一番星と屑星のふたつ星   作:てへぺろん

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コイとニノとの楽しそうにしている姿を陰から見ていたアイドル様はと言うと……


それでは……


本編どうぞ!




ライバル

「ダメ、ダメダメダメ!このままだとニノにお姉ちゃんが寝取られちゃう!!」

 

「いや、寝取られるわけがないだろ!!」

 

「どうして?()()社長に何がわかるの?」

 

「斎藤だ……って今はそんなことどうでもいいか。あのなクソアイドル、ただニノと悪ガキが遊んでいるだけじゃないか。それで寝取られるとか意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ」

 

「わからないよ?ニノがコイをホテルに連れて行くかもしれないじゃん!」

 

「いや連れて行かねぇよ!!そもそもお前だってコイと遊んだらしいじゃねぇか。なぁミヤコ?」

 

「え、ええ……アイさん、コイさんがあなたに用事って伝えたのはあなたとニノさんの仲を考えてぼかしたのではないかしら?ニノさんとは色々とあったし、アイさんに気を使ったんじゃない?」

 

「……」

 

 

 コイが私に気を使ってくれたの?昨日コイからメールで用事あるって伝えられた。何の用事か聞いたけど返信してくれなくてどこに行くの?と聞いても何も帰って来ない。もしかしたらって思って何通もメールを送ったし、電話もかけてみたけど音沙汰なし。反応すらしてくれなくて……嫌な気分だった。

 

 

 なんだかんだ言っても優しいお姉ちゃん、遠征中もアクアとルビーの面倒を見てくれて、長時間の移動と仕事が大変で帰り道で渋滞に巻き込まれた。帰りが遅くなってマンションについたのが真夜中で、アクアとルビーはもう寝ちゃってるなぁ……コイも帰っちゃっているんだろうと思っていたら玄関前に待っていてくれた。そのことが嬉しくなってつい駆け寄っちゃった。いつもみたいに軽口を言い合って、部屋に入る私と反して帰ろうとするコイ。その腕を掴んでまだ帰らないでと伝えても今日のコイの様子がいつもと違っていた。だから素直に言うことを聞いた。早く帰りたいみたいだったけどなんでだろう?

 でもすぐにわかっちゃった。おにぎりが用意してあった。お風呂も沸かしてくれていた。私の為にだよ?コイが私の為に……用意してくれたことがとても嬉しかった。

 

 

 起きたら疲れなんて吹っ飛んじゃってた。目が覚めたアクアとルビーを抱っこしてうんと抱きしめた。二人はよくわかっていなかったけど、そうしたかったの。コイにも今度会ったら抱きしめてあげようって思ってたら中々会える日がなくてガッカリした。

 昨日も私は仕事で外出していて事務所に帰るのは夜、今日は待ちに待った休日だからコイに会いに行こうって思ってたらメールが届いた。コイからだったから嬉しくて読むと用事があるって……えっ?会えないの?

 

 

 用事ってなに?折角会えると思ったのに……男?もしかして男に会いに行くとか?それはダメ、コイはもう安定した仕事に就いているからお金は手に入る。休みもあるし、アクアとルビーのかわいさを堪能できるお得なサービスも付いてあるのに用事を優先するつもり?もし用事ってのが男に会いに行くとしたら……なんとしても内容を聞き出さないといけない。

 

 

 一旦冷静になって落ち着こう。仕事から帰ってきたばかりで社長もミヤコさんも疲れていた。アクアとルビーの夕食も作らないといけない。大丈夫、これは明日の話なんだからと自分自身に言い聞かせた。

 真夜中にベッドに入っても寝れなかった。何度もスマホに連絡が届いてないか確認した。けど何も届いていなかった。それが余計に不安を煽る。なんで連絡を返してくれないの?そう思いながら無理やりにでも寝ようと瞳を閉じるとコイの姿が浮かぶ。

 

 

 真っ暗な先の見えない暗闇に向かっていくコイを私が追いかけようとしても距離は一向に縮まらない。寧ろ遠くなっていく。

 

 

 嫌……行かないで!置いていかないでよ!!お姉ちゃんっ!!!

