ミリしらブルーアーカイブ!
第二号だよ

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トリニティの巨神

この数千の学園が存在するキヴォトスの地で最大勢力と問われたら、真っ先に返ってくるのは、ゲヘナ、ミレニアム、トリニティの三つの内のどれかだろう。

その中で関わりたくない場所はと問われたら、真っ先に挙がるのはゲヘナに間違いない。

とりあえず、毎日何処かで飲食店が爆発し、更地になっては温泉を求める更なる爆発が起きる。

その他でも何かしら騒動が起き、その度に鎮圧に当たる風紀委員長の睡眠と休息は消滅していく。

なので、そういった意味ではゲヘナは避けられがちとも言える。

では、他の学園はどうか。

ミレニアムは何か頭良さげで近寄り難い。あと、変なロボットが湧いたり、エンジニア部が何かしらしでかしたり、ちっさいメイドが怖い等ある。 

頭良さげで近寄り難いは完全な偏見だし、変なロボットはミレニアムの管理能力、エンジニア部はロマンを追い求め過ぎているだけ。

ちっさいメイドは、うん……

 

そして、最後の一つ。

トリニティについてだが、キヴォトス一のお嬢様学園であり、大小様々な派閥が跋扈する魔窟でもある。

その中で主となるのが、学園の自治を担当するティーパーティー、治安維持を担当する正義実現委員会、教義を重んじるシスターフッド。

そして、人命救助を担当する救護騎士団だ。

 

上から順に

 

ロールケーキ

メンヘラ

セクシーフォックス

戦略兵器

ダイエット

夢女製造機

スカート丈

エ駄し

覚悟

スリット

マリー

妖精

チェーンソー

薩摩武士

 

この他にもブラックマーケットで悪名を轟かす強盗団の長ファウストが在籍するという噂や、全裸や水着で学園内を闊歩する変態、宇沢が存在すると言われている。

なまじっか歴史が長く、混沌とした経歴のある学園故に、存在の有無に関わらず奇妙奇怪な噂が立ち上る。

そんな歴史の闇とも言える中にもう一人、物騒な響きの異名を持つ生徒が居る。

その生徒は救護騎士団に所属している。

だが、この救護騎士団が中々に曲者揃い。

監視カメラはおろか、センサーの類いにも引っ掛からずに屋内に侵入し何処にでも出現する生徒や、掠り傷で切除だとチェーンソーを振り回す生徒。

そしてそれらを率いる団長が極めつけだ。

救護、医療に関する知識と立ち振る舞いは確かに救護騎士団団長を務めるに値する。

だがしかし、だがしかしだ。

とにかく救護を叫んでは、ショットガンと盾を振り回し、戦場をひっくり返し破壊する。

救護騎士団団長〝蒼森ミネ〟、その行動と志はこの言葉に集約される。

 

〝ミネが壊して騎士団が治す〟

 

救護と名の付く集団の長として如何なるものか。

とにかく、この団長は暴れる。理性が無いという訳では決してない。

ただ救護の方向性が傷病ではなく、その傷病の原因に向かうだけなのだ。

周囲からすれば迷惑この上ないが、それでも医療知識や技術は本当に団長足るものであり、上記の曲者を束ねる人格も持ち合わせている。なんなんだこいつ……

 

さて、そんな薩摩武士、武士団長率いる曲者騎士団。

その中にミネに勝るとも劣らず、暴れる団員が居る。

その生徒は救護要請とあれば現場に真っ直ぐに急行する。

そう、真っ直ぐに急行する。

とにかく直進、障害物など何処吹く風よばかりに直進、猛進する。

つい最近だと、ビルを四棟ぶち抜いて現場に駆け付け、銃弾の雨の中をものともせずに全て轢き倒した。

全身を専用の装甲服を覆い、誰もが見上げる長身と障害物をものともしない剛力と耐久力。

ヘルメットのバイザーで隠れた顔を見た事がある者は、片手で数える程度しかいないという。

救護の邪魔をする者は全て轢き倒し、救護者を回収していく。

 

そんな彼女を人はこう呼ぶ、

トリニティの装甲列車

ランニングアーマードホスピタル

 

