東方護郷譚・廻~幻想を護る者達~   作:しがない東方二次創作者

22 / 50

後半に新規で絡みを追加したら長くなったぜ()



幻想閑話-2-2~妖の山嶺の宴~

~天狗の里 広場~

 

side-影政

 

 

「――影政様!」

「「「影政様!!」」」

 

 

 宴会が始まり十数分が経った。俺は白狼天狗達が集まる広場の一角に向かう。仲間達と談笑していた椛が真っ先に気付いて嬉しそうに笑みを浮かべる。椛の後に俺に気付いた白狼天狗達が俺を囲むように集まって来る。

 

 

「...本当に、壮健のようで嬉しいです!...ちょっと、()()()()()()()()気もしますけど」

「『紅霧異変』、でしたっけ?『文々。新聞』で読みましたが、目覚めて早々に()()()()とは流石ですね!」

「あ、でも...挨拶回りで最初に山を訪るべきだったと思うんですよ。特に椛は影政様が目覚められたと知ってから溜息ばっかりでしたし」

「ち、ちょっとそれは...!」

 

 

 白狼天狗達は笑顔で尻尾を振りながら次々俺に話しかけてくる。

 

―――本来、白狼天狗はこれ程友好的な種族ではない。『妖怪の山』での平時の哨戒、有事の尖兵という役目柄輪を掛けて排他的で、天狗以外の種族の住人相手でも冷たい所があった。

 それが変わったのは、俺が椛の父親―――『犬走(いぬばしり)紅葉(くれは)』と友人になったのが切っ掛けだったと思う。

 

 

―――『イテテ...アンタ強いな。人間なのに()()()を使うなんて初めて見たぞ』

 

 

 初めて『妖怪の山』に入った際に斬り結んで彼に打ち勝ち、興味を持たれたのが友情の始まりだった。紅葉は種族の性格に反して随分友好的な性格で、当時山を支配していた"鬼"に紫の夢(人間と妖怪が共存する理想郷)の実現への協力を取り付けて以降、最初は山の中で哨戒中に出くわした時に世間話をしたり、軽い鍛錬に付き合ったりした程度だったが、いつしか白狼天狗の集落に招かれてから種族全体との付き合いが始まった。

 

 天狗社会は厳格な階級社会だ。白狼天狗は階級の最底辺であり、衣食住は揃っていたが娯楽に乏しい待遇だった。将棋と酒以外には鍛錬、試合位しか無かったせいか、白狼天狗は武人的気質も合わせ持っていた。『天狗の里』内にある白狼天狗の集落に入れるようになった当初は警戒されて距離を取られていたが、紅葉との鍛錬や将棋、酒の付き合いを見てる内に興味を持たれたのか、一人、また一人と加わって来て、いつしか白狼天狗全体から歓迎される程に友好的な関係を結べた。...山に入ると、哨戒中に俺を見付けた白狼天狗に試合を挑まれるようにもなったが。

 

 種族全体とも付き合いを深めた結果、白兵戦の師としての側面まで持つようになった。特に、赤ん坊の頃に紅葉から紹介されて以来、遊んでやったり簡単な鍛錬に付き合ったりしていた椛は紅葉(父親)譲りの高い白兵戦能力を開花させ、俺も鍛錬に熱が入っていつしか"師匠"と呼ばれるようになった。

 

―――閑話休題。

 

 

「すまないな。この山以外にも行くべき所はあったからな。『紅霧異変』もあって遅れてしまった。...それはさておき、椛。宴の席で言うことではないが――紅葉の事は残念だった。友人として葬儀にも参列出来なくてすまなかった」

 

 

 そう言って椛に頭を下げると、椛以外の白狼天狗達の表情に少し陰が差す。紅葉は白狼天狗随一の白兵戦能力と指揮能力を持ち、次期『白狼大将』として期待されていた。―――その話が現実味を帯び始めていた時に、『吸血鬼異変』が起きてしまったが。

 

―――俺は吸血鬼が動き出したという急報を聞いて単身()()に向かってしまい、紅葉の亡骸を看取る事が出来なかった。そして百年経った今、会見が終わってすぐにこの宴会が始まったせいでまだ彼の墓に参れてもいない。宴会で言うべき事ではないが、こうして椛と直接話せる時に謝っておきたかった。

 

 

「...百年経っても変わらず、律儀な方ですね。父上ならそんな事は気にしないでしょうし、こうして目を覚まして私達と話しているのを見れただけで嬉しいでしょう」

「紅葉さんなら、"そんな事より飲もう!笑って話してるだけで充分手向けだ!"って言うだろうしねー」

「うんうん。――だから、大丈夫ですよ影政様。椛も私達も、紅葉さんの事は乗り越えられましたから」

「...そうか。なら良かった」

 

 

―――しかし、椛はそう言って微笑み、周りの白狼天狗達も明るい雰囲気になる。彼女は父親(紅葉)の死を乗り越えられたようだ。安堵の思いで口角が緩む。

 

