一番星と屑星のふたつ星   作:てへぺろん

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ストックはここまで。これからボチボチの投稿となりそうです。


コイの存在によってアイとその周りがおかしくなっていき……


それでは……


本編どうぞ!




不良少女は雇われる

「何か言うことがあるんじゃない?」

 

「その……悪かった。黙っていたのは女のお前にこう言ったことは伝えにくくてな」

 

「まぁ……気遣ってくれていたのはわかったわ。けど意識のないあの子を連れてきたのを見た時は何やっているのよ!?って驚いたわよ」

 

「いやあれはだな!あのクソアイドルが計画したことであって俺は脅されたんだ!!」

 

「そうでしょうね。はぁ……アイドルが誘拐とか冗談でも笑えないわ」

 

「俺もそう思う」

 

「でもアイさんがアクアとルビーと同じ双子だったなんてね。瓜二つだったからもしかしたらって思ったけど……あの子の態度を見ていたら違ってほしいって思ってしまったわ」

 

「外見はクソアイドルと瓜二つだが口は悪い、金に欲深い、未成年の頃から煙草と酒に溺れている不良ときたもんだ」

 

「それも特大級の爆弾を抱えているだなんて……」

 

「ガキの癖して俺よりも闇をよく知ってやがる」

 

「……好きで知ったわけではないわよ?」

 

「わかっている。だからこうして今後あの悪ガキをどうするか悩んでいるんだろ。それにクソアイドルの様子が……な」

 

「……気持ちはわかるわよ。アイさんは施設育ち、母親はアイさんを迎えに来なかった。唯一の家族に捨てられて悲しかったはずよ。双子のコイさんが現れて彼女に気持ちが向いてしまうのは仕方のないことだと思うわ」

 

「だがコイの方は父親に問題があり、学校でもいじめられていた。ある日、喧嘩を起こして父親にバレ、逃げ出した先で社会の裏側に関わっちまった。その影響もあって性格が捻じ曲がっちまったわけだ」

 

「男口調なのも女を捨てたってことよね」

 

「そうじゃないと自分を保てなかったのかも知れねぇな」

 

「片方はアイドルでありながら妊娠、もう片方は社会の闇に生きている……」

 

「姉妹揃ってとんでもねぇ爆弾を抱えやがって……」

 

「「はぁ……」」

 

 

 アイがコイを連れて行き、ドタバタな一日がこれで終わる……わけがなかった。

 

 

 斎藤夫妻はアイ達を見送った後、速攻で酒瓶に手を出した。飲まなきゃやってられなかった。

 

 

 アイが妊娠した時は爆弾を抱えてしまったと頭を悩ませた。だがコイの事情を知ればアイを超えるとんでもない爆弾を抱えており、外見はアイと瓜二つな為に後々このことが露見すればと思うと胃薬が欲しくなる。

 

 

 それを抜きにしても斎藤夫妻にとってはアイは手のかかる娘のようなものだった。他のB小町のメンバーと比べても一人にしてしまえば危なっかしい存在であった。そのアイがコイの置かれた事情を知って様子が変わった。

 

 

 コイの事を気にかけている。姉妹なのだから当然のことかもしれないが……

 

 

「アイの奴がコイの事情を知るきっかけは知ったな?」

 

「ええ、まだ入院中の時よね?」

 

「そうだ、コイのスマホに男から電話がかかって来た。俺にもその内容が聞こえててよ、知った時は唖然としちまった。そん時のクソアイドルの表情……あれはダメだ」

 

「ダメって?」

 

「あいつ……人を殺しそうな顔をしてた」

 

「……アイさんが?」

 

「ああ、あいつがだ。あいつのあんな顔……見たことなかった。あいつと目が合った瞬間全身に悪寒が走った」

 

 

 そう語る壱護の全身が震えていた。ミヤコの方もそんな彼を見て唾を飲み込んだ。

 

 

 二人は危惧している。アイがこのままでは危ない方向へと進みかねない。それにアイと瓜二つのコイにも思うところがある。

 

 

 辛い過去を持つ少女を見捨てるほど二人は社会に呑まれていない。

 

 

 壱護とミヤコはどうにかしてコイを真っ当な道へと進めないか意見を出し合った。一人の人生を左右する瞬間だ。二人は疲労感も眠気も忘れて答えが出たのは朝になってからだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天野コイ、お前を雇うことにした」

 

「良かったねコイ!これで安定してお金を稼げるよ!!」

 

「………………………………………………」

 

 

 考えて考え抜いた結果、コイを雇おうと答えが出た。

 

 

 ★------------------★

 

 

 バカの周りはバカ色で染まっていた。

 

 

 昨日オレは人生談を語った。そしたらバカにお持ち帰りされた。仕方なく一晩だけ付き合って目が覚めたバカに帰ると伝えるとまた手錠されていた……おかしい。このまま帰れる展開じゃなかったの?

