気が付いたら幼稚園らしいけどここ暗くないか???   作:ぱんのみみ。

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 前回のあらすじ

 古い病院内を探索中。臨時の医者から治療を受け、協力の見返りにキーカードを入手した。追っ手が接近したものの、接触することなく別方向へ進み、難を逃れる。



78 Exhibit

 シリンジョンの像がある場所に到着した。

 巨大な銀色の彼を見上げるように、いくつもの長椅子がぐるりとその周りに並べられている。

 

 先ほどまで施錠されていた手前のガラス扉はすでに開いていた。……ロブスターっぽい回収部隊が通るときに押し開けられたのだろうか。

 

 しかし、さらに奥にあるクリニックの外に出られそうな扉は、まだ開きそうにない。すぐそばにカードスキャナーがあるので、どこかでスイッチを見つけて通電させれば、カードキーが使えそうだ。

 

 スイッチを探して左右にある小部屋も確認する。床に、報告書を発見した。

 『Case43 更新番号8』。通称は、『The Mushroom(キノコ)』だ。

 

 

 Case43の有する発光特性を最小限にするための取り組みが続けられている。以前記載された通り、この光は長時間暴露すると人間(子供を含む)を失明させる恐れがある。この特性は、Case43の幼少期には予見されていなかった。

 念のための確認ではあるが、Case43の菌類遺伝子情報には、(いくつかのキノコの種と異なり)本来発光する機能を持っていない。Case43の発光能力はその体に組み込まれたType5のCase5(発光部品)によって可能になっている。これにより口部分から光を発することができる。

 Case43の身体構造は複雑であるため、Type5のCase5を直接改修すれば、容易に致命的な結果を招くだろう。作業中にCase43が発光した場合、作業員が失明するリスクもある。

 Case43の扱いは、困難を極めている。このCase43の苦境を解決するため、我々は更なる時間を必要としている。しかし、当然として最終的な判断は経営陣の意向に従う。

 

 Caseは発表の準備ができていない。

 

 

 ……これはおそらく、過去の幼稚園施設で出会ったあの子、『トリュフトゥート』の報告書だ……。体が光る特技のあった彼は、成長とともにその光が強くなりすぎていったらしい。彼の体の中の発光器官は、複雑さと事故の危険から迂闊に手を出せず、研究者たちも解決法を探っていたようだ。

 抱えてもらうのが好きだったトリュフトゥートの様子を思い出す。……光が強くなりすぎた彼は……あの後、誰かに抱きしめてもらえなくなってしまったのだろうか……。

 

 報告書をポケットにしまいつつ……私はもう1つ拾った物を見つめた。

 

 別の場所で見つけた、患者モジュールだ。

 中身を知るには、道を戻らなければならない、が。

 

 ……うーん……気に、なる……。

 モジュールの中を知れる機械がこの先にあるかはわからないし、これに重要な情報が入っていたらと思うと一応アシスタントに話を聞いておきたい……。

 追っ手のことは気になるが、あのロブスターのような回収部隊は臨時ドクターたちを”安全な場所に送る”と駅の方へ行った。そうそう引き返しては、来ないはず……。

 ――――……よし。追っ手がやってくる前に済ませよう。

 私は来た道を足早に引き返した。

 

 

 

 

『ハァイ、先ほどぶりデス!―――おや、今度こそ治療を受けられたようデスね。なんだか治りすぎているような気がしなくもないですが、ともかく良かった!』

 

 変わらぬ明るい声で出迎えてくれたアシスタントは、画面の中でウインクをした。

 

『そしてご用件はやっぱり患者モジュールですね?少々お待ちを!』

 

 読み込み中の文字がしばらく表示される。やがて現れたのは……見覚えのある青い人型のシルエット。

 

『このモジュールはCase6Cについてのものデスね』

 

 ―――“ぼく”に関する情報だ。聞き漏らさないように、声に集中する。

 

