東方護郷譚・廻~幻想を護る者達~ 作:しがない東方二次創作者
~博麗神社-霧の湖間~
side-魔理沙
「霧がどんどん濃くなるな...これじゃ人里の人間は下手に出られないんじゃないか?」
「慧音なら出させないでしょ。人里の住民が下手な事やらかす前に
"霧の湖"に向かう道中、更に濃くなる
「...二人共、
「え、嘘?待ってすぐ...んっく...妖精は相変わらずね!」
「いや、多少妖気の影響は受けてそうだな。兎に角、私達を狙うのなら落とすだけだ!」
影政の言葉に前方を見やると、数匹の妖精が私達を狙って青白い光弾の弾幕を放ってくるのが見えた。霊夢は慌てておにぎりの残りを詰め込んで弾幕を躱しにかかる。
射線に入らないように躱しながら妖精を落としていく。
コイツらは
「...!」
妖精を落としながら影政を見ると、クナイを模した紅い光弾の弾幕を張って妖精に攻撃している...が、妖精達を
「...影政、妖精はいくらでも復活するんだ。態々気絶する程度に抑えるのか?」
「復活するとは言え、妖精は
「まぁ、それはそうなんだが...『命は奪わない』なんてカッコつけて死んだら元も子も無いぜ?」
「そこは弁えている。...昔は余りにも
唐突に私の方にクナイ光弾を一発撃ったと思いきや、背後に回り込んでいた妖精の眉間に直撃して気絶して落ちていくのが見えた。
「っと、危なかった...!影政、ありがとな」
「気にするな。それよりも...」
影政は前方を見る。釣られて目を向けると、
「...よく分からないものはこうよ!」
霊夢は一瞬どうするか考えたようだが、すぐに考えるのを放棄して"パスウェイジョンニードル"を球体に撃ちこむ。
「わぎゃっ?!」
すると、球体から間抜けな声が聞こえてきて真っ黒な球体が無くなり、赤い瞳、
「...やっぱり、妖怪ね。私達に何か用かしら?」
「イタタ...用なんてないのだー。いつものように
「...あんな真っ黒な球体を出してフラフラしてたら誰も近付かないと思うぜ」
そうツッコみつつも警戒は解かない。どうやらコイツは"人食い妖怪"みたいだな。妖怪ってのは見た目じゃ脅威や能力を判別出来ないから恐ろしい。
「お日様は嫌いなのだー。だから
「...今は
「およ?...確かに眩しくないのだー!その
「いや、全く良くない。...霊夢、さっさと倒して進もうぜ?」
「そうね。何だかバカっぽいし、私達が人間だって気付いてないみたいだしね」
「...聞こえてるのだー。人間なんて久しぶりに見たのだー。ねぇねぇ、あなた達は食べt...んー?」
ふと、人食い妖怪は不思議そうに首を傾げる。その視線は私達ではなく、影政に向いていた。
「...あ!影政、久しぶりなのだー!」
「...久しぶりだな、『ルーミア』」
人食い妖怪は
「コイツの事知ってたのかよ?!」
「...あぁ。すぐ俺に気付いてくれるかと思ったが、それなりに年月が経ったからな...それに、種族が変わったせいで分からなかったのかもしれない」
「影政はかなり長生きだし、妖怪の寿命の長さも考えれば知り合っていてもおかしくはないわね」
影政は申し訳なさそうに頷く。...そういや、影政は
「影政はどうしてこんな所にいるのー?」
「今、
「そーなのかー。...じゃあ、そこの
影政の応答に頷いたかと思いきや、私達を見て赤い瞳を光らせる。
「...不味いな。
「影政、何か知って――」
「...魔理沙、影政。先に行ってて」
「れ、霊夢?!」
影政が何か意味深なことを呟いたのを尋ねようとしたら、霊夢が私達の前に出てルーミアと対峙する。
「
「...魔理沙、行くぞ。霊夢の言う通り、ここで
「...そうだな。霊夢、私が先に
「あら、それはどうかしらね?こんな妖怪、サクッと蹴散らして追いつくから」
影政の言葉に頷き、霊夢にこの場を任せて飛び立つ。ああは言ったが、無事に切り抜けろよ、霊夢...!
side-霊夢
―――人食い妖怪『ルーミア』。確か歴代巫女の手記のどれかに載っていた気がする。『闇を操る程度の能力』で自在に闇を操って獲物の視界を奪い、人間を襲って食らうという。
大妖怪に匹敵する力の持ち主だったけど、名前も中身も忘れた
―――閑話休題。
「んー?お
「『博麗の巫女』っていう良薬を食べられるなら、ねっ!」
ルーミアの言葉に"パスウェイジョンニードル"を返す。コイツの過去を知るより今は私を食べようとしているのを止める!
