呪術廻戦ー呪いを斬るー   作:先導

35 / 73
呪術甲子園

高専の出口に通じる地下洞窟。高専エリアから逃げてきたザンクと春太はこの洞窟を通って外を目指そうとしている。

 

「結局俺たちなんもしてないよ。怒られちゃうかなぁ」

 

「俺は1人も首を斬れなくて遺憾なんだがねぇ」

 

「またその話ぃ?オッサン趣味悪いよ?」

 

「君に言われたくないねぇ。何ならお前の首を斬ってやろうか?」

 

「やめてよぉ、仲間じゃんかぁ」

 

「仲間になった覚えはないがね」

 

出口を目指していると、2人のすぐ後ろから樹の根が天上から伸びてきた。それと同時に、天井からボロボロの姿になっている花御が降りてきた。悟の茈を受けてしまったせいか左腕は抉り取られていた。

 

「ふぅ・・・それに比べて・・・お前は働き者だねぇ。愉快愉快」

 

「あーあ、かわいそ」

 

相当なダメージを負って体に限界が来た花御は立つこともままならず、倒れてしまう。

 

「・・・ねぇ、こいつの首斬る?」

 

「呪霊を斬ったところでおもしろくないだろう。好きにしたらいいさ」

 

春太の質問に対してザンクはつまらなさそうに答え、1人でさっさと出口へと歩いていく。

 

「・・・へぇ~・・・そっかぁ・・・。俺が楽にしちゃっていいんだぁ・・・」

 

ザンクの答えを聞いた春太はニヤリと笑みを浮かべ、刃を手に取り、花御にとどめを刺そうと近づく。

 

「お疲れ」

 

「!」

 

すると、いつの間にかやってきた真人が春太の肩を組んで彼の行動を止めた。

 

「人間のくせに勝手すんなよ。殺すぞ」

 

「嫌だなぁ、優しさじゃんか。呪いにこの機微はわかんないか」

 

春太は真人に苦言を呈しているが、これ以上何かを言えば殺されると思ったのか、ため息をこぼして花御から離れる。

 

「・・・で、物は?」

 

「ふふ、バッチリさ」

 

真人は高専に侵入してきて奪い取ってきた物を広げる。

 

「特級呪物『両面宿儺』。高専保有分6本」

 

1つは高専が保管していた宿儺の指6本全て。

 

「同じく特級呪物『呪胎九相図』。1番から3番」

 

1つは呪胎九相図と呼ばれる呪物が入った3つのアンプル。

 

「そして同じく特級呪物『禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)』。1番と2番」

 

1つは禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)と呼ばれる2つの勾玉。これら全ては、傑が奪取するように指示してきた物である。

 

 

高専襲撃前のこと、傑と特級呪霊たちは陀艮の領域展開の中で高専襲撃の作戦を練っている。その際、傑はなぜかアロハシャツを着込んでのんびりしているが。

 

「高専にある寺社仏閣・・・そのほとんどがハリボテで天元の結界術によって日々配置を変えるんだ。その中の千を越える扉の内1つが指を含む危険度が高い呪物を保管する蔵へと通じている。その日どの扉が蔵へ通じているかは天元しか知らないから邪魔は入らないと思うよ」

 

傑が寺社仏閣の扉について説明している中、漏瑚は天元という存在について尋ねる。

 

「天元とは何者だ?」

 

「不死の術式を持った呪術師さ」

 

「不死!禪院赤女(あかめ)と五条悟とどちらが強い?」

 

「不死であっても不老ではないんだ。ただの木か何かだと思ってくれていい。天元は結界の運用意外、基本現に干渉しない。本当に気にしなくていいよ」

 

不死という術式を持った天元に興味を持つ漏瑚だが、傑は遠回しに弱いと言っているような発言をする。天元の説明の後、話は作戦に戻る。

 

「以前高専に回収させた指。回収前、あれに真人の呪力で作った札を貼っておいた。一層の封印の内側だからまず剥がされない。本人なら簡単に辿れる」

 

「門番的なのは?」

 

「扉から蔵までの間に天元の側近が2人、雑魚だよ。それよりも真人には帳が降りる前に高専で待機している術師をできるだけ静かに間引いてほしい。花御の負担を減らしたい」

 

傑の考えた段取りに真人は静かに了承する。すると、花御が1つの疑問を口にする。

 

〘なぜ五条悟と禪院赤女(あかめ)を帳の内側に閉じ込めないのですか?〙

 

今回の作戦に参加する花御の疑問に傑は答える。

 

「本命の真人に意識のベクトルを向けさせたくない。ある程度全力を出してもらわないと、帳のテストにもならないしね。学生を閉じ込めるのが手っ取り早い」

 

〘・・・宿儺の器以外は殺してもいいのですね?〙

 

「いいけどあまりオススメはしない」

 

〘?〙

 

学生の殺害行為をオススメできない理由を傑は話す。

 

「宿儺の動きがさ、少し私のイメージとズレる。これは推測でしかないんだけど・・・おそらく学生の中に宿儺にとっての地雷がいる。それを踏めば、最悪今回の行動が全て台無しになる」

