呪術廻戦ー呪いを斬るー   作:先導

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起首雷同ー弐ー

八十八橋の呪霊の結界の中。この結界に入ってきた呪胎九相図の3番、血塗は大きな口から自身の血を(たつみ)に向けて噴き放つ。(たつみ)は血塗が吐いた血を走り、スライディングしながら一滴ずつ躱し、跳躍して血塗に飛び蹴りを放つ。蹴りをまともに受けて吹っ飛ばされた血塗は(たつみ)にまたも血を放つ。

 

向かってきた血を(たつみ)は後退して回避し、その隙に悠仁が血塗に接近し、かかと落としを放つ。打撃をくらった血塗は悠仁に血を放つ。悠仁は血を躱し、血塗を掴んで地に叩き込み、蹴りと拳の連撃を放つ。連撃を受け続ける血塗は真正面から悠仁を噴き放つ。悠仁がその血を躱したと同時に、血塗は悠仁の両手を掴んだ。

 

「捕まえた~」

 

悠仁を捕まえた血塗はそのまま血を噴き出そうとしたが、悠仁はこの態勢のまま軽く跳躍し、血塗の手を掴んだまま背後に回り、蹴りを放った。強烈な蹴りで吹っ飛ばされる血塗。その先に回り込んだ(たつみ)は向かってくる血塗に青龍刀を振るい、斬撃を放った。血塗は斬撃をくらいダメージを負うが、なかなかにタフなのかピンピンしている。

 

(こいつ結構タフだな・・・。それよりあいつが噴き出す血・・・)

 

(あれは・・・何かな・・・?毒かな?)

 

血塗が至る所に吐いた血は何か仕込まれているようで、血がついた岩はまるで酸がついたように溶けている。

 

「なんだぁ?強いなぁ。楽しくないなぁ」

 

ケロッとしている血塗は戦いを楽しもうとしている様子だが、2人が思ったより強いため楽しめていない様子である。

 

一方、本命の呪霊を相手にしている恵と野薔薇は呪霊を祓うために行動を開始する。

 

芻霊(すうれい)呪法―――共鳴り!!」

 

野薔薇はフジツボの殻から出てきた呪霊に呪力を纏った釘を打ち放つ。釘を打ちこまれた呪霊は粉々に砕ける。だが呪霊はこの1体だけではなかった。似た姿をした呪霊が次々とフジツボの殻から出てくる。しかし、共鳴りの影響で出てきた呪霊は粉々に砕け散る。それでもまだまだ出てくる。野薔薇は釘を打ち込み、さらにトンカチで殴って呪霊を次々と祓っていく。

 

一方の恵も殻から出てきた呪霊を黒い刀身の刀で素早く斬り裂き、1体、1体、また1体と素早く次々切り裂いていく。だがそれでも数が多く、まだまだ出てくる。

 

「ちっ・・・何体いるんだよ」

 

「モグラたたきの要領でいいのよね?」

 

「ああ。そのまま・・・そのまま祓い続けてくれ。1体残らず叩くぞ。多分反撃はない」

 

「限定的とはいえ、術式範囲が広い分、本体に攻撃能力がないってこと?」

 

「あくまで多分な」

 

ここまで何体か呪霊を祓ってきたが、呪霊が反撃してくる様子はない。攻撃してくる可能性が低いというだけかもしれないが、ここまで反撃の要素がないと、思っていた以上に楽である。

 

(不安材料だった術式範囲、被害者数、結界・・・全てが本体に引き算として作用されている。ラッキーだ。これなら早いうちに祓える。となると、問題はその後か・・・)

 

呪霊を祓ったとしても、まだ終わりではない。この結界に侵入してきた血塗。今回の討伐対象ではないにしろ、見た以上は無視することはできない。

 

ガシッ!!

 

恵が考えていると、野薔薇の腕が結界の外にいる何者かに掴まれた。外にいる何者かは野薔薇を引っ張り、結界の外へ引きずり出そうとしている。

 

「!!釘崎!!」

 

恵がそれに気づき、手を伸ばそうとするが、間に合わない。

 

「問題ない。あんたはモグラを叩け」

 

野薔薇は恵に呪霊を祓うことに集中するように促した後、何者かによって引きずられ、結界の外へと出てしまう。

 

「くそっ!あいつよく吸い込まれるな・・・!

(にしてもなんだ、今の?モグラさとさっきの・・・どちらでもない!)」

 

野薔薇が何者かによって引きずられてしまったことに悠仁と(たつみ)も気づいた。

 

「!釘崎!」

 

「なんだ今の⁉」

 

外にいる何者かの存在に気付いた血塗は嬉しそうな声を出す。

 

「おほっ!なんだ兄者かよ!」

 

「え?」

 

「兄者?」

 

血塗が言い放った兄者という言葉に2人は疑問符を浮かべていると血塗は結界の外へ向かって走り出した。

 

「俺も~~!!」

 

「「はあ!!!??」」

 

血塗は野薔薇が引きずり込まれた結界への出口の渦に飛び込んだ。血塗まで結界の外へ出て何が何だかわけがわからなくなる悠仁と(たつみ)