『ほとんどのエントリは欠落したり破損したりしていマスが、読み取れる情報についてご説明しまショウ!』

 

 アシスタントの声が続く。

 

『時期については不明ですが、Case6Cの粘土の体は最初のDNA注入のためにこのクリニックに運び込まれマシタ。そのDNAは、以前に失敗した事例…つまりオリジナルのCase6のDNAを改良したもののようデス』

 

 画面には、Case6であるバンバンとCase6Cである“ぼく”のシルエットが並んで表示されている。2者の元のDNAは同じだったということだ。

 

『また、理論上ではありますが、Case6Dについても言及されていマス』

 

 青いシルエットの横に、一回り大きな同色のシルエットが並ぶ。

 

『これは6Cの変異型で、理論的には発現する可能性があったものの、実際に観察はされてはいないようデス。一部の担当者の報告では6Dとは別種の変異存在にも言及されていますが……こちらは消失した可能性が高いようデスね』

 

 Case6が狂暴化した姿を6Bと呼んでいたのだから、ここでいう『6D』は6Cの狂暴化した姿のことだろうか。“ぼく”も恐怖や怒りによってああなる可能性が……あるかもしれない……?

 6Dとは別種の変異存在についても気にはなる。しかし、消失した可能性が高い……一部の担当者の報告……微妙に覚えがあるようなないような……――あ、もしかしてそれ”ぼく”に居候してた時の”わたし”のことだったりするか???

 

 考え込む私をよそに、画面に映し出されたビターギグルが不思議そうな表情をしている。

 

『このモジュールへのエントリは、非常に不自然に途切れていマス。うーん……奇妙デスね……』

 

 それは例の事件後“ぼく”が見つからなかったためだと思うが、モジュールの方には研究が打ち切られただろう理由は記載されていないようだ。

 

『マァ、ともかく!』

 

 ぱっとアシスタントの彼の表情と声は明るくなった。

 

『このクリニックから搬出されていないモジュールをすべて見つけたようデスね。貴方の知識欲には驚かされマスよ!』

 

 ……現在追われている身であるくせにここへ戻ってきた私は、首をすくめた。アシスタントにその意図はないのだろうが、耳に痛い指摘だ。とはいえ、今聞けた情報は重要だったので甲斐はあっただろう。

 

 私は、愉快そうなアシスタントにお礼と別れを告げ、足早に裏口に向かった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 キーカードを使って扉を開け、クリニックを出る。

 

 その先は……暗い通路だ。街灯が光っているが、あまり先は見通せない。道なりに、細い路地に入る……。

 

 トタンで囲われた路地には、古いベッドやらテーブルやらが無造作に置かれていた。本当に裏道といった様相だ。打ち捨てられている荷物の間を縫うように歩いていく。

 

 壁にはところどころ張り紙があった。篝火で照らされたそれらは自然と目につく。

 

『貴方は街のために何を成した?』の文字と、市民がこちらを指さしているイラストのポスター。

『彼は見て、聞いて、観察して、知っている』。こちらを見るシリンジョンの顔のポスター。目力が強い。

『貴方は理解しなくていい。彼がすでにやる』。市民を見下ろすシリンジョンのイラスト。

 

 どれもこれも圧がある。シリンジョンの政治姿勢をひしひしと感じさせる仕上がりだ。

 プロパガンダみがあるそれらを通り過ぎ、進んでいく。角を曲がった先、目線を上げると、遠くに見知った影が見えた。ゾルフィウスだ。こんにちは。遠すぎて向こうが私を視認しているかは怪しい。灰色の彼は、ゆっくり揺れている。

 さらに進むとトランプカードが並んだ机を発見した。ティーセットや飴も置いてあるので、市民が休憩していたのだろうか。片づけられていない様子を見るに、まだ案外近くにいるかもしれない。トラブルを避けるために、なるべく市民に姿は見られたくないところだ……。

 