 

「...ですが、影政様に一つお願いがあるんです。...もしまた、山を訪ねる機会があったら一度手合わせをお願いしたいんです。百年の間にどれだけ成長できたか、父上に見せてあげたくて」

「ふむ、それ位なら構わないぞ。いつまた山を訪ねられるか分からないが、その時は相手を――」

「あ、椛だけズルい!影政様、私とも手合わせを――」

「影政様、私とも――」

 

 

 微笑みから真面目な表情に変えた椛の願いを引き受けると、他の白狼天狗達も手合わせをしろと詰め寄ってくる。

 

 

「っとと、押すな押すな...!」

「ち、ちょっと皆そんなに押し掛けないで!影政様が困るでしょう!」

「影政様!」

「手合わせを――」

「「「影政様!」」」

 

 

 詰め寄る白狼天狗達を押し留め、椛も窘めるが我も我もと数がどんどん増えてくる。

 

 

「――相変わらず、白狼天狗から大人気ね」

 

 

 ふと、背後から聞き覚えがある声が聞こえて来た。白狼天狗達を留めながら振り向くと、茶髪をツインテールで結い上げ、紫色の天狗帽子を被り、薄いピンク色のブラウスに黒いネクタイを締め、黒と紫の市松模様を飾ったスカートと紫色のバンドで締めた黒いハイソックス、一本足の下駄を履いた鴉天狗『姫海棠(ひめかいどう)はたて』が盃片手に此方を眺めていた。

 

 

「――あ、はたてさん!皆を止めるの手伝ってください!」

「えー、止めるなんて勿体ないじゃん?このまま押し倒されてもふもふされてくれたらいいネタになるわ」

 

 

 椛の頼みを聞き流しながら、はたてはベルトに提げていた携帯電話(折り畳み式のカメラ)を持ってニヤニヤ笑みを浮かべる。どうやら俺が抑えきれず押し倒される様をネタにしたいようだ。

 彼女も文と同様に『花果子念報』という新聞を発行しているが、()()に頼ったネタ集めが主体で()()()()()()()()所があって『文々。新聞』に対して劣勢にある。今の俺の状況をネタにして文に対抗するつもり...にしては本気には見えないが。

 

 

「題して『救山の英雄、白狼の牙にかかる!』って所かしらねー。英雄すら()()()()()()白狼天狗の意外な一面。うん、大反響は確実ね」

「...そんな内容の記事を書くなら、私達は許しませんよ」

 

 

 すると、椛の言葉を皮切りに白狼天狗達は俺に詰め寄るのをパッと止めて一斉にはたてを睨む。嘗てならはたて(鴉天狗)相手に萎縮してなすがままだっただろうが、今は皆一丸となってはたてに対抗している。

 

 

「...いい目付きじゃない。()()()()()()()()()()とは大違いね。飯綱丸様――いや、影政(救山の英雄)の影響かしら?」

 

 

 白狼天狗達の雰囲気に動じる事無く、はたては不敵に笑いながら俺を見る。

 

―――前述の通り、天狗社会は厳格な階級社会だ。本来ならば白狼天狗は鴉天狗に跪くべきである。しかし、俺との交友を通して白狼天狗達は()()()()()()()()。時々"自分を卑下するな"、"せめて宴やプライベートではやりたいようにやれ"と言ってきた影響もあるかもしれないが。

 

 

「...記事の事は冗談よ。流石にそんな内容で書いたら大天狗所か()()様に怒られかねないしね。――でも、影政と手合わせしたいって皆望むなら、()()()()()()()()()があるわよ?」

「...互いに利がある方法、ですか?」

 

 

 はたての言葉に白狼天狗達は首を傾げる。

 

 

「――影政が()()()()()()()()()()()()のよ。題して『救山の英雄、白狼天狗百人組手に挑む!』って所ね」

「組手か...確かにそれなら皆の望みに応えられるが」

 

 

 はたての提案は一理ある。椛も含め、白狼天狗達は百年振りに俺と手合わせがしたい。俺としても、百年も心配させた事への埋め合わせの一助になる。そしてはたては―――

 

 

「――で、私はその様子を記事にする。救山の英雄(影政)が勝ち切れば英雄の実力を改めて示せるし、白狼天狗(椛達)が勝てば白狼天狗の実力を上の連中に示せる。...ね?お互いWin-Winでしょ?」

「...なるほど、確かに互いに利益がある方法ですね。ですが、組手となれば沢山の娘が影政様に挑むでしょう。それで影政様を拘束して長く留まらせる事になるのは...」

「...あー、確かにね。影政はこの山の英雄ってだけじゃないしねぇ...」

 

 

 椛の指摘に対し、はたては失念していたように額に手を添えてため息をつく。椛は俺が組手に時間を取られる事による、他所や他者への影響を懸念しているようだ。

 

 

「...影政、この山以外に行く所ってまだある?」

「『地底』、『冥界』...直接行くべき所はまだあるな」

「本当、繋がりが広いわよねぇ...羨ましいわ」

 