 

傑の推測は当たっている。だがその地雷が恵にあることを彼は知らない。そうである以上、地雷を踏むことを避けるために殺すことは控えるようにしたいらしい。

 

「先に虎杖悠仁を攫えばいいだろうがよぉ。どのみち後で使う駒なんだしよぉ」

 

斬鬼が出した提案に傑は却下を出す。

 

「いや、虎杖・・・宿儺自身もまた爆弾だ。私たちにとっても、高専にとってもね。刺激するタイミングはより混乱が求められる時にしたい。10月31日、渋谷。五条悟の封印のために利用できるものは温存する」

 

宿儺は自分たちにとっては爆弾だが、利用できないわけではない。それならば発動するタイミングは悟封印の実行日にしたいと傑は考えているようだ。そのために、できる限り宿儺に刺激を与えないように、特級呪霊たちに注意を促せる。

 

「それから、何人か呪詛師も同行するけど、組屋鞣造。こいつは捨て置いていい。最後まで作戦行動のとれる人間じゃない。今後邪魔になる。嘱託式の帳のテスト結果は別の人間が見るから、そいつとは仲良くね」

 

「仲良くだってさー、漏瑚」

 

「フンッ!!儂行かんし」

 

茶化してくる真人に漏瑚は不貞腐れるようにそっぽを向いた。そんな彼らの背後には、先ほど傑が言っていた帳の結果を見るという呪詛師が立っていた。赤のメッシュが入った銀髪のおかっぱ頭の男か女かわからない容姿をしている呪詛師だ。

 

 

こうして傑がたてた作戦は成功し、真人は見事に目的の物を全て回収できたのだ。後は物と一緒に負傷した花御を連れて帰ればいいだけだ。

 

「ほら、起きて花御。帰るよ」

 

真人は花御を担いでゆっくりと歩き出す。

 

〘・・・真人〙

 

「ん?」

 

〘殺意にブレーキをかけるのはストレスが溜まりますね〙

 

花御の呪いらしい言葉を聞いて真人は少し驚きつつも、喜ばしいように笑みを浮かべている。

 

「花御も呪いらしくなってきたね」

 

真人は花御の呪いとしての成長を喜びながら、花御に合わせて出口へと向かっていくのであった。

 

 

交流会に乗じた高専襲撃から翌日。高専の教師、学長、冥冥は広間に集まり、伊地知から今回の事件の被害調査の報告を聞いている。

 

「続いて人的被害です。2級術師3名、準1級術師1名、補助監督5名、忌庫番2名。高専に待機していた術師で五条さんや夜蛾学長と別行動だった人たちもですね。家入さんからの情報待ちですが、以前七海さんとシェーレさんが遭遇した呪霊の仕業でほぼ間違いないかと」

 

「ちっ・・・」

 

伊地知の報告を聞いて、真人にしてやられた教師たちは重苦しい表情をし、悟は舌打ちをしている。

 

「この件って学生や他の術師と共有した方がいいですかね?」

 

「いいや」

 

「上で止めておいてもらった方がいいだろう。呪詛師界隈に特級呪物流出の確信を与えたくない」

 

歌姫の学生とその他の術師と情報共有の提案に学長2人は避けた方がいいと考え、却下する。

 

「・・・伊地知君、捕まえた呪詛師は何かしゃべった?」

 

チェルシーの質問に伊地知は少々困ったような顔で率直に答える。

 

「えー、口が固いわけではないのですが・・・まともじゃない、要領を得ない発言が多いです。ただ、件の襲撃に関して、自分は取引の上命令されてやったにすぎないとのことで・・・」

 

鞣造は常識を逸脱しているのでほとんどの情報は引き出せなかったか、襲撃の件についての詳言はあった。その詳言というのが・・・

 

『ハンガーラックを作りたかったんだ。それをあの坊主・・・。名前は知らねぇ。男か女かもわかんねぇ。白髪おかっぱのガキだ』

 

とのことである。

 

「性別不詳のおかっぱ坊主のガキンチョ・・・心当たりは?」

 

「ない」

 

「同じく~。適当こいてるだけじゃない?自白に強い術師いないの?」

 

「でも赤女(あかめ)に両手両足を斬られた後だよ?口が固いわけじゃないなら今さら白を切るかな?」

 

「だがこれだけではな・・・」

 

詳言に出てきた性別不詳のおかっぱ呪詛師について考えるが、情報がないために身元特定が不可能である。

 

「そもそも何で呪霊や部外者が天元様の結界を抜けられたのよ?」

 

歌姫の疑問に対し、赤女(あかめ)が答える。

 

「それはおそらく、生徒が相手にした特級呪霊の仕業だと思う。奴からは特殊な気配を感じる。あれは呪霊は呪霊でも、精霊に近い気配だ。東堂の話だと、植物に潜り込めたらしい。天元様の結界も植物には機能しない。天元様の結界は守ることより隠すことに特化しているから、懐に入られると後はザル同然だ」