 

「あいつ逃げやがった!」

 

「放っておいてもいいのかこれ⁉」

 

「そのまま追え!」

 

「「!」」

 

混乱する悠仁と(たつみ)に恵は血塗を追いかけるように言い放った。

 

「釘崎もそいつも結界の外に出たんだ!予想以上に面倒くせぇのとバッティングしてるかもしんねぇ!逆にこっちは想定よりずっと楽だ!1人で何とかなる!釘崎優先!追え!!」

 

呪霊が攻撃してくることがないのならば、恵1人でも事足りる。戦いながらちゃんとそれを見ていた悠仁と(たつみ)は血塗を追いかけることを決断する。

 

「・・・わかった!けど、無理はすんなよ!」

 

「ヤバくなったら、伏黒も出て来いよ!」

 

2人の気遣いに恵は早く行くように片手を軽く振って返事を返す。2人は血塗を追いかけに渦に手を伸ばし、結界の外へ出るのであった。

 

 

一方、何者かによって結界の外に引きずり出された野薔薇は相手の手を無理やりほどいて距離を取る。

 

「この・・・触んな!!!」

 

距離を取った野薔薇は呪力を纏った釘を打ち込み、敵に向けて放った。迫ってきた釘を敵は華麗なポーズをキメながら躱した。

 

「女性でしたか・・・。これは・・・失礼」ファ~オ♡

 

野薔薇を引きずり出した相手、モヒカン頭に端正な顔立ちを持つ男の格好はかなり際どいものであった。その姿は筋肉質な裸体の上に蝶ネクタイと女性物のボディハーネス、Tバックを着用という奇抜な格好である。

 

モヒカン頭の男の名は壊相。呪胎九相図の2番にして、血塗の兄である。

 

「げっ・・・!」

 

壊相の際どい格好に野薔薇はすごい不快感を抱いている。

 

「我々兄弟に課せられたお遣い・・・その中に呪術師殺しは含まれていない。退けば見逃しますよ、お嬢さん」

 

「お遣い?」

 

「?てっきり同じお遣いかと・・・」

 

壊相の言うお遣いに対し、野薔薇は疑問符を浮かべた。その様子に壊相は話が噛み合っていないことに気付いた。

 

(呪霊?呪詛師?どっちだこいつ・・・?っていうかなんだこの匂い・・・?)

 

呪霊か呪詛師かわからない壊相の周辺に漂う妙な匂いが気になりつつも、野薔薇は彼に強い警戒心を見せている。

 

 

結界の中に残った恵は次々と出てくる呪霊を1体1体を確実に刀で斬り祓っていく。何体か祓っていき、呪霊の数も残り少なくなってきた。

 

「ラスイチ!」

 

恵はラスイチを強調しながら、出てきた呪霊に狙いを定める。

 

「裏の取り方が単純なんだよ」

 

恵は刀を振るい、現れた呪霊を斬り祓う。しかし、呪霊はまだ残っていたのか、恵の背後に1体現れた。呪霊はしてやったりと言わんばかりに憎たらしくニヤニヤ笑っている。

 

「言ったろ、単純だって」

 

だが恵は背後に呪霊が出てくることはわかっていた。先ほどのラスイチの発言は呪霊の裏のさらに裏を取るために言い放った言葉だったのだ。呪霊は恵が召喚した玉犬『渾』に気付くことができず、そのまま叩き潰される。これによって呪霊は全て完全に祓うことができた。

 

「ふぅ・・・これで全部か?」

 

全ての呪霊を祓ったことにより、恵は目を閉じ、一息ついて安堵する。

 

(津美紀の方はこれで一安心・・・後は・・・)

 

ピチャ・・・ピチャ・・・

 

安堵しているのも束の間、何かの液体が地面に滴る落ちる音が聞こえてくる。恵が目を開けて見てみると、結界は未だに消えておらず、目の前には一際目立った巨大なフジツボの殻が天上にあった。液体はあの殻の中から滴り落ちている。

 

(生き残り・・・?さっきのが本体じゃないのか?結界も閉じない・・・なんだ・・・?)

 

ズリュ・・・ドチャ!

 

フジツボの殻の中より、この結界を貼った呪霊の本体が現れた。その本体を見て、恵は呆然としている。

 

(呪霊の行動パターンに合理性を求めすぎてはいけない。それでもずっと引っ掛かっていた。なぜ今になってマーキングした人間の呪殺を始めたのか。1人目の呪殺は6月・・・6月・・・!)

