呪術廻戦ー呪いを斬るー   作:先導

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弱者に罰を

盤星教時の器の会。それは天元を信仰し、崇める非術師による宗教団体。10年前の星漿体暗殺に深く関わり、組織を解体された。しかし解体されても信者たちは組織の名を変えて活動を続けていた。それが今では呪詛師に堕ちた夏油傑に乗っ取られ、恐怖政治によって支配された。

 

そんな乗っ取られた教団の本部。そこの応接室に親子の相談者がやってきていた。娘がとあることに悩んでいることを憂いた母親がこの教団の話を持ち掛けて、何とかしてもらおうとやってきたのだ。尤も、娘の方はかなり懐疑的な様子であったが。

 

「ねぇ、もういいって。帰ろうよ・・・」

 

「大丈夫だから・・・もうちょっと待ってなさい」

 

「でも・・・」

 

しばらく待っていると、部屋に五条袈裟を着込んだ男、夏油傑が入ってきた。傑は壇上の畳に上がり込み、ドカッと座り込んで相談内容を確認する。

 

「えーっと・・・お宅の娘さんが霊に取り憑かれていると・・・そういうわけだね、佐藤さん?」

 

「あ、はい・・・いや・・・私、斎藤です・・・」

 

相談内容はあっているのだが、依頼人の名前を間違えているため、そこだけを訂正する斎藤母親。

 

「いや、あなたは佐藤さんです。私がそう言ってるんだから佐藤の方がいい」

 

「・・・はぁ・・・」

 

だが傑は訂正する気は全くなく、あくまでも佐藤で押し通そうとしている。

 

「お母さん、帰ろうよ・・・」

 

「でもあんた、最近まともに眠れてないでしょ?」

 

「だからってこんな胡散臭い・・・」

 

「刺すような視線を常に感じている」

 

「!!」

 

斎藤親子がひそひそと話していた時、傑が斎藤娘に陥っている症状を言い当てた。まだ話してもいないのに症状を言い当てた斎藤娘は驚くが、傑はまだ口を開く。

 

「肩が重く、息苦しく感じる時がありますね?呼吸の仕方を忘れたように。そしてよく・・・犯される夢を見る」

 

今傑が上げた症状は全て真実である。そして傑にはその原因が見えている。斎藤娘に取り憑かれた呪いが。

 

「・・・なんでそのことを・・・?」

 

「動かないで」

 

斎藤娘が話してもいないのに症状を全て言い当てた傑に驚いている間にも彼は片手を翳す。すると、斎藤娘に取り憑いていた呪いが無理やり引きはがされるかのように離れ、傑の翳した手に凝縮され、1つの玉となった。これによって斎藤娘に変化が起きた。

 

「え・・・?嘘・・・すごい楽に・・・」

 

悩まされていた肩こりが一気に解消され、顔も晴れ晴れとしている。その理由はやはり憑かれていた呪いが離れたからだろう。これで斎藤娘の悩みもなくなるだろう。傑はにっこりとした微笑みを見せている。

 

 

斎藤親子の悩みが解決し、傑は教団の外で彼女たちを見送る。斎藤母親は娘の悩みを解決してくれた傑に感謝して頭を下げている。

 

「本当になんとお礼を申し上げてよいのやら・・・」

 

「いえいえ、困ったときはお互い様です。またいつでも頼ってください」

 

「オホホホ。ね、言ったでしょ?仏様のような人だった」

 

「うん」

 

斎藤親子は晴れ晴れとした様子で教団を去っていった。だがこの親子は勘違いをしている。傑が仏とは程遠い・・・いやかなりかけ離れた人間であることを。

 

「・・・仏様ねぇ・・・。よくわかってるじゃないか・・・呪術も扱えない猿共め」

 

そう、傑は呪術を扱えない人間・・・非術師を心の奥底から見下しており、本当ならばこうして相談に乗ること自体も面倒で仕方ないことなのだ。

 

「素が出てますよ、夏油先輩」

 

「!」

 

素の本性が出ていることを指摘したのは、この場に帰ってきた1人の女性だった。刀を持ち、黒い短髪で20代とは思えない愛らしい顔を持った黒い瞳の女性だ。

 

彼女の名は禪院黒女(くろめ)。10年前に傑と共に高専を去った元呪術高専の術師だった女性だ。今では傑率いる夏油一派の呪詛師集団の幹部の呪詛師だ。そして・・・高専にいる赤女(あかめ)の実の妹だ。

 

「やあ、おかえり、黒女(くろめ)

 

「また猿から呪いを徴収してたんですか?飽きもせずよくやりますね」

 

「ふふ、まぁね。本当は嫌だけど、必要なことだから」

 

「心中お察ししますよ」

 

発言でわかるとおり、黒女(くろめ)も非術師を心底見下しており、傑の術式の関係上、非術師と対応しなければならない彼に彼女は同情している。

 