そして

 

トリニティの巨神、と

 

 

 

 

 

 

 

 

「セリナ」

 

ぬっと、こちらを覆い隠す影が立ち、籠った声が呼ぶ。

156cmの鷲見セリナ高く見上げる姿は、白を基調とした救護騎士団の制服(装甲服)

ヘルメットのバイザーで隠れた顔は見えないが、こちらを見ている事は今までの付き合いで判る。

 

「ヨロイさん、どうしました?」

「要救護者三名を搬送、とりあえず医務室に放り込んでる」

 

不壊(ふえ)ヨロイ、身長2m50cm。誰もが見上げ、誰もが振り返る長身と全身を覆い隠す異形は、見る者全てに威圧感を与える。

だが、そんな異様にもセリナは何事も無く接する。

 

「容態は?」

「擦過傷と軽度の火傷、手榴弾が原因」

「分かりました。では、手続きの方はこっちで済ませておきますね」

「ごめんね」

 

放つ威圧感からは想像出来ない柔らかな口調と、籠っているが優しい声色。

彼女を知らぬ者は恐れ知らずの巨人と揶揄するが、セリナ達は知っている。

この巨駆の持ち主は誰よりも優しく、そして誰よりも臆病なのだ。

この全身を覆い隠す装甲も、顔を隠すバイザーも全て彼女の臆病さの表れであり、決して周囲を威圧する為のものではない。

 

「最近増えたね」

「そうですね。先月に比べると、やはり増えています」

「皆、〝エデン条約〟嫌なのかな……」

 

二人が在籍するトリニティと問題児の巣窟のゲヘナは仲が悪い。

これに関しては、現代の生徒同士のいざこざではなく、歴史的な問題となる。

遥か昔の争いから今に到るまで、両校はいがみ合い続けている。

しかし、現代のティーパーティーと万魔殿がそれらを打ち消す為の条約、通称〝エデン条約〟を結び協力関係となる方針を打ち出した。

これで争いが無くなるという訳ではない。だが、現状よりはずっとましになる。

ただいがみ合い、争い合う仲から手を取り合う仲へ。

ヨロイの望みはそれだ。

 

「大丈夫です。きっと上手くいきます」

 

セリナ達は知っている。

この巨人は誰よりも優しく、誰よりも臆病なのだ。し

しかし、限られた者しか持ち得ないものを持っている。

この大きな体には、似つかわしくない小さな勇気と、それを支える強い優しさを持ち救護者を庇い、自身が暴力に晒される事すら厭わない。

自分より他の誰かが傷付く事を恐れる。

だからヨロイは、〝エデン条約〟に賛成している。

傷付く者が少しでも減るなら、彼女は迷い無くそれを選ぶ。

 

「きっと皆もそう願っています」

 

彼女を知らぬ者達はミネの次に危険な存在と、ヨロイを認識している。救護の障害となるものは全て轢き倒していく姿は、正しくそうだろう。

だが本当は、誰よりも優しく臆病で自身よりも他者を優先する印象とはかけ離れた人格。

彼女の後ろをついて走るセリナ達は、その事をよく理解している。

銃弾と暴力を一身に集め、身の丈程も盾と専用の装甲服でこちらと救護者を護る。

例え自身が恐れられようが、それで誰かを救えるならそうする。

 

「さ、行きましょう。ミネ団長が呼んでましたから」

「うん」

 

人は彼女をこう呼ぶ

 

トリニティの巨神

 

だが、彼女を知る者は付け加えてこう呼ぶ

 

トリニティの優しき巨神、と




プロフィール

名¦不壊ヨロイ
所属¦トリニティ総合学園 
部活¦救護騎士団
学年¦二年
身長¦2m50cm
趣味¦裁縫

常に全身を覆い隠す装甲服を着用しており、身長も相まって周囲には威圧感を与えるが、本人は非常に臆病なだけ。
また、体格故に筋力は非常に強く、彼女最大の武器である突進でトリニティの制式戦車を横転させた事もある。

武器¦九代目蜂蜜丸
モデルはハニーバジャー、一~八代目は鈍器となりました。

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