 

 はたての問いに答えると、彼女は羨ましそうに俺を見る。文と同じ新聞記者だが、はたてを()()()で見かけた事は殆ど...いや、記憶を思い返しても見かけた事は無い。こうして話しているとフランクで付き合いやすい雰囲気だが―――

 

 

「はたてさんはそもそも、命令が無ければ山の外に殆ど出ないですからね」

「...そ、それは今関係ないでしょ」

「関係大有りですよね?普段はできない()()()()ができる機会ですから存分に利用したいんですよね?」

「ぐっ...」

 

 

 椛の追究にはたては言葉を濁す。()()()ではたてを見た事が無いから確証は無いが、恐らく彼女は内弁慶気質だろう。自身が持つ()()―――『念写をする程度の能力』で()()()()()ネタになる写真を得られる為か、それに頼ってばかりなのが原因だと推測出来る。

 ただ、得られる写真は大概()()()()()()印象のものばかりで、()()()()()()()()記事の原因になっている。

 ()()()()()さえ解決出来ればいい新聞を書けるのははたて自身も理解しているようで、組手の提案を利用して人気を取れる記事を作ろうとしていたようだ。

 

 

「...べ、別に利用したっていいじゃん!せっかくいい記事が書けるチャンスなんだから!」

「文さんみたいに()()()()すれば、いつでもいい記事は書けますよね?」

「ぐぬぬ...影政、椛が私を苛めるんだけど?!」

「...単に正論を言ってるだけだと思うが。()()()()()()()ことが重要だとは、お前も解っているだろう?」

「か、影政まで...」

 

 

 椛の追究に参って俺に助けを求めてくるが、断るとガックリと項垂れる。

 

 

「...ですが、魅力的な提案なのは確かです。父上なら、二つ返事で引き受けたでしょう」

「...確かにアイツ、白狼天狗らしからぬ自由人だったわねー。アイツなら"いいなそれ!今度やろう!"って即決でしょうね」

「...ですが、私は父上ではありません。私は、影政様のお手を煩わせることになってしまうなら、その提案はお断りします」

 

 

 椛はあくまで()()()()()()()に委ねるつもりのようだ。俺としては白狼天狗皆がやりたいと言うならその意思を尊重して引き受けるつもりだが―――

 

 

「――何やら面白そうな話をしているね?」

「「「「飯綱丸様!!」」」」

 

 

―――ふと、聞き覚えのある声が俺の背後から聞こえ、椛達白狼天狗全員は勿論、はたてまで跪く。『妖怪の山』を実際に統治する八人の"大天狗"、その筆頭ともなればはたてからしても高位の人物だ。

 

 

「――皆、楽にせよ。此度の宴は影政(そこな英雄)の目覚めと壮健を祝うもの。...宴の度に言っている気もするが、特に此度はより無礼講であるしな」

「...分かりました」

「「「...飯綱丸様がそう仰られるのであれば」」」

 

 

 大天狗筆頭たる龍は、威厳を示しつつも気さくな笑みを浮かべて無礼講を許す。椛達白狼天狗、はたては跪くのをやめて立ち上がる。

 

 

「――影政、改めて百年前に山を救ってくれた事の礼を言いたい。お前の加勢が無ければ()()していただろうし、白狼天狗との長年の付き合いが無ければ()()はより速かっただろう。...本当に、ありがとう」

「影政様。私からも、お礼を言わせて下さい。あの時、周りから向けられていた猜疑の目を翔琉様と共に晴らして頂かなければ、()()は避けられなかったでしょう。...本当に、ありがとうございました」

 

 

 龍と、彼女の傍に控える腹心の管狐『菅牧(くだまき)(つかさ)』は二人して頭を下げる。

 

―――典は龍に使役されているが、それでも狐だ。忠実に振る舞いつつも裏で混乱の火種を作ったり、()を平気で罠に嵌めたりと悪戯好きで愉悦を求める性分だ。それでも結果的に()の益に繋がるように仕向ける辺り忠義はあるようだが。

 その性分が吸血鬼異変(百年前の異変)で災いした。当時典は吸血鬼側に潜入し、諜報と攪乱の仕込みを行っていた。そして最高のタイミングで撹乱を成功させて優勢の一助となった。

 しかし典の敵側としての振る舞いが完璧過ぎて、性分もあって誰も彼もから疑われていたのを、戦局が落ち着いた所で俺と翔琉が弁護した。彼女は()すら欺き、俺と翔琉にだけ予め諜報と撹乱について伝えていたのが幸いだった。良く思われない性分を持ちつつも、()()()()()()()()()()()()だと説得出来た。

 

 