「帰ってきたのね、黒女(くろめ)。おかえりなさい」

 

「あ、真奈美さん。ただいまー」

 

教団から出てきて黒女(くろめ)を出迎えたのは艶やかな美しさを持った女性であった。

 

彼女の名は菅田真奈美。黒女(くろめ)と同じ、夏油一派の幹部の1人で傑の秘書的役割を持つ女性である。

 

「これで幹部が全員揃いました。ミーティングルームへ」

 

真奈美がミーティングルームへの移動を促すと、傑は懐から消臭スプレーを取り出し、自分の身体にスプレーを捲いている。

 

「何をなさっているのですか?」

 

「除菌消臭。みんなに猿の匂いが付くといけない」

 

傑の除菌消臭が完了し、3人は教団の中に入り、ミーティングルームへ移動する。移動の最中、黒女(くろめ)は嬉しそうな顔をしている。

 

「やけにうれしそうだね、黒女(くろめ)

 

「だって久しぶりじゃないですか。家族が全員揃うの」

 

「くくく、確かに。いつぶりかなぁ・・・全員集合は」

 

傑は夏油一派の幹部たちを家族と称しており、傑を慕う幹部たちも皆、本当の家族のように振る舞っており、どの呪詛師集団よりも結束力が高い。

 

「そうだぁ。久しぶりにみんなで写真を撮ろう。一眼どこだっけ?」

 

「こちらに」

 

用意周到というべきか、素早く一眼レフカメラを取り出した真奈美。カメラを受け取った傑はにこにこと笑いながら真奈美と黒女(くろめ)と一緒に自撮りを始める。穏やかな空気が流れる中、背後から忙しない足音が聞こえてきた。

 

「夏油!!夏油を出せぇ!!」

 

凄まじい怒声をあげているのはガラの悪いスーツを着込んだ小太りの男だ。彼は傑の支配政治によって渋々投資している株主である。

 

「夏油、貴様ぁ!!!」

 

「これはこれは金森さん。そんなに慌ててどうされました?」

 

「とぼけるな!!早くワシの呪いを祓え!!お前にいくら払ったと思ってる!!」

 

傑に投資している株主、金森の顔をよく見てみると顔色がかなり悪い。彼の言うとおり、彼の周りには数多の呪いが憑いている。あらゆる不快感が彼を襲っているのだ。

 

「・・・いくら?」

 

「ざっと1億とんで500万ですね。しかし、ここ半年間の寄付はありません」

 

「あーあ、それもう限界ですよ。さくっと()っちゃいましょう」

 

「うん。それもそうだね」

 

「何を言って・・・ぐぉ・・・!」

 

3人が話している間にも金森の容態がさらに悪化し、地に膝をつけた。限界が近いのであろう。今すぐ呪いを祓わなければ命はない。だが3人の目は冷ややかで、助けるという気持ちは一ミリも持ち合わせていない。

 

「猿にはね、それぞれ役割があります。金を集める猿と、呪いを集める猿。あなたは前者」

 

傑は先ほどの斎藤娘に憑いていた呪いの玉を口の中に入れ、丸呑みにした。

 

「お金がないなら用済みです」

 

パチンッ!!

 

「ふざけるな!!・・・んぶ!!??」

 

傑が指を鳴らした時、金森に憑いていた呪霊が傑の意に従うかのように、彼の顔を吸いつき、肉を剝ぎ取ろうとしている。取り込んだ呪霊を自由自在に操ることができる術式。それが、呪霊操術。

 

「ん~~~~!!!んんん~~~~~~!!!!!」

 

ブチャアッ!!!!!

 

呪霊に顔を吸われ、皮を剝ぎ取られた金森は血をまき散らし、命を散らせた。黒女(くろめ)は死骸となった金森に近づき、座り込む。その顔は狂気が見え隠れした笑みを浮かべている。

 

「あーあ、死んじゃった。こんな猿でも私のおもちゃにしてあげるんだから、私ってば優しいね。後でパーツを組み換えて遊んじゃおっと」

 

黒女(くろめ)、悪趣味よ。それにしても・・・汚らわしい。本当に同じ人間ですか?」

 

「だから黒女(くろめ)も言ってるだろ。非術師(かれら)は猿だ」

 

3人は金森の死体を放置し、今度こそミーティングルームへ向かう。ミーティングルームへはそれほど遠くないため、数分も経たないうちに辿り着いた。3人はミーティングルームの扉を開け、中に入る。

 

「時が来たよ、家族たち」

 

ミーティングルームには傑を慕う幹部の呪詛師たち・・・言い方を変えれば家族たちが全員集まっていた。

 

「猿の時代に幕を下ろし、呪術師の楽園を築こう」

 

家族たちの目的はそれぞれ異なっている。傑と黒女(くろめ)に助けられ、彼らの手助けをしたい者。傑の思想に賛同し、付き従う者。傑を世界の王にしようとする者。それぞれ微妙に異なっているが、全員に共通しているのは、傑を心の奥底から慕っている。だから傑がこうだと決めたのなら、必ず従うのだ。

