東方護郷譚・廻~幻想を護る者達~ 作:しがない東方二次創作者
~幻想郷西方 上空~
side-魔理沙
「...おぉ?!――コイツは正に
寒々しい曇天を抜けて高空へ出ると、正に
「...確かに春と言えば桜だが、この中に
ちょうど目の前を舞って来た
―――『信じられないかもしれないけど、これは
―――アリスとの『弾幕ごっこ』に勝利した後、ルーンから聞いた手掛かりの説明を思い出す。
聞いた当初はアリスと揃って"そんなバカな"と思ったが...ルーンが花びらを詰めた小瓶を足元に叩き付けると、そこだけ
―――"魔法使い"として色々と魔法を創って来たが、
「...っと、こんな高空に妖精が居やがるな。寒さが苦手な妖精は多いからな。暖かいここらに集まってるって訳か!」
目の前に妖精が数体現れ、弾幕をばら撒いて来たのに気付いて思考を止める。適当にばら撒かれる丸弾を躱しながら"ストリームレーザー"で妖精を消し飛ばしていく。
「気絶させて落としたら、目覚めたら寒空の下だからな。消し飛ばしてやるだけありがたいってもんだよな――って、あれは...」
そう呟きながら時々飛んで来て弾幕をばら撒く妖精共を倒していると―――下方から見慣れた
「――あら、魔理沙じゃない。アンタも
「ちょっと違うな。確かにこの
私の下に飛んでくるなりそう尋ねてきた霊夢に
「...そりゃ凄いわね。その花びらを集めて地上にばら蒔けば
「それができりゃ実に楽なんだがな。ルーンの実践を見て解ったんだが、この
霊夢は少し眉を上げただけで大して驚かず、花びらを地上にばら撒く事を提案して来る。ルーンの実践を見た私は、その提案は無意味だと否定する。この
「――つまり、
「ご明察。この
霊夢の分かりやすいまとめ方に頷く。『紅霧異変』の時と同じで実に脳筋だが、今も尚
「じゃ、さっさと――」
「ん?――こりゃ珍しいヤツが来たな」
霊夢が何かを見つけて急に言葉を止める。霊夢の視線の先を見ると―――見覚えのある
「――こんにちは、二人共。上と下じゃ温度差があり過ぎて風邪をひきそうだわ。...で、二人が合流しているってことはこの
「確かにその通りだが...まさかお前が
「文から影政が動いているってのは聞いたけど...アンタが出て来るなんてね」
『紅魔館』のメイド長がこんな所まで来ている事に、霊夢と揃って珍しいと感じて言葉を零す。
―――『紅霧異変』から数ヶ月。
「
「――今、
「...アンタなら冗談抜きでやりかねない、って思ってしまうわね。
―――こんなやり取りのように、咲夜は
「確かめてみなさい、って言いたいけど...お嬢様の命令もあるし、今は状況が状況だもの。今回は
「賢明な判断ね。
「咲夜は
咲夜の共闘しようという言葉に霊夢と揃って二つ返事で頷く。
―――『紅魔館』の地下図書館に
だが、今回は
「二人共、今回はよろしくね。...で、このまま
「そうするしか無いわね。この
「だな。二人なら大丈夫だろうが、この暖かさを求めて妖精共がそこそこ昇って来てるみたいだ。一応気を付けてな」
咲夜の言葉に頷き、三人揃って西へと飛び立つ。―――この先に、一体何があるんだろうか。
~幻想郷西方 幽明結界付近~
side-霊夢
「――こりゃ結界、か?」
「...霊夢、どう思う?」
「結界の類なのは間違い無いけど――
時々襲ってくる妖精達を落としながら西へ飛び続けて暫く経った。私達は、『幽明結界』が在る位置に浮かぶ―――
「『幽明結界』...どんな結界なんだ?」
「分かりやすく言えば...この世とあの世を隔てると同時に、
修行の一環で紫から教わった『幽明結界』についての説明を二人にする。前述の通り、幻想郷における生死の輪廻を維持する重要な結界なのだけど―――
「...そんな大事な結界なら――この
「――その通りよ。既存の結界の中に、目的がまるで違う別の結界を創ると――普通は
咲夜の言葉に頷く。結界とは、目には見えずとも概念やものを隔てる力を持つ壁のようなものだ。高度なものだと目の前の『幽明結界』のような、