「俺も二人に感謝したい。龍の指揮と、典の攪乱が無ければ戦局を優勢に変えるのも厳しかっただろう」

「む、そう謙遜するな。実際に戦局を変えたのは影政だ。...私達では方法を思い付けても実行に移す余力は無かったのだから」

「影政は相変わらず謙虚ねー。もっと誇ってもいいんじゃない?」

「そう言われてもな...俺だって独力で全てできる程の力は無い。お前達が手を尽くして耐えていたからこそ、利用できるものを利用して優勢に持って行けた」

 

 

 龍とはたてに謙遜するなと言われるが、これは最早俺の性分だろう。驕らず冷静に在ろうとしているだけだが、それが周りからは謙遜に見えるようだ。

 

 

「...これ以上は不毛な議論だな。感謝や謝罪はここまでとする。今は宴だ、楽しい話をしようじゃないか」

 

 

 龍はそう言って手をパンパンと鳴らす。

 

 

「さて。宴が始まって最初に向かったのが白狼天狗の所とは実に影政らしいが、何か面白そうな話をしていたね?」

「えーと、実はですね――」

 

 

 はたては龍に俺と白狼天狗の組手の提案について説明する。

 

 

「――という訳で、互いに利がある提案だと私は思うんですよ」

「ふむ。なるほど面白そうな提案だ。...影政はどう考えているのかな?」

「白狼天狗皆がやりたいと言うなら、その意思を尊重して引き受けようと思っている」

 

 

 龍にそう答えると、彼女は頷きながら瞑目して考え込む。

 

 

「...白狼天狗の皆。影政は前向きのようだが、どうしたい?」

「影政様がそう考えていらっしゃるのであれば、否やはありません」

「影政様がやりたいと言うなら、私達も組手は歓迎しますよ」

「ですが、やると決まってもいつやるか...」

 

 

 龍の問いに椛達は前向きな答えを返す。

 

 

「確かに、いつ実施するかが問題だな。少なくとも翌日にさぁやるぞ!...とは行くまい?」

「そうだな。まだ挨拶回りも終わっていない。すぐには無理だな。...だが、日程が決まったなら()()()()()()()

 

 

 俺の答えに白狼天狗達とはたてがパァッと喜色を浮かべる。

 

 

「影政様、ありがとうございます...!」

「「「やったー!」」」

「よっし!これで文に追い付けるわ...!」

 

 

 椛は俺に頭を下げ、他の白狼天狗達は互いに喜び合い、はたてはガッツポーズをする。

 

 

「うむ、見事な喜び様だね。...影政、時期未定だがやると決まった以上、すべき事は漏れなくやることだ。直前になって"外せない用事がある"なんてことは無いようにな」

「あぁ、勿論だ」

 

 

 龍の言葉に頷く。その為にも、挨拶回りはやり切らないとな。

 

 

「――さて、影政。そろそろ他の所に行くといい。白狼天狗以外にもお前と話したい者は居るであろう」

「そうだな。そろそろ行くとしよう」

「影政様、組手の時はよろしくお願いします。私達も全力で挑むので、影政様も手加減せずにお願いしますね」

「「「影政様、組手の時はよろしくお願いします!」」」

「影政、組手の時は私が取材独占するからね!」

 

 

 白狼天狗達とはたての声を背に受けながら、次の場所に向かう。

 

 

「...あの紅い装いは...」

「...あ、影政!」

こっちこっちー!私達とお話しましょー!

 

 

 宴の喧騒に紛れてすぐに、俺を見付けた声が聞こえて来た。顔を向ければ、厄神様の雛と、『人里』に密接に関わる秋の神二柱、紅葉を司る姉神『(あき)静葉(しずは)』、此方に大きく手を振る豊穣を司る妹神『秋穣子(みのりこ)』が三人揃ってゴザに座って酒と肴を囲んでいた。

 

 

「...三人共、元気そうだな」

「影政さんこそ、無事なようで良かったわ。このまま目覚めないのかって百年間、気が気じゃなかったのよ?」

「特に雛なんて、毎日毎日溜息ついてたものねー。影政が目覚めたって話が山中に広がった時、厄を祓えそうなすっごくいい笑顔だったし」

「そ、それは...当然の反応でしょう!...影政のおかげで、私はこうして普通にお話ができるのだから」

 

 

 穣子の揶揄うような物言いに、雛は頬を少し赤くして開き直った様に反論する。

 

―――雛は流され、忘れられた厄除けの雛人形から"厄神様"(神とは言うものの、存在は信仰に依らない為妖怪側である)となった存在だ。

 人間の中に溜まる厄を雛人形や厄祓い等を通して集め、再び人間へ還らないように溜め込み、操るのが彼女の役目だが、その性質上彼女に近付くと()()()()()()()()()()()()()

 それ故に他者は下手に近寄れず、名前を挙げる事すら憚られる孤独な存在だった。―――彼女自身はそれに反して人懐っこい性格であり、気楽に他者と話せない事を悩んでいた。

 

―――『...雛、という厄神様が居るんだが。彼女、性格と役目が相反していてな。...気丈に振舞ってるが、内心寂しそうでな...』

 

