東方護郷譚・廻~幻想を護る者達~ 作:しがない東方二次創作者
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~『白玉楼』前 石段~
side-妹紅
「...っ!」
「おっと...それ、お返しだ!」
妖夢が
「っち...!範囲型か...!」
数発掠るものの妖夢はすぐに対応して躱し、私と同じように空中へ飛び上がる。そして刀を数度振り薙いで挟み込む様に楔弾を放って来る。
「この程度なら...」
楔弾を躱し、"フェニックスクロウ"を再度撃ち出す。誘導性能は無いけど扇形の範囲を活かして捉えれば...!
「くっ...?!...この程度の弾幕は普通に避けますか。――では、これなら!」
妖夢が
―――
「っと...!――今の、抜刀術か?
距離を取り、楔弾が拡散して出来た隙間を抜けるが、既に妖夢は刀を納めて二撃目を放つ体勢になっていた。
―――そして、再度反対側へ瞬時に移動しながら刀を振り抜く。今度は
「――成程。原理はよく分からないけど、遅くなる瞬間なら楽に隙間を抜けるチャンスが来るのか」
「っ...この程度で...!」
妖夢は被弾しつつも体勢を崩す事無くまた反対側へ移動しながら刀を振り抜く。遅くなった瞬間に楔弾の隙間を抜けて妖夢を追う。
「ここは速度を絞って...!」
楔弾の弾速が元に戻り、安全に隙間を抜けて躱す為に速度を絞り"フェザーフレイム"に切り替える。羽根を模した炎弾を広い扇形で撃つ。射線を合わせずとも充分捉えられる広範囲の弾幕だ。威力は低いが、無理に妖夢を追わずとも当てられる筈だからこのまま...!
「なっ、範囲がhぐっ?!」
炎の羽根を避け切れず被弾を重ねて妖夢は怯む。
「...手早く撃退して師匠を追おうと考えていましたが、それは無理そうですね」
「おいおい、それは舐め過ぎじゃないか?これでも"幻想郷創造"に貢献したんでね。影政とか
私を見据えて刀を構え直す妖夢の言葉に少しムッとしつつもそう答える。
しかし、今繰り広げている『弾幕ごっこ』の経験はまだまだ少ない。でも、それは妖夢も同じ筈だ。
「...確かにそうですね。――ですが、それでも私は貴女を倒さないといけない」
「――その言葉、そのまま返すよ」
刀を構える妖夢の言葉にそう返し、翼をはためかせて身構える。
―――片や
「...ふっ!」
「っと...二連撃か!」
妖夢は刀を左右二回振り薙ぎ、交差した青と赤の楔弾が飛んでくる。赤の楔弾は途中で私に反応する様に軌道を変え、此方に飛んで来る。
「赤が私狙い、青はそのまま...避け方を間違えれば挟まれて被弾しそうだな」
青の楔弾を躱せる程度に赤の楔弾を誘導し、赤を躱してすかさず青の楔弾の隙間を抜けて―――
「――そらっ!」
「っ?!急に
―――
「『弾幕ごっこ』に"接近戦禁止"ってルールは無いからな。こっちの方があまり考えなくて楽なの、さッ!」
「くっ...!」
足に炎を纏わせ、回し蹴りの要領で"フェニックスクロウ"を振るう。妖夢は飛び退いて蹴り自体は躱すが、刃状の炎弾がそのまま飛んでいき、咄嗟に刀で
「ならば此方も...!」
「うぉっ?!大玉弾か...!」
妖夢が刀を袈裟斬りに振るうと、青色の大玉弾が刃状に飛んでくる。至近距離だったものの、嘗て
「ふっ...!しぃっ...!」
「っと...!そらっ!」
妖夢の斬撃と、そこから放たれる大玉弾を躱しながら此方も炎弾を纏わせた拳や蹴りで応える。妖夢の剣撃を注視していると―――動き方の特徴に気付く。
「ふっ...!(...
袈裟斬りからの斬り上げの予備動作を
―――妖夢は次の動きに移る時に、
「(...よし、少し試してみるか)...っと...」
「っ...!そこ――」
「――隙だらけだッ!」
「がッ...?!」
応酬の最中に
「...やっぱりな。妖夢、
「ゴホッ......師匠にも指摘されているので直そうとしているんですが、癖は中々抜けなくて...」
腹を抑えて軽く咳き込む妖夢に指摘すると、苦々しい表情を浮かべながら影政からも同じ指摘を貰っていたと答える。流石妖夢の師匠なだけはある。既に妖夢の弱点を見抜いて指摘していた様だ。
「癖、ねぇ。お前よりも剣術に詳しくない私でも
「...そうですね。――
妖夢は宙に飛び上がって抜刀術の体勢を取る。
「確かにそうだな。まだまだこれから――」
―――ふと周りを見回すと、接近戦の応酬で躱した特大丸弾が
「――接近戦のご指摘に感謝します。でも、これはあくまで『弾幕ごっこ』。接近戦が全てではありません」
「なっ――」
私には見えない速さの抜刀術で、大玉弾が
side-妖夢
「...やった、か?」
大玉弾を
「――居ない?」
―――『弾幕ごっこ』は
ルールで
―――妹紅さん程の方が
「――っ?!」
「――動きが正直だから性格もそうだと思っていたけど、そういう奇策も使えるんだな。――でも、忘れたか?
