東方護郷譚・廻~幻想を護る者達~   作:しがない東方二次創作者

12 / 50
紅霧異変-3~華人守門人~

~霧の湖~

 

side-影政

 

「...あれは、屋敷か、館か?少なくとも()()はあそこだろう」

 

 

 ()()()を突き抜ける。正に()()()()()()()()ことを誇示する、霧と同様に()()外観の建物が見えてきた。妖精になりかけの球体が放つ弾幕を躱しながら進むと―――毛色が違う妖精が出てきた。

 

 

「...着ているのは()()()()か?あの建物の者に雇われたか?自由気ままな妖精がまともに仕事を出来るとは思えないが...」

 

 

 『霧の湖』で相手してきた妖精達とは違う装いの妖精が弾幕を撃ってくる。躱しながら気絶させて落としていきながら考えていると―――

 

 

侵入者よ!そこまでだ!

 

 

―――淡い緑色の華人服とチャイナドレスを合わせたような服を着て、黒いリボンで側頭部で編み上げた、腰まで伸びた赤いストレートヘアに"龍星"を付けた服と同じ色の帽子を被った高身長の少女が目の前に立ちはだかる。

 

 

「『紅魔館』の門番として、侵入者は通さない!覚悟!」

 

 

 門番を名乗る少女がそう言うなり拳を振り抜くと、青い光弾の弾幕が展開される。

 

 

「っと...立ちはだかるなら、突破するまで...!」

 

 

 弾幕を躱しながらクナイ弾を撃ち込む。赤い丸光弾と米粒形の弾幕が続いてくるが突破して肉薄する。

 

 

「っ?!『弾幕ごっこ』は遠距離戦だけで臨むものでは?!」

「ルール上は遠距離戦で縛られてる訳ではない。こういった弾幕でもいい筈、だ!」

 

 

 "相棒"を抜刀し、赤い鱗弾を斬撃の軌道のように飛ばす。

 

 

「くっ...ならば...!」

 

 

 門番は鱗弾の間を身体を捻りながら躱してこちらに肉薄する。

 

 

「ふっ!はっ!」

「っと...見た目からして拳法を使いそうではあったが...!」

 

 

 門番の格闘攻撃を"相棒"でいなすように受け止める。

 

 

「――だが、そのまま格闘に付き合うつもりはない!」

くっ?!

 

 

 拳を振り抜いて生じた隙に左手から神力の衝撃波を放って門番を吹き飛ばして距離を取る。

 

 

「その衝撃波...なるほど只人ではないか...!」

 

 

華符「セラギネラ9」

 

 

 門番は()()()()()()を切る。黄色い鱗弾を六方向に撃ち出し、幾何学模様を作りながら左右に交差するように飛んでくる。そこに赤い鱗弾を円形で放ち、回避を妨害してくる。

 

 

「見た目の美しさと避けにくさを合わせたいい弾幕だな。だが――」

 

 

 弾幕を躱しながらクナイ弾を撃ち込む。

 

 

うわっ?!...くそ、背水の陣だ!」

 

 

 耐久を削り取り怯ませる。門番は体勢を持ち直すとそう吐き捨てて下がっていく。

 

 

「...一人で陣というのは変だが、兎も角進むか」

 

 

 再び妖精メイド達が現れて青いクナイ弾や白い光弾で弾幕を張って迎撃してくるが、気絶させていきながら進んでいく。

 

 

「...館も大分近付いて来たな」

 

 

 妖精メイド達を落としながら進んでいると、館の門前に着き―――

 

 

「やはり妖精では足止めにもならないか――こちらは背水の陣、必ずここで侵入者を止める!」

「悪いが、こちらも()()()()を果たさねばならない。――その背水に落ちて貰うぞ」

 

 

 門番は拳を構え、俺は"相棒"を抜いて構えて相対する。

 

 

「はっ...!」

「っと...!」

 

 

 門番は赤い米粒弾を旋風のようにばら撒く。弾速が速く密度も高めだが、回避しつつクナイ弾を撃ち込む。

 

 

くっ?!...これならどうだ?!」

 

 

虹符「彩虹の風鈴」

 

 

 門番は()()()()()()を切る。虹の七色の米粒弾を時計回り、反時計回りで交互にばら撒く。弾速が速く先程の弾幕よりも密度が高い。正にスペルカードの名を表現した弾幕だ。

 

 

「面白い弾幕だ。だが、これで...!」

 

 

 弾幕を躱しながらクナイ弾を撃ち込み続ける。

 

 

っ?!...これも躱しきるとは...だが、手はまだある!」

 

 

 門番は一瞬怯むが、持ち直して合図を出すように手を振る。すると、館を超えて六人の妖精が現れる。門番が放つ青クナイ弾を援護するように妖精メイド達は青い光弾をばら撒く。