 ガキどもが起きてきて「このアマまだいたの?さっさと帰れっ!!」と娘の方に言われたがそうしたい。お前のバカ親が帰してくれないんだよ!!息子の方は憐れみを込めた視線を送ってきやがる……そんな目で見んな。その視線を向けるのはバカの方にしろ!!

 

 

 などと抗議してもバカは「一日は24時間なんだよ?一日だけってことは24時間付き合ってくれるってことだよね?」などと屁理屈を述べやがる。だがオレはそんなこと言ってない……いや待てよ?

 

 

『……今日……()()は付き合ってくれるんだよね?』

 

『……まぁな』

 

 

 昨日酒を飲む前に手錠を外された。その前辺りにこいつがオレに言った言葉だ。深く考えずに了承してたな……いやお前これを見越して言ったのか!?そう問いただしたら「そんなことよりも早く朝ごはんしよ?」とかオレの追及をかわしやがる!!

 このバカに何を言っても無駄だと諦め、こいつらが朝食に夢中になっている時に隙ができるのを待つことにした……が、朝食の準備に取り掛かろうとすると手錠が邪魔になる。だがバカは外そうとしない……オレが逃げるから。

 

 

 バカが手を動かすとオレの手も動く。当然だ、手錠で繋がっているんだから。そのおかげで包丁を使おうとしても危なっかしい。それでも頑なに外そうとしないバカを見かねてアクアが「俺がやる」とか言い出すことに……ええい!!ガキの手を煩わせてるんじゃねぇよ!!

 

 

 オレはバカに約束した。手錠を外しても約束の時間まで逃げないと。そうすれば手錠は外れ、オレは大人しくソファーでボケっとしていたが、まさか朝食が4人分だとは思わなかった。

 

 

 なんでオレの分まで……バカはオレが食べるのだと思ってやがる。首を傾げて食べないの?って顔してやがる。

 

 

 ……どんだけバカなんだよ。まぁ腹が減っていたから食べたけど。ガキどもの視線が鬱陶しかった。特に娘の方が食事中ずっと睨んできやがった。オレは大人だから流していたが、バカに怒られてシュンとしやがった。へっ、クソガキざまあみろ!と内心笑ってやったらバカに睨まれた……こいつ心でも読んでいるのか?怖っ!!

 

 

 食事中はバカのガキ自慢がうるさい。

 

 

 赤ん坊の時、バズったとか動画を見せてもらったが……なんだこれは?と思った。赤ん坊がヲタが手によく持つ光る棒(?)を持ってヲタ芸してた……はっ?赤ん坊が?これがこいつらの赤ん坊時代?本当に赤ん坊なのか?アクアとルビーに視線を向けると逸らしやがった。

 

 

 クソ怪しい。息子のアクアの方は頭が良すぎるし、娘のルビーの方も賢いがハッキリとオレに向ける敵意が年相応の反応ではない。こいつら実は見た目よりも年上なんじゃ?いや、そんなことはありえない。オカルトなんてこの世に存在しないのだから。

 ガキのことはどうでもいい。問題はバカだ。バカのマシンガントークがオレに向けられてめんどくさい。

 

 

 ガキ自慢から始まって次はオレの好みについて詳しく探ろうとする。

 

 

 更には「()()社長にスカウトされていなかったらアイドルになっていなかったな」とか聞いてもいないのに身の上の話を勝手に語る。あと()()じゃない斎藤だバカ。

 

 

 とにかくオレに話を振る。それに対してオレは素っ気なく返答するだけだ。それでも止まることのない一方的な会話……ガキどもは唖然としていた。おそらくバカのこんな行動は見たことないのだろう。

 

 

 だがそんな時間も終わりが来る。

 

 

 朝食を食べ終えてようやくマシンガントークが止まったことに安堵した。なんか疲れた……このバカに付き合ったらオレの体力でも持たないようだ。

 

 

 疲労感からテーブルに突っ伏していると肩を叩かれ「行こ?」とか言ってきた。どこに?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 事務所とは仮の姿の監獄『苺プロダクション』に連れてこられた……またか!?