 

「まずは・・・手始めに、呪術界の要、呪術高専を・・・落とす」

 

10年間、鳴りを潜めながら組織を発展させてきた夏油一派が・・・ついに呪術高専に牙をむこうとしていた。

 

 

12月の呪術高専。憂太は真希、マイン、棘、パンダと共に通学路を歩いていく。その道中、憂太は何かを感じ取ったのか空を見上げる。

 

「どうした、憂太?」

 

「えーっと・・・なんかちょっと嫌な感じが・・・」

 

「気のせいだ」

 

「気のせいね」

 

「気のせいだな」

 

「おかか」

 

「ええ!!?ちょっと、みんなぁ!」

 

だが誰も憂太の嫌な予感を気にも留めていなかった。

 

「だって憂太の呪力感知超ザルじゃん」

 

「まぁ里香みたいなのがずっと横にいたら鈍くなるわな」

 

「呪力感知のコツ、教えてあげましょうかぁ?」

 

「ツナ」

 

憂太が転校してからもうすぐ半年。最初は真希やマインに煙たがれていたものの、今ではすっかり仲間として認められ、こうして全員揃って登校できるほどの仲睦まじくなった。

 

 

一方、高専の廊下。4人と1匹の生徒が仲良く登校する姿を眺めている悟と赤女(あかめ)。だが空気は生徒たちとは違い、重苦しい雰囲気で、そばにいたサングラスをつけた厳つい見た目の大男と話をしていた。

 

この厳つい大男の名は夜蛾正道。学生時代の悟と赤女(あかめ)の担任の教師であった男。今ではこの東京都立呪術高等専門学校の学長を務めている。

 

「未だ夏油の動向は掴めん。やはりお前たちの杞憂じゃないのか?」

 

話している内容は傑の動向についてである。あれからも調査を進めているが、未だに進展がない様子だ。

 

「残念ですが学長、それはありえません。私と悟が直接現場を確認しました」

 

「・・・僕と赤女(あかめ)が傑の残穢を間違えるわけないでしょ」

 

「ふむぅ・・・傑・・・黒女(くろめ)・・・」

 

夜蛾がかつての生徒たちに思いをはせていると、3人はこの高専に近づいてきた呪力を感じ取った。

 

「「!」」

 

「ガッデム!!噂をすればだ!!準一級以上の術師を正面ロータリーに集めろ!!」

 

夜蛾は侵入者を迎え撃つための準備に入る。悟と赤女(あかめ)は外を眺め、すぐに自分たちも迎え撃つ準備に入る。

 

 

登校している4人と1匹の前に、あるものが正面ロータリーに近づいてきている。憂太の嫌な予感が当たったのだ。

 

「珍しいな」

 

「憂太の勘が当たった」

 

「シャケ」

 

「何あれ?」

 

「?」

 

上を見てみると、4つの翼を持った鳥型の呪霊がこちらに降りてきている。鳥型の呪霊が着地したと同時に、呪霊の主である男が着地してきた。男の呪力と鳥型の呪霊から感じる複数の呪力を前に、真希、マイン、パンダ、棘は戦闘態勢を整える。

 

「こいつ誰よ?」

 

「関係者・・・じゃねぇよな?」

 

「見ない呪いだしな」

 

「すじこ」

 

「わ~、でっかい鳥!」

 

憂太が呑気な感想を述べている間にも、鳥型の呪霊はくちばしを大きく開け、中にいた何人かの呪詛師たちが出てきた。その場にやってきたのは・・・

 

「・・・変わらないね・・・ここは・・・」

 

最悪の呪詛師、夏油傑。

 

「懐かしいなぁ~。楽しかった日々を思い出すよ」

 

夏油一派の幹部、赤女(あかめ)の妹、禪院黒女(くろめ)

 

「うええ~、夏油様ぁ、黒女(くろめ)姉ぇ、マジでここ東京?田舎くさぁ」

 

「菜々子、失礼」

 

「えー?美々子だってそう思うでしょ?」

 

同じく幹部、金髪お団子ヘアのギャルの少女、柳場菜々子と黒い髪の大人しめな少女、柳場美々子の双子の姉妹。

 

「んもう!さっさと降りなさい!」

 

「あんた寒くないの?」

 

同じく幹部の1人、金髪でハートのニプレスを付けた筋肉質な上半身裸のオカマ、ラルゥ。

 

「・・・黒女(くろめ)?」

 

真希は夏油一派の幹部である黒女(くろめ)を知っているのか目を見開いて驚いている。

 

「・・・あいつら何?」

 

「あー!パンダだぁ!かわいい~!」

 

菜々子はパンダを見てスマホを向けて写真をパシャパシャと撮っている。

 

「お前らこそ何者だ!侵入者は許さんぞ!憂太さんが!」

 

「昆布!」

 

「えっ!!?」

 

「殴られる前にさっさと帰りなさい!憂太さんに!」

 

「うんうん」

 

「えええ!!??」

 

悪ノリでパンダや棘、マインに話を振られ、困惑を見せる憂太。真希は黒女(くろめ)の方に意識が向いているため、珍しく悪ノリに乗ってこなかった。困惑している憂太の手をいつの間にかそこにいた傑が取った。

 

「初めまして、乙骨君。私は夏油傑」

 

(((速い!!!)))