 

 

 何度叫んでも振り向いてくれず、どんどんその姿は小さくなっていく。

 

 

 そのまま暗闇に姿が消えていく中で私は見た。暗闇の中にいやらしい笑みを浮かべた男達がコイに手を伸ばして……

 

 

 私は飛び起きた。嫌な汗でパジャマが濡れていた。息も苦しくて胸が痛い。誰かに触れられている感触があったからそっちを見るとアクアとルビーが心配そうな顔をして手を握ってくれていた。さっきのは夢だとわかってほっとしたけど悪夢を見るなんて思わなかった。二人を起こしてしまった罪悪感に呑まれながらもアクアとルビーに大丈夫と言ったけど嘘、その時の私はきっと酷い顔をしていたと思う。だってアクアとルビーに余計に心配されてしまったから。こうなってしまったらもう寝るなんて選択肢はなかった。

 

 

 真夜中だけど社長達に会いに行った。インターフォンを鳴らす。一度では出て来なかったから二度、三度、それでも出なかったから連続でインターフォンを鳴らしていると社長が玄関を開け放って「今何時だと思ってやがる!!」って怒ってた。起こしたのは悪いと思っているけどコイの方が先、悪夢のようなことは起こさせない。まだ真っ暗な時間だけど車を出してってお願いした。対して社長はぶつぶつと文句を言うけど「協力してくれないとアイドルやめる」ってお願いすれば車を出してくれた。やっぱり社長ってば優しいね♪あっ、今は社長のことよりもコイの用事を知ることが肝心。私の思い過ごしならいいんだけど……アパートについた。コイがどう動くのか考えていると真っ暗な時間帯なのにアパートから出て行く見慣れた姿。

 やっぱりなにかある。私に言えない何か……追跡を開始した。けどコイが警戒していて中々近づけない。そうしている内に見失ってしまって、疲れ気味の社長が「帰るぞ」とか言い出した。待ってよ!?社長ってそんな薄情な人だったの!?コイがどこぞの知らない男に穢されてもいいって言うの!?

 

 

 社長は使い物にならないってわかった。誰か協力してくれる人はいないの?ミヤコさんはアクアとルビーを任せているし、それじゃニノは?ううん、ニノに連絡しても意味ないよね。だってニノはただコイと少し、ほんの少しだけ仲がいいだけの関係なんだから。コイと一緒にいることが多くなったけど、それは仕事上の関係なんだし何より()()()()()()()()()()()()()。今頃家で寝ていると思うから起こしたら悪いからね。そうなるとどうしたらいいんだろう。コイの居場所を探る方法なんて……あっ、あるじゃん!!

 ツイッターでコイの居場所を割り出せばいい。コイはいつも同じ格好だし、最悪「B小町のアイに似ているパーカーを来た人を知らない?」って聞けばいいんだから。流石私だ♪そうと決まれば早速行動に移したんだけど社長がうるさかった。だから黙ってと言う意味で視線を向けると黙り込んじゃった……あれ?社長震えているような?まっ、気のせいだね。そんなことよりもコイの情報を探していると一つのつぶやきを見つけた。

 

 

 『○○のゲームセンター前にそれっぽい人いた』

 

 

 そのゲームセンターはコイと遊んだところだった。もしかして遊びに行きたかったから用事ってぼかしたのかな?それか私との楽しい思い出に浸る為に来たとか?だったら嬉しいなぁ♪コイったらそれならそうと遠慮しないで言ってくれれば一緒に遊びに行ってあげたのに。もう恥ずかしがり屋さんなんだからえへへ♪……んっ?

 

 

 『その人、可愛い女の子と一緒にいた』

 

 

 ………………………………………………

 

 

 

 

 

 …………………………

 

 

 

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 

 ――えっ?

 

 

 ど、どういうこと?可愛い女の子?えっ!?

 

 

 その可愛い女の子って私のこと……じゃないよね?

 

 

 だ、誰っ!?誰と一緒にいるの!!?

 

 

 こうしちゃいられない。早く出してよ社長っ!!

 

 

 ゲームセンターについた。あのコイが連れてきてくれた場所、誰かと遊んだ記憶なんてほとんど憶えていない私がコイと初めて遊んだ思い出の場所。そんなところに()()()()()と居る。まさか弱みを握られて誰かの言いなりになっているとか?それだったら早く助けてあげないとっ!!