 

 

 バカはレッスンがあるとかで元々用事があったようだが、オレは関係ないだろ?こんなところに来るならマンションに居た方がマシだったが、見覚えのある車がやってきておっさんおばさん夫妻に連れられたアクアとルビーが現れた。

 

 

 アクアとルビーはバカのガキではあるが、社会的に見てアイドルに子供がいるのはマズイ。おっさんおばさんの子供として表面上ではそうしている。オレ達が出かける時もガキどもだけマンションに残して大丈夫なのか?と思った。まだ幼稚園児だけでお留守番できるとは思えないが、頭のいいガキどもだし問題ないのかも……だが子供は予想外の行動を起こす。目の届かないところには置かない方が利口だ。

 オレは「ガキどもだけで残すのはやめろ」と忠告するとバカは一瞬驚いた表情をして微笑んだ。「アクアとルビーのこと心配してくれるんだ」とかほざいたから頬をつねってやると痛がっていたが知ったことか。

 

 

 その行動を見てルビーが牙を剥き出しにして襲ってきたが相手はガキ、簡単に避けることができた。オレとバカの間に割り込み犬のように威嚇するその姿が滑稽で笑えたぜ♪アクアがルビーを宥めていたが、何故ガキどもがここに?

 マンションに残したのはおっさんおばさんが連れてくる手筈になっていたそうだ。しかしレッスン中も連れて歩くとか言うなよ?

 

 

 ガキの面倒を見ながら仕事なんてできるのか?おっさんおばさんも忙しいだろうに。ましてはバカはガキどもと表面上では関係ない扱いだ。そんな仕事場に連れてきて何考えてやがる。ガキどもだって幼稚園には行ってないんだろうから休みだろうが、友達と遊ぶ時間が必要ははずだ。

 オレにはいなかった友達……そいつらとの時間は大切なはずだろ?ガキは遊んで成長していくのにそれを大人の事情で付き合わせてんじゃねぇよっ!!

 

 

 そんなことを考えていたがおっさんがオレに煙草を差し出してきた。

 

 

 ………………………………………………

 

 

 …………………………

 

 

 

 …………

 

 

 ――マジで!!?

 

 

 ひとまず一服しろとの意味で差し出された煙草を見た瞬間ガキどものことなどどうでも良くなった。

 

 

 煙草をぶんどって火をつけようとするが、視線が集中するのを感じた。特にアクアの視線に鋭さを感じてバカの前では煙草は控えてくれと言われたことを思い出した。

 

 

 ……今すぐにでも吸いたい。そんなの知るか!と普段のオレなら言えただろうが約束の時間までは真の意味で解放されていない身だ。それにここは敵地である。また拉致監禁されたら……とりあえず離れたところで火をつけて待ちに待った相棒の味を堪能する。

 

 

 ふぅ~~~♪最高の気分だ♪やっぱり相棒は最高だ♪この瞬間は嫌なことも何もかも忘れさせてくれる。

 

 

 一服しているとおっさんが話があるとオレを呼ぶ。チッ、もう少し堪能させろよ。

 

 

 最高の時間を邪魔されたが、煙草を摂取できたことで気分が落ち着いたオレは慰謝料と口止め料そして昨日の迷惑料の話かと期待したが、例の監禁された場所に通されてまた監禁される!?と暴れようとしたが、切り出された話はオレを雇いたいのだと言う。

 

 

「天野コイ、お前を雇うことにした」

 

「良かったねコイ!これで安定してお金を稼げるよ!!」

 

「………………………………………………」

 

 

 どういうことだよ!!?

 

 

 はっ?おっさん何言ってんの?バカもなに喜んでんだ?意味わからんのだけど?