―――でも、目の前の結界は私の目から見ても『幽明結界』の意義を
「『幽明結界』の先に在る『冥界』を管理してる
「...未練タラタラで戻ってきた霊魂がこの世で何かしでかしたり、実際に居るのかは知らんが物好きな生者があの世に入り込んだりしかねない、ってことか」
魔理沙の答えに頷きながら、脳裏に『冥界』在住の二人の姿を思い起こす。
―――今思えば、冬が
「――でも、この
「...今回は例外よ。"博麗の巫女"として許すわ。"
咲夜の言葉の意味を察し、"博麗の巫女"として許して改めて
「――勿論、覚悟は既にできてるぜ。何なら
「――"多くの人間があの世の存在を信じるのは、
予想通り、二人が怖気付く訳が無かった。片や妖怪を普通に相手取れる
「ならば良し。じゃ、早速――」
「っ!」
「お?『騒霊楽団』の連中じゃないか」
「見たのは"豊穣祭"以来ね。...状況的に、私達を演奏でお出迎えでは無さそうだけど」
―――突然、何処かで聞いたような聞かなかったような、
「私達に"お花見での演奏"を
「大人しくここで退くなら良し。退かないなら...本当に、本っ当に面倒くさいけど、力づくで退かせるから」
「...リリカ、腹を括った方がいいわ。三人共、退くような雰囲気がまるで無いもの」
ルナサに続いてメルラン、リリカ、カナが私達と対峙しながら言葉を続け、身構える。
―――依頼されれば何処ででも、人妖関係無く演奏し、その音色とパフォーマンスで楽しませている、"騒霊"四人組で構成された演奏隊『騒霊楽団』。その四人が
「――
「霊夢の言う通りだぜ。私は
「
三人揃って退く事を拒否し―――陰陽玉、星を飾った蒼紫色の玉、ミニ八卦炉。各々の得物を展開する。
「...私は外じゃ無力だし、先に戻るわ。――三人共、頑張って。レイラと一緒に待っているから」
「...ありがとう、カナ。――メルラン、リリカ。行くわよ」
「身内以外との『弾幕ごっこ』は多分初めてよね~。――さぁ、楽しみましょう!!」
「あーもう面倒くさい!こうなったらやるだけやってやる!」
「うおっと?!いきなり
「鱗弾の追尾が厄介ね。避ける方向を間違えたら丸弾と挟まれる、わねっ!」
「二人共散開よ!...三人居るせいか鱗弾の追尾がそれぞれに分散してるから良かったわ。一対三だったらもっと厄介だったかも」
『弾幕ごっこ』で対戦人数の規定はしていない。ある意味騒霊三姉妹らしい賑やかな演奏のような
二人に散開して相手をするように声をあげ、弾幕に挟まれないように躱していきながらルナサを狙って"ホーミングアミュレット"を撃つ。
「っく...!『弾幕ごっこ』の発案者相手じゃ、三人合わせた
「仮に一人でアンタ達三人を相手取ることになってたら、面倒だったと思うけど、ねッ!」
「あらあら~、ナイフで弾幕を作るなんて物騒ね~」
「ナイフは私のメイン武器だもの。――霊体が相手でも刺さるようになってるから安心なさい」
「単体相手なら数の暴力でワンチャン勝てたのに...!」
「私も単身
弾幕を躱し、アミュレットを撃つ合間に二人の様子を見やれば、咲夜はメルランを、魔理沙はリリカをそれぞれ相手取っている。このまま
「っ...?!」
「きゃっ?!」
「うわっ?!」
「怯んだ...!これで吹っ飛びなさいッ!!」
少しして三人にダメージが溜まって怯む。すかさず私は
「くぅっ...!」
「あ~れ~」
「ぎゃーっ?!」
「魔理沙、咲夜!このまま一対一に持ち込んで!」
「いきなり
「同数で乱戦は思わぬ損害を被りそうだし、最善の判断ね。――了解よ」
霊撃弾で三姉妹がバラバラの方向に吹っ飛んだのを見届け、二人に指示を飛ばしてルナサの方へ飛んでいく。咲夜がメルラン、魔理沙がリリカの方へそれぞれ飛んでいくのを視界の端で確認しながら、"ホーミングアミュレット"をルナサに撃ち込む。
「っ?!...成程、姉妹で連携はさせないつもりね」
体勢を立て直した所に撃ち込まれてルナサは怯むものの、すぐ持ち直して
「アンタ達の土俵には易々と乗るつもりはないわ。このまま各個撃破で終わらせる!」