 雛の事、その悩みを知ったのは、翔琉と飲んでいたある時だった。紅葉と違って物静かだが、同様に友好的な性格だからこそ、雛の在り方を遠目に見ていて悩んでいた。

 

 

―――そこで、俺は幻想郷創造以前に知己を得た、今は()()の一人となっている()()に助力を仰いだ。

 

―――『...本来ならその程度の事に権能は使わないんだけどね。()()()()()のお前の頼みだ、引き受けようじゃないか。――だが、この貸しは高く付くぞ?』

 

 その()()は、当時人間でありながら()()の力を振るう俺を一方的に気に入っていて、出会う度に"私の部下にならないか?"と誘われていた程だ。助力を仰いだ時も、チャンスを得たと言いたげにニヤニヤ笑っていた。

 

―――ともあれ、ただ厄を溜め込むだけの()だった雛の特性に、()()()()()を付与する事が出来た。厄を溜め込み過ぎて、他者が近付くと逃げ道を求めて厄が移るのだと推測し、()()()()()()()()()()()()を利用して()()()()()()()()()を繋いだ。

 雛が集めた厄はその身に溜まらず、()を通って()()の手で精神エネルギーに変換されて幻想郷に還される。これにより、彼女は存在意義を喪わず役目を維持しながらも、()()()()()()()()()()出来るようになった。

 この事については、雛と俺だけが知っている。()()()()()()()()()()の特性上、あまり表にはしたくなかったからだ。

 

―――閑話休題。

 

 

「――三人共、百年も心配させてしまってすまなかった」

 

 

 そう謝罪して三人に頭を下げる。秋姉妹は毎年『人里』で催される"豊穣祭"で必ず見かけるおかげで友人であるし、雛は前述の事があって付き合いが長い友人だ。それぞれ信仰、厄がある限りほぼ永遠に存在出来とは言え、三人はずっと不安だったようだ。

 

 

「...百年経っても変わらず律儀な人ね。こうして元気な姿を見せてくれたことでお相子よ」

「雛程じゃないけど、私達も心配だったんだからねホントに!今年の"豊穣祭"は絶対参加すること!それでチャラにしてあげるわ」

「...また、百年前みたいに山に来た時にお話してくれるなら、それでお相子にするわ。貴方は恩人で、友人だから。それだけで充分よ」

 

 

 静葉は苦笑しながら、穣子は俺に指を差しながら、雛は人懐っこい笑みを浮かべながらそれぞれ言葉を返す。

 

 

「...三人共、ありがとう。いい友人を持ったな、俺は」

「友人ならもっと私達に頼ってよね!誰にも助けを求めないでたった一人で先に行くのは、吸血鬼異変(百年前の異変)で最後にしてよ!」

「...あぁ、肝に銘じる」

 

 

 穣子の言葉に苦笑しながら頷く。改めて、吸血鬼異変(百年前の異変)で俺が取った行動に伴う影響の大きさを思い知った。これからの挨拶回りでも同じ様な事を言われ続けるだろう。

 

 

「――やあやあ、影政。元気そうだね」

 

 

 ふと、背後からまた聞き覚えがある声が聞こえて来た。

 

 

「――にとりか、百年ぶりだな」

「たかねさんも居るよー。百年ぶりだね、影政」

 

 

 振り向けば、山の住人である"河童"『河城(かわしろ)にとり』と、"山童(やまわろ)"『山城《やましろ》たかね』が居た。河童と山童は本質的に同じ種族であり、水中に棲むか陸上に棲むか程度の違いしか無い。その為、二人は仲がいい友人同士でもある。

 

 

「やあ、三人共。...影政とまだ話したいことはあるかい?」

「無い...訳じゃないけど、影政さんと話したい人は他にも居るでしょう?だから、今は大丈夫よ」

「なら良かった。じゃ、影政を連れて行くよ。――影政、大丈夫だね?」

「あぁ、丁度にとりに()()()()()もあったしな」

 

 

 にとりの問いに頷く。――カニンへの贈り物の為に、にとり達"河童の技術屋(エンジニア)"達の助力が必要だった。にとりが話しかけてきたのは丁度いいタイミングだ。

 

 

「またね、影政さん」

「またねー!"豊穣祭"に来なかったら荒ぶっちゃうんだから!」

「またね、影政。挨拶回りは大変でしょうけど、しっかりやり切ってね」

 

 

 三人の声に見送られ、にとりとたかねに着いて歩き出す。

 

 

「...『工廠』は大丈夫か?」

()()()()()()()()()()殿()のおかけで工廠自体は無事だよ」

「...でも、激しい戦闘で兵器や弾薬やその他諸々の資材が枯渇しちゃったからねー。全部終わった後で、回復するまでは一人残らずデスマーチだったよ...」

「気力維持に齧ってた胡瓜が無くなったって聞いた時は、死を覚悟したよね...」

 

 

 二人は揃って瞳から光を失くす。

 

