Limbus Company in Hololive Lovers 作:塩素の音
「お、戦闘ステージだな!」
「いつものノリで殲滅とかすると普通に怒られそうね…」
「ま、まぁその辺はホロファンからヘイト買わないように調整されてるだろ!な!」
「管理人、扉を直すと言われましても難しいと思われます」
<いやそうは言っても引き受けちゃったものはしょうがないし、壊したの私たちだし…>
ウーティスの不安をよそに、私たちは廊下を進む。
囚人の多くが別世界の学校に興味津々のようだ。
まぁ私からしたら都市だって見知らぬものばかりだけど。
「管理人殿!あの教室は一体なんなのだろうか?」
「ちょ、勝手に覗いちゃだめじゃないですか!?」
ドンキがいつも通り…いや、いつも以上に興味を持って暴走している。それをシンクレアがいつも通りになだめる。
よく見る光景もまた、新しい場所だと違うように映るね。
「ダンテ〜、ちょっと見てみたっていいじゃない♪」
そういうロージャをよそに、囚人の何人かが引き剥がそうとする。
その時。
「うわぁぁぁ!?」
さっきまで見ていた教室の中から悲鳴が飛ぶ。
「確認する。」
ムルソーが中を見て、状況を把握する。
「…把握、内部の生徒が骸骨やゾンビに襲われている模様。」
<ムルソーありがとう。ファウスト、私たちは勝てそうか?>
「わかりません。ですが、ゾンビが感染するような様子は見られません。リスクは低いかと」
<了解、総員同期準備。あの屍たちを蹴散らすぞ。>
「「「承知!」」」
◇
<シンクレアは…本当にその人格でいいの?>
「はい。この場所なら…乗り越えられる気がしたんです。」
<そっか。無理しないでね。>
VS:アンデッド達 選択可能人格 5名
参加人格
ファウスト 南部セブン4課
ロージャ 南部ツヴァイ5課
ホンル K社3級摘出職
イサン 南部セブン6課
シンクレア 握らんとする者
<同期を開始する!>
戦闘開始だ。
まず相手はゾンビ5体。
攻撃がそれぞれファウストとシンクレアに集中している。
速度は…庇えるな。
<ファウスト、ゾンビBに『予測分析』。>
「爽やかに、速やかに。」
<イサンはEに『リポスト』だ。ファウストに向かっているからそれの気を引け。>
「かの動く屍を探求せり。」
<ロージャはAの対処で『牽制』、同じく気を引け。シンクレアに向かってるぞ。>
「制圧実施!」
<シンクレアはCを殺れ、丁度そっちに向かっている。『判断を止めた執行』を食らわせてやれ。>
「汚れ…いや慣れ果て?まぁいい、燃えろ!」
<そしてホンル。Dがイサンを狙っているがおそらく庇える。文字通り『侵入者遮断』だ。>
「ほーらほら、そっち行っちゃだめですよ〜?」
いつものように戦闘指揮を済ませると、囚人たちは一目散に生ける屍に向かって駆け出す。
ある者は斬り、ある者は穿ち、ある者は叩き、ある者は燃やし…
少し時間が経てばゾンビの一団は半分以下に減っていた。
「燃やして燃やして…なんかいつもより燃えやすい気がします」*1
<そりゃ義体に比べりゃそうだろうね。>
「あれ?おっかしいなぁ…この武器って生体組織に反応する筈なんだけど…」*2
<あー、ゾンビって生体かどうか怪しくない?>
「それもそうですね!」
「弱点なし、予測外の事なり…」*3
<でも全体的に動きがのろいから圧倒はできてるよ、大丈夫。>
「管理人、保護対象者は?」*4
<いやそれは建前で…あ、生徒さん!>
指揮に夢中で気にしてなかった。えっと…対応は…
<イシュ!生徒さんの対応頼んだ!>
「了解しました、管理人。」
イシュメールが生徒の方に駆け寄る。ちなみに同期なしの
「大丈夫ですか?」
「え、私!?シオンは全然問題ない!」
「それは良かっ…!?」
会話の途中にゾンビが乱入してくる。
イシュメールが庇おうと前に出ようとする…その瞬間。
「咲け!『ムラサキボルト』!」