 

呪霊が呪殺を始めた日時は6月・・・その月日はちょうど、悠仁が宿儺の指を取り込んだ月日であった。そして、1人の呪殺はその数週間後に起きた。これは・・・共振である。

 

恵の前に現れた呪霊の姿は白い肌に目は4つついた人に近い姿。この呪霊は・・・少年院で自分たちに絶望と恐怖を与えた特級呪霊と瓜二つであった。

 

 

「我々の目的は・・・宿儺の指の回収ですよ」

 

野薔薇と対峙する壊相は自分たちの目的を明かすのであった。

 

 

呪霊の結界の中。目の前に現れた絶望の象徴、少年院の特級呪霊を見て恵は考察する。

 

(気配が大きすぎるモノ。息を潜めているモノ。既に呪霊に取り込まれているモノ・・・。これは共振だ。取り込まれた呪霊の中で力を抑えていた宿儺の指が6月の虎杖の受肉をきっかけに呪力を解放したんだ。見てくれは同じだが・・・おそらく少年院の奴より数段・・・)

 

恵が考えている間にも特級呪霊は口から呪力の塊を吐き出し、それを伸ばし、恵に向けて弾いて放った。

 

ドオオオオオン!!!!

 

「ぐっ・・・!」

 

恵は刀で呪力を防御するが、その威力は凄まじく、防御に使った刀が簡単に折れ、後ろの岩も粉々に砕け散る。

 

(強い・・・!!)

 

吹っ飛ばされた恵は着地をすると同時に、背後に特級呪霊が回り込み、彼に拳を振るう。特級呪霊が振るった拳に玉犬『渾』間に素早い動きで恵を抱えて特級呪霊から距離を取って躱す。

 

「鵺!」

 

恵が鵺を召喚しようとするが、それよりも早く特級呪霊が目の前に迫り・・・

 

 

ドゴォ!!

 

「ぐっ・・・!」

 

時は前日に遡って交流会から数日後。恵は赤女(あかめ)に稽古をつけてもらっていたのだが、まったく相手にならず、彼女に殴り飛ばされてしまう。

 

「また私の勝ちだ。恵が私に稽古を頼むなんて珍しいな。何か心境の変化でもあったのか?」

 

赤女(あかめ)の問いかけに対し、恵は起き上がりながら素っ気なく返答する。

 

「別に・・・。ただ1秒でも早く強くなりたいだけです」

 

「それなら私じゃなくて悟に頼った方がいいのではないのか?」

 

「・・・五条先生に頼ったらそれこそ負けだと思ってます」

 

「そんなに悟は嫌か?」

 

悟に頼ることを全力で拒否っている恵に対し、赤女(あかめ)は悟の人望のなさに哀れと思った。

 

「しかし正直に言えば、恵のポテンシャルは悠仁と(たつみ)の2人と遜色ないと私は思っている。力不足と感じているのは意識の問題だ」

 

そう言って赤女(あかめ)は恵に確信めいたものを突きつける。

 

「恵。お前、本気の出し方を知らないだろ?」

 

「・・・はあ?」

 

赤女(あかめ)の発言に恵は気に障り、強張った表情を見せている。

 

「俺が本気でやってないっていうんですか?」

 

「違う。やってないのではなく、全然できていないんだ。例えば・・・交流会での野球戦・・・何で送りバントした?」

 

赤女(あかめ)問いかけの意味を理解していない恵は疑問符を浮かべている。そんな彼に構わず、赤女(あかめ)は話を続ける。

 

「自分がアウトになっても野薔薇に塁を進めたかったのか?それは立派なことだ。だが私や悟、悠仁や(たつみ)なら常にホームランを狙う」

 

「・・・・・・」

 

「バントが悪いと言ってるわけではない。野球は団体競技。それぞれの役割があるからな。だが呪術戦はあくまで個人競技。役割など存在しない」

 

「他の術師との連携は大事でしょ」

 

「もちろんそれも大事だ。だが忘れるな。周りに味方が何人いようが・・・死ぬ時は独りだけだ

 

ゾワッ・・・

 

殺気を纏っていないのに殺気を放ったかのように鋭い赤女(あかめ)の赤い瞳を見て、恵は恐怖心に似たざわつきを感じ取った。

 

「お前は自他を過小評価した材料でしか組み立てができない状態にある。。少し強くなった自分の未来をまるで想像できていない。曲がりなりにも私も禪院家の人間だ。十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)の『奥の手』はもちろん知っている。だがそれを言い訳の材料にしてはならない。なのにお前は最悪自分が死ねば全て解決できると思っている。それでは何の解決にもなっていないし、私や悟どころか七海にすら越えられない」

 

「・・・!」

 

「『死んで勝つ』と『死んで()勝つ』は・・・全然違うぞ、恵」

 

赤女(あかめ)は喝を入れる意味を込めて恵にきつめのデコピンを放った。

 

「本気でやれ。もっと欲張れ」

 

 

特級呪霊によって殴り飛ばされ、岩壁に叩きつけられて気を失っていた恵は頭から血を流し、視界が霞みながらも意識がハッキリしてきた。

 

(何秒気を失ってた・・・?玉犬は破壊・・・?いや、術式が解けたか・・・)

 

だんだんとハッキリしてきた恵の視界に移る特級呪霊はニタニタと笑みを浮かべている。

 

「・・・ここまで・・・だな・・・」

 

自分の力量では特級呪霊と渡り合えないと判断した恵はせめてもの足搔きとして自身の奥の手を使おうと、構える。

 

布瑠部(ふるべ)・・・由良由良(ゆらゆら)・・・」

 

【!!】

 