 

呪詛師と呪霊の狙いがわからず、重苦しい空気が流れる中、悟は1人考察する。

 

(宿儺の指による悠仁の潜在能力(ポテンシャル)強化を危惧したのか?それとも呪霊(自分)たちの強化目的か・・・。なーんかしっくりこないんだよなぁ・・・)

 

敵の狙いを一通り考えても辻褄が合わず、悟はあまり納得していない様子である。

 

「まぁとりあえず、今は学生の無事を喜ぶべきですよ」

 

「ふむ・・・」

 

「だが言わずもがな、交流会は中止ですね」

 

夜蛾が今年の交流会は中止にするべきと発言すると、悟が異を唱える。

 

「ちょっとー、それは僕たちが決めることじゃないでしょ?」

 

「「「「「「?」」」」」」

 

悟の言っている意味が理解できず、全員疑問符を浮かべている。

 

 

一方その頃恵の部屋。悠仁、(たつみ)、野薔薇の3人は今回の襲撃の件で負傷した恵のお見舞いに来ている。硝子の治療のおかげで恵は本調子で3人と一緒にピザを食べられるくらいまで怪我が回復している。

 

「和倉あんた、いつの間にあのブチキレ男君と仲良くなったのよ?」

 

「兄弟のことか?いや・・・殴り合いの最中でいろいろ本音を語り合ってさ・・・あいつもいろいろ苦労してんだよ。それよりも俺は悠仁がいつあのゴリラ・・・東堂と仲良くなったのか気になんだけど・・・」

 

「いや・・・仲良くなったっつーか・・・記憶はあんだけど・・・あの時は俺が俺じゃなかったっていうか・・・」

 

「何あんた?酔ってたの?」

 

「釘崎は俺があの状況で酒を飲みかねないと思ってるの?ショックなんだけど・・・」

 

東堂と共闘していた際に悠仁はほとんど彼の流れに流されるままに動いていたためそこまで仲良くなっていないと曖昧ながらに答える。その答えに対しての野薔薇の発言に悠仁はショックを受ける。

 

「でもまぁ、伏黒の怪我が大したことなくてよかったな。ピザも食えてるしな」

 

「いや、もっと消化のいいもん持ってきてくれ。またピザかよ」

 

「すしの方がよかったか?」

 

「病人だっつってんだろ。生ものとかもっとダメだろ」

 

「文句言うな」

 

恵は3人が持ってきた見舞いの品がピザであることに文句を垂れている。

 

「あの時、呪力カラカラだったのが逆によかったみたいだ。根を取り除いた時点で家入さんの治せる程度だった」

 

「へー、そういうこともあんのか」

 

「軽・・・」

 

「あんたら、そいつと闘ったんでしょ?」

 

悠仁と(たつみ)が東堂と清孝の協力あってのこととはいえ、悟の介入まで特級呪霊と互角に渡り合い、追い詰めたという事実に恵は思うところがあり、2人に向けて口を開く。

 

「虎杖、和倉。お前ら、強くなったんだな」

 

「んあ?」

 

「伏黒?」

 

「あの時、俺たちそれぞれの真実が正しいと言ったな」

 

恵の脳裏に浮かび上がったのは、少年院で宿儺の手によって心臓を抜かれ、悠仁が1回死亡した時の光景だ。その時に悠仁は確かに似たような言葉を言っていた。

 

「その通りだと思う。逆に言えば、俺たち2人とも間違ってる」

 

「は?」

 

「つまり、どういうことだ?」

 

「答えがない問題もあるってことよ。考えすぎ。ハゲるわよ」

 

あの時の問題に答えなんてないことを野薔薇が言い放ち、恵がそれに肯定する。

 

「そうだ。答えなんかない。後は自分で納得できるかどうかだ。我を通さずに納得なんてできるわけねぇだろ。弱い呪術師は我を通せない」

 

恵は悠仁と(たつみ)を見て、自身の決意を告げる。

 

「強くなる。すぐに追い越すぞ」

 

自身の我を通すために自分ももっと強くなるという恵の決意を聞いて、2人は笑みを浮かべている。

 

「ははっ、相変わらずだな」

 

「俺だってそう簡単には追い越させねぇよ」

 

「私抜きで話進めてんじゃねーよ」

 

野薔薇は少し置いてけぼり間をくらってブスッとした表情をしている。

 

「それでこそブラザーの友達だな」

 

恵の決意にうんうんと納得しているのはいつの間にかこの部屋にやってきた東堂である。少しの沈黙が流れ・・・

 

ガラララ!!!ビューーーン!!!

 

「どこへ行く!!!ブラザーーーーー!!!!」

 

悠仁は窓を開けて外に飛び出して逃げ出し、東堂は悠仁を追いかけに向かった。悠仁と東堂の急な追いかけっこが始まり、3人は唖然としている。

 

「感謝はしてる!!でも勘弁してくれ!!!あの時、俺は正気じゃなかった!!!」

 

「何を言っている!!ブラザーは中学の時からあんな感じだ!!!」

 

「俺はお前と同中(おなちゅう)じゃねええええええ!!!!」

 

記憶を捏造している東堂に対する悠仁の叫びが高専中に響くのであった。

 

 

こんにちは!役立たず三輪です!