「わわっ?!...抵抗するならこーなのだー!」
ルーミアの周りに魔法陣が展開され、直線で並ぶ青い光弾の弾幕を放つ。間を通って肉薄しようとすると角度がついた赤、緑、青の光弾の弾幕を撃って私の射線をずらしてくる。
「へぇ、バカでもそれなりに出来るみたい...ねっ!」
弾幕を躱しつつ、"パスウェイジョンニードル"を撃ち込み続けると、ルーミアのバランスが一瞬崩れる。
「わっ?!...バカは酷い言い草なのだー!"霧の湖"の
ルーミアはムスッとした表情を浮かべ、一枚の
「これはさっきとは違うのだー!」
「っと...!」
ルーミアの両手から青いレーザーが撃ち出され、左右から挟み込むように動く。このままだとレーザーに挟まれて...いや、もしかしたらこれは――
「...勘が当たったわね」
「むー、バレちゃったのだー」
レーザーは途中で消滅し、ルーミアはムスッとしながらも再びレーザーを撃ち出す。レーザーはあくまで
「『弾幕ごっこ』の言い出しっぺがこの程度で落とされちゃメンツに関わるのよっ!」
「ぎゃん?!」
"パスウェイジョンニードル"を撃ち込み続け、スペルカードの耐久を削り取る。
「イタタ...こ、ここは撤退するのだー」
「逃げるならさっさと...いや、後で背後を襲われても面倒ね。このまま追撃よ!」
暗闇の空間が解除され、ルーミアは逃げ出していく。
「また妖精...!魔理沙の言った通り、
私の前に立ちはだかるように赤い服の妖精、青い服の妖精が次々現れて赤や青の光弾の弾幕を展開してくる。"パスウェイジョンニードル"で落としながらルーミアが飛び去った方角へ進んでいく。
「...居た!」
「あ、もう追いつかれちゃったのだー。...こうなったらここでやってやるー!」
しばらくしてルーミアに追い付く。ルーミアは観念したのか、魔法陣を展開して赤い光弾を直線状に並べて連射する。撃ち終わると、青い光弾と白い小さな光弾を混ぜた円形の弾幕を展開してくる。
「さっきよりはやりにくい弾幕を撃つじゃない。でも、この程度で私は止められない!」
「わっ?!...こ、コイツ強いのだー。じゃあ、これならどうなのだ?!」
ルーミアから
「これじゃただばら撒いてるだけね。カード名の通りだけど単純過ぎるわ!」
「ぎゃんっ?!」
結局は直接的な並びになるせいで縦の隙間が出来ている。射線を確保して"パスウェイジョンニードル"を撃ち込み続け、スペルカードの耐久を削り取る。
「イタタ...ま、まだやれるのだー!」
服に被弾した焦げ跡が目立ってきたもののまだ戦意はあるようで、明るい緑色の光弾を七発円弧状に連射する。弾速は遅いけど―――
「それは
「っと...!」
弾幕に重ねるように六本の青いレーザーを撃ち出してきた。
「むー、まだまだなのだー!」
今度は黄色い米粒形の光弾を円弧状に撃ってくる。さっきと違って単純な弾幕ね。
「わっ?!...こ、これが最後なのだー!」
青、赤、緑の米粒形の光弾が交差しながら円形で撃ち出される。これまでよりは避けにくいけど――
「っと!中々やるわね!」
青い丸光弾の円弧状の弾幕が
「生憎、付き合う時間は無いのよ!これで決めるっ!!」
お札を展開し、十字状に放つ。ルーミアの弾幕が消し飛ばされ――
「や、やられたのだー...」
「あれならしばらく大丈夫ね。...私を食べようとしたけど、食べるには
聞こえてるかは分からないけどそう言い残して、『霧の湖』を目指して飛び立つ。魔理沙、影政...きっと大丈夫だと思うけど、急ぎましょうか。