恵からプレッシャーを感じ取ったのか特級呪霊は強張った表情を見せ、恵から距離を取り警戒する。祓詞を唱える恵の脳裏に、宿儺の言葉がよぎる。

 

『宝の持ち腐れだな』

 

恵は宿儺の言葉を思い出して不敵に笑い、術の使用を中断した。

 

「・・・やめだ」

 

【・・・?】

 

途端に術の使用を中断した恵に対し、特級呪霊は怪訝な様子を見せている。ブツブツと呟き、立ち上がる恵の脳裏に浮かぶのは宿儺の言葉。

 

『お前何であの時逃げた?』

 

「・・・影の奥行きをすべて吐き出す・・・具体的なアウトラインは後回し・・・呪力を練ったそばから押し出していけ・・・イメージしろ・・・自由に・・・限界を越えた未来の自分を!」

 

立ち上がった恵は笑みを浮かべたまま、両手で印相を結んだ。

 

「やってやるよ!!」

 

呪術師の成長曲線は必ずしも緩やかじゃない。確かな土壌。一握りのセンスと想像力。後は些細なきっかけで、人は変わる。

 

「領域展開―――"嵌合暗翳庭"

 

恵が術を発動すると、彼の影が液状化して大きく広がり、結界内に影の湖が出来上がる。恵が習得したこの領域展開はまだ未完成故なのか、結界の名残がところどころに見えている。

 

「はは・・・ははは・・・!」

 

領域を展開した恵は笑っている。

 

(不完全!不細工もいいとこだ!だが今はこれでいい!!)

 

特級呪霊が警戒していると、足元に影でできたカエルが特級呪霊の足に這いずろうとしている。それに気づいた特級呪霊は呪力を影のカエルに放とうとした時、いつの間にか懐に恵が入り込み、強烈な蹴りを叩き込まれる。恵はさらに続けて、1、2回蹴りを放ち、特級呪霊を蹴とばす。蹴とばされた特級呪霊は態勢を立て直そうとするが、足元にまたも影のカエルが現れ、バランスが崩れて転び、恵に膝蹴りを打ち込まれる。ダメージを受ける特級呪霊は恵から距離を取る。

 

(もっと自由に!!広げろ!!)

 

殴りかかってきた恵の拳を特級呪霊は避け、手元に呪力を乗せ、恵に向けて呪力を弾き放った。手を伸ばした恵は呪力によって頭ごと貫かれた。しかし、貫かれた恵は液状の影でできた偽物で、ドロドロに溶け、影に戻っていく。

 

(術式の・・・解釈を!!!)

 

恵の影分身が解けた直後、2体の鵺が現れ、帯電を帯びた翼による体当たりを特級呪霊に叩き込んだ。何度も何度も続く2体の鵺の帯電攻撃を受け続ける特級呪霊は自身の呪力を解き放ち、自身の周辺に放った。2体の鵺は特級呪霊の呪力によって吹っ飛ばされ、恵の領域も解除されてしまう。

 

【アハッ♡】

 

ドスッ!!!

 

特級呪霊が得意げに笑っていると、いつの間にか背後に立っていた恵が玉犬『渾』を召喚し、玉犬『渾』の拳が特級呪霊の身体を貫いていた。

 

「玉犬『渾』の爪はあれ(花御)にも傷をつけた。不意のお前を貫くくらいわけないさ」

 

玉犬『渾』の拳に貫かれた特級呪霊は急所を突かれ、紫の炎に包まれて跡形もなく消え去った。同時に、玉犬『渾』の召喚が解除される。特級呪霊が祓われたことにより、結界が解除され、元の八十八橋の峡谷に戻ってきた。

 

「・・・疲れた・・・」

 

恵は領域展開によって大幅に呪力を使いこんだため、疲れが溜まっている。

 

「・・・どこだよ・・・あいつら・・・」

 

足元にある宿儺の指を拾い、恵はあまりの疲労によってその場に倒れてしまう。

 

 

「・・・いい。それでいい」

 

悠仁の中にいる宿儺は恵の呪力を感じ取っていたのか、彼に対して称賛の言葉を送るのであった。

 

 

中二の頃、俺は自身の周りにいる不良や半グレ、その他諸々・・・。そいつらが気に食わねぇからボコってやった。何人やったかはもう数えきれねぇな。

 

「他人と関わるうえでの最低限のルール、わかるか?」

 

「わかりません・・・」

 

「『私はあなたを殺しません。だからあなたも私を殺さないでください』だ。殺しを何に置き換えてもいい。要は相手の尊厳を脅かさない線引き。互いの実在を成す過程。それがルールだ。それを破って威張って腫れ物みたいに扱われて・・・さぞ気持ちよかっただろうな」

 

「うぅ・・・」

 

「次俺の前でやったら殺すからな」

 

「・・・俺ら・・・お前に何かしたか?」

 

「てめぇで考えろ。それか死ね」

 

「コラー!!」

 

悪人も悪人なら、善人も善人だ。ウザいったらありゃしなかった。

 

「恵・・・」

 

俺が喧嘩をしていたら、いつも決まって声をかけてくるのが、俺の姉に当たる、伏黒津美紀だ。

 