 

自分で役立たずと言いつつも、『まぁ、そこまででもないっしょ?』と思っていました。

 

でも特級呪霊の襲撃でみんなが命がけで戦ってる中・・・爆睡ちゃんをかましてしまい、肩身が狭いです。

 

後・・・私の刀折ったの誰ですか?真衣のお姉ちゃん?

 

そんなこんなで中止と思われた交流会。とりあえず1日休みを挟んで・・・私たちは・・・今・・・

 

「プレイボーーーール!!!!」

 

野球をしています!!

 

 

そもそも交流会にどうして野球を取り入れることとなったのかは・・・1日前の話し合いに遡る。赤女(あかめ)は生徒たちに今回の襲撃の被害者を話したうえで、交流会をどうするかを尋ねる。

 

「・・・ということで、いろいろあって、人も何人か死んでいるわけだが・・・どうする?交流会、続けるか?」

 

「う~ん・・・どうするって言われてもなぁ・・・」

 

交流会を続けるかどうかと聞かれて悠仁は頭を捻って悩ましそうにしている。

 

「当然、続けるに決まってるだろ」

 

そこで、交流会続行の意を示したのは、東堂であった。

 

「と・・・東堂・・・」

 

「その心は?」

 

「1つ。故人をしのぶのは当人と縁のある者たちの特権だ。俺たちが立ち入る問題ではない。

2つ。人死が出たのならば、なおさら俺たちに求められるのは強くなることだ。後天的強さとは結果の積み重ね。敗北を噛みしめ勝利を味合う。そうやって俺たちは成長する。結果は結果として在ることが1番重要なんだ」

 

普段は自分勝手で掴みどころのない変人であるわけなのだが、東堂の言っていることは、呪術師としては的を射ている。

 

「東堂先輩って意外としっかりしてるんですね」

 

「しっかりイカレてんのよ」

 

「っていうより、俺たちの中で1番イカレてる」

 

東堂に聞こえないようにコソコソと評価しているのは三輪、真衣、ラバックの3人である。

 

「3つ。学生時代の不完全燃焼感は死ぬまで尾を引くものだからな」

 

「お前年いくつだ?」

 

まだ学生の身であるのに学生らしからぬ発言をする東堂に赤女(あかめ)は冷静にツッコミを入れる。とはいえ、交流会続行の意は学生たちにとっては望むところではある。

 

「俺は構わないですよ」

 

「どーせ勝つしね」

 

「屁理屈だが一理ある」

 

「加茂君は休んだら?」

 

野薔薇の発言に同意している憲紀だが、学生の中で1番の重傷のせいか頭に包帯が巻かれている。その点で西宮に呆れられている。

 

「俺も賛成だ。兄弟との決着もまだついてねーしな」

 

「へっ、上等だぜ兄弟」

 

清孝との決着を望んでいる(たつみ)に対して彼は好戦的な笑みで返した。

 

「意義なーし」

 

「同じくー」

 

「シャケー」

 

東京校2年生組も交流会を続行には異を唱えなかった。満場一致ということで、交流会は明日に続行されることとなった。

 

「個人戦の組み合わせはくじ引きか?」

 

団体戦がなくなった以上、交流会の決着は個人戦に委ねられることになる。・・・流れ通りでやるならばだ。

 

「え?今年は個人戦やらないよ?」

 

「「「「「??????」」」」」

 

個人戦はやらないという悟の発言にこの場にいる全員が疑問符を浮かべている。交流会の流れについて、マインは先日こう発言している。

 

『交流会は高専の東京校、京都校、それぞれの学長が提案した勝負方法を1日ずつ2日間かけて行うわけだけど、そんなもんは建前で、初日が団体戦、2日目が個人戦って決まってんの』

 

それなのに悟は個人戦はやらないと言い張るのだ。わけがわからなくなる一方だ。

 

「僕、ルーティンって嫌いなんだよね」

 

悟はそう言って1つの箱を悠仁に渡す。

 

「毎年この箱に勝負方法入れて、当日開けんの」

 

悠仁は悟に促され、箱の中に入っている勝負方法の紙を1つ手に取る。ちなみに、以前楽厳寺が東京校に来た際の打ち合わせには当日必要なものだけの確認していた。それにゆえに、勝負内容がどうなっているかは、学長たちにもわかっていない。悠仁が手に取った紙に書かれていた勝負内容は・・・

 

『野球』

 

「え?え?」

 

「や・・・」

 

「野球~?」

 

「うおっ⁉いたの?」

 

呪術と全く関係ない勝負内容が出てきて悠仁は困惑している。それはいつの間にかここに来ていた学長2人もそうであった。

 

「どういうことだ、夜蛾?」

 

「いや、私は確かに個人戦と・・・赤女(あかめ)!悟はどこだ!!」

 

「ついさっき外に出ましたが?」

 

「待て悟~~~!!!!」

 

交流会のルールを勝手に変えた悟に夜蛾は怒りの叫びをあげるのであった。

 

 

そういう経緯があり、2日目の交流会は野球をすることになった。現在は京都陣営が打者側で西宮が打った後である。次のバッターが三輪である。

 

2番 三輪霞 ポジション、セカンド

冷蔵庫で熟成させたマンゴーが行方不明。

 

カキーンッ!