丸弾を躱しながら"ホーミングアミュレット"を撃つ。ルナサは避けようとするも、アミュレットの誘導性能からは逃げ切れず次々被弾する。
「くっ?!...厄介な誘導弾ね。――偽りの音色に魅せられなさい」
被弾を重ねて怯んだルナサは
「っと、誘導を間違えると追い込まれるわね。音符弾はブラフみたいだけど――」
「――この子の音色はこれだけじゃないわ」
「っく...!そんな単純なものじゃないって訳ね...!」
今度は青い音符弾が配置され、青い丸弾に変化して
「パターンが分かれば、後は...!」
ルナサは再び赤い音符弾を展開し、赤い丸弾が飛んでくる。どうやら赤と青のパターンを交互に繰り返す
左右どちらか一方向の回避で追い込まれて挟まれないように、弾幕の隙間を見付けて逆方向に抜けながら"博麗アミュレット"に切り替えて撃ち込む。
「くっ?!...この程度じゃ勝てない、か」
「だったら諦めて退いて欲しいわね。邪魔する奴は全部吹っ飛ばすけど、基本的には負けを認めて退く相手を甚振る程鬼じゃないわ」
「...妹二人がまだ戦っている。だったら姉として――退く訳にはいかないわ」
被弾を重ねて怯んだルナサに撤退を促すも、キッと挑むような眼差しで私を見つめながら青い丸弾をばら撒いて来る。
「――そう。じゃあ、遠慮無くぶっ飛ばすわよ!」
ルナサの答えに一息つき、弾幕を躱してアミュレットを撃ち出した。最初の
side-咲夜
「きゃっ?!...アハハ、やるじゃな〜い!人間なのにこんなに強いなんて、是非お友達になりたいわ〜」
ナイフが次々メルランの服を斬り、破れや切り傷を作って怯ませる。けど、彼女は何ともなさそうに明るい―――けど
「...笑ってばかりなのが何となく不気味ね。前向きなのはいいことだけど、貴女のそれは異常よ」
―――霊夢が
最初は彼女の明るい笑顔と、こちらまで
―――まるで、
「私、そんなに変かしら〜?今とっても楽しいし、楽しければ笑うものじゃな〜い?」
「今、貴女は少し不利な状況よ。私は見ての通り被弾ゼロ。貴女はさっきのナイフで服は破れと切り傷だらけ。普通なら悔しがったり、負け惜しみでムキになったりする所よ」
「...そういうのはよく分からないわ〜。私は自分の感情に素直なだけだもの。――さぁ、お話ばかりしないでもっと楽しみましょ!」
メルランはより明るい笑顔で声を上げ、
「...こちらとしては楽しんでいる時間は無いのだけど、ねッ!」
楔弾を躱し、砲台からナイフを撃ち出す。
「っとと...!つれないわね~。さぁさぁ、まだまだよ~!」
楽し気な笑顔のままだけど、流石に被弾を重ねると負けるのは解っているようで、ナイフを躱して再びトランペットを吹いてレーザーを放つ。さっきとは違う軌道を取り、それに合わせて飛んでくる楔弾の軌道も変わっている。
「一定じゃないレーザーの軌道がなんだかメルランらしいわね。彼女自身も動き回ってるし、忙しないわね...!」
楔弾とレーザーを躱し、飛行速度を上げてナイフを広範囲にばら撒く。
「おっとと...これは流石に避け切rきゃんっ?!」
メルランはナイフを躱そうとするも、広範囲にばら撒かれたナイフの雨からは逃げられず被弾を重ねて怯む。
「イタタ...困ったわね~。やっぱり姉さんとリリカと合わせないとダメかしら~」
「そんなことさせると思って?――このまま私にやられてもらうわよ」
メルランの言葉にそう返し、砲台から再びナイフを撃ち出す。"豊穣祭"でのコンサートを見た時も思ったけど、メルラン達三姉妹は姉妹で連携してこそ本領を発揮するようだ。このまま一対一を維持して倒したい所だけど―――
side-魔理沙
「危なっ?!...本っ当面倒くさいなぁ!なんで私がこんな負担を...!」
"ストリームレーザー"がリリカを掠めて一瞬怯む。持ち直したリリカはうんざりした愚痴のような言葉を漏らす。
―――霊夢が三姉妹を分断して、私はリリカの相手をしているが、どうにも戦意が乏しい気がする。さっきから愚痴みたいな言葉ばかり漏らしているし、私に向けて撃つ弾幕もイマイチだ。戦闘でやる気を感じないのは