―――『妖怪の山』には、その気になれば山の住人全員を収容出来る程の広さを持つ巨大な空洞が存在する。そこには、にとり達河童と山童の中で科学技術に明るい者達で建設した『工廠』と呼ばれる施設がある。

 河童、山童の本拠地は『玄武の沢』だが、そこには置けない大掛かりな設備を備え、日々科学技術の探究と発展を目指して様々なものを生み出している。―――天狗、そして()()の監査によってその産物が殆ど普及する事は無いが。

 

 しかし、生み出された()()()()()()()()()()()()()は身内で使う分には問題無い為、吸血鬼異変(百年前の異変)では天狗に次いで耐えられていた。―――質は高けれど()()した数が多過ぎたせいで、俺の加勢が来るまで優勢に転ずる余裕は無かったようだが。

 

―――閑話休題。損失した諸々のものの回復は大変だった様だが、何とか原状回復に持って行けたらしい。

 

 

「...()()の後も大変だったようだな」

「本当に大変だったんだからね!私は技術屋じゃないからって傍観しようとしてたら、にとりに巻き込まれて兵器や資材の在庫管理させられたんだよ!」

「作り手は有り余ってたけど、作ったものの数を管理出来る人手も余裕も無かったんだから仕方ないじゃないか!傍観なんてさせる気は更々無かったよ!」

 

 

 酒で少し酔っているせいか、たかねの愚痴ににとりがムキになって言い返す。どうやらたかねは職業柄経理に明るいのを利用されて損失の回復に従事されられていたようだ。

 

―――山童も多くは技術屋だが、たかねは珍しく商才を持ち行商人をやっている。山中で採れた山菜や薬草、『工廠』で造られた()()()()()()()()()()()()()()道具等手広く売買していて、中々儲かっているようだ。『人里』の人間が『妖怪の山』の恵みに預かれる数少ない窓口でもある為、人間からも歓迎されている。

 

 

「...吸血鬼異変(あの異変)が終わった後は、どこも後始末や回復で大変だったらしいからな。傍観させる余裕が無かったのも仕方ないだろう」

「うんうん、影政はよーく分かってるじゃないか。...たかねだって、文句は言いつつも真面目にやってくれたしね」

「...まぁ、私だって山の住人だしね」

 

 

 にとりの言葉にたかねは気恥ずかしさを誤魔化すように頬を掻く。二人の仲は相変わらず変わっていないようだ。

 

 

「...吸血鬼異変(百年前の異変)についてはここまでにしておこうか。影政、さっき()()()()()があるって言ってたよね?」

「あぁ、実はな――」

 

 

 にとりが俺の()()()についての話題に変える。俺はカニンへの贈り物について二人に話す。過去に彼女を同行させて山に入った事もある為、二人もカニンの事は知っている。

 

 

「――という訳だ。...にとり、頼めるだろうか?」

「お安い御用...とは素直に言えないね。彼女が持ち逃げしてきた()()()()()の解析は未だに終わっていなくてね。一部しか再現できてないし、その再現も粗が目立つ有様だよ」

()()()()()()()って事にも驚いたけど、持ってる技術力が凄いよねー。詳しくない私でも、今の私達じゃ敵わないって解っちゃうもの」

 

 

 俺の()()()を聞いて、にとりは難しい顔をする。

 

―――カニンが()()()()()()()()際、彼女は一人で持っていける()()()()()()()()を持てるだけ持って来ていた。俺は()()の許可を得てそれらをにとり達の所に持ち込み、自由に解析させていた。百年間を吸血鬼異変(百年前の異変)での損失の回復に充てて遅れていると思うが、それでも解析はあまり進んでいないようだ。

 

 

「...でも、その()()()には応えられるよ。完璧にとは言えないけど、ちゃんと使える物を造れる自信はあるから」

「そうか...では、お前に頼もう。依頼料は後払いでいいか?」

「お代はいらないよ。友人だし、山を救ってくれた英雄からお金は取れないさ。...でも、機会があったら胡瓜で一品作って欲しいかな?」

 

 

 河童達は幻想郷随一の技術による産物を身内で使うだけに留まらず、()()()()()()()()()()()()()を山の他種族や山の外に向けて売っている。また、道具の開発や作成も請け負っているが、此方は普通なら手が出せない額の依頼料が必要だ。俺もそれを払おうと思っていたが、にとりはそれを断って別の対価として胡瓜を使った料理を求めてくる。にとりもまた、俺の料理が好きな者の一人だ――胡瓜限定ではあるが。

 

 

「――いいだろう。交渉成立でいいな?」

「うん、オッケーだよ!ものがものだからいつ出来上がるか確約はできないけど、出来には妥協しないよ!」

「じゃあ、出来上がったものは私が届けるね。影政が居ない時に他人が受け取ってもバレないように梱包しておくから安心してね。あ、私も送料とか要らないからねー。その代わり、直接カニンに渡してあげること!」

「あぁ、勿論そのつもりだ。...全く、俺はいい友人に恵まれたな」

 

 