 

いつの間にか憂太の元にやってきた傑に3人と1匹は傑から距離を取る。彼からただならぬ気配を感じ取ったからだ。

 

「えっ・・・あっ・・・初めまして・・・」

 

「君はとても素晴らしい力を持っているね。私はね、大いなる力は大いなる目的のために使うべきだと考える。今の世界に疑問はないかい?」

 

「?」

 

「一般社会の秩序を守るため、呪術師が暗躍する世界さ」

 

つらつら話す傑に対し、憂太は自分に何を伝えたいのか理解ができず、困惑気味で疑問符しか浮かべることしかできない。

 

「つまりね、強者が弱者に適応する矛盾が成立してしまっているんだ。なんって嘆かわしい!!」

 

「は、はぁ・・・」

 

「万物の霊長が自ら進化の歩みを止めてるわけさ。ナンセンス!そろそろ人類も生存戦略を見直すべきだよ。だからね、君にも手伝ってほしいわけ」

 

「・・・何をですか?」

 

困惑している憂太は傑が自分に何をさせたいのか問いかける。傑は笑みを浮かべたまま、イカれた目的を話す。

 

「非術師を皆殺しにして、呪術師だけの世界を創るんだ」

 

「!!?」

 

(何・・・)

 

(言ってんだ・・・?)

 

(イカれてる・・・!)

 

(・・・・・・)

 

常人では絶対に理解できない傑のイカれた理想に4人と1匹は身体を強張らせている。

 

「僕の生徒に、イカれた思想を吹き込まないでもらおうか?」

 

憂太を自分たちに元に取り入ろうとした時、背後より悟の声が聞こえてきた。後ろを見てみると、悟と赤女(あかめ)が立っていた。

 

「悟ー、赤女(あかめ)ー、久しいねぇ」

 

悟と赤女(あかめ)の登場に対し、傑は腕を憂太の肩に乗せたまま、満面の笑みを浮かべる。それと同時に、夜蛾を含めた数多の呪術師たちがぞろぞろと出てきた。傑や黒女(くろめ)にとって見知った顔が何人もいれば、見知らぬ顔も何人もいる。その中でも黒女(くろめ)は自分の同期を見つけ、嬉しそうな顔をしている。

 

「お姉ちゃん、七海、久しぶりだねぇ。元気にしてた?後五条悟も」

 

「まずは悟の生徒たちから離れろ、傑、黒女(くろめ)

 

「へぇー・・・今年の1年は粒ぞろいだって聞いてたけど・・・そっかぁ・・・五条悟の受け持ちだったんだぁ」

 

赤女(あかめ)の言葉を聞き、黒女(くろめ)はクスリと笑い、生徒たちに視線を向ける。

 

「特級被呪者、突然変異呪骸、呪言師の末裔、五条の血を引くハーフ・・・」

 

黒女(くろめ)が真希に視線を向けた時、とても意地が悪く、小バカにしたような笑みを浮かべる。

 

「そして・・・禪院家の落ちこぼれの真希」

 

「っ!!黒女(くろめ)てめぇ!!!」

 

黒女(くろめ)の挑発に触発された真希は薙刀の刃を彼女に向けた。

 

「あれ?怒った?でも謝らないよ。事実だからね」

 

「ふざけんな面汚しが!!!」

 

真希の放った面汚しというワードに対し、黒女(くろめ)は目線をぎょろりと真希に向けた。

 

「・・・ちょっとカチンと来ちゃった。今ここでぶっ殺してもいいんだよ?」

 

「ああ!!?やれるもんならやって・・・」

 

「おいおい・・・私の家族への発言には気をつけろよ。君みたいな猿は、私の世界にはいらないんだから」

 

黒女(くろめ)に突っかかろうとする真希に傑は冷めたような顔で冷たい声で返した。すると憂太は傑の手を振り払った。

 

「・・・ごめんなさい。夏油さんが言ってることは、まだよくわかりません。・・・けど・・・友達を侮辱する人たちの手伝いは僕にはできない!!」

 

憂太は真希を侮辱した黒女(くろめ)を睨みつけている。怒りで震えているのだ。友達への侮辱は許さないと。

 

「・・・私、何か悪いこと言ったかな?」

 

「気にしないで、黒女(くろめ)。でもすまない・・・君を不快にするつもりはなかった」

 