―――目の前で炎が燃え上がり、妹紅さんが姿を現すなり
背中の紅く揺らめく翼をはためかせ、飛翔する鳥の形に並ぶ炎弾の弾幕が次々飛んでくる。
「くっ...!」
炎の鳥を躱し、無理なものは楼観剣で
「ヒューッ...奇襲し返したつもりだけど、よく凌いだな」
炎の鳥を撃ち尽くして石段に降り立った妹紅さんは軽く口笛を吹いて感心したように言う。
「危ない所でしたが、どうにか...しかし、妹紅さんが
「分かってるよ。さっきの
『弾幕ごっこ』は基本的に双方の合意でルールを決めて行う。しかし、
・
・
―――遭遇戦では
このルールのおかげで、妹紅さんの
―――しかし、妹紅さんは被弾判定と引き換えに先程の様な奇襲が出来るのが厄介だ。
「...では、
「...ほぅ、言ったな?――やれるものならやってみろ」
私の啖呵に妹紅さんは不敵に笑みを浮かべ―――紅く揺らめく翼をはためかせて飛び上がり、
「っ...!」
軽く息を吐いて感覚を研ぎ澄まし、飛び立って初弾を躱し、すかさず避けられない炎弾を
「っと...!」
「はっ...!」
妹紅さんは楔弾の隙間を抜けて躱し、再度
「っと...そら、避けてみろ!」
楔弾を躱すなり
「――そうすると思ったよ」
「ぐッ...?!」
―――妹紅さんが
「範囲が狭いってことは、狙い撃ちがしやすいってことでもある。"フェザーフレイム"の範囲内に居た時点で私の術中だったって訳だ」
「...これはしてやられました。まだまだ半人前ですね。――ですが、半人前なりに全身全霊で貴女に勝つ!」
修羅剣 「現世妄執」
「――うぉっ?!」
―――縦斬り一閃、妹紅さんの軸線に合わせて一条の
「まるで灯りに集る蛾みたいだな...!」
妹紅さんはひょいひょいと丸弾を躱す。このままなら密度が薄い弾幕だけど、この
「――未練ある魂よ、尽きぬ生はそこにある」
「――っ?!弾が
―――丸弾は合図で一気に妹紅さんへと殺到する。
「っち...!」
避け切れないと判断したのか、妹紅さんは
「っと...まだ行きますよ...!」
炎弾を躱し、再度縦斬りの軌跡で妹紅さんの軸線上に
「...現世に焦がれる幽世の魂って所か。
「おっと...最初の奴もまだ残っているのが厄介だが...!」
妹紅さんは丸弾に挟まれない様に誘導して躱し、再度
「ぐっ...!」
「――そこだッ!」
「がはッ...?!」
―――怯んだ所に
「っく...流石に避け切るのは無理でしたね」
「範囲内に捉えられればそう簡単には避けられない装備だからな。そろそろ
「...そうですね。――ですが、例え不利でも勝てる可能性があるなら諦めませんよ!」
人神剣 「俗諦常住」
体勢を立て直し、
「うぉっと...って、
妹紅さんの背後を阻む様に横薙ぎ一閃、白く長い剣撃の軌跡を生み出す。
「――俗人の魂よ、開かれた門より天へと至れ」
妹紅さんが困惑している隙に前へと戻り、合図を出して軌跡から青い粒弾を天へ昇っていく霊魂の様にランダムに撃ち出していく。
「っと、そういうことか!背後からは少し避けにくいが...!」
意図に気付いた妹紅さんは粒弾を躱しながら
「――されど人のまま、悟らぬまま神に至ること勿れ!」
「――なっ?!」
―――抜刀術で一閃、赤い中弾の弾幕を展開する。単なる放射状では無く数本を曲げて印の様にしたもので、展開後ばら撒かれていく。新たな弾幕の展開で意表を突かれたのか妹紅さんは一瞬硬直して―――
side-妹紅
「――っち!」
意表を突かれたが、すぐに持ち直して回避にかかる。背後からバラバラに飛んでくる粒弾を避けながら、妖夢が撃って来る中弾を避けるのは少し大変だが...!