 にとりは俺の()()()を快く請け負い、出来上がった()()()の配達をたかねが自発的に引き受けてくれた。つくづく得がたい友人を得られた事を実感し、思わず呟く。

 

 

「友達なら、もっと私達に頼りなよ!影政の頼みなら、他の河童だって動員して応えるからさ」

「私だって、『人里』で商売に出てるからね。友達の貴方なら、お代はまけてあげるよ」

「...二人共、ありがとう」

 

 

 二人の言葉に俺は礼を言って口角を上げる。

 

 

「じゃ、私達はこの位でいいよ。他にも話したいのは居るだろうしね。――こっちに来てる翔琉とか」

 

 

 にとりが指差す先を見れば、盃と酒瓶を持った翔琉が此方に歩いて来ているのが見えた。その道中で天狗達と軽く会話を交わしながら、徐々に此方に近付いてきている。

 

 

「翔琉も人気者だよねー。階級に囚われていない自由な雰囲気がそうさせてるのかな?」

「天狗社会じゃ見た目含めて異質だろうに、不思議な奴だよねぇ」

 

 

 にとりとたかねがそんな会話を交わしている内に、翔琉は俺達の前まで辿り着く。

 

 

「...影政、空いているか?」

「あぁ、大丈夫だ。...にとり、たかね、またな」

「またね。()()()はしっかり出来しておくよ!」

「またねー、影政」

 

 

 二人と別れ、翔琉と肩を並べて歩き出し―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ガシッ!!

 

 

――っ?!

 

 

―――翔琉の背に()()()()()()浮かんでいるのに気付いた刹那、()()()()()が伸びて俺を掴み、()()()へと引き込んだ。

 

 


 

~後戸の国~

 

side-???

 

 

「お師匠様、連れてきました!」

「直に見ると解るけど、本当に()()になっちゃったんだねー」

「...相変わらず、いきなりで強引な呼び付け方だな」

 

 

 二童子(部下二人)()から引きずり込まれ、軽く尻餅を着いた()()()()()()()()()は平然と立ち上がって此方を見上げる。―――()()()を見ると、戦神(私と同じ存在)になってしまった事が事実であると実感して思わず嘆息する。

 

―――『牙門影政』。()()()()()を開祖とする一族の末裔。それ故に只人と比べて高い身体能力と長命を有していたが、それでも人間であり―――人間でありながら()()をその身に降ろし、妖怪(人ならざるもの)と互角に渡り合える力を持っていたこの剣士を、初めて出逢った時から私は気に入っていた―――もし、()()()()()事があれば二童子(今の部下)()()して()()()()()にしてやろうと考えていた程には。だが―――

 

 

「お前にとっては慣れたものだろう?...あぁ、吸血鬼異変(百年前の異変)を起こした吸血鬼が、お前と刺し違えて散ることがなければこの手で縊り殺していたものを」

「物騒な愚痴だな。...確かに望みがもう叶わないとなればそう言いたくなるか」

「あぁ、全くもって残念だよ。...とは言え、これからも幻想郷にお前は必要だ。――壮健のようで何よりだ、影政。先の()()、『紅霧異変』の解決への貢献も見事である」

「お前も変わっていないようで何よりだ。――"()()()()()"、『隠岐奈(おきな)』」

 

 

 叶わぬ望みへの未練を吐き出す様に一息吐き、改めて影政と挨拶を交わしながら()を傍に開いて主賓(影政)が居ない宴会から適当に酒と盃二つをくすね、()を閉じて椅子に座ったまま影政の前に降りる。

 

 

「さ、少し飲もうじゃないか。――吸血鬼異変(百年前の異変)が終わった直後は大変だったぞ?長命な妖怪があまりにも多く死に、生命エネルギーが溢れて妖精共の暴走が起きてな。所詮妖精だから鎮圧は容易だったが、発生した数が多くてな。少々時間を要したし、私もバランス調整に苦慮した」

 

 

 盃を影政に渡し、酒を注ぎながら軽く愚痴る。――私は眺めていただけで鎮圧は他の者がやったし、実際エネルギー操作を行ったのは左に控える『丁礼田(ていれいだ)(まい)』だが、私の権能を与えて働かせているから実質私の苦労だ。

 

 

「非力でも数が集まれば脅威になるからな。生命エネルギーで強化もされていただろうから手間取りもするだろう」

「生命を生み出す()()から生じる存在だからな。...『月戦争』以来接触は無いが、『月の都』の住人は生命を()()として忌避し、()()する力を有しているのだったな。――あの時の様な、生命エネルギーそのものの様な状態の妖精をけしかけたらどうなるのであろうな」

 

 

 影政の言葉に答えながら何となく思った事をぼやく。『月の都』が持つ力は幻想郷(ここ)より遥かに強大だが、神ですら()()という強みにして弱点を持つのだ。生命エネルギーそのものをぶつけてやれば案外通用するかもしれない。

 

 