 

「打ち上げた!」

 

ピッチャーであるマインが放ったボールを三輪は打ったが、打ったボールは打ちあがっていく。三輪がボールを打った瞬間、西宮は次の塁に向かって走り出す。

 

「西宮!!まだ走るな!!!」

 

落ちてきたボールをセカンドにいる棘がキャッチし、ファーストにいるパンダにボールを投げる。パンダがボールをキャッチして、2アウトである。

 

「アウトー」

 

「え?なんで?」

 

野球のルールを詳しく知らない西宮はなぜアウトになったのかわからないでいる。

 

「ルール知らないなら先に言いなさい!!」

 

「知ってるよ!!打ったら走るんでしょ!!?」

 

1番 西宮桃 ポジション、レフト

野球歴2リットル。

 

「ギセイフライ⁉なんじゃそりゃ⁉新しい拷問か⁉」

 

「シンプルにバカ!!!」

 

野球未経験者の西宮に監督である歌姫は非常に嘆いている。続いてのバッターは3番手、憲紀である。ちなみにメットはつけていない。

 

3番 加茂憲紀 ポジション、サード

筆記体を練習中。自分の名前は書けるようになりました。

 

「・・・特級を退けたらしいな」

 

「え?うん。いやー、(たつみ)と兄弟君、それから東堂と五条先生のおかげっすよ。メットいいんすか?」

 

憲紀の問いかけに対し、悠仁は謙虚に答えた。

 

7番 虎杖悠仁 ポジション、キャッチャー

初の家系ラーメンの感想は「次の日ウ〇〇がよく出る」

 

「・・・虎杖。お前はなぜ呪術師をやっている?」

 

「きっかけは成り行きっす。寂しがりなんでね、いっぱい人を助けて、俺が死ぬとき、大勢に看取ってほしいんですよ」

 

シンプルな答え。だがそれゆえなのか知らないが、少なくとも憲紀は悠仁に共感(シンパシー)を感じ取っている。そう思えるのは、幼き頃、母と別れた頃の記憶である。

 

『母様がいないなら、呪術師なんてならない!!』

 

『憲紀には才能がある。たくさんの人を助けられるの。助けた数だけ、あなたは認められる。そうしたら今度はいろんな人があなたを助けてくれる。独りなのは今だけだよ。いつか立派な呪術師になって・・・母さんを迎えに来てね』

 

「・・・そうか。それは」

 

バスンッ!

 

「よい」

 

バスンッ!

 

「理由だ」

 

バスンッ!

 

「ストライク!!!バッターアウトッ!!!チェンジ!!!」

 

「加茂!!振んなきゃ当たんねぇぞ!!!!」

 

話している間にもストライクを3つ取ってしまい、3アウト、攻守交代。バットを振りもしなかった憲紀に歌姫は怒鳴っている。

 

「バーカ」

 

御三家、特に加茂家を嫌っているマインは舌を出した憲紀に悪態をついている。

 

8番 三好マイン ポジション、ピッチャー

楽しみに取っておいたケーキ食べた犯人絶対半殺しにしてやる。

 

攻守交替し、東京側の1番バッターとして野薔薇が前に出る。

 

「東北のマー君とは私のことよ」

 

1番 釘崎野薔薇 ポジション、サード

クレカ審査待ち。高校生にはハードル高いか。

 

「東北のマー君はマー君だろ」

 

「マー君投手だぞー」

 

「釘崎、お前にわかだろ」

 

「おかか」

 

「・・・・・・」

 

カッコつけている野薔薇は男子たちからのダメ出しをくらってしまい、苦虫を嚙み潰したような顔になる。そうしている間にも、京都側のピッチャーのメカ丸が登場するのだが・・・その姿はどう見てもピッチングマシーンである。

 

「ちょっと待てぇ!!!!」

 

「釘崎がキレた!!乱闘だぁ!!」

 

真衣が持ってきたピッチングマシーンメカ丸の登場に野薔薇はメットを地面に放り投げ、真衣に突っかかろうとする。その様子に東京校の男子全員が野薔薇を止めに入る。

 

「どう見てもピッチングマシーンだろーが!!!」

 

「何言ってるの?スペアよ。スペアメカ丸。そっちのパンダが一昨日壊したんだから当然でしょ?ピッ・・・チングマシーン?よくわからないわ。あなた機械に詳しいのね。もしかしてオタク?」

 

「次から次へとよくもまぁ・・・!まがりなりにも高専生がよぉ・・・!」

 

7番 禪院真衣 ポジション、ファースト

最近苦手だったマンゴーを克服。

 

カキーンッ!