 考えている先から、通路の向こうで声が聞こえた。

 耳を澄ませて、音のする方をそうっとのぞき込む。

 曲がり角の突き当りに、市民が2名いる。なにやら立ち話をしている様子……。

 

「――父さんが偉くなったらこんなことになるって想像できた?」

「いいや?カオスだな。あの人間にどんな価値があるっていうんだ?」

「人間ってペロペロキャンディーでできてるらしいよ。だから父さんは独り占めしたいんだって。……本当かどうか知らないけど」

 

 眉唾のガセネタが横行している。シリンジョンのパブリックイメージが迷子だ。

 

「本当か知らないって、どっちが?人間がペロペロキャンディーでできてる話か?それとも人間を捕まえたい理由?」

「両方さ」

 

 ……市民が事情に詳しくないのは、情報統制かはたまた手が回っていないのか……。ペロペロキャンディー愛好家のシリンジョンと、先ほどのポスターの独裁者のシリンジョンの姿を思い浮かべつつ、私は見つからないよう静かに彼らとは反対方向へ進んだ。

 

 トタンで囲われた細い道をいくらか歩いて、とうとう、キーカードを使うタイプの青い扉を発見した。ここが、シリンジョンのオフィスのある塔の裏口だろうか?

 

 扉を開けてすぐの部屋に、大きなシリンジョン像を発見。ここが彼の所有する塔であることに間違いはないようだ。街の決まりに則って、軽く頭を下げておく。

 進むと長い廊下にたどり着いた。赤い絨毯が敷かれているが、大きくしわが寄って乱れている。整えられていないということは、このあたりは管理者にあまり顧みられていないようだ……。

 通路の端で、落ちていた紙を発見。拾い上げて見てみる。

『Case43 更新番号17』。先ほども見たトリュフトゥートについての報告書だ。

 

 

 Case43において、その菌類由来の遺伝子情報によって受け継がれたと考えられる、危惧すべき現象が確認され始めた。

 それは、胞子の放出である。

 Case43は、自身の意思で口から大量の胞子を放出する能力を示している。しかし、これが純粋な防衛機構であると考えられる強い根拠がある。それは、この胞子放出が、Case43が苦痛や危機を感じた際にのみ行われている点だ。

 当該胞子のサンプルを採取し、さらなる研究のために培養を行った。Case43の胞子と、それによって生じる植物体は、正式に「Case43B」という名称が登録された。

 Case43には、発光と胞子放出を同時に行う能力があることも観察されている。

 今後も観察を継続する。

 Caseは、発表の準備ができていない。

 

 

 トリュフトゥートには、胞子を振り撒く能力もあったようだ。その胞子は植物体に成長するようだが、それが確認されているということは、少なくとも彼は苦痛や危機を感じる環境にいたということだ……。

 ……腕の中で嬉しそうに声を出していたあの子を思い出す……。

 

 ……。

 頭を振って、私は報告書をしまった。立ち止まってもいられない。進もう。

 

 

 

 エレベーターを上がると、先ほどより小綺麗な廊下に到着した。

 左右の壁には絵画が飾られている。それぞれ作品名が書かれた小さなプレートが付いていた。

『Hot Summer Beach(真夏のビーチ)』。

 バンバンファミリーと、青い海と砂浜の絵。

『Price of Greatness(栄光の代償)』。

 シリンジョンの絵。正面を向いた彼の右目側は擦れたようなタッチで描かれている。絵の左側には同じようなタッチで暖色のものが描かれているが…何を表現しているのだろうか?彼の顔に何かが飛び込むような、あるいは飛び出すような印象を受ける。

『Double Life(二重生活)』。

 シリンジョンとダダドゥー卿が、トランプを楽しんでいる絵。……彼らは笑っているが、シリンジョンの片顔は影が入っている。ダダドゥー卿からは見えない角度で、涙を流しているようにも、見える……。

 

 どの作品にも『ブラシスタ』と作者の名前がある。

 

 扉を開けた次の廊下にも、同様に絵画が飾られていた。

 

