そーぉ?まぁボンボンなのは評価するけど」

 

集団に並んでいる生徒の一部が伊藤について評価している。すると、窓の外で帳が降ろされようとしている。一部の生徒はそれに気がついた。

 

「ん?何?あの黒いの?」

 

「あん?どれどれ?」

 

この場で帳を認識できるものは、数少なく、ほとんどの生徒は帳に気付いていない。

 

 

里桜高校の屋上。傑とエスデスはここから体育館を見下ろしており、隣にいる真人は帳を下ろす術を唱えようとしている。

 

「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」

 

真人が術を唱えると、帳は里桜高校校舎全体を覆い尽くしていく。

 

「おー、できたできた」

 

「悪いね、真人。私や彼女の残穢を残すわけにはいかないからねぇ。帳の効果は?」

 

「内からは出られない。外からは入れる。あくまで呪力の弱い人間はだけど」

 

「住宅地での事前告知のない帳。すぐに窓が通報するだろうな。望み通り、誰にも手は出さないで置いてやる。お前の考えている絵図がうまくいくといいな」

 

「大丈夫じゃないかな」

 

今回、真人にはある計画がある。

 

「順平が宿儺の器を引き当てた時点で、流れはできてるんだ。2人をぶつけて、虎杖悠仁に宿儺優位の縛りを科す」

 

これこそが真人の計画。悠仁と順平を戦わせて宿儺に主導権を優位にさせるための縛りを科すシナリオ。順平はただそのために利用しているにすぎない。

 

「漏瑚もそれくらい冷静だと助かるけどな」

 

「無理だろうな。あの頑固な性格では」

 

「あれはあれで素直でかわいいじゃない。それより、虎杖悠仁と一緒にいた奴。あいつ、殺しちゃってもいいんだよね?」

 

真人が言っている人物は(たつみ)のことを指している。

 

「いいんじゃないかな?それで君の絵図が描けるならね」

 

「・・・・・・」

 

傑は(たつみ)を殺すことには反対はしていないが、エスデスは少し考える素振りを見せている。それに気づいた傑は彼女に声をかける。

 

「彼を殺すことに、何か不都合でも?」

 

「いや。ただ気になっただけだ。どうするかは好きにしろ」

 

「へぇー?意外だね。君が人間に関心を持つなんて」

 

「なぜかは知らんがな」

 

どうやらエスデスはどういうわけか(たつみ)に対し、興味を持っている様子である。本人もなぜかはわかっていない様子だが。だがそれで計画を止める気は一切ないため、彼の生死に関しては真人に任せるようだ。

 

「あー、それと、よかったの?あの指、貴重なものなんだろ?」

 

「いいんだ。少年院の指はすぐに虎杖悠仁が取り込んでしまったからねぇ。吉野順平の家に仕掛けた方は高専に回収させたい」

 

「ふっ・・・また悪巧みか」

 

「まぁね。それじゃあ、私はお暇させてもらうよ」

 

これ以上この場に引き留める理由がない傑は里桜高校を去ろうとする。

 

「私もそろそろ戻らねば呪術連の犬どもがうるさい。ここで失礼させてもらう」

 

エスデスも特に用がないため里桜高校を去ろうとする。

 

「えー?帰っちゃうの?2人も見ていけばいいのに・・・きっと楽しいよ。・・・愚かなガキが死ぬところは」

 

1人残った真人は屋上から、全ての成り行きを楽しみながら見守るのであった。

 

 

里桜高校校舎全体に帳が降ろされたと同時に、体育館に集まっていた生徒が全員意識を失い、その場に倒れた。この中で体育館にいて、無事でいた外村は何が起こったのかわからず、困惑している。

 

「お、おい!どうしたお前ら⁉しっかりしろ!大丈夫か⁉」

 

「死にはしないよ」

 

生徒たちの心配をする外村に声をかけたのは、黒い服を着込んだ順平であった。彼の表情は、以上に冷めきっていた。

 

「よ、吉野・・・なんで・・・いや・・・知っているのか?何が起きているのか・・・」

 

「先生・・・ちゃんと見ててね」

 

順平は前髪で隠していた煙草の火傷跡を外村に見せた。その火傷跡を見た外村は驚愕する。

 

「!!お前、その傷!!それ・・・!!」

 

「これまでのことも・・・これからのことも」

 

順平はそう言って壇上に上がり、あえてわざと寝かさないでおいた伊藤に近づく。

 

「吉野・・・」

 

「・・・聞きたいことがある。あれを家に置いたの・・・お前か?」

 

「?何の話・・・」

 

ドチュッ!

 

質問の意図を理解できていない伊藤の左腕に突然何かに刺されたかのような痛みが走った。すると、伊藤の左腕は何かによって侵されたかのように不気味な痣のようなものが広がっていく。

 

「な・・・なんだよ・・・何したてめぇ!!」

 

何をされたのかわからず、伊藤は左腕に広がる苦痛によって顔が歪む。

 

「なってないなぁ・・・」

 

バキッ!

 

「ぐあ!」

 

質問された順平は表情を変えず、伊藤を殴り倒した。

 

「まだ自分が質問を質問で返せる立場だと思っているのか」

 

順平は倒れ伏す伊藤を何度も何度も蹴りつけていく。

 

「お前は死ぬんだよ。質問の答えがイエスでもノーでも!だって僕にはお前の嘘を見抜く術はないし、そうされるだけのことをお前はしてきたからね!」

 

蹴るのをやめた順平は片手をあげた。すると伊藤は何かに引っ張られるかのように宙に浮き始めた。

 

「最後くらい誠意を見せてくれ」

 

「・・・ごめんな・・・さい・・・」

 

伊藤はあまりの恐怖から、一筋の涙を流しながら順平に謝罪の言葉を述べた。だが、今さら謝られても、順平の心には全く響かない。

 

「で?だから?」

 

ダァン!!!

 

順平が伊藤を追い詰めていると、体育館の扉が開かれる。扉にはこの騒動に駆けつけたと思われる悠仁と(たつみ)がいた。2人は目の前に広がっている光景を見て、目を見開き、その原因と思われる順平に目を向ける。

 

「「何してんだよ!!!順平!!!!」」

 

「・・・引っ込んでろよ、呪術師」

 

順平のすぐそばには、クラゲのような姿をした式神がおり、2人にはこの式神が見えている。邪魔をしに来た2人に対し、順平は鋭い視線で睨みつけるのであった。

起首雷同後の章を選ぶなら?(呪術廻戦のアカメが斬る!零の物語を入れるなら)【重要アンケート】

  • 赤女が主役の伍章
  • 七海と黒女が主役の伍章
  • それより渋谷事変が伍章
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