 

「オラァ!!!やってんよぉ!!!!」

 

いがみ合っててもしょうがないため、試合は続行。ピッチングマシーンメカ丸が放ったボールを野薔薇はヤケクソ気味に打ち、バットを放り投げ走る。

 

「おっ、出塁した」

 

「釘崎すげぇ」

 

「ヤケクソだな」

 

真衣がボールをキャッチしたが、野薔薇はアウトにならず出塁し、2塁まで到達する。2番バッターは恵である。

 

2番 伏黒恵 ポジション、ライト

チキン南蛮は胸肉派。親子丼はもも肉派。

 

ピッチングマシーンメカ丸の放つボールを恵は送りバントで打ち返す。恵は塁に向かって走るが、ボールを取った東堂が1塁にいる向けてボールを投げ、真衣がこれをキャッチ。

 

「アウトー」

 

塁に到達しきれなかったために1アウトをもらってしまう。送りバントを放った恵に対し、監督席に座っている赤女(あかめ)は気になることでもあるのか彼をじっと見ていた。彼女の思惑は置いておいて、続いて3番バッター、パンダが登場する。

 

3番 パンダ ポジション、ファースト

いつかシマウマを殴ろうと思っている。

 

パンダはボールを打ち返した。飛距離はかなり低いが、それなりにいい位置に入ったのか、三輪はキャッチしきれず、野薔薇は3塁、パンダは1塁に入れた。そして次に登場するバッターは大本命、東京校のエース、真希の登場だ。

 

4番 禪院真希 ポジション、ショート

許せないものは「粉っぽいプロテイン」

 

「ちっ・・・」

 

真希の登場に真衣は気に入らなさそうに舌打ちをしている。打者の配置に立った真希はバットを構え、全神経を集中して、ホームランを狙う気でいる。そして、放たれるピッチングマシーンメカ丸のボール。向かってきたボールを真希は打った。大本命だけあってボールの飛距離は非常に高く、ホームランは狙える勢いである。

 

「うおぉ!!」

 

「すっげぇ!!」

 

「さすがは真希ね」

 

ホームランを狙えるほどの勢いのあるボールの打ち上げに悠仁と(たつみ)は歓声をあげ、マインも真希を称賛している。

 

「よし、3点」

 

ホームランは確実だと思い、真希は意気揚々と1塁に向かって歩き出す・・・が、真希が撃ち放ったボールは箒の呪具に乗って飛んでいる西宮にキャッチされ、3アウトとなる。

 

「「「!!!???」」」

 

「うわあああああ!!!せっこ!!!!」

 

「そんなんありかよ!!!!」

 

「飛ぶとか反則でしょ!!!!」

 

「おかか!!!!」

 

「釘崎、戻れー」

 

ホームランだと思っていた球を飛んでキャッチしたという西宮に真希、パンダ、野薔薇は驚愕し、控え席にいる悠仁、(たつみ)、マイン、棘は彼女に文句を言い放っている。ルール上問題ないことをわかっている恵は野薔薇に戻るように声をかける。今回の野球のルール、人数が1人足りないため、外野手は1人だけ呪術を使えることなっている。忘れてはならないのだが、ここは呪術高等専門学校。通常の野球のルールなど、一桁も二桁も常識を踏み外せるのだ。

 

攻守交替し、キャッチャー側に回った悠仁に、京都校のエースであるこの男が声をかける。

 

「ふっ・・・キャッチャーか・・・。捕球、送球、リード、フィールディング、エトセトラ・・・ブラザーにふさわしいポジションといえよう」

 

そう、京都校の4番目のバッター、京都校最強の呪術師、東堂葵である。

 

「だが俺が望むのは、ピッチャー虎杖との一騎打ちだ」

 

4番 東堂葵 ポジション、キャッチャー

虎杖と共に全中制覇をしている。虎杖は否認。

 

「東堂・・・」

 

「じゃあお前がピッチャーやればよかっただろ」

 

「ダメよ。メカ丸が今ピッチャーしかできないんだから」

 

東堂の発言に対し、(たつみ)は正論を返したが、メカ丸のポジションを考えて歌姫がこれを否定する。

 

「約束してくれブラザー。この打席、俺がホームラン打ったら、次回お前がピッチャ・・・」

 

ドグシャア!!!メキョ!!!