『Dysfunctional(機能不全)』。

 今までより幾何学的な形が組み合わさっているが、王国のメンバーを表しているようだ。右側の手前から、ビターギグル、シェリフ、シリンジョン、ダダドゥー卿、女王、そして左端の黄色が、ブラシスタだろうか。

『Throne Father(玉座の父)』。

 シリンジョンが玉座に座っている絵だ。地にいる市民はかなり小さく描かれていてシリンジョンを見上げる構図になっている。

『Reflected Paths(映し出された道)』。

 ベッドに横になるスティンガーフリンの白黒の絵だ。彼の瞳は開かれている。近くにいくつも浮かぶ気泡のような物の中、ひときわ大きな一つにシリンジョンのシルエットが映っていた。浮かぶようなあるいは落下するような、横倒しのその姿は……何かの暗示のようにも思える。

『Beneath the Surface(表面下)』。

 宮廷の人物画と言った様相の絵画だ。玉座の女王とすぐそばにいるダダドゥー卿。周囲には他の王国メンバーが居る……。

 

 ――どの作品にも奇妙に訴えかけられているような雰囲気を感じて、私は絵画をじっと見つめた。

 

 それは静かな非難のような。何かの暗示のような、あるいは皮肉のような……?

 

 作者はブラシスタで、ここはシリンジョンの場所だ。ブラシスタはどんな意図でこれを描いたのだろうか。勝手な印象ではあるが、シリンジョンが芸術鑑賞に好んで時間を割くようには思われない。実務的な外科医である彼は、ただ単に美術作品の1つとして自分のオフィスにこれを飾っているだけなのだろうか…?

 

 思わず考え込みながら進んでいると、突き当りの扉にたどり着いた。

 

 キーカードを使うタイプの、見慣れた扉だ。

 

 扉が開く―――目に飛び込んできた景色と聞こえた声に、私は目を瞬かせた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「……わぁ、“わたし”!?助けて、これを外して!」

 

 

「“ぼく”!一体なにが?」

 

 私は、部屋の中央の“ぼく”に駆け寄って問いかけた。

 機械に拘束されて横たわっている彼は、じたばたしながら口を開く。

 

「ぼく……ぼく、シックスと一緒にフォースと会って、それからちゃんと『ぼくはウスマンの仲間だよ』って言ったんだ!」

 

 慌てた様子の“ぼく”が言う。

 

 話を聞きつつ、何とか彼を開放するため周りを探る。

 体を押さえつけている銀色のアームは、私の力ではびくともしない。”ぼく”を拘束しているベッドの周りには、スイッチらしきものも見当たらない……。

 

 続いて部屋全体を見回す。

 それほど広くない部屋だ。扉は2つあるが、使える出口は背後の一つだけ。ただ、部屋の奥には深い縦穴を見下ろすバルコニーがある。バルコニーからゾルフィウスの顔が見えているので、会釈をした。返事のようにゆっくり揺れた彼の体は下に続いているが、その先は底の見えない暗闇が口を開けている。飛び降りればただでは済まないだろう。

 

「……フォースは『そうか』って言って、それから『ではここに座ってくれ』って……。それで、それで……」

 

 安心してもらえるように“ぼく”の話を聞きつつ頷き、待っていてほしいと手で示して場を離れる。

 壁際にはいくつもの作品展示台らしき物が並んでいる。手術室というより展示室やギャラリーのような様相だ。

 

「……フォースは『貴様の裏人格は今いないのか』ってぼくに聞いたんだ。ぼく、あぁ“わたし”のことだって思って、『もうぼくの中にはいないよ』って答えて、そしたらフォースは『そうか』って言ってボタンを押して……」

 

 並べられた台に置かれている物には、どれも見覚えがあった。鑑賞している暇はないが、”ぼく”の拘束を外す手がかりがないかあちこち触りながら確認するうちに、タイトルが嫌でも目に入る。

 欠けた王杓は『Love Control(愛の制御)』、突き立った短剣は『Painful Memories(痛みの記憶)』、ボウリングピンは『Meanie of the Yard(ヤードの嫌われ者)』、リモコン2.0は『Double Power(2つの力)』、ドローンは『Flying Companion(空飛ぶ相棒)』……。床に落ちていた報告書っぽい紙は、ざっと見てヒントになりそうもないとポケットにつっこむ。後だ。

 ようやく近くの壁にカードリーダーを発見した。キーカードを使う―――と、展示台の一つが動き出した!