 車を降りようとしたら社長に腕を掴まれた。コイが助けを求めているかもしれないのに止めようとする社長はこのまま出て行けば私が星野アイってバレてしまう。だったら変装して……気がついた。慌てて出てきたから変装道具を持ってきていなかった。でも構わない、コイの方が大事!!そう言っても社長は手を放してくれず「ミヤコを呼ぶからそれまで我慢しろ」と言われて渋々待つしかなかった。こうしている間にもコイの身に何かあったら思うと落ち着かない。早くミヤコさん来てよ……

 

 

 そう思っているとミヤコさんが現れた。あっ、アクアとルビーも一緒だ。二人だけ置いてくることなんでできないもんね流石ミヤコさん!って言っている場合じゃない。ミヤコさんから変装道具を奪い取って星野アイだということを隠して車から飛び出す。アクアとルビーも追いかけてきて、後から社長達もついてきた。コイの姿を探し回って見つけて駆け寄ろうとしたけど咄嗟に隠れた。

 

 

 コイ、私のお姉ちゃん。そして一緒に居たのは、ここに居るはずがないニノの姿があった。

 

 

 ………………………………………………

 

 

 

 

 

 …………………………

 

 

 

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 

 ――はっ?

 

 

 な、なんでニノがここに?しかもなんでコイと仲良く遊んでいるの?しかも今遊んでいるのって私とコイが遊んだ奴だった。隠れて二人の様子を窺っていると気づいてしまった。

 コイと遊んだ時と同じ順番で回っている……もしかして私とコイが遊んだ思い出をニノは上書きしようとしているの?もしそうだったらどうしてそんなことをするの?私とコイとの大切な思い出を塗りつぶさないでっ!!

 

 

 そんな時に二人が別れた。確かあの時もプリクラを撮ろうって言ったらコイが嫌がって煙草を吸いに行ってた。その間に私がナンパされて……そうそうあんな感じに……えっ?ニノがナンパされていた。後ろで社長が「あのクソガキども!」って飛び出しそうだった。だけど止めた。「なんで止める!?」って社長は言うけどもう少し様子を見たかった。助けないなんて薄情なことはしないつもりだけど、ナンパをしている男達……どこかで見たことあるような気がした。けど今はそんなことはどうでもよかった。

 この展開、私の時と同じだ。意図してやっていることじゃないって見ていればわかる。ニノが怯えているのは私の目から見て演技じゃなかったもん。社長もミヤコさんも心配で今にも出て行きそうだけどまだ止める……心配いらないよ。だってここにはコイがいるんだもん!

 

 

 戻ってきたコイの迫力に男達は逃げて行った。男達のことなんてどうでもいい。そんなことよりも……コイが格好良くて見惚れていた。

 私も助けられた時、抱き寄せられてフードで隠れた顔が私と同じなのに胸が熱くなっちゃった。ニノを助けた時は抱き寄せたりしてなかった。ふっ、私の方が大事にされている証拠だね。いや~流石私だ♪魅力ありすぎるのも困っちゃうよね~♪

 

 

 それからスタッフらしき人とお話をしていたコイだったけど、そのままゲームセンターを出る。あっ、プリクラ撮らないんだ。やったね、これで私の方が一歩リードだ♪コイはニノと遊びに付き合っているだけ、そう、そうだよ、きっとそうに違いない。ニノが変な気を起こしてコイに手を出さないか最後まで監視しなくちゃ!

 

 

 コイ達の後をつけた。社長が「尾行するなんて感心しない」とか言っておきながらついてきている。なんでついてくるの?って聞けば、私が何かを仕出かさないように見張るつもりらしい。なにもしないよ?ほんとだよ?ニノが変なことをしなければ……だけどね?

 そうしている内にやっぱりラーメン屋さんに入っていった。外から中が見える店の構造で監視していると二人とも濃厚ラーメンを頼んでいた。いいなぁ、また一緒に食べたいなぁ。あの時は分量を考えず頼んでしまったけど、私の食べかけを食べてくれたんだ。これって間接キスだよね?コイとしちゃったんだ……嬉しいなぁ♪……んっ?もしかしてニノとも間接キスする展開が待っているの?そ、それはダメ!コイとキスしていいのは妹の私だけなんだからっ!!