 

東堂が話を終える前にマインはボールを投げ放ち、ボールは彼の顔面に直撃。ちなみにマインのこの投球はわざとである。ボールが顔にヒットし、倒れる東堂に悠仁と(たつみ)が駆け寄る。

 

「「と・・・東堂!!!しっかりしろ!!!」」

 

マインのこの投球、普通ならデッドボールと呼ぶべきなのだが・・・

 

「ナイスピッチ―」

 

「ナイッピー」

 

「ナイッピー」

 

「ナイッピー」

 

「ナイッピー」

 

「ナイッピー」

 

「マインさん、ナイッピー」

 

マインを嫌ってるはずの真衣が彼女を称賛。西宮、憲紀、ラバック、清孝のみならず、東京側の恵や野薔薇までも称賛。それだけにとどまらず、一部を除いてこの場の全員がマインにナイッピーコールを送っている。

 

((東堂・・・お前・・・ムチャクチャ嫌われてるな・・・))

 

東堂がこの場にいる全員に嫌われている事実に対し、悠仁と(たつみ)は彼を哀れに思った。呪術師と言う枠は外れていても、この光景は悟が好んでいる青春そのものである。その微笑ましい光景を見て、悟は嬉しそうに口元に笑みを浮かべている。そんな中、監督席に座っている赤女(あかめ)はチェルシーと共に真剣な話をしている。

 

「悠仁たちのおかげであいつらは今という青春を送っている。それを踏まえてもなお、お前の悠仁処刑の意見は変わらないのか?」

 

「変えろっていう方がまず無理な話だよ。悠仁の人柄については高く評価するけど・・・個人や生徒たちを助けたところで私の意見は一切変わらない。宿儺の器である限りはね。彼を放置すれば、一般人の命が多く失われるかもしれないよ。そうなったら悟君はともかく、赤女(あかめ)は責任とれるの?」

 

「・・・それを突かれてしまうと弱い。だが、悠仁の可能性を信じると決めた以上は、そうならないように厳しく指導していくつもりだ」

 

「はぁ・・・頑固だねぇ」

 

悠仁の秘匿死刑賛成という意見を変えるつもりがないチェルシーは頑なに悠仁の可能性を信じ、教育していく方針を決めている赤女(あかめ)に呆れている。

 

「・・・それに・・・あいつは少し、灰原に似ている」

 

悠仁が亡くなってしまった自分たちの後輩、灰原雄に似ているという赤女(あかめ)の発言に、チェルシーは彼女に顔を合わせる。

 

「?灰原君に?」

 

「人柄は全然似ていないのだが・・・底なしのお人好し、人を惹きつける何かを、悠仁は持っている。それはある一種の才能でもある。もしかしたら・・・悠仁ならば私の望みを、叶えてくれるのかもしれない。かつて灰原が私の望みを叶えてくれたように」

 

赤女(あかめ)の脳裏に浮かび上がるのは、高専を離反して呪詛師となり、今もどこかで悪行を重ねているかもしれない最愛の妹の姿だ。

 

「・・・そう。じゃあもうこれ以上は何も言わないけど・・・これだけは覚えといて。もしも宿儺が暴れて悠仁の処刑待ったなしになっても、私は一切関与しない。どんなことが起きても、私は悠仁を見殺しにする」

 

「悠仁に猶予を与えてくれるだけでも十分だ。ありがとう」

 

「・・・何でお礼を言うのかなー?私、結構最低なこと言ってるのにさ」

 

赤女(あかめ)のお礼に対して、そう言われる資格がないとわかっているのか、チェルシーは少し複雑そうに頭をかいている。その間にも試合は京都側の次のバッター、ラバックが登場する。

 

5番 ラバック ポジション、ライト

甲子園に出れば女の子にモテモテになる予定。自称である。

 

マインが投げ放つ球をラバックは打ち返す。球はかなりいい位置に入っており、外野手のところまで飛び、バウンドする。外野手の(たつみ)はバウンドするボールをキャッチし、セカンドにいる棘にボールを投げ、棘はボールをキャッチする。

 

「アウト―」

 

「くおおおおおお!」

 

「ラバ!欲張りすぎよ!」

 

欲張って2塁まで向かおうとするラバックは到達しきれず、アウトをもらう。悔しがるラバックに歌姫が欲張りであることを指摘する。京都側の次なる打者は清孝である。

 

6番 加茂清孝 ポジション、ショート

好みの女は高身長で胸がデカい女がタイプ。東堂曰く、惜しい。

 

(外野手か・・・。兄弟、俺がホームラン打つ気でいるのがわかってるんだな)

 

配置についた清孝は外野手の(たつみ)に強い注目を向けている。ちなみに、(たつみ)のポジションは単なる偶然であり、深く考えていない。

 

5番 和倉(たつみ) ポジション、レフト

初めて作った手料理は親父直伝巻きずし。

 

(俺がホームランを打つか、お前が止めるか・・・男同士の勝負だ、兄弟!)

 

(たつみ)と勝負しているつもりでいる清孝はバットを構える。3ストライクを狙って、マインがボールを投擲。向かってきた球を清孝は打ち返した。その勢いは本当にホームランを狙えるほどである。

 

(ホームラン一直線!さあどう出るよ兄弟!)