「面倒なら退いてくれるとありがたいな。こっちもお前達に構ってる時間は無いんだ、さっさとその
「...できることならそうさせてあげたいよ。私も面倒事が無くなるし、魔理沙も
私の言葉にリリカはそう答えて目を伏せ―――
「――"
リリカはそう吠えて
「うぉっと!...仕事人らしい矜持だな。この場合は面倒だが――」
―――弾列の隙間を抜けた瞬間、立て続けに青と黄色の楔弾が同様のパターンで展開される。
「危なっ?!二波目があったか...!」
辛うじて被弾は避けて弾列を抜けると、一波目の赤と黄色の組み合わせのパターンが展開される。距離が離れていれば隙間も多いが、近いと弾幕の密度が濃くなって避けにくい構成だ。
「射線さえ合えばダメージは与えられるが、あの弾列は避ける方向を間違えると射線が合わなくなるな...よし、さっさと終わらせる為にも使うか!――食らえ!」
時短の為にも弾幕ごと掻き消してダメージを与えるべく
「なっ、ちょ、避けrぎゃーっ?!」
弾幕の壁を失って無防備なリリカに星弾が次々当たる。レーザーを撃ち止め、星弾も尽きると被弾痕で服がボロボロになったリリカが顕になる。
「...はぁぁ...何だってルナサ姉さんはこんな依頼引き受けたのか...
「...どう言うことだ?」
心底面倒臭そうなため息を吐いたリリカの言葉が気になって尋ねる。
三姉妹に結界の護りを任せた
「...おっと、危うく口を滑らせる所だった。ごめんね、私達の依頼主については他人には話せないんだ」
「ほぅ、そうかそうか。――今お前を吹っ飛ばして、無理矢理口を割らせてもいいんだぜ?」
そう言ってミニ八卦炉を構え、軽く魔力をチャージして敢えて白い光を見せ付ける。
「...そんな脅しには屈しないよ」
「――予告無しは心臓に悪いわ。でも、いい判断よ」
「――ソロだと正直厳しかったわ~。ナイスタイミングよ~リリカ!」
「――マジかよ」
―――唐突にリリカが
side-霊夢
「――とんだ奥の手だわ。分断を一瞬で立て直すなんて」
「分断されることを想定して対策を仕込んでいたようね。やられたわ」
「多分、隙を見せた私が悪いな。リリカのやる気が無さそうだったから、ワンチャン説得して退かせられないかと思ったんだが...」
突然の
「ふふん、驚いてるね。...いつかのルーンのアドバイスが無かったら、あのまま各個撃破でやられてたね。本当に分断してくる相手が居るなんて思わなかったよ」
「...ルーンか。確か楽団の常連ゲストだし、仲も良かったな。今は余計なことしてくれやがってと思うが」
リリカの言葉に魔理沙が何とも言えない表情で言ちる。どうやらルーンの入れ知恵で生まれた
「...そして、この
「つまり、もう私達に分断は通用しないってことよ~」
「それは厄介ね。...でも、さっき分断されてすぐに使わなかったのは、何か制約がありそうね。
「...さぁ、どうだろうね」
続くルナサとメルランの解説に対する咲夜の言葉に、リリカが
「...兎も角、こうして姉妹三人集まることができた。――改めて、私達の
「ソロの時間は終わり!さぁ、アンコールタイムよ~!」
「一人じゃ厳しくても、三人合わせれば大きな力になる。さぁ、改めてトリオの始まりだ!」
三姉妹が
「さぁ、リリカ!やるわよ~!」
「はいはいっと!」
メルランとリリカが短く太い青いレーザーを展開し、剣を振るように回転させると―――米粒弾の
「っと...!軌道が歪んで隙間もバラバラだな」
「――二波目が来るわ」
米粒弾に続いて黄緑色の針弾が展開され、また二人がレーザーを振り薙ぐと軌道が変わる。そこから水色、青、紫と針弾が展開され、二人は振り薙ぐだけでなく、槍の突撃のように突っ込んで広い範囲の弾の軌道を歪める。
「っく...!密度も濃いけど、軌道の歪み方がバラバラで避けにくいわね」
「慌てず避けて、ルナサに集中砲火を与えるのが得策かしら。動き回る二人のレーザーと弾の軌道変化に注意しつつ、狙っていきましょう」
「あぁ、そうするか!こう回避を強要されると、射線が合わせにくくてもどかしいが...!」