「もう喧嘩しないって言ったよね」

 

「保護者面すんな」

 

悪人が嫌いだ。更地みてぇな想像力と感受性でいっちょ前に息をしやがる。善人が苦手だ。そんな悪人を許してしまう。許すことを格調高く捉えてる。吐き気がする。津美紀は典型的善人。

 

「・・・気持ち悪ぃ」

 

俺が思ったことを口にして去ろうとした時、津美紀がいちご牛乳のパックを投げてきて、中身がぶち撒けて俺にかかった時のことも、よく覚えている。

 

「あ、ごめん・・・中身が出るとは・・・」

 

小1の時、俺の父親と津美紀の母親、それぞれの片親がくっついて蒸発した。白髪の怪しい男とその相方の黒髪の女が言ってた。

 

『お前のお父さんは私と同じ禪院という呪術師の家系なんだが、私や隣にいるこいつが引くレベルのろくでなしなんだ』

 

『で、お家出てって君を作ったってわけ』

 

『恵君はさ、当主候補であるこの子を差し置いて君のお父さんが禪院家に対してとっておいた最高のカードだったんだよ。ムカつくでしょ?』

 

蒸発資金の謎が解けた。俺は黒髪の女の家、禪院家とやらに売られたらしい。ああ、ムカつくよ。白髪の男のデリカシーのなさが特に。しかもそのムカつく男が禪院家の件を帳消しにして俺が将来呪術師として働くことを担保に俺たち2人の高専からの金銭的援助を通してくれた。

 

何が呪術師だ、バカバカしい。俺が誰を助けるってんだよ。

 

「ちょ、津美紀!何してんのあんた!恵君、チャオ~♡」

 

「・・・何でもない」

 

「あー、ちょっと。ねぇそれより肝試しの件、考えてくれた?」

 

「行きたくないけど、心配だからついてくよ」

 

俺が中3に上がって間もなく津美紀が呪われた。

 

正体不明、出自不明。全国に同じような被呪者がいるらしい。何もわからないということがわかって、津美紀は寝たきりになった。

 

『誰かを呪う暇があったら、大切な人のことを考えていたいの』

 

いつも笑ってきれいごとを吐いて・・・

 

『人を許せないのは悪いことじゃないよ。それも恵の優しさでしょ?』

 

俺の性根すら肯定する。そんな津美紀も、俺が誰かを傷つけると本気で怒った。俺はそれにイラついてた。事なかれ主義の偽善だと思っていたから。

 

でも今は、その考えが間違いだってわかってる。

 

俺が助ける人間を選ぶように、俺を選んで心配してくれてたんだろ?

 

悪かったよ。ガキだったんだ。謝るからさ・・・さっさと起きろよ・・・バカ姉貴。

 

 

「・・・クソッ・・・頭いてぇ・・・」

 

うつ伏せで倒れていた恵は仰向きに寝転がり、夜空を見上げる。

 

(この八十八橋の呪いも重複してただけで・・・津美紀が寝たきりになった呪いは解けてないだろうな・・・)

 

寝たきり状態になっているという津美紀の呪いは解けてはいないものの、八十八橋の呪いは完全に祓うことができた。今はそれだけでも十分だ。

 

「後はこの指のことを・・・虎杖に・・・なんて・・・」

 

恵は宿儺の指について少し考えていたが、頭が回らず、そのまま目を閉じてしまう。

 

伏黒、入眠。

 

ザッザッザッ・・・

 

恵が入眠に入った直後、この峡谷から足跡が聞こえてきた。足跡が聞こえてきた方角から、青白く輝く蝶が飛んできて、恵の手に止まる。蝶に続いて現れたのは、袴を履き、細いお腹が出ている白い着物を着込み、胸に青の勾玉が埋め込まれているウサギのぬいぐるみを持った女性だ。そう、彼女はライトグリーンの瞳を持つ短髪の黒髪の女性、禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)の1人である。

 

 

「「!!」」

 

一方その頃、お互いに対峙していた野薔薇と壊相は急に現れた大きな呪力を感じ取った。宿儺の指が外に出たのだと気づいたのだ。

 

(急に現れた大きな気配・・・宿儺の指が結界から出たのか・・・。もし指の寄主を祓ったのが術師だとしたら・・・なかなか・・・)

 

(だとしても指の・・・特級相当の呪霊と()り合って勝ったとして・・・無傷で済むわけないでしょ。あいつら無事かしら・・・?)

 

野薔薇が結界に残ったとされる3人の安否を気にしている間に、壊相は後ろに軽く跳躍しながら後退するという奇妙な走りをしながら大きい気配の出所へと向かって行く。

 

「!」

 

「失言。私が話したことは忘れてください」

 

「待てや!!」

 

当然、壊相を見逃してやる理由がない野薔薇は彼を追いかける。

 

(こいつ、指のところへ向かう気か・・・!)