 

塁に向かって走る清孝は(たつみ)がどう出るか注目をしているのだが・・・

 

「鵺」

 

完全に清孝の蚊帳の外である恵が鵺を召喚し、ホームラン一直線のボールを鵺がキャッチする。外野手が1人呪術が使える以上、これは反則ではない。

 

「アウト!!」

 

「伏黒てめぇ!!!!兄弟との勝負を邪魔すんじゃねぇ!!!!!ぶち殺すぞ!!!!!!」

 

「清孝がキレた!!また乱闘だぁ!!」

 

「えぇ・・・」

 

「兄弟!これ団体戦だから!個人戦じゃねぇから!」

 

清孝に理不尽に怒られて恵はドン引き。ブチギレる清孝にラバックと(たつみ)が乱闘の空気を止めに入る。野球で賑わいを見せている生徒たちを見守る学長2人は真面目な話をしている。

 

「・・・まだ虎杖が嫌いですか?」

 

夜蛾は敬語で悠仁が嫌いかどうか、楽厳寺に問いかけている。同じ学長でも、楽厳寺は上層部。上層部の下にいる夜蛾が彼に敬語を使うのは当然ともいえる。

 

「好き嫌いの問題ではない。呪術規定に基づけば、虎杖は存在すら許されん。あやつが生きているのは五条のわがまま。個のために集団の規則を歪めてはならぬのだ。何より、虎杖が生きていることでその他大勢が死ぬかもしれん」

 

規則には基づき、多少強引な手は使ってはいるものの、楽厳寺はあくまでも保守派にいるというだけであって、考え方は腐敗した上層部とは違うため、悠仁個人にはそこまで悪感情は抱いていない様子である。

 

「だが、彼のおかげで救われた命も確かにある。現に今回和倉と加茂清孝、東堂と協力し、特級を退けた」

 

夜蛾の視線の先には、野球で盛り上がっている学生たちの青春を謳歌している姿がある。

 

「セーフ!」

 

「よっしゃ!」

 

「おお、スライディング」

 

「一気に2塁も取ったのはすごいな」

 

現在は東京側が打者側になっており、5番バッターである(たつみ)はピッチングマシーンメカ丸の球を打ち上げた。普通ならホームランの球を西宮が受け止めきれず、掠って落としてしまい、ラバックがボールをキャッチし、セカンドのボールを投げる。三輪はボールをキャッとするが、スライディングで塁に触れたためにセーフ判定になる。

 

「学生に限った話ではありませんが、彼らはこれから多くの後悔を積み重ねる。ああすればよかった、こうしてほしかった。ああいえばよかった。こういってほしかった・・・」

 

後悔する要因の例を挙げる夜蛾の脳裏には、1年前に大規模な呪術テロを仕掛けたかつての教え子である呪詛師の姿が思い浮かんでくる。

 

「虎杖についての判断が正しいかどうか、正直私にもわかりません。ただ・・・今は見守りませんか」

 

試合の方では6番バッター、棘が登場。ピッチングマシーンメカ丸の球を打った棘は1塁、(たつみ)は3塁に向けて走る。憲紀がボールを取ったことで(たつみ)は3塁で一旦止まる。憲紀は真衣にボールを投げ放ち、真衣はボールをキャッチ。しかし間に合ったためにアウトにならずに済み、2塁まで到達する。

 

「おおっ、間に合った!」

 

「狗巻先輩足速いんだよ」

 

「棘の術式を考えれば、当然ね」

 

「すじこ」

 

「真衣!三輪!盗塁あるわよ!」

 

6番 狗巻棘 ポジション、セカンド

実は朝はパン派。好きな食べ方はハムチーズにタバスコを少々。

 

「私たちの後悔は・・・その後でいい」

 

7番バッターに出てきたのは超期待の星、悠仁である。ピッチングマシーンメカ丸の球を悠仁は打ち返した。その勢いは確実にホームランに入る位置だ。

 

「入ったな」

 

「おっし!」

 

空を飛べる西宮でもボールをキャッチできず、ホームランとなった。これによって(たつみ)、棘、悠仁は本塁に到達し、それぞれ1点ずつ獲得した。

 

全ゲームが終了し、試合の最終結果はこうなった。

 

姉妹校交流会

 

2日目野球戦

 

東京3ー京都0

 

30年度交流会

 

勝者 東京校

 

こうして、第30年度の東京・京都姉妹校交流会は東京校の勝利で幕を閉じたのであった。

 

「・・・夜蛾、お前はまず五条をどうにかしろ」

 

「・・・・・・」

 

楽厳寺のごもっともな指摘に夜蛾は何も言えないのであった。




じゅじゅさんぽ「シャケ!」

Q.あなたは米派?パン派?

悠仁「米・・・いや・・・パンも好きだし・・・待って・・・おかずは明太子?」

(たつみ)「そりゃあ、日本人なら米だろ」

恵「米」

真希「米、かな・・・」

野薔薇「えー!私絶対パン!」

マイン「パンでしょ」

棘「塩むすび」

パンダ「パンダなんだからパン派に決まってんだろ!!!!!殺されてーのか、おおおん!!?」クワァ!!!

キレた直後、体育座りをして落ち込むパンダ

パンダ「・・・これは・・・無理があるって・・・」

悠仁「ネタ切れ・・・だってさ・・・」

(たつみ)「そりゃあ・・・同じネタだし・・・」

マイン「アホくさ」

真希「帰るぞ」



参章『京都姉妹校交流会』  完

次回
肆章『起首雷同』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。