 

 

 おっさんはやはりオレに同情していた。おばさんも……大人達も馬鹿なのか?同情したからって大事な金をこんなオレに投資するなんて金をドブに捨てているようなものだ。それに教養も何もないオレを雇うなんてどうかしている。目先の同情でオレに憐れみなんて向けるな!!と怒鳴ろうとした時だ。

 

 

「コイさん勘違いしないでほしいのだけど、あなたにはスタッフの一員としては雇うだけではないわ」

 

「どういうことだ?」

 

「あなたにはアクアとルビーの面倒も見てもらうわ。スタッフ及び二人の保護者としてね」

 

「「「はっ?」」」

 

「えっ!?()()社長それホント?」

 

「斎藤だクソアイドル。ああ、ドーム公演大成功しただろ?そのおかげでお前だけじゃなく、他の奴にも仕事が増えた。これから今まで以上に仕事が忙しくなってくるとアクアとルビーの面倒を見られなくなる。そこでお前を雇うことにした。スタッフの方は軽く手伝ってもらう程度でアルバイトだと思えばいい」

 

「「「ほぇ?」」」

 

 

 ……ガキどもと意見が一致したようだ。バカは論外としておっさんは共犯者だから何をしても許さないが、おばさんはまともだと思っていた。しかしバカの周りはバカ一色のようだ。

 

 

「でもそれなら私がコイにお金払わないといけないんじゃない?」

 

「本当はな。だがお前の代わりに刺されちまったんだ。金で解決できる問題じゃないのはわかっているが払わせてくれ。俺もお前がアイドルなのに十分な防犯対策をしていなかった責任問題もあるからな」

 

「社長……!!」

 

 

 何を見せられているんだ?こんな茶番劇に付き合わされているオレってなに?それにオレをもう雇ったつもりらしいが返答は決まっている。

 

 

「茶番劇を上映中のところ悪いんだけど、オレは雇われる気はない」

 

「ええ!?コイはお金欲しくないの?」

 

「欲しい。欲しいけどいくらなのおっさん?」

 

「月○○万だ」

 

「しけた額だね。オレは一日で何十万と稼いだことだってあるよ?それなのに月でそんだけ?アイドルグループの社長もケチなんだね?」

 

 

 本音をぶちまけてやった。雇うには金が必要だが、労働に見合った金額でなければ詐欺だ。それに男どもを抱くだけで一回何万ともらえるんだ。比べると天と地ほどの差。どう考えても高い方を選ぶに決まっている。

 

 

「それにおっさん達はこのバカを特別視しすぎている。バカだけに力を注ぐと他のメンバーはどう思う?依怙贔屓(えこひいき)されて納得すると思ってんのか?」

 

 

 アイドルグループなんてものは仲良しこよしじゃない。そんな仲良しがいるのか不明だ。そしてこのバカがセンターが務められるグループだ。そこには様々な感情が入り浸って、昨日バカの口から他のメンバーの話はほとんど出て来なかった。ガキや身の上の話をしたのに同じメンバーの話はないのはおかしい。気の許す仲間なら自慢したいはずだが、それがないということは気を許せていないということ。

 

 

 おそらくバカは仲良くしたいと思っているだろうが、嘘つきなこいつのことだ。仲良くする仕方も碌にわかっておらず、おっさんおばさんもサポートできていないんだろ。アイドル活動は出来ても、人間関係は下手くそだな噓つきアイドル様?

 

 

「思わないわ。でもね、このままじゃダメなの。アクアとルビーの愛らしさでみんなのストレスやメンタルケアを行うつもりよ。アイさんとの関係改善を目的にこの子達に時間がある時は事務所に通わせようとしているの。それにはいつも一緒にいてくれる保護者が必要なのよ」

 

 

 そんなオレの内心を知らずにおばさんが説明するが……オレが言いたいのはそんなことじゃないんだよ。

 

 

「お前ら……揃いも揃って全員馬鹿なのか?」

 

 

 オレがこんなことを言うのは似合わない。だがこれだけは言っておかないといけない。

 

 

「オレはお前らがどうこうなろうと知ったことじゃない。雇われる気なんてそもそもないしね。だがな、ガキどもを大人の都合で連れまわすな、利用するな、ガキにはガキの時間がある。それを奪うな、強要するな、ガキどもの主張を聞け。オレ達大人の為の便利な言い訳に使うな!!」

 

 

 言ってしまった。こんなことを言ってもオレにはメリットなんてないのに……それでもガキを言い訳に使うのは腹が立つ。クソ親父もガキのオレを散々言い訳に使ったから……ってオレはなに感情的になっているんだ!?ほらみてみろよ、バカを含めた全員が唖然とすることになった。

 

 

 昨日からなんだか調子が変だ。いつものオレじゃない感じだ。ちくしょう、それもこれも全部バカのせいだ。こいつがオレを拉致監禁なんてするからこんなことになったんじゃないか……ってなんでお前近づいてくるんだ!?おいバカ、顔近いって!!?