 

 

 それは阻止しないといけない。ラーメン屋に突撃しようとする私を社長とミヤコさんが止めた。社長はともかくミヤコさんまで私の邪魔するの!?ちょっと頭にきて睨みつけたら二人は震えていた。そんなに私って怖いかな?あっ、そんなことよりも二人を止めないとって思っていたらニノが完食してた。よかった、ニノが可愛い子ぶって「食べれないから食べてほしいな?」なんてアピールしなくて……してたら……うん、ニノがぶりっ子じゃなくて良かった。

 それはそうと、なんで公園に寄るの?ニノはその必要ないよね?気になる私は社長達を置いて草むらの影から二人を窺っている。ニノの機嫌が良いのが気に入らない。コイに助けられたのは私の方が先なのに……そう思っているとニノが昔話を語り始めた。

 

 

 私に抱いている想いを口にする。それをコイに聞かせているのってまるで私の時と同じ……ううん、同じ行動を取っている。私が遠征の時にコイとデートしたことをニノに話した。それを真似ていた。昔話の内容が私の心に響く内容であっても今はその行動に腹が立った。

 どうしてニノはそんな行動を取るの?真似ているのはなんで?コイはおかしいと思わないの?なんで受け入れているの?絶対にその真相を暴いてあげる。

 

 

 公園を出る二人……残るはあそこしかない。でも安心だね。だってコイはカラオケ嫌いだし、私だったから連れて行ってくれた。だからニノがいくら頑張ってもコイはうんと頷いてくれないから諦めて……って、えっ?

 

 

 ニノが泣いていた。社長達はなんで泣いているかわからないニノの姿に困惑していたけど、でもあれは嘘、私にはわかった。でもコイはあたふたと慌てていた。お姉ちゃんなら嘘だって見抜いてよ!私の嘘は見抜けてなんでニノの嘘は見抜いてくれないの……はっ!?そうだった、私とコイは嘘つきだからわかるんだ。お揃いだからお互いの嘘がわかっちゃうんだ。心が通じ合っているからなんだ。ならニノの涙が嘘だとわからなくても仕方ないよね!そう思っているとコイがニノと一緒にカラオケ店に入っちゃった。

 人目を気にして慌てて入っちゃった感じか……だったら心配ないよね。ほら、早くニノを連れ出して!何ボケっとしてるの?あ、あれ?どうして受付でニノが話しているの?そしてそのままコイを連れて行っちゃった……カラオケ店の奥に。

 

 

 私は後を追った。わざわざ受付に「さっきの人の隣の部屋でお願いします!」って頼んだ。一度断られたけど私がサングラスを外して星野アイだってことをわからせると店員は一瞬驚いた顔をした。そうすることで気持ちに隙ができる。そこに幾多の嘘で磨き上げてきた技術を活かして、上目遣いで「ダメ?」って頼めば簡単。快く了承してくれて心優しい店員で良かった。社長達が何か言いたそうにしていたけどお金は私が全額出すから文句ないでしょ?

 アクアとルビーには「好きに歌ってていいからね♪」って伝えておいた。それでもアクアとルビーは渋って歌おうとしなかったから私が一曲披露すると乗ってくれた。きゃわいい~❤社長達にも「私の奢りなんだから歌ってよ」って伝えると渋々ながら乗ってくれたけど私の意識はずっと隣の部屋に集中していた。ここはカラオケ店だから至る所から音が聞こえてきてそれが煩い。それに壁が防音で二人が中で何をしているのかわからないのが腹が立つ。辛うじて部屋から歌が漏れているから二人が歌っているのはわかる……歌ってる?コイが?まだ一時間も経ってない。私の時は煙草を吸いに行くとか行ってどこかぶらついて帰って来るまで一時間ぐらい待ち惚けだったし、歌おうって誘っても嫌がったのに……ニノとはもう歌ってるの?

 

 

 ……詳しく聞かないといけない。一人になった時、コイを問いたださないと。

 

 

 そう思っていたけどコイが煙草を吸いに行かない……行ってよ。ドリンクバーに向かう時も二人で一緒だった。歌ったのか顔を真っ赤にしていたコイが見れたのは良かったけど、なんでいちいちニノが一緒にいる必要があるのかな?結局、一人っきりになることがなく終わりが来て二人は帰るみたい。このまま二人は別れて帰るのかな?結構時間が経っていた。この後の展開は家に帰るだけだけど……追跡はそのまま続行した。

 それと途中から社長達、アクアとルビーもいつの間にか歌うのをやめていた。なんでかって聞いたら視線を逸らされた。何か私って悪いことしたかな?う~ん、もしそうだとしたらごめんね?アクアとルビーには最高のワンマンライブを堪能させてあげるから許してね?