イシュメールの眼前を紫電が駆ける。
「それは…一体?」
「あ、これ?魔法だよ魔法!シオンが開発した専用の魔法!」
「魔法…?驚きです。『魔法のような科学技術』と『魔法そのもの』はこうも違うものなのですね。」
「どういう意味?まぁとりあえずシオンは戦えるから安心して!」
シオンと名乗るその生徒は得意げに語る。
「わかりました。とりあえず元凶を止めるにはどうすればいいか知ってますか?」
「げっ…元はと言えばシオンのせいなんだけど、死霊術の放課後課外を受けてて、みんなが帰った後に先生に個別指導もらってたんだけど、途中から会議行っちゃって…」
「原因はいい、方法を頼みます!」
「えぇ…!?わ、わかったよ!」
シオンは話を遮られて不満そうに見える。
まぁ…この技(技?)を使ってみてと指導したのは先生なんだろうし、彼女自身はそこまで悪いわけじゃないんだろう。
でも今は言い訳を言える時間じゃないかな…
「アンデッド達が出てくるポータルみたいのがあるんだけど、なんかそれが暴走してて…ある程度出てくると出られなくなるみたい!」
「了解しました、とりあえず制圧すればいいですね。」
「そういう事!多分ボコれば戻せるようになるから!」
「わかりやすくて助かります。それでは管理人、指示を」
<了解!丁度今ラストウェーブだ!>
普通に倒せばいいと判断し、また指揮をとる。相手の数は…いや多っ!*5
流石にここまでの数は難しい…いや、この方法ならいけるか?
資源は…あるな。よし、行こう。
<総員、退け。ファウストは『水袋』、イサンは『狐雨』。全て押し流せ!>
「承知しました。」
「心と共に出づる。」
私の時計の針が廻り、罪悪が光となって二人に向かう。
光は二人を包むと、セブン協会の服はそれぞれ灰色に血袋をあしらったダイバースーツ(でいいのかな?)と狐の耳と尾の生えた雨合羽になった。
それと同時にファウストが持っていた剣は血の入った袋を摸した大きなハンマーに、イサンのは古ぼけた傘に変わる。
<頼んだ!>
イサンがこちらを背にして手を振りかぶる。瞬間、私たちの周囲に傘が落ちてくる。それと同時にファウストが飛び上がり、巨大なハンマーを頭上に振り上げた。
<みんな、傘を持って盾にしろ。こっちまで水が来るぞ。>
そう指示して二人の方を見る。
イサンは傘を差して、空を見上げた。
ファウストは宙から相手を見下ろした。
傘の漏れぬやと思う。
二人分の自我から溢れ出した感情の洪水は、生ける屍を洗い流して押し戻す。
傷が増えた教室に残ったのは、ただ立ち尽くす私たちと、壊れずともぐちゃぐちゃになった机と椅子、そして未だうごめくポータルだけだった。
──────────
「いや〜助かったよ!ありがとう!」
「当然のことである!」
シオンがこちらに礼を言って、ドンキがそれに反応する。
とりあえず早めに人格同期を解除する。
「何言ってんだ?まだ終わってないだろ。その…ポータル?が閉まってないぞ」
「あ、本当だ!」
ヒースクリフはやっぱりどこか鋭いところがあるね。
指摘されたシオンは何かを唱えると、ポータルは跡形もなくなった。
そういえばE.G.Oを使った時に出てきた水ももう見当たらないけど、あれはどういう仕組みなんだろうね?
「これで一件落着!で、えーっと…」
その後、私たちはシオンにここに来た経緯などを話す羽目になったのだった….
「ホロメン相手じゃなくて良かったぜ…」
「学園だと不用意に相手を傷つけられないからストーリーも大変そうね…」
「でも結局ホロラバだからホロメンとの戦闘もある気がするんだよな〜」
「そうなのよね〜」
「…あのプロムンの事だから心配になってきたぜ」
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えー、どうも塩素です。
続きました。もうどうにでもなれ。