咲夜の献策に賛成し、散開してバラバラの軌道に変化して飛び交う針弾や米粒弾を避けながら"博麗アミュレット"を撃ち出す。咲夜と魔理沙も弾幕を避けつつ、それぞれナイフ、レーザーをルナサに集中して浴びせていく。
「っと...ねぇ、魔理沙。射線合わせに苦労するなら、誘導性能を持った弾幕を作ったら?」
「よっと...!誘導性能を持たせるとどうしても
「ぐぅっ?!...ごめんなさい、やられたわ」
弾幕を交わし、アミュレットを撃ちながら魔理沙のぼやきにアドバイスを与えると、それを拒否しながらレーザーでルナサを狙い撃つ。その一撃が決め手になってルナサが怯んで弾幕が治まる。
「やっぱり強いわね~。『紅霧異変』を
「本当にこの三人、人間なのかな?『弾幕ごっこ』とは言え、ここまで私達が追い込まれるなんて...」
「『弾幕ごっこ』の発起人としては、この程度で屈する訳にはいかないのよ。さぁ、まだ手はあるでしょ?三姉妹の連携で私達を倒してみなさい」
メルランとリリカの言葉にそう返し、挑発して次の
「...これが最後――私達の本気の
「あれをやるのね~?――さぁ、最高のフィナーレを飾りましょ!」
「勝てるか分からないけど、やってやる...!――騒霊のトリオ
三姉妹は
「早速来たわね...!」
「お?最後にしてはそれ程――」
「――メルラン、リリカ」
「は~い!しっかり合わせるわよ~!」
「姉さん達こそ、遅れず合わせてよ!」
私達が放たれた弾幕を避け始めてすぐ―――三人から赤、青、緑のレーザーが展開されて三角形を形る。更に角度が付いた二本目のレーザーも展開されて回り出す。
米粒弾と針弾がレーザーに触れると―――赤、青、黄色の針弾に変化してバラバラな軌道に変化して飛んでくる。
「レーザーで軌道が変わるパターンはさっきのと同じだけど...あの三角形のレーザーが厄介ね。特に角度が付いた二本目で全体の範囲が広がっていて、移動が制限されるわ」
「それだけじゃないぞ。あの二本目のレーザーのせいで大分軌道変化がバラバラだ。見た目はプリズムの反射光みたいで綺麗だが、かなり避けにくいぜ...!」
二人の言う通り、三姉妹が展開する三角形のレーザーとそれに触れて軌道が変わる針弾が厄介な
「くっ...まだ、まだよ...!」
「ちょっと厳しいかしら~?――でも、まだまだやれるわよ~!」
「イタタ...!でも、まだ行ける...!」
魔理沙のレーザー、咲夜のナイフも三姉妹に当たって少し怯むものの、負けじと更に弾幕を展開してくる。
「激しくなってきたわね...魔理沙、咲夜!一気に決めるわよ!」
「あぁ、分かった!」
「――了解よ」
トドメを刺すべく、二人に向かって声を張り上げながら
「――これで、終わりよ!」
「――纏めて吹き飛べ!」
「――チェックメイトよ」
幻符 「殺人ドール」
~冥界 『桜花結界』付近~
side-咲夜
「...あぁ、やっぱり居たわ。吹っ飛んで
「かなりボロボロだな...流石に
「勝てたならいいじゃない。"勝てば官軍負ければ賊軍"、敗者がどうなろうと知ったことじゃないわ。幽霊の類なんだから、その内目覚めるでしょ」
「...まぁ、
「...本でしか見たことなかったけど、これが
霊夢に続いて歩き出し、白い綿のような霊魂があちこち漂う石畳の道の左右に並ぶ
「...あぁ、咲夜達が来たのは去年の夏の終わり頃だったわね。なら春がどんなものか分からないのも当然か」
「春と言ったら"花見"、こんな満開の桜を眺めながらの宴会だが...
「そうね。この眺めをお嬢様達にも見せてあげたいし、
魔理沙の言葉に頷き、敵が来ないか警戒しつつ歩いて行く。今の所は辺りを漂う霊魂以外は居ないようだけど、
~白玉楼 門前階段~
side-妹紅
「...どうして...どうして妹紅さんが?!」
影政が
「...建前としては、『人里』の備蓄が厳しいからその
妖夢にそう答え、戦闘態勢を取る。
―――影政から聞いた、
「――さぁ、始めようか。師匠を追いたいなら、私を倒してからだ」