「じゃあお前たちは、いったいどういうつもりでここに来た」

 

憂太と傑の間に、赤女(あかめ)が割って入ってきた。今にも殺しにかかりそうな鋭い目つきをしている。だがそれで臆する傑と黒女(くろめ)ではない。

 

「もちろん・・・宣戦布告だよ、お姉ちゃん」

 

にこやかな笑みを浮かべていた黒女(くろめ)から笑みが消えて真顔になり、途端に冷たい声質で返した。傑はこの高専にやってきた本当の目的を果たすため、ここにいる全員に向けて口を開く。

 

「お集まりの皆々様!耳の穴かっぽじってよーく聞いて頂こう!来る12月24日!日没と同時に、我々は『百鬼夜行』を行う!場所は呪いの坩堝、東京新宿!呪術の聖地、京都!各地に1000の呪いを放つ。下す命令はもちろん、鏖殺だ!」

 

傑からの宣戦布告に対し、呪術師たちは表情を歪めている。まさに一触即発な空気だ。

 

「地獄絵図を描きたくなければ、死力を尽くして止めに来い。・・・思う存分・・・呪い合おうじゃないか」

 

傑は悪魔のような不敵な笑みを浮かべる。重くて冷たい・・・ピリピリとした空気が辺りを包み込む。

 

「あーーーー!!!夏油様ぁ!黒女(くろめ)姉ぇ!お店しまっちゃう!」

 

重苦しい空気を破ったのは菜々子の緊張感のない一声だ。

 

「ああ、もうそんな時間なんだ。ごめんごめん、じゃあ早く行こっか。美々子と菜々子の好きなもの、何でも頼んでいいからね」

 

黒女(くろめ)姉様・・・」

 

緊張感がなくなったことにより、黒女(くろめ)は美々子と菜々子に向けて本当に優しい笑顔を向けている。

 

「すまないねぇ、悟、赤女(あかめ)。彼女たちが竹下通りのクレープを食べたいと聞かなくてねぇ」

 

「早く―!」

 

「お暇させてもらうよ?いやはや、あんな猿の多いところの何が・・・」

 

「このまま行かせるとでも?」

 

目的を果たした傑は家族たちを連れて高専から去ろうとするが、そんなことを悟たちが許すわけがない。

 

「やめておけよ」

 

傑はその場に一つ目の巨人の呪霊を召喚した。いや、これだけじゃない。生徒たちの周りに大量の呪霊を複数召喚し、身動きを取れなくさせる。

 

「かわいい生徒が私の間合いだよ」

 

生徒たちを天秤にかけられては、傑たちを逃がす他ない。

 

「それじゃあ皆さん、戦場で」

 

傑は召喚した呪霊を残し、家族たちを乗せた鳥型の呪霊の足に掴まり、空を飛んで高専から去っていった。

 

 

夏油傑。10年前、彼も東京都立呪術高等専門学校の生徒であった。そして、悟にとって唯一無二の親友であり、自覚はしてなかったが、赤女(あかめ)にとっては初恋の相手でもあった。当時の彼は正義感にあふれ、責任感も強く、今みたいに非術師を見下したりしなかった。それどころか、今とは全く真逆の価値観を持っていた。

 

『弱者生存。それがあるべき社会の姿さ。弱きを助け、強きを挫く。いいかい、悟、赤女(あかめ)。呪術は非術師を守るためにある』

 

『それ正論?俺、正論嫌いなんだよね』

 

ところが、星漿体護衛任務の際に見た、非術師の醜さ。その後の仲間の死。そして・・・最強となった悟と赤女(あかめ)に置いていかれたような疎外感、嫉妬。その全てが積み重なり、彼は呪詛師へと堕ちた。友が去ったあの日の言葉は、今も2人の胸の奥に残っている。

 

『君は悟と唯一肩を並べられる存在となった。心底羨ましいよ』

 

『何を言っているんだ・・・?』

 

『私も君と対等になれたのなら、結果は違ってたのかもしれないな』

 

『・・・っ!』

 

『悟。君は五条悟だから最強なのか?最強だから五条悟なのか?』

 

『何が言いてぇんだよ?』

 

『もし私が君になれるのなら、このバカげた理想も地に足がつくとは思わないか?』

 

『・・・っ!』

 

『生き方は決めた。後は自分にできることを精いっぱいやるさ』

 

こうして傑は2人との道を違えた。かつて3人で最強と名乗っていた3人は各々の場所で、夕焼けの中でその苦い思い出を思いはせるのであった。

 

 

傑の宣戦布告から翌日。呪術高専の会議室には生徒を除いた教員と関係者が集まっていた。

 

東京都立呪術高等専門学校学長、夜蛾正道。一級呪術師。

 

東京都立呪術高等専門学校1年教師、五条悟。特級呪術師。

 

東京都立呪術高等専門学校3年教師、禪院赤女(あかめ)。特級呪術師。

 