 

 

「コイは私だけじゃなく、メンバーのみんなのこと、アクアとルビーのことも思ってくれているんだね?」

 

「はぁ?お前何言ってんの?そんなわけあるはずg……」

 

「ありがとう」

 

「……っ」

 

 

 そんな笑顔を向けるな。嘘じゃない純粋な笑顔を向けないでくれ。オレには……眩しすぎる。

 

 

「ねぇアクア?ルビーもどうかな?二人はどうしたい?」

 

「……俺は……いいと思う」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「斎藤社長もミヤコさんも仕事が忙しいのは知っているし負担はかけたくない。それに俺達でアイが抱えている問題を解決できるなら俺は賛成だ」

 

「……私も……ママと一緒に居られる時間が増えるのは嬉しいけど……このアマと一緒は……」

 

「なにも四六時中ずっと一緒じゃないだろ?それよりもアイの生レッスンや他メンバーとのプライベート交流を間近で拝めるんだ。俺達の知らないアイを知ることができるチャンスじゃないか?」

 

「知らないママを拝めるチャンス……いい!このアマは心底嫌だけどママの為ならいいよ!」

 

「アクア……ルビー……!!」

 

 

 いやほんとこいつらガキか?マジで疑わしくなってきやがった。そしてオレの意思は尊重されず無視か……この扱いはなんだよ?むかついてきた。

 

 

「おい待てよ、オレが雇われる流れになってんぞ?それに以前話していた慰謝料と口止め料、迷惑料がまだ支払われていないけど?」

 

「それは払ってやるし、雇うにはちゃんとした保証もつける。お前を巻き込んでしまったからな」

 

「ほんとそれな。アイドルに脅されて社長が誘拐に加担してんじゃねぇよ」

 

「……それは言うな」

 

「だけどオレは雇われる気はn……」

 

「アクア、ルビー、二人ともコイと仲良くしてあげてね?」

 

「ああ」

 

「嫌」

 

「それではコイさん、これが契約書よ。ここにサインして」

 

「だから待てって言ってんだろぉ!?おばさんもサラッとこの場の流れに乗ってんじゃねぇ!!」

 

 

 このままじゃヤバい!!こいつらオレを雇う気満々だ!?あれか、ちょっといい話をして好感度上がりましたってやつか?冗談じゃない!少し調子が変だっただけなんだ。いつものオレじゃなくてだな……って契約書にサインさせようとするなっ!?

 

 

 もう嫌だぁ!!バカだけじゃなくこいつら全員狂ってる!?こうなったら逃げるしかない!!!

 

 

「コイ、どこに行くの?アクアとルビーの面倒みてあげないとダメだよ?」

 

 

 オレには自由がない……今まさになくなった。手錠が再びオレの手に付けられていた。

 

 

 やっぱり『苺プロダクション』は監獄だった……誰か助けてっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃコイは()()()()()()()()()に就くんだし、()()()()()()()()が入ったスマホ(これ)はもう必要ないよね?」

 

「お、おいバカ、お前何しようとしていやがる?」

 

 

 契約書にサインをさせられ、これで終わりかと思ったらそうじゃなかった。

 

 

 いつの間にそこにあったのか?水の入ったバケツに笑顔を浮かべたバカは……スマホ(それ)をシュートした。

 

 

オレのスマホがぁぁぁぁぁあ!!?

 

 

 ……オレの……人生は……クソだ。

 

 




『斎藤壱護』
苺プロダクションの社長。アイへの思い入れは相当なものであり、アイと瓜二つのコイのことも気にかけている。


『斎藤ミヤコ』
壱護の妻。苺プロの社長であった斉藤壱護と結婚すれば日常的に美少年と絡むことができると野望を持っていたが、アイのマネージャーとアクアとルビーのベビーシッターを兼務させられていた苦労人。

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