 

敵に宿儺の指を取られたら後々面倒なことになるのは明白だ。野薔薇は走りながらトンカチを手に取り、臨戦態勢に入る。

 

「ナメた走り方しやがって!そんなんでチギれると思ってんのかよ!」

 

「・・・私、自分の背中がコンプレックスでして・・・警告です。私の背中を見たら殺しますよ」

 

自分の背中を見せようとしない壊相が野薔薇に対して警告を言い放った時・・・

 

「「あ、釘崎」」

 

「あ、兄者」

 

「!!!!!」

 

壊相が向かう先に結界から外に出てきた悠仁と(たつみ)、そして血塗に自分の背中を見られた。すると壊相はプルプルと震え・・・

 

「みっ・・・みっ・・・みっ・・・

 

 

みぃたぁなああああああああああああああ!!!!!!!!!

 

 

怒りのあまり大きな絶叫を放った。3人が見た壊相の背中には血涙を流す不気味な第二の貌が存在しており、明らかに普通の背中ではない。さらに言えば、壊相の周辺に漂う妙な匂いはこの第二の貌から出ているのだ。

 

「えっ⁉誰⁉なんかキレてる!!?すんません!!」

 

「えっ⁉なんで⁉なんかゴメン!!」

 

「ゴメン兄者!!わざとじゃねぇ!!わざとじゃねぇんだ!!!」

 

キレてる壊相を前に3人は慌てて謝罪をしているが、そんな謝罪では壊相の怒りは収まらない。

 

「殺す!!!!!」

 

壊相は振り向き、悠仁と(たつみ)を殺しにかかる。すると野薔薇が壊相の背中に近づき、呪力を纏ったトンカチを彼に叩き込んで吹っ飛ばす。もろにトンカチを打ち込まれた壊相は地に着地して態勢を立て直す。

 

「じゃあなんでそんな格好してんだよ。変な匂いはそれか」

 

野薔薇にまで背中を見られたことにより、壊相の怒りはさらに高まる。

 

「ムレるんだよ!!!」

 

怒りのボルテージが上がった壊相の背中の貌は血涙を大量に流れだした。背中の貌より溢れた血涙は形作り、大きな蝶のような翅を複数構築される。

 

「蝕爛腐術、極ノ番。『翅王』」

 

これこそは、壊相の術式、蝕爛腐術に備わっている極ノ番、翅王である。

 

「バチ 殺 し!!」

 

バチ殺しを宣言した壊相の血の翅。そこから垂れてきた血液は血塗の血と同じように酸があるのか小石が触れただけで溶けてしまう。

 

「!釘崎、あの血触んなよ!」

 

「わからいでか!」

 

「来るぞ!」

 

「走りなさい、背を向けて」

 

壊相は血の翅から血のレーザーを3人に向けて無数に放った。3人は迫ってきた血のレーザーを躱し、壊相から背を向けて走り出す。血のレーザーは追尾能力が高いからかなかなか振り切ることができない。

 

「釘崎!もっとスピード出せるか⁉」

 

「無理ぃ!!」

 

シュッ!

 

「うぁ!」

 

走り続ける中で野薔薇は頬に血のレーザーが少し掠ってしまい、バランスを崩して転んでしまう。そんな彼女に血のレーザーは容赦なく野薔薇を襲う。血のレーザーが野薔薇に直撃する寸前で(たつみ)が前に出て腕を交差してそれを防御する。

 

「ぐ・・・うぅ!!」

 

防御したとはいえ、血のレーザーを受けた(たつみ)は直撃箇所である左腕に強烈な激痛が走る。(たつみ)は左腕に激痛が走る中で右手で青龍刀を抜き、さらに迫ってくる血のレーザーを斬り払う。

 

「和倉!!」

 

(たつみ)!!」

 

「大丈夫だ!すげぇ痛いけど死ぬほどじゃねぇ!」

 

「和倉!あんたは伏黒んとこに行け!多分特級呪霊と()り合って負傷してるかもしんない!そんな状態であいつらとバッティングしたら面倒なことになる!あいつらは私たちが何とかする!だからいけぇ!!」

 

恵は今特級呪霊と戦って怪我を負っているのは事実だ。そんな状態で襲われでもしたらまず助からない。それを理解した(たつみ)は壊相と血塗の相手を2人に任せると決断した。

 

「ヤバくなったら逃げろよ!」

 

「そっちもな!」

 

2人に後を託した(たつみ)は峡谷の森の中に向けて走り出した。

 

(!仲間のところへ向かう気か!)

 

それを見た壊相はそうはさせまいと血のレーザーを(たつみ)に向けて放った。迫ってきた血のレーザーを(たつみ)は木を障害物として利用しながら躱していく。

 

「らぁ!」

 

悠仁と注意を自分たちに向けるために足元の小石を拾い、それをボールの要領で壊相に向けて投げ放った。それに気づいた壊相は血のレーザーで小石を溶かし、標的を悠仁と野薔薇に向ける。

 

「背中は任せろ」

 

「頼んだ」

 

狙い通り自分たちに注意を向けられた悠仁はまず自分たちと離れていく(たつみ)をできるだけ翅王の射程から離れさせるために、野薔薇を背負い、血のレーザーを多く引き付けながら全速力で走る。

 

(なんて速力・・・!人1人抱えて・・・!)