「さぁな。そもそも俺達は『月の都』を見たことがない。...カニンも『月戦争』以来玉兎(同族)との念話が断たれたと言っていたし、()()()『月の都』、"月の民"を知る術は無い」

「確かにそうだな。紫の()()を利用すれば行ける可能性はあるが、『月戦争』の二の舞は御免被りたいしな。できればあれきりにして欲しいものだ」

 

 

 影政の返事に頷き、盃の酒を飲み干す。吸血鬼異変(百年前の異変)より遥かに犠牲は少なかったが、妖怪がまるで歯が立たない一方的な展開は見ていて楽しいものでは無かった。何故生命を()()と見做しているのかは分からないが、この星に生きる上で断てないものを否定する連中とは仲良くなれる気がしない。

 

 

「...む、適当に選んだせいか中身が大して無いものを掴まされたか。仕方ない、これでお開きとしよう。――影政。多くの者から言われただろうが、()()()()()()のはもう止めることだ。()()になって()()()()()()()()()()()()だろうが、お前と()()()()()歩みたいと想う者は多い。――幻想郷はお前一人で生み出したものではないこと、努々忘れるな」

「あぁ、肝に銘じよう」

 

 

 影政が頷いたのを確認し、その背後に()を開く。そこから見える宴会の景色は変わっていない。幻想郷(あちら)後戸の国(こちら)では時間の流れが違うとは言え、参加者が多いせいか影政(主賓)が居なくなっている事に気付いていない様だ。

 

 

「では、またな。...また呼び付けるようなことがあったら、もう少し丁寧にしてくれ」

「あぁ、考えておこう」

 

 

 ひらひらと手を振りながら適当に答え、()を通って幻想郷(あちら)へ戻って行くのを見送る。

 

 


 

 

~天狗の里 広場~

 

side-影政

 

―――スタッ...

 

「...いきなり()()()()()()どうしたのかと思ったが...私の()()から出て来たという事は、()()()()()に呼ばれたか」

「あぁ、挨拶ついでに少し話して今しがた解放された所だ」

 

 

 翔琉の背に浮かぶ()から戻ると、翔琉が気付いて此方に向き直る。()()と対等に話せる()()に近い立ち位置に在る為、翔琉も隠岐奈の事は見知っている。

 

 

「...()()もお前が目を覚まして嬉しい、ということだろうな。それは無論私も同じだが...()()云々より、壮健なことが親友として嬉しい」

「翔琉こそ、壮健のようで何よりだ。...百年間、大変だっただろう?」

 

 

 広場の片隅、山の住人が居ないスペースで足を止め、互いに壮健を喜びながら互いの盃に酌をする。

 

 

「...あぁ、本当に大変だったぞ。...お前の無事を祈りながら、らしくも無く仕事漬けだった」

 

 

 翔琉はそう答えながら眉間に僅かに皺を寄せる。

 

―――翔琉の仕事はある意味"山の何でも屋"だ。手が足りない時、他に頼めない時等に仕事を受け、卒無く要領良く熟す。余った時間は山の住人と世間話をしたり、偶に()()()に出たりもする。

 翔琉は自分の時間を優先する性分で、長時間拘束される、或いは連続するような仕事は好まない(必要なら引き受ける真面目さもある為悪い印象は無い)。

 吸血鬼異変(百年前の異変)が終わった後、流石に翔琉も自由な時間が取れない程に仕事を熟していたようだ。

 

 

「そうか...俺が眠っている間、苦労を掛けたな」

「謝る必要は無い。...()()()()()()()()()()()だった。人命以外にも、山全体で喪ったものが多過ぎた。...その回復に腐心するのは一人の住人として当然だ」

 

 

 翔琉はそう返して盃の酒を一気に呷る。俺の加勢で()()終息に持って行けたが、犠牲は余りにも多過ぎた。

 

―――もっと早く加勢出来ていれば。山の被害を知ってからは時々そんな無意味な仮定が脳裏を過ぎった。

 

 

「...それでも気に病むなら、これからはもっと私達を頼れ。...お前には親友や友人が多い。だが、お前は肩を並べず()()()()()()()()()()()()...その背中を見ていて、何度不安になったか。幻想郷はお前独りで護れるものではない。...その意思は、私にだって、山の住人だって皆持っている」

「...あぁ、これからはもっとお前達に頼っていくさ。誰も彼もから言われれば反省せざるを得ない」

 

 

 翔琉の言葉に苦笑しながら返し、盃の酒を呷る。

 

 

「...なら、いい。...百年振りだ。こっちには話したい事が色々ある」

「あぁ、聞こう」

 

 

 互いの盃に酒を注ぎながら、翔琉の言葉に頷く。百年間だ、山の損失の回復以外にも話したい事はあるだろう。

 

―――空を見上げれば、夕焼け空が見え始めていた。宴はまだ続く。

 

 

 

―――to be continued―――

 

 

 





という事で、おっきーなとの絡みを追加しました。出逢いを如何にして描くか未だに思いつかないぜ()

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。