フリーランスの呪術師、冥冥。一級呪術師。

 

元軍人の呪術師、ブラート。一級呪術師。

 

東京都立呪術高等専門学校2年教師、日下部篤也。一級呪術師。

 

フリーランスの呪術師、レオーネ。準一級呪術師。

 

元会社勤めの呪術師、七海健人。一級呪術師。

 

七海を慕う呪術師、シェーレと猪野琢真。お互いに二級呪術師。

 

この場に集まっている呪術師は名が中々知れており、高い実力を有している。そしてこの集まっている関係者の中に、高専唯一の医者であり、赤女(あかめ)の親友の家入硝子もいる。重苦しい空気の中、伊地知が会議の進行を進める。

 

「夏油傑。呪霊操術を操る特級呪詛師。主従制約のない自然発生した呪いなどを取り込み、操ります。設立した宗教団体を呼び水に、信者から呪いを集めていたようです。元々所持していた呪いもあるはずですし、ここ数年、呪いの報告数の減少傾向にあったことも考慮すると、数2000というのも、ハッタリではないかもしれません」

 

「だとしても統計的にそのほとんどが二級以下の雑魚。呪詛師だって多く見積もっても50そこらだろう」

 

「そこが逆に怖いところですよね。あいつが素直に負け戦を仕掛けるとは到底思えない」

 

「それに、脅威なのは傑だけじゃない。そうだな?伊地知」

 

「・・・はい」

 

赤女(あかめ)の言葉に同意するように伊地知は顔を頷き、ホワイトボードにもう1人の要注意人物の写真を貼り、資料を読み上げる。

 

「禪院黒女(くろめ)。最終階級は2級。夏油傑と共に呪術界を離反した呪詛師です。使用術式は死骸操術。術師本人が殺害した対象を骸人形にして操ります。ストックできる死体は最大まで8体の代わりに、骸人形は生前と変わらぬ力を行使でき、自分より格上の術師さえも操ることが可能です。ここ数年、腕の立つ術師が怪死、行方不明の事件が多発しており、検証の結果、その全てが禪院黒女(くろめ)による犯行であると判明しております」

 

「呪術規定によってストックできる場が限られていた。これまでの事件はおそらく、死骸操術のストックの選定のためだろう」

 

「あいつはえり好みするとはいえ、その辺りの目利きはいい。万が一悟とぶつかったとしても、対策は万全と考えた方がいい」

 

「だろうね?あいつは以前から僕に意識している節があったからね」

 

「ガッデム!!」

 

10年という月日、傑たちも何もしていないわけがない。黒女(くろめ)も成長しているはずだし、傑自身も負け戦にならないための策を講じてくるに違いない。来る12月24日の百鬼夜行。何が起こるのか、誰も予測ができない。

 

「OB、OG、それから御三家・・・アイヌの呪術連にも協力を要請しろ!!」

 

『!!』

 

「総力戦だ!!今度こそ夏油という呪いを・・・黒女(くろめ)という呪いを完全に・・・祓う!!」

 

呪術高専は日本中の総力を上げ、12月24日の百鬼夜行の準備を備えるのであった。

 

 

夏油一派の教団本部のミーティングルーム。家族たちは全員ここに集まっており、彼らもまた、高専に勝つための策を講じている。

 

「総力戦だ!今度こそ夏油・・・黒女(くろめ)という呪いを完全に祓ーう!・・・とか息巻いてんだろうな、あの脳筋学長」

 

傑は子供のように笑顔を浮かべ、夜蛾が言いそうなことを真似て、肩をすくめる。

 

黒女(くろめ)、こっちの勝率はどのくらいかわかるかな?」

 

「お互い本気で殺し合ったら、こっちの勝率は3割・・・呪術連まで出てきちゃったら2割も満たないと思います。そこで、なけなしの勝率を9割9分まで引き上げる策が2つ」

 

勝率が低い夏油一派が勝てる算段のうち1つを黒女(くろめ)は述べる。

 

「1つは私が五条悟を殺し、死骸操術で操る。死骸操術はストックが8体という制限の代わりに、特級でも問題なく取り込むことができる。五条悟さえ突破してしまえば、後は飛んで火に入る夏の虫。確実に勝てる」

 

確かに悟さえ操ることができれば、戦争はほぼ勝ったも同然ではあるが、黒女(くろめ)自身もわかっている。どれだけ対策していても、成功する確率は極端に低いことを。この策が悪手であることも。

 

「でもハッキリ言ってあれは規格外。例えミゲルが戦っても、絶対に勝てない。もちろん、私もまだ、ね。だから五条悟は足止めに留めておいて、殺せたらラッキー・・・程度に考えた方がいい・・・ですよね?」

 

「うん。その通り。私が本命にしているのはもう1つの策だよ」

 

傑は上出来と言わんばかりの笑みを黒女(くろめ)に向け、もう1つの策を話す。

 