 

 

 後は家に帰るだけだから心配ないよね?コイがニノの家まで送ってあげるみたい。私のお姉ちゃんは優しいなぁ♪でも後で今日のことを説明してもらうから覚悟しておいてね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ママ、いつまで尾行するの?」

 

「ルビー、もう少しだから辛抱してね?アクアもごめんね?付き合わせちゃって」

 

「いや、別にいいけどさ……」

 

 

 

 自販機や電柱の陰に隠れながら見つからないように二人を尾行している。こっちの方面にニノの家か……よし憶えた。

 

 

 少しお疲れ気味のルビーとアクアに心が痛むけど我慢、あと少しでコイが一人になる。その時まで我慢しないと……心を鬼にするのよ星野アイ!

 

 

「おいクソアイドル、もうわかっただろ?あいつらはただ遊んでいただけだって」

 

「……」

 

 

 社長の言葉の「ただ遊んでいた」は違和感があった。私は知ってるもん。ニノの行動は私とコイがデートした時と同じ行動、まるで私をなぞる行為で思い出を上書きされている気がして落ち着けない。偶然では済まされない行動に社長の言葉は納得できなかった。

 

 

「アイさん、もうこれぐらいにして帰りましょう。明日も仕事なんだから疲れが溜まっていると影響が出てしまうわよ?」

 

 

 ミヤコさんは私のことを心配して言っているかもしれないけど、今はその優しさはいらない。最後まで何があるかわからない。そう眺めているとスマホを取り出した。もしかしてあれって……カメラが起動している?まさかプリクラで撮れなかったからスマホで撮るつもり!?だけどコイが嫌がってる。そう、もっと嫌がって!!写真を撮られないように抵抗して!!ああっ!?ニノはまた嘘泣きで落とそうとしてる!?そんな誘惑に負けないで頑張って!!そう願ったけど結局ダメだった。コイは優しすぎるからニノに同情して仕方なく付き合ってあげているだけなんだからね?そこは勘違いしないでよ?

 でもまだ私の方が上、だってプリクラとスマホだよ?お金を出して撮ったものとただ同然で撮ったもの、どっちが貴重な写真かはハッキリとわかっている。少しぐらいは見逃してあげるよ私は優しいからね……ねっ!!

 

 

 写真を撮り終えてやっと別れるみたい。これで終わりか……よかった。それじゃ、ちょっとコイとお話でもしようかなぁって思ってたらニノが引き留めて……

 

 

 ………………………………………………

 

 

 

 

 

 …………………………

 

 

 

 

 

 

 

 …………

 

 

 ――へっ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんで……なんで……なんでなんでなんで?」

 

 

 ニノがコイの頬にキスをした。

 

 

 意味がわからなかった。

 

 

 どうしてニノがコイにキスしたのか?

 

 

 ニノは顔を真っ赤にして嬉しそうに去っていった。

 

 

 訳がわからなくなって社長達に助けを求めて視線を向けると社長達もアクアとルビーもみんな唖然としていた。

 

 

 視線を戻せばコイも唖然としていた……頭の中がぐちゃぐちゃになっている。

 

 

 落ち着いて、落ち着くのよ星野アイ、今日のことを思い出してみればその答えが出てくるはず。

 

 

 冷静になる為に今日一日の行動を思い出す。私とコイが遊んだ時と同じ順番で至る所を回った。同じもので遊んで、同じものを食べて、同じように歌った。でも最後だけ違った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ」

 

 

 声が漏れた。意図してやったことじゃないけど今は気にもならなかった。

 

 

「そっか、わかっちゃった」

 

 

 ニノはコイを手に入れる気だ。

 

 

 私からコイを奪うつもりでこんなことをしたんだ。私との思い出を利用して。

 

 

 へぇ~、ニノってばそんな手を使うんだ。いじめてきた時とはまた違うやり方なんだね?驚いちゃったよ、そうやって私の大切な思い出を消そうとしたんだ。

 

 

 そうはさせない。だってコイは私のお姉ちゃんなんだよ?家族は一緒に居るべきなんだよ?

 

 

 ニノが輝き始めたのは知ってた。顔を真っ赤にして去っていくあの時、私は危機感を覚えた。

 

 

 ニノは化ける。私の存在を脅かす程に強くなってくる。そう感じさせた。今のニノは前のニノじゃない、私がもっとも警戒するべき相手。

 

 

 いいよ、ニノがどんなに輝いても私はそれを超えてあげる。最高の歌とダンスだったとしても私はそれすら超えてお姉ちゃんを虜にしてみせる。ニノのことをライバルだって認めてあげる。

 

 

「ふっ、ふふふっ♪いいよ、徹底的に潰してあげるから……覚悟してよね?」

 

 

 コイは渡さない……お姉ちゃんをニノなんかに渡さないからっ!!

 

 

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