 

壊相は血のレーザーを多く放つが、木が障害物となって進路を遮っているため、2人に直撃できない。このままいけば射程外となる。そして(たつみ)の姿も見えなくなり、両者を翅王で追撃するのが難しくなってきた。

 

(ちっ・・・逃げ切られる・・・。まぁいい・・・あの茶髪の少年は私の血を浴びた(・・・・・)。彼はもう殺したも同然。ならば逃げたあの2人を負うのが得策)

 

壊相には何か秘策があるようで恵の元へ向かった(たつみ)は後回しにして、悠仁と野薔薇の後を追いかけるのであった。

 

 

なんとか翅王から逃げ切った(たつみ)はスピードを落とさず、森から飛びぬけ、峡谷の地に着地する。

 

「よし、なんとか振り切ったな!」

 

(たつみ)が少し安堵する。すると、視線の先で倒れている恵と、すぐ近くにいる禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)の1人が彼に何かをしている姿を目撃する。

 

「!!伏黒!

(なんだあいつ⁉もう1人いやがったのか⁉)」

 

(たつみ)が恵に駆け寄ろうとする。すると(たつみ)禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)の1人が放つ光が恵の傷を治しているところを目撃する。

 

(伏黒の傷が治ってる?反転術式・・・いや、違う・・・あれは反転術式とは違う何かだ・・・。何なんだこいつ・・・?敵か・・・味方か・・・?)

 

硝子から治療してもらったことがある(たつみ)禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)の1人が使う光は反転術式ではないことを直感的に感じ取っている。恵の傷を治していることから、彼女が敵か味方かの判断が難しくなってきている。

 

「ツーちゃん、何か変なのが来たよ」

 

すると、禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)の1人が持っていたウサギのぬいぐるみが途端にしゃべりだした。

 

(!ぬいぐるみがしゃべった⁉パンダ先輩と同じ呪骸か⁉)

 

「ウーの方が1番変」

 

「ひどいなぁ。僕の姿を決めてるのはツーちゃんじゃない」

 

「見た目の話じゃない」

 

恵の怪我を治し終えた禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)の1人はしゃべるウサギのぬいぐるみと会話しながら(たつみ)に視線を向ける。(たつみ)は警戒しながら彼女と話を試みる。

 

「・・・お前は・・・いったい誰だ?敵か?味方か?」

 

「・・・それはあなた次第」

 

「俺?」

 

「私はただお遣いに来ただけ。その中に術師殺しは含まれていないし、私も敵対する理由がない。だからこれは等価交換」

 

「等価交換?」

 

どういう意味か理解しておらず、疑問符を浮かべる(たつみ)に構わず、彼女は話を続ける。

 

「私が支払ったのは、この子の怪我を治すこと。その対価として私は・・・これをもらっていく。それが等価交換」

 

(!宿儺の指!!)

 

説明する彼女が取り出したのは、恵が持っていた宿儺の指1本だ。

 

「人1人の価値と比べれば小さいけど、あなたたちにとってはこれと同等のはず。納得した?」

 

「ふざけんな!」

 

話に納得がいっていない(たつみ)は青龍刀を抜いて構える。

 

「伏黒を治したことには感謝してるけど、等価交換はお前が一方的に決めたことだろ!!そもそもお前は誰だ?指を回収してどうするつもりだ!!」

 

「・・・私は・・・」

 

彼女が口を開き、何かを話そうとした時・・・

 

『退きなさい、ツクヨミ』

 

突如として、目の前彼女とは違う第三者の声が聞こえてきた。声の主は近くにいるようだが、第三者の姿はどこにも見えない。

 

(⁉なんだ今の声⁉まだ誰かいるのか⁉でもどこだ⁉どこにいる⁉)

 

「姉様・・・まだ交渉が・・・」

 

『呪霊側につくと決めた以上は馴れ合いは不要です。足止めを用意したので早く退きなさい』

 

「でも・・・」

 

(わたくし)たち姉弟の最優先事項を忘れないでください』

 

「・・・うん」

 

どうやら声の主は禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)の1人、ツクヨミの姉にあたる人物らしい。姉の言葉に納得したツクヨミは走り出し、その場を去ろうとする。

 

「!待て!逃がしてたまるか!」

 

(たつみ)は逃げようとしているツクヨミを走って追いかける。すると、(たつみ)の目の前に円状の鏡が現れる。その鏡には(たつみ)の姿は映っていない。代わりに映っているのは・・・機械の黒い身体を持った白い顔。

 

パリィィィィン!!!