「乙骨憂太を殺して、特級過呪怨霊、折本里香を手に入れる」

 

「おめでたい連中ですよね。学生時代の夏油先輩の(ブラフ)を信じているなんて」

 

「全くだ。主従制約があろうとなかろうと、首を私と挿げ替えてしまえば、呪いなんていくらでも取り込めるんだからね。勝率の高い戦で高専が乙骨というカードをきることはない。下手を打てば、敵も味方も全滅だからね」

 

「この百鬼夜行の真の目的は・・・乙骨憂太を孤立無援に追い込ませること」

 

傑はソファから立ち上がり、不敵な笑みを浮かべる。

 

「さぁ、新時代の幕開けだ」

 

来たる百鬼夜行は近い。開戦の時は間もなくだ。

 

 

12月24日、百鬼夜行当日。

 

高専関係者はほとんどが東京新宿、京都に赴いているため、今週の学校は休講となった。残っているのはせいぜい非戦闘員くらいだろう。そんな誰もいない高専の教室で憂太はただ1人、天井をぼんやりと眺めていた。

 

「・・・なんか・・・とんでもないことになっちゃったなぁ・・・」

 

ガララッ!ピシャッ!

 

憂太がぼんやりしていると、ここに残っていた真希が扉を開けて入ってきた。

 

「!真希さん!」

 

「何してんだ?今週は休講だろ?」

 

「いや・・・なんか、落ち着かなくて・・・寮の人たちも全然いないし・・・」

 

真希は憂太の隣の席の机の上にドカッと胡坐をかいて座り込む。

 

「2年は前から京都に遠征中だったからな。棘は3、4年と新宿でバックアップ。マインは悟のお気に入りだし、パンダも学長のお気に入りだからな。あいつらも多分棘と一緒だろ」

 

「そっかぁ・・・」

 

この高専に残っている生徒は自分と真希だけだと知り、若干ながらそわそわしている。その様子を見た真希は少しぶすっとした表情をしている。

 

「・・・聞けよ」

 

「えっ・・・?」

 

「気になってんだろ?前に来たあの女が誰なのか。私とどういう関係なのか。何で私が落ちこぼれなのか。いろいろと」

 

「いや・・・うん・・・はい・・・」

 

「はぁ・・・」

 

憂太は真希に気を遣ってあえて聞かないようにしていたが、やっぱり気になるようで、彼女の問いかけに頷いた。あまりにもわかりやすい憂太に真希はため息をこぼす。

 

「・・・ウチ・・・禪院家はな、御三家って呼ばれるエリート呪術師の家系なんだよ。あいつ、禪院黒女(くろめ)は元はその禪院家の養子だったんだ。赤女(あかめ)もな」

 

「養子・・・赤女(あかめ)先生と・・・あの人が・・・」

 

「血の繋がった姉妹なんだよ、あいつらは」

 

「え?赤女(あかめ)先生の・・・妹?」

 

赤女(あかめ)が真希の実家の禪院家の養子だということも驚いたが、それ以上に驚いたのは、真希に突っかかってきた黒女(くろめ)赤女(あかめ)の妹であることだ。

 

「詳しい事情は知らねぇ。でもあいつらの術式を禪院家で取り込んで支配しようってのは何となく理解できた。赤女(あかめ)は当主候補、黒女(くろめ)は呪詛師になって出て行って、目論見は大きく外れたけどな」

 

「あ・・・だからあの時、面汚しって・・・」

 

真希が黒女(くろめ)が面汚しと言っていた理由が憂太は何となくだが理解できた。真希は黒女(くろめ)に言われたことを思い出し、苛立って頭をかく。

 

「・・・あー!思い出したら腹立ってきた!呪詛師になったくせに何様のつもりだよ!あいつの言ったことも間違ってねぇってのもムカつく!」

 

苛立ちから少し落ち着いた真希はなぜ自分が落ちこぼれなのか話す前に、憂太にある質問をする。

 

「・・・お前、呪術師に必要な最低限の素質ってわかるか?」

 

「えっ?何かなぁ・・・?」

 

憂太は呪術師にとって最も重要で必要な素質を本当にわかっていないようで考える素振りを見せている。

 

「呪いが視えることだ」

 

「あっ、そっか」

 

「一般人でも、死に際とか特殊な状況で見えることもあるけどな」

 

憂太は答えを聞いて納得がいった。そもそも原因である呪いが目で見ることができなければ、祓うどころの話ではない。だから呪いが見えることは呪術師にとってシンプルながらも最も大切なことだ。それが、真希が落ちこぼれと呼ばれることに大きく繋がっているのだ。

 

「私はこのダセェメガネがねぇと呪いが見えねぇ。私の呪具は初めから呪力が籠ってるもんで、私がどうこうしてるわけじゃねぇ」

 