「ふっ...しまっ――」
炎符「火の鳥飛翔」
粒弾を躱した先に中弾が飛んでいて、咄嗟に
「っ!また接近戦を...!」
「っち、逃がすか...!」
接近戦に持ち込んで中弾を撃たせまいと図るが妖夢も距離を取ろうと背を向けて飛び出し、火の鳥の炎弾を躱し、斬りながら離れていく。即座に私も"フェニックスクロウ"を撃ちながら追いかける。
「――はっ!」
「っおぉ?!」
妖夢は"フェニックスクロウ"を躱し、振り向きざまに抜刀術で横薙ぎの剣撃を放って来る。撃つのを止めて咄嗟に躱すと、そのまま私の背後で止まって粒弾をばら撒き始める。
「まだ
粒弾を躱しながら"フェニックスクロウ"を再度撃つ。中弾が展開される前に削り切れれば...!
「っく...!この程度で...!」
「ちっ...間に合わなかったか!」
数発当たって少し怯むが、妖夢は耐え切って抜刀し中弾を展開してばら撒く。射撃を止めて後ろからの粒弾、前からの中弾を躱す事に集中する。展開されてすぐの中弾は曲線で並んで壁になっていて躱せる隙間が限られるが、そちら側に追い込まれない様に粒弾と中弾を躱していく。
「これでも躱し切りますか...!」
「っと、させるかッ!」
中弾が全てばら撒かれ、背後の剣撃の軌跡も消えると妖夢は三撃目を撃つべく納刀して構えの体勢を取る。展開を阻止するべく"フェニックスクロウ"を撃ちながら―――高速で突っ込む様に肉薄する。
「っ?!速い――」
「――これで落ちろッ!!」
「がッ?!」
―――妖夢が吶喊に怯んだ隙を見逃さず蹴りと"フェニックスクロウ"を同時にぶち込む。妖夢も避ける事は出来ず吹っ飛んで石段に叩き込まれる。
「...今のは運が良かったな。突っ込んだ先に弾があったら
土煙と弾幕の着弾煙に包まれる妖夢の落下地点を見下ろしながら一息
「――まだやれるみたいだ、なッ!」
―――
「...また意表を突かれましたね。今のはかなり堪えました」
弾幕が治まると、焦げ跡や破れが目立つ服を纏う妖夢が煙を突き抜けて飛び上がって来る。
「こっちも賭けに近かったんでね、上手く嵌まって一安心だよ。...でも、まだ行けるだろ?」
「えぇ、勿論。――これが最後の
妖夢は頷き、抜刀術の構えを取って狙い澄ました鋭い眼差しで私を見据える。
「こっちも
背中の紅く揺らめく翼をはためかせ、手に炎を纏わせて身構える。
「――『天魂』『地魂』『人魂』、人が持つ"三魂"。それに内包されるは『喜』『怒』『哀』『懼』『愛』『惡』『欲』の"七魄"。――魂魄が散る色彩、刮目せよ!」
妖夢が抜刀すると、赤い大玉弾が三つ一組で二つ並び、それに続いて緑、黄、橙、赤、紫、青、水色の七色の楔弾が鈴生りに展開される。
「こりゃまた派手な...」
「――危なッ?!いけないいけない、見惚れている場合じゃない、なッ!」
―――妖夢の合図で動き出した弾にすぐに気付けず、目の前に迫っていた大玉弾を咄嗟に身体を仰け反らせて躱し、続いてばら撒かれる楔弾を―――
「っ...!また
妖夢の抜刀で
「ぐぅ...!――まだ、私はやれるッ!」
妖夢はこれまでのダメージが重なって動きにキレが無く次々被弾して怯むが、振り払う様に吼えて二撃目の弾幕を展開する。
「いい気合いだ。――だが、こっちも決めさせてもらうぞ」
そう呟き、展開されて動き出した大玉弾と楔弾へ一気に
「リザレクション」
「...えっ、嘘――」
「――これで終わりだ!」
炎符「火の鳥飛翔」
―――
「...被弾二回。後者は被弾上等で吶喊したのが嵌ったから良かったけど...
最後の
「...お?こりゃまた珍しいのが居るじゃないか」
「...確か、『迷いの竹林』の番人だったかしら?筍掘りでお世話になったわね」
「...ん?あぁ、やっぱりお前らも動いてたか。...珍しいのが一人居るけど」
―――背後に人の気配を三人分感じ、振り向くと
「...
「本来はそうするつもりだったさ。――でも、友人から"力を貸してくれ"って頼まれたからね。
眉を上げる霊夢にそう答える。どうやら文は誰かしらから情報を得て私が影政と共に
「友人?それって――」
「っ...!」
「な、何だ?!」
「っ...この気配は...!」
―――魔理沙の言葉を
「...どうやら向こうも正念場みたいだな。――行くか」
「...あ、ちょっ!私達も行くわよ!」
「...あの神力、まさか...!」
「...あの屋敷に居るのが
私を追うように三人も動き出したのを背後で感じる。妖夢を『白玉楼』の何処かに適当に寝かせて、友人―――影政の所に行かないとな。アイツなら下手は打たないと思うんだが...