 

 

「妖精メイドの援護付きか...なら、これで...!」

 

 

爪刃「紅色の龍爪」

 

 

 ()()()()()()を切り、"相棒"を構える。そのまま横薙ぎに斬り払い、斬撃の軌道に見立てた八発一組の赤い鱗弾を八本一気に飛ばす。龍が両手の爪を振るうような軌道で飛んでいき、弾幕を跳ね除けながら門番と妖精メイド達に襲い掛かる。

 

 

「なっ、速い――」

 

 

 そのまま全弾直撃し、妖精メイド達が気絶して落ちていくのが見えた。門番にも被弾の焦げ跡が目立つ。

 

 

くっ...中々やる......だが、まだやれる!」

 

 

華符「華想夢葛」

 

 

 門番は()()()()()()を切る。先程のとは違い青い丸光弾をばら撒くだけだが、弾自体が大きく避けにくい弾幕だ。

 

 

「シンプルだが避けにくい弾幕だな...だが――」

 

 

 光弾を避けながらクナイ弾を撃ち込むが――

 

 

「――はっ!!」

「っ...!」

 

 

 弾幕に紛れて門番が肉薄して蹴りを放ってくる。咄嗟に"相棒"で受け止める。そこから応酬が始まった。刃と拳、脚がぶつかり合う。ただの拳法の使い手ではなさそうだ。恐らく身一つで得物持ちを相手取る方法も会得しているのだろう。

 

 

「――そこだ」

「っぐ...!」

 

 

 門番の蹴り上げの隙を突いて神力の衝撃波を撃ち込むが、学習したのか()と思われるエネルギーで相殺して少し吹き飛ぶ程度で終わる。

 

 

「...やるな」

「...そちらこそ。こういう状況でなければ是非『弾幕ごっこ』無しで挑みたい位です」

 

 

 門番の物腰が柔らかくなる。そこには俺への武人としての敬意を感じられた。

 

 

「俺としても、それは望む所だが――」

 

 

 そう言って"相棒"を構える。

 

 

「...そうですね。今は"侵入者"とそれを阻止する"門番"です。この二枚で最後だ!!

 

 

彩符「彩光乱舞」

 

 

 門番はそう言って()()()()()()を切る。黄緑、緑、水色、紫の米粒弾を傾けて並べて円形に撃ち出し、黄色と赤の米粒弾をランダムにばら撒く。規則性がある弾幕と不規則な弾幕を合わせた、乱舞を表現するような弾幕だ。

 

 

「二枚連続か...いいだろう、受けて立つ」

 

 

 弾幕を躱しながらクナイ弾を撃ち込む。

 

 

くぅ?!...これが最後です!極彩色の台風を見よ!

 

 

彩符「極彩颱風」

 

 

 門番は最後の()()()()()()を切る。虹の七色の米粒弾を撃ち出し、バラバラに飛んでくる。まさに虹の台風のような弾幕だ。

 

 

「...こちらも決めよう。――美髯の軍神が振るいし大刀よ」

 

 

武起(ぶき)「青龍偃月刀-血霜の大刀-」

 

 

 自身の()()で三国の世の中華で名を馳せ、後世軍神、商売の神となった武将の武器を()び出す。横薙ぎに振るい、その軌道を模した赤い大型弾が高速で飛び、雪で凍ったように白い光弾の刃となって門番を襲う。

 

 

「その武器は――」

 

 

 門番は驚愕の表情を浮かべ、光弾の刃がそこへ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~紅魔館 門前~

 

 

「...いやはや、参りました。門番失格ですが、()()()()()()を見れたしいいか...」

 

 

 門の傍、赤レンガの外壁に背を預けて服をボロボロにした門番はへたり込む。だが、その表情は満足気だった。

 

 

「...やはり、生まれは中華の地か」

「えぇ、そうですよ。...彼は素晴らしい武人でした」

 

 

 門番はそう言って昔を思い出すような遠い目を見せる。

 

 

「...色々話したいことはあるが、今は時間が無い。通して貰うぞ」

「えぇ、どうぞ。私はここで少し休みます」

 

 

 門番はあっさり館に入ることを許した。

 

 

「...あぁ、こんな状態で申し訳ないですが、自己紹介しておきますね。『(ほん)美鈴(めいりん)』、ここ『紅魔館』の門番です」

「...『牙門影政』。見ての通り剣士だ」

「...影政さん、ですね。"武人"として、貴方の武運を祈っています」

「...感謝する」

 

 

 謝意を述べ、門を潜って館―――『紅魔館』へ向かう。

 

 

 

―――to be continued―――

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。