 

「うあああああああ!!!」

 

鏡が割れる音と同時に鏡から映っていた存在が現れ、(たつみ)の身体を掴み上げられ、彼は地面に叩きつけられる。その間にツクヨミは再び現れた鏡に向かって突っ込む。するとツクヨミは鏡に受け入れられたかのように鏡の中へ入り込んだ。

 

『指は回収しました。後は頼みますよ、特級呪霊』

 

ツクヨミが鏡の中に入ると、鏡は渦に飲み込まれるかのように消えてしまう。その場に残ったのは、(たつみ)と鏡から現れた存在だ。

 

「相変わらず安っぽい正義感を抱いてんなぁ・・・小僧」

 

「!!!」

 

(たつみ)は鏡から現れた存在を見て、目を見開いた。その姿・・・憎き声・・・忘れるはずがない。自分の大切なものを奪い去った憎き怨敵を。

 

「よぉ、小僧・・・久しぶりだなぁ」

 

鏡から現れた存在とは、大切な友達である沙良(さよ)家康(いえやす)、そして唯一の親である武虎の命を奪い取った怨敵、特級呪霊斬鬼である。怨敵を前にして(たつみ)は声をあげられなかった。

 

「おいおいリアクション薄いなぁ。まさか忘れたわけじゃあねぇよなぁ?俺様はしぃーーーーっかりと覚えてるぜぇ。雑魚のくせに俺様に傷を負わせた屈辱・・・忘れたくても忘れられねぇからなぁ。だがなぁ、小僧。今はてめぇを認めてるんだぜぇ?」

 

呆然としている(たつみ)をよそに、斬鬼は構わずニタニタと笑っている。

 

「聞けば真人や花御を追い詰めたらしいじゃねぇかぁ。たかだか雑魚だと思っていた小僧がだ!面白いじゃねぇか!あの時の雑魚がそこまで強くなるとは想像すらしてなかったぜ!俺様は強ぇ奴が大好きだ!天狗になってやがる奴が絶望した時の顔はたまんねぇからなぁ」

 

1人語りをする斬鬼はようやく(たつみ)に顔を合わせる。

 

「ここには宿儺の指を回収するためだけに来たんだが・・・まさか小僧がここに来ていたとはなぁ・・・こいつはいい。小僧、俺様はなぁ・・・俺様に傷を負わせたてめぇを、ぶち殺したくてぶち殺したくて、ずぅーーーーっとうずうずしてたんだぜぇ?4ヶ月だ。俺様は4ヵ月も待った。もういいよなぁ?暴れても」

 

斬鬼は両手に電気の鋭利の爪を生成し、構える。

 

「小僧、てめぇが俺様にどれだけ食いつけるか・・・楽しみだぜぇ・・・」

 

斬鬼は戦闘の体制を整える。対して、ずっと一言もしゃべっていない(たつみ)はひどく冷静だ。そしてその冷静さの奥深くには、怨敵への形容しがたい確実な殺意があった。(たつみ)は斬鬼に強い睨みを利かせ、青龍刀を構える。

 

「さぁ、俺様を楽しませろ」

 

「ぶっ殺してやる・・・!!!!」

 

(たつみ)と斬鬼。深い因縁がある人間と呪霊の戦いが始まろうとしていた。




じゅじゅさんぽ

悠仁「先生~~~!!(たつみ)~~~!!釘崎~~~!!」

(たつみ)「お前暑いのに元気だな・・・」

野薔薇「うっさいわね~・・・。今暑くて何もする気が起きない・・・」

悠仁「伏黒が逆ナンされてる!!!」

逆ナンと聞き、5人は即座に行動!

悟「フォーメーションB!」

4人「承知!」

ターゲット、伏黒恵。目標は確かに女性と話をしている最中だ。

悠仁、(たつみ)、野薔薇「伏黒きゅ~~ん!!」

1年ズ、突撃

野薔薇「何よその女!私の瞳にカンパイした夜を忘れたの⁉」

(たつみ)「いろんなピンチを俺たち2人で乗り越えたじゃない!裏切るの⁉」

悠仁「俺といる時が1番楽しいってあれはウソだったの⁉」

恵「何?マジで何?」

赤女(あかめ)「恵から離れてもらおうか?泥棒猫共」

ここで赤女(あかめ)が高級スーツを着込んで登場。

赤女(あかめ)「恵とはこれからランチデートなんだ。痛い目にあいたくなかったら・・・早くどくんだ」キラキラ

悟「(わたくし)の恵ちゃんを誘惑しないでもらえるかしら~ん?泥棒猫ちゃんたちぃ!!!」

さらにそこに爽やかスーツに爽やかイケメンフェイスの悟登場。

悟「恵ちゃんは(わたくし)と一緒にヴァイオッリーンのお稽古なのよ?帰るわよ、恵ちゃん。今日こそ、『キラキラ星をマスターしてもらうわぁん』」

当の恵は女性に・・・

恵「大丈夫。気にせず行ってください。駅はここまっすぐです」

女性「ありがとうございます」

5人「んあ?」

恵「・・・で、マジで何スか?恥ずかしいんでやめてもらえます?」

悟、爽やかフェイスで誤魔化す

悟「ん~~・・・」

恵「説明!!」

結果、女性は駅の道を尋ねてたらしく、悠仁の勘違いであると判明。

アホらしくなった4人はすぐさま退散。

悠仁「あはは・・・」

バキッ!

悠仁「いてっ」

悠仁、恵のげんこつでおしおき





1人の名前でわかったと思いますが、禍津神三貴子(まがつがみみはしらのうずのみこ)のモデルは三貴子となっています。詳しい詳細は起首雷同編後の設定にて。
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