 台の裏に隠されていたスイッチを見つける。慌てた様子の“ぼく”の声は大きくなっていく。

 

「……そしたらなんだかあっという間に縛られて、こうなった!ぼくの目を取るって!」

 

 目を取る!不穏な発言だ。しかし、”ぼく”の話を聞く限り、つまり……。

 

「……よく分からないまま手術されそうになっていたということで、あっている?」

「そう!!!」

 

 シリンジョンはそういうことをするひとでは……あるな……。そっかぁ……。

 私自身も改造されそうになっていたことを思い出したが頭を振る。ひとまず救出が最優先だ。

 

 スイッチに反応してなにか起動した音がするが、“ぼく”の拘束はまだ外れない。

 反対の壁に目を向ける。同様に並んでいる展示台を一つ一つ見て、隠されたスイッチがないか探す。

 緑のトラッカー首輪『Silverback Seeker(シルバーバックの探し手)』、目玉のついたピンクのバケツ『A Sherif’s Adversary(保安官の敵対者)』、王冠『The Boundless Matriarch(永遠の女王)』、バンバンとバンバリーナが手を取る金の像『Never Meant to Be(そんな運命ではなかった)』……の展示台が動いている。

 ……。あった、隠しスイッチだ。

 

 私は新しく出てきたスイッチを起動した。音が鳴って、”ぼく”の拘束が外れていく。

 

「怪我はない?どこか痛みは?」

「ない!ありがとう“わたし”!!あの、あのね、シックスはフォースと話をするからって言って向こうに行っちゃった!ぼく、ど、どうなっちゃうの??」

 

 “ぼく”へ返事をする前、私が入ってきた扉から誰かが駆け込んできた。

 視線を向けた先に居たのは……。

 

「――――ウスマン!」

 

 私と“ぼく”を見てやや動きを止めた彼は、急いた様子で扉を閉めると大真面目な顔で言った。

 

 

「やぁ。良いニュースと悪いニュースとどうしようもないニュースがある」

 

 

 悪い予感しかしない。

 

「……もう結構予想がついたけど初めから全部教えてほしい…!」

 

「OK、良いニュースから行こう。外科医との意思確認の結果、君たちの命は保証された」

「思ったより良いニュースだったな。――いや、命”は”と言った?」

「続いて悪いニュースだ。外科医は君たちに先入観があるようだ。僕がどれだけ君たちが友好的で協力的で優れた人材だと評価を伝えても、彼は聞かなかった。特に青い君が模範的なマスコットであると言えば言うほど、彼の機嫌は悪くなる一方だった。つまり説得は成功していない」

「今のが悪いニュースなのシックス?じゃあどうしようもないニュースって何?」

 

 “ぼく”の疑問に、ウスマンは変わらぬ表情のまま、言った。

 

「隠れる場所がほぼないどん詰まりのこの部屋に、もう間もなく外科医が来るってことだ」

 

 

 言い終わるか否か――ウスマンの背後の扉が開かれて、紅い体の外科医が、姿を現した。

 




P1:知的好奇心は強い方。猶予があったらもう少し立ち止まって作品群を見ていた。
*進め。道は決まっている

青い声の主:なぜこんな目にあっているのか混乱している。

赤い声の主:思っていたより説得に対する外科医の拒絶が強かったので疑問符を浮かべている。急いで帰ってきたら外科医に見せたくない状況になっていた。可能な情報共有を試みた。
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