そう、真希はメガネなしでは呪いを見ることができないし、呪力が皆無に等しいので呪具なしでは呪いを祓うことが一切できない。呪術師としてはあまりにも欠陥。ゆえに落ちこぼれと呼ばれているのだ。

 

「おかげで家出られたけどな!飯はまじぃし、部屋は狭ぇし、知らねぇオッサンはうろついてるし、ほんっと最悪だった!!」

 

真希は実家の禪院家に余程不満を持っていたのか、愚痴を並べ立てていく。

 

『苗字で呼ぶな』

 

『誰もがお前みたいに、呪いに耐性があるわけじゃねぇんだよ・・・!』

 

『呪力のことは私に聞くな』

 

これまでの真希の言葉を聞いて、なぜ禪院という苗字を嫌うのかも、これまでの意味深な言葉の意味も憂太は理解できた。

 

「・・・まぁでも、あいつがいたから、ちょっとは退屈せずに済んだかもな」

 

真希は禪院家で赤女(あかめ)と一緒に過ごした時間を思い出し、天井を見上げる。赤女(あかめ)と同じ時間を共有した日は極端に少ない。だが禪院家の人間にいわれのないことを言われ続けてきた真希にとって、赤女(あかめ)の人柄に好感を持っていたし、唯一尊敬できる人物でもある。だが、どうしても彼女と相容れられないところはある。

 

「・・・赤女(あかめ)はな、禪院家の当主になって、禪院家を内側からぶっ壊して、私や黒女(くろめ)の住みやすい環境を作ろうとしてたんだ。教師やってんのも、その目的のためなんだと」

 

「へぇー・・・」

 

「でも・・・私はあいつには頼らねぇ」

 

赤女(あかめ)が禪院家の当主になるという気持ちだけは真希には到底受け入れられない。養子だとか血の伝統だとかそんな話ではない。禪院家の当主になるのは自分だ。自分でなければいけない。自分でなければ意味がない。だから真希は赤女(あかめ)が当主になることを嫌がっているのだ。

 

「・・・真希さんはどうして呪術師を続けるの?」

 

「私は性格が悪ぃからな。呪いも視えねぇ奴が一級術師として出戻って、家の連中に吠え面かかせてやるんだ!そんで、禪院家を内からぶっ壊す。特級の奴がやるより、効果的だろ?」

 

自分をバカにしてきた禪院家を見返すために呪術師をやっている。そんな真希の志に憂太は顔を俯かせ、感慨深くなって、笑みを浮かべている。

 

「・・・んだよ?」

 

「いや・・・真希さんらしいと思って・・・。僕は・・・真希さんみたいになりたい」

 

「!」

 

「強く、まっすぐ生きたいんだ」

 

自分に向けてにっこりと笑っている憂太の言葉を聞いて、真希は心の中に光が灯ったように感じた。幼き頃から、言われなき言葉を浴びせられ続け、誰も救いの手を差し伸べられず、泣いていたあの頃に、光が差すかのように。自分に唯一手を差し伸べてくれた、赤女(あかめ)が現れた時と同じように。

 

「僕に手伝えることがあったら何でも言ってよ。禪院家ぶっ壊そー・・・なんて・・・ははは」

 

「・・・バーカ。1人でやるから意味があんだよ」

 

「あっ・・・」

 

「部屋戻るわ」

 

「うん、またね」

 

真希は机から降り、教室から退室し、扉を閉めた。

 

「・・・バカか、私は・・・。認められた気になってんじゃねーよ」

 

憂太の言葉がかなり利いたのか、真希の顔は照れたように頬を赤く染めている。真希が自分自身に悪態をついた時・・・

 

「「!!」」

 

校舎外で強大な呪力を感じ取り、教室に残っていた憂太は窓から外の様子を確認する。外を見てみると、帳が降りて、高専内を覆い尽くそうとしている。

 

「学校に帳が降りてる!誰が・・・どうして⁉」

 

誰が帳を降ろしたのか・・・考えられるのはたった1人しかいない。

 

 

数分前の高専、たった1人で乗り込み、校舎へと向かっている者がいる。そう、夏油傑だ。傑は高専に残っていた高専関係者を次々と殺害していき、先へと進んでいき、屋根の上に上った。

 

「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」

 

傑が帳を降ろす術を唱えたと同時に、帳が高専内を覆い尽くそうとしている。

 

 

一方の東京新宿。数多くの呪術師が配置され、これから来るであろう夏油一派と1000の呪いを迎え撃つ体制に入っている。日が降り、日没となった瞬間、新宿に数多くの呪霊が現れ、迫ってきている。地だけでなく、空にも大量に。傑の言葉を信じるのならば、その数、1000。

 

百鬼夜行の開幕である。




ちなみに赤女(あかめ)の服装ですが、幼少期はワンピース、禪院家にいる時は和服、懐玉・玉折では高専の制服、零章では零の服装、本編開始では原